変な日本語

 「最近の若者の言葉づかいは…」なんて気になるようになったら、もう年寄りの始まりだろうね。何でも自分が、あるいは自分の世代の価値観が正しいと思うようになった証拠だもん。
 若ぶるつもりはないけど、若者の言葉づかいについて、オレは全然気にならない。むしろ、あっ、そういう言い方があるんだ、と関心を持つ。自分で使うことはないけど、若い人の使う斬新な表現については、今のところ、批判よりも興味の対象だ。
 でも、これがビジネスの場面だと、絶対許せない。だってそうでしょ。契約書の文言をひとつでも間違えたら、大損することがあるんだから。あとから「こういうふうに理解してよ」なんて甘えは許されない。
 この間も近くのローソンで買い物してたら、変な掲示があった。いわく、「釣り銭がないので、1万円でのお支払いはご遠慮します」だって。それを言いたけりゃ、「ご遠慮ください」だろうが。自分が遠慮してどうするんだよ。
 ふざけて、バイトの男の子に(女の子だったら、絶対からかわない)、「この文、変だね」と言ったら、キョトンとしてる。本人が書いたものじゃないらしい。じゃあ、彼の責任ではなく、店長あたりが書いたんだろう。
 「こういうときはさあ、『ご遠慮申し上げます』って書くんだよ」って冗談ぽくいっても、まだ気づかない。彼、横のマジックをとって、そのように修正してやんの。
 あとで責任者が見たら、どう思うだろうな。からかわれた、と思ってもらえれば上出来だけど、結構、「うん、当然それが正しい言い方だよ。お前も気をつけろよ」なんて責任を下っ端に押しつけるかもね。そうなると、もう処置なしだ。
 お客にからかわれているうちは、大損することはないんだから、まあいいか。

日本語を使えない日本人は、大いにからかってやろう。

ミッチャンのエセエッセー                        by 竹下光彦

(C) 2004 by Mitsuhiko Takeshita