男女間に友情は成立するか?

 恋愛感情抜きで、男女が友人として、あるいはビジネスパートナーとしてやっていけるものだろうか? この問題は、いろいろなところで取りざたされる。
 結論から言えば、できるね。そういう例はいっぱいあるもの。ただし、とてもむずかしい。特に若い人同士の場合は。
 恋愛感情を持った男女は、長距離列車の座席のように、向かい合って見つめ合う形になる。向かい合えば、どうしてもお互いのことだけに意識がいってしまう。だから、いったん感情が爆発すると、コントロールが効かなくなる。とても仕事なんかにやっていられない。
 それに対し、友人とかビジネスパートナーとしてのつきあいなら、車のフロントシートのように、両者が隣に座っても、それぞれが前を見つめる形になる。自分の興味・関心は、フロントガラスの先にあるわけ。お互いがそれぞれの展望をもって、前を見ていれば、話を交わすことはできても、フィジカルな接触などできない。
 だから、男女間で友情が成立するとすれば、お互いが恋愛感情以上に強烈な目的意識を持って、支え合う形を取らなければならない。よほどの使命感や夢を持たなければ、続かない。向かい合っちゃダメなんだ。
 男女で仕事を始めると、いつの間にか、フロントシート型でも列車型でもなく、「タクシー型」になっちゃってる。運転はどちらかにませて、片方は後ろの席で寝てるか、ただ指示を出すだけ。これじゃあ、夢を育てるどころではない。破綻するのは時間の問題だ。
 理想的な形は、運転する人の横で、片方がしっかりナビゲータを務めるスタイルだ。「この先300メートルを右折ね」って、教えてくれれば、初めての道でも、余裕を持って運転できる。お互いの目的地にスムースに到着できる。ひとりでドライブするより、ふたりのほうが楽しいだろう。
 でも、男の本音を言えば、異性として意識できないような女性とは、友だちにもなりたくないな。都合のいいときだけ「女性」を持ち出されるんじゃ、たまらないもん。お互いが相手の弱点を知っていると同時に、「男として」、「女として」素敵な部分を持っているからこそ、友人にもなれるんだよ。
 だから、「あなたとは、いいお友だちでいたいの」という、「さようなら」の婉曲表現は、「あんたとは友だちにもなれないよ」の意味と解釈してかまわない。
 こういう言葉を何度となく浴びせられながら、男は成長していくのです。

性差を抜きにして、男女が友人としてやっていけるものだろうか

(C) 2005 by Mitsuhiko Takeshita

ミッチャンのエセエッセー                      by 竹下光彦