ダメンズ改造法

 「私って、どうして男運が悪いのかしら」って嘆く女性が多い。ダメンズ、つまりダメ男ばっかり好きになってしまう「ダメンズウォーカー」だというのだ。 ダメ男の典型は、昔から「働かない(カネがない)、愛想がない(つきあいベタ)、甘えん坊(マザコン)」男と相場が決まっている。
 そんなダメ男なら、最初からつきあわなければいいじゃないかと思うけど、そういう男が、意外と女にもてるんだ。女性から見ると、「私がいてあげなければだめなの」って勝手に思いこんじゃうタイプなわけ。
 むかし、俳優の火野正平がやたら女にもてるので話題になった。彼も、男から見れば、もてるタイプではないはず。でも母性本能をくすぐる男なんだろうね。だめな要素がすべて「やさしさ」に見えてしまうところが、怖い。
 でも、そんな男を好きになっちゃうのなら、要するに男を見る眼がないんだから、半分は女の責任ということになる。それを被害者みたいに嘆いてるなら、いつまでたってもいい男に巡りあえるわけがない。
 ダメ男を好きになったのは、自分なんだよ。品物でいえば、見る眼がなくて欠陥商品をつかまされたわけ。すぐ返品するか、自分で修理するしかない。メーカーの責任ばっかり追及しても始まらない。保証期間が過ぎてたりするんだから。
 オレに言わせれば、ダメンズを改造するにはものすごい手間がかかる。だって、そういう男が一朝一夕にできあがったわけではないんだから。何十年もかかってそうなった以上、それを直すにも相当の年月が必要になる。半端な愛情くらいで簡単に直るもんか。相手は筋金入りだよ。
 どうしても直して使いたいのなら、悪い部分をひとつひとつ自覚させていくしかない。教育の基本原理と同じ。山本五十六という人が言った、「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」を実行するの。人の性格を変えようというのだから、ものすごい根気がいる。理想の性格に変わったときは、相手も自分もボケちゃってて、もうどうでもよくなったりしたりして。
 だから、改造の余地があるかどうかを見極めるポイントを教えよう。まず、相手に悪い点を指摘したとき、猛反発してくるなら、まだ見込みがある。痛いところを突かれたからこそ、反発するわけ。本人が自覚していることになる。
 相手のよくない所を指摘したとき、「うん、そうだね」なんてへらへらしてるヤツは、ほとんど改造の見込みがない。処置なし。さっさと処分しよう。
 人を教育するとき、愛情という要素は不可欠だけど、愛情だけですべて解決できるわけではない。本人の気づき、つまり自覚がいちばん大切なんだ。「変わらなければいけない」と気づいたとき、放っておいても人は変わっていく。
 変わろうとするきっかけは、強い感動以外にない。何の感動もない、平々凡々という暮らしを続けていくなら、変わるきっかけさえつかめない。だから、ダメ男を改造する気なら、まずアンタ自身が事なかれ主義の小市民的発想から抜け出すべきなんだよ。

なぜダメ男ばかり好きになってしまうのか?その処方箋は?

ミッチャンのエセエッセー                      by 竹下光彦

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