第4の反論パターン

  自分の考えや価値観に反することを批判されたり、攻撃されたとき、それに対して反論するパターンは次の3つになるといわれている。
 (1) 完全に否定する。
 そんなことはないと、真っ向から否定する。あるいは実例を挙げて相手の誤りを指摘する。
 (2) 相手にも同様の非があることを告げる
 「お前だってそうじゃないか」と、ほこ先をかわすパターン。
 (3) 攻撃や批判そのものを無視する。
 ノーコメントとして、否定も肯定もしない。政治家がよく使う。
 他人が自分を非難したとき、アンタだったらどのパターンで反撃する?
 (1) のように完全に否定すれば、相手もまた新たな事実をあげて攻撃してくるだろう。つまり、全面戦争に突入。
 (2) のように、カウンター攻撃、つまり相手と差し違える戦法は、自分の非を認めた上でのことになる。自爆テロみたいなもの。
 (3) のようにシカトするのは、おうおうにしてYesの意味に取られる。都合の悪いことがあるからこそ黙っているのだろうと、とられる。
 つまり、以上の3つとも、反撃の方法としては得策ではないことになる。
 では、どうしたらよいだろう?
 おれがよく使うパターンは、第4のパターン。「ふーん、アンタにはそう見えるんだ」と受け流す方法。相手の主張することをとりあえず受け入れ、自分が本当に意味することとは違いがあることを確認するの。これなら、相手も自分も傷つかない。相手の意見を否定したわけでもないし、こちらの意見を押しつけたわけでもない。
 「朝までテレビ」なんかの討論を見ていると、相手の主張と自分の考えが違うとき、とにかく相手を言い伏せてやろうという人が多い。だから、次第に怒鳴り合いになり、単なる非難・中傷合戦になってしまう。それでは何の進展もない。
 「なるほど、あなたの考えはこういうことですね。私とはこの点において違うのですね」という態度で問題点を絞っていけば、建設的な討論ができる。オレの意見は常に正しい。だから黙って聞け、という態度では、だれも聞く耳を持たない。
 田原聡一郎がよく人差し指を立てて「いいか…」なんてエラそうにしゃべってるけど、こういう人を見ると、実に失礼なやつだと思う。論理的に相手を撃破したとしても、心理的には敗北だよ。相手は納得しっこない。
 だれにも思い違いはあるし、理解が未熟なための思いこみもある。でも、それを全面否定したら、相手は何も話さなくなるだけ。「なーるほどねー。あなたにはそう思えちゃんだ。どうしてだろうな〜」と、いったん受け入れてあげれば、相手も考え直すきっかけがつかめる。
 大切なことは、ふたりの間に考えの違いがあることをお互いに認め、それを尊重することなんだ。違うことは、いいことなんだよ。何でもフンフンって聞いてるだけなら、ロボットでもできる。でもそれじゃあ、何の進歩もないじゃないか。
 第4の話法はすごく有効だから、今日からさっそく試してちょうだい。

人を傷つけることなく、スマートに反論する方法は、これだ!

(C) 2005 by Mitsuhiko Takeshita

ミッチャンのエセエッセー                      by 竹下光彦