合気道のすすめ

 「「勇俊」って、誰だかわかる?一発で読めたら、相当のファンだろうな。これは、『冬のソナタ』で一躍有名になった韓国の俳優、ペ・ヨンジュンの漢字名。彼が合気道をやっていたことを知っていれば、なお熱烈なファンに違いない。
 女優の由美かおるが合気道4段なのは有名だが、彼女のプロポーションが18歳の時から変わらないというのも、呼吸法合気道の稽古のたまものだろう。彼女の師である西野皓三さんも、とてもあの歳には見えない。
 こんなふうに、有名人で合気道の愛好家は多い。医者でも合気道をやっている人がたくさんいる。一般のイメージと違って、非常に合理的、科学的な武道だからだ。
 オレも50歳を過ぎてから合気道を始めたけど、始めてからは健康診断の検査値がすべてよくなっただけでなく、見た目もどんどん若返っていると人から言われる。オレの肉体年齢は、50歳から逆に回り始めたようだ。
 この間は連続4時間稽古したけど、まったく疲れを感じなかった。逆に1日でも稽古しない日があると、体がなまった感じがする。最初のころは1時間やっただけで、全身が痛み、たいへんだった。
 合気道は、他の攻撃的な武道と違って、基本はすべて防御。こちらから攻めるワザはひとつもない。しかも空手や柔道と違って、相手が短刀や木刀などの武器を使って攻撃してくることまで想定しているから、かなり多彩なワザを覚えなければならない。だから、とても奥が深くておもしろい。
 たいていの武道は、相手を打ちのめし、傷つける「殺法」だけど、合気道は相手を生かし、傷つけない「活法」。そのわざは、攻撃してくる相手の力をそのまま使うから、「そんなことしちゃ、ダメでしょ。あなたのしようとしていることは、こういうことですよ」と教え諭す、「いさめ」の武道ともいえる。本来、武士道とは、やたらに攻撃的なものではない。
 女性の場合は、護身術としても役立つが、とにかく関節が柔らかくなるので、美容にはこれ以上の武道はない。老化は関節から始まると言われているからね。
 本部道場では1日延べ3百人くらいの人が稽古しているが、2割が女性、1割が外国人だ。日によっては外国人が3割くらいのこともある。合気道のためだけに来日し、道場の近くに寄宿して毎日稽古している人もいる。
 こういう人たちを見ていると、外国人が日本の伝統的な武道の中に何かを発見しようとしているのに、大部分の日本人は外国の文化ばかり追い求めて、足元の宝物を見落としているように思える。
 合気道は、単なる武道ではなく、精神力を磨くことを大きな目標としているから、その稽古を通じて得るものは少なくない。毎回、発見の連続だ。
 合気道で気力、体力、胆力を養っておけば、いざというときや困難な情況に接しても、自分を見失わず、冷静に対処できるようになれる。力を必要としないから、子どもから老人まで、男女まったく平等に、一生涯稽古できるのも魅力。絶対おすすめの武道だよ。



武士道を理解する近道でもある。

ミッチャンのエセエッセー                      by 竹下光彦

(C) 2004 by Mitsuhiko Takeshita