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| No.1 検証 | |
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リペアの依頼を受けたギターです。 物はTokaiのCat's Eye。 まだヘッドにTokaiのロゴや、サウンドホールから見えるラベルのなかった頃の物です。非常にレスポンスのいい、乾いたいい音がしています。現状のままで弾けないことはないですが、3弦のペグに不具合があるとのこと。 では、つぶさに見ていきましょう。 |
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ビンテージタイプのペグです。 確かにがたついています。何度か修理にトライしたのか、ねじ山も随分ヘタっています。 「旦那、これはビンテージタイプじゃなく、ビンテージそのものじゃあござんせんか」 「おお、言われてみれば、その通りじゃ」 |
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ペグを外してみました。 ビス穴もかなり緩々になっています。 |
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蓋を固定している爪を、そおっと起こして、中を見てみました。 このペグのがたつきは、かなり以前からあったようです。歯車がかなり磨り減っています。どうしましょう。直るのでしょうか。直らなければ、魔法の抽斗から、新しいペグを出してくればいいのです。 と、安易に考えていたのですが、ヘッドを良く見ると、つき板がかなり浮いてきています。ブッシュを抜くときに、つき板も道連れにしてしまいます。 |
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まずは蓋をし、起こした爪を元通りに折っておきましょう。 普通に元に戻しただけでは、がたついたままですので、枕を敷いて、ポンチで叩いておきます。 |
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表側から少し強めに叩くために、固定する台と局所的に叩く棒をエボニーの端材で作りました。 |
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ヘッドの裏です。 少しゆるいビス穴を埋めました。ペグも直りました。依頼された件は片付きましたが、これで返したのでは、面白みも何もありません。もう少し手の加えられるところはないか見ていきましょう。 |
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そりゃあこれだけの年数が経っていれば、こんな所も欠けるでしょう。 |
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うーん。 やる気が出てきますねえ。 「おっ、意外でやんすなあ」 「半七、このギターはなかなか良いのう。つくりの丁寧さはため息が出るほどじゃ。訳の分からんのが続いておったから、久しぶりにいい気分じゃ」 |
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見事なクラックです。 幸いなことに塗装だけで、木部には達していません。 |
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この指板には驚き、笑ってしまいました。 弾き込まれ、磨り減っていると言うよりは、かなりへこんでいます。オーナーは武蔵丸のような人なのかもしれません。 いえいえ、このギターのオーナーは、Jama- Bandという関西のライブハウスでは有名なバンドのドラマーの方です。ギターの腕も確かなものです。不思議なことに、これだけ指板をへこませているのに、ピックガードはほとんど無傷です。 私にはハードルの高いリペアになりますが、このギターに触れていると、とにかく楽しい。マーチンのコピーですが、本家を超えてやろうという当時のギターメーカーの心意気のようなものが、感じられます。1桁も違う値段で、こんなものを作ってしまうのですからねえ。いやはや、恐れ入りました。 |