
鬼束 ちひろ 「インソムニア」(2001)
"月光"を聴いてから密かにマークしていた鬼束ちひろの1st.アルバム。あたしは普段からHR/HMをメインに聴いているから、それと対極にあるような、ロックでもなんでもないこのアルバムをレビューするというのは、もしかしたら意外なことなのかもしれないけれど、実はHR/HMを聴き出すまでは、この系統の音楽をメインに聴いていたあたし的には意外でもなんでもないことなのでした。
さて、このアルバム、オープニングの"月光"から、非常に澄んだ、それでいて情念の迸る彼女のヴォーカルが堪能できる。この堂々とした歌いっぷり、とても二十歳そこそこの"女の子"の声だとは思えないくらい、胸に響いてくる。また、歌詞世界も独特で、"腐敗"とか""不愉快に冷たい壁"、"暴言は綺麗すぎて"、"愚かな汗"、"吐き気に潰れて"、"毒にまみれ"など、些か抽象的な歌詞が並ぶが、彼女曰く、歌詞が"降りて"くるということだから、いかにも"らしい"感じがする。
また、彼女にとって、メロディーはあくまでも二次的なものであって、歌詞が優先するとのことだが、いやいやどうして、メロディー・センスもかなりのものを持っている。全編に渡り、静か目な曲が多いものの、どれも曲の表情が豊かで、静かなる情熱が感じられるとでもいえばいいのだろうか。
先日TVで初めて彼女が歌う姿を目にしたのだが、何かに"憑かれた"ように歌うその姿に、完全に圧倒されたというのが正直な気持ち。これからがますます楽しみなミュージシャンだ。願わくば、日本の"芸能界的"な体質に染まることなく、独自の道を歩んでもらいたい。
ちなみに、アルバム・ジャケットにコカ・コーラがかなり登場しているが、彼女、大のコーラ好きだとか。余計なお世話ながら、あんまり身体に良くないから、少し控えた方がいいかもよ(^^)。
収録曲
1. 月光
2. イノセンス
3. BACK DOOR(album version)
4. edge
5. We can go
6. call
7. シャイン(album version)
8. Cage
9. 螺旋
10. 眩暈
11. 月光(album version)