レックスヒストリー 第3章
昭和61年11月−平成4年3月

新レックス登場!
昭和61年11月1日コンビ(バン)
昭和61年12月1日セダン
新レックス
フルモデルチェンジ。
「ビックキャビン&ストリームデザイン」と銘打ったデザインは、スペース効率と空力特性を徹底的に追求したショートノーズ・ビックキャビンのスタイル。

車高の伸長、ホイールベースの更なる延長などで生まれたキャビンは、軽クラストップの広さを誇った。
また強く傾斜したフロントガラス、エアダム効果を狙ったバンパー、ドリップレール(雨樋)廃止をはじめ段差を少なくするフラッシュサーフェス処理等々、当時よく謳われた空力特性向上の為の工夫が随所に見られる。

女性ユーザーを狙ったグレードとしてコンビvikiが登場、広告・販売戦略の中心とされた。
新しい展開としては商用コンビシリーズに、5ドア仕様が登場している。
スズキとダイハツは同様な商品を先発させており、対抗上設定したのだろう。

エンジンは標準型30馬力エンジンにくわえ、3バルブ化した36馬力エンジンを追加、上級車種に搭載した。
ターボエンジンは残念ながらライン落ち。

従来型5・4速MTに加え、ようやくトルクコンバーター式2速フルオートマチックを設定。(アイシン精機製)
4WDは旧型と同じパートタイム方式で、足回りも従来と同じ4輪ストラット方式。

細かいところでは全車ハロゲンランプ化、ラジオの電子チューナー化、メーター透過照明など、今では当然の装備のお目見えが始まっている。
但しラジアルタイヤの採用は一部グレードのみ、殆どのグレードが4輪ドラムブレーキ、手動チョーク装備と、旧来の色も濃く残っている。

レックス5ドアセダン ツインビスコフルタイム4WD追加
昭和62年2月23日
レックスフルタイム4WD
リアデフにビスカップリングを2個配置、フルタイム4WD化した。
ツインビスコ4WDは通常走行ではFFとして機能、雨天、雪道等滑りやすい状況になるとビスカスカップリングの機械作用により、後輪にも駆動力が振り分けられる仕組み。
ビスカスカップリングはLSD(リミテッド・スリップ・デフ)としての機能も備えており、空転による駆動不能を回避している。

従来型パートタイム4WDシリーズも残存、4WDは全車3バルブ36馬力エンジン搭載に変更。

レックスECVT追加
昭和62年7月1日
レックスECVT
昭和62年2月スバルジャスティでデビューした無段変速システム、ECVT(電子制御電磁クラッチ式無段変速システム)がレックスにも登場。
ECVTは特殊なベルトとプーリーの組み合わせにより変速するシステムで、ローからオーバードライブまで、全く変速ショックのない快適な走行が売物であった。

当時のライバルは、全てトルクコンバータの2段か3段変速であったから、スバル独自のこのシステムは大きな関心を集める。
しかしながらトルコンが大勢を占める市場では、クリープ現象がないのは不自然だとか、低速域でぎくしゃくするといった声が多く、せっかくの新技術もなかなか高評価とまではいかなかった印象がある。

主力機種の殆どにECVTを設定したが一部廉価グレードには2速ATを残している。

NEWレックス登場
昭和63年3月3日
レックススーパーチャージャー
モデルチェンジ以来消えていた、過給器付きスポーツモデルが復活。
他社ではアルトワークス、ミラターボTR−XXなどエアロパーツを装備したスポーツモデルが人気を呼んでおり、スバルも遅ればせながら参戦した格好となった。

しかしながら他社と同じターボチャージャーではなく、スーパーチャージャーを選んだのはスバルのコダワリか?
標準車に載る3バルブキャブ仕様エンジンをベースに、インタークーラーと過給器をプラス、キャブレターも電子制御燃料噴射装置に置き換えて55馬力を発生した。

タイムラグが生じるターボモデルと異なり、低速域から応える素早いレスポンスとトルクが特徴であった。
また屋根が開くオープントップを設定、フロント、サイド、リアと、四方をバリバリのエアロで固めあげ、専用アルミ、バケットシートなどで雰囲気を盛り上げた。

新レックス登場
平成元年6月10日
新レックス
この年4月より消費税の実施と物品税の廃止が施行。
従来有った軽商用車系の税的なメリットが消える。
それに伴い各社共戦略を変更、乗用車系に販売の主力を変更した。

スバルも歩調を合わせる形で新レックスシリーズを発表。
この度の改良では外装デザインが少々変更された他に、エンジンがクローバー4と名付けられた新開発4気筒エンジンに換装され、マツダキャロル以来という実に久々の軽4気筒車登場となった。もちろんクラス唯一の設定である。

当時他社は2気筒から3気筒にラインナップを変更済みで、スバルだけが2気筒エンジンで取り残された形となっていた。それだけに一足飛びに4気筒を採用した事で、大いに溜飲をさげたにちがいない。

4気筒化により標準車は38馬力、スーパーチャージャー車は61馬力へとアップ。
この時点で2速ATが消滅し、自動変速車は全てECVTに統一された。
また全車に前輪ディスクブレーキ採用、ラジアルタイヤ採用など地道な改良も施されている。

レックス660登場
平成2年2月26日
レックス660
レックスCM

軽自動車規格変更に伴いボディをワイド化、排気量を660ccに変更した新型を投入する。
直線基調のデザインを、当時流行の丸みを持ったデザインに変更。バンパー強化により安全性改善の他、内装・装備のグレードアップを実施、軽自動車でもフル装備が当然となったのはこの時期からか。
変速機は4速MTが消滅、5速MTとECVTに全車統一された。

エンジンはNAモデルにもインジェクション採用車種を増やし、燃費やECVTとの総合制御による性能向上を図った。馬力はインジェクション車とキャブ車でそれぞれ46馬力と42馬力を発生。
スーバーチャージャー車は業界自主規制枠いっぱいの64馬力にまで出力を向上、アルトワークスやミラターボに肩を並べるようになる。
長らく使われてきたバンの愛称「コンビ」がこの時点で廃止された。


当時好感度NO.1の山田邦子を登用しこんなテレビCMが流れていた。

こんどのーれっくすー いちにぃさんしー ろくろくまる
すばるのれっくすー にぃにぃさんしー よんきとう
やまだのーれっくすー さんにぃさんしー ろくろくまる
まんまーるがぉー した よんきとう れっくーすーにー しよぉー
れっくすにしょぉぉ!!(赤字・山田邦子のおたけび)

スバルヴィヴィオ登場
平成4年3月9日ヴィヴィオ

チャゲ・アスの軽快なCMソング、金髪のお姉ちゃん(パトリシアちゃま)が登場するCMと共に、レックスのフルモデルチェンジ版ヴィヴィオが登場。
愛称はVIVID(鮮やかな)から来ている。間違っても王様とかいう愛称を使ったり、好感度NO.1でもコメディアンをイメージキャラにしたりしないのである。キャッチフレーズは「SIMPLE RICH」で決して「ナウなヤングのハートにジャストミート」とかではないのである。

新しい時代を感じさせるヴィヴィオは、少々スペース効率を犠牲にしても、あくまでミニセダンとしての完成度を求めた。この点ヴィヴィオはレックスのパッケージングを否定した形となった、これも時代というべきか・・。

ともあれこの時をもってスバルレックスはその使命を終え、生産を終了したのである。

スバルレックス総生産台数。1,902,811台

まあ色々と、散々好き勝手に書き散らしましたが、やはりレックスはスバルの誇る名車であったと思います。
他社の動きや市場の流行に必要以上に惑わされた感もありますが、その小さなボディにスバルの良き伝統とこだわり、意欲に満ちた機構を満載し、最も変化が激しかった時代を乗り切ってきたモデルです。

愛称が消滅したのはなんとも残念な所ですが、あれだけモデルイメージが変わり、又メーカー側が別の商品イメージを期待していた状況下では、仕方なかったと言うところでしょうか。
またヴィヴィオは伝統の六連星バッジ(スバルマーク)を外して登場しましたが、この点からも当時の富士重工の考え方が見えてくるように思います。


某誌に紹介されていたエピソードで、スバルの営業担当者から開発担当者への要望で、曰く

「スバルの車が良いのは分かるが、それは結婚をしてから相手の良さが分かるようなもの。
それよりまず相手に是非結婚したいと思わせるような魅力がなくては・・・」

レックスやレオーネの姿を語る上で、実によく的をついた会話ですな。(笑)

あか抜けない土くさいイメージの車、でも私は何ともいえぬ懐かしさと親しみをこの車、スバルレックスに感じます。
さてさてちょびっとでもレックスに親しみを感じていただけたでしょうか?

第1章 第2章 第3章