27 近代天皇制国家について


【1】明治維新以降の日本
*そもそも国家権力(狭義の国家)とは
「第三権力」論
経済的に相争う二大階級の上に立って(見かけの上では)、社会全体の秩序を維持する権力。経済的に支配する階級は国家権力を握ることによって社会全体を支配する。
→経済的に支配する階級の意志と国家の意志とは相対的に区別する必要がある。つまり、食い違う論理的な可能性も(いわゆる「例外国家」:絶対主義、ボナパルティズム、ファシズム、スターリニズム)。

●経済的には…
版籍奉還・廃藩置県・地租改正・秩禄処分などによる旧封建領主的支配体制の解体
→資本主義の急速な発展(維新政府による上からの強い保護育成)。ブルジョアジーが経済的に支配する階級に。

●政治的には…
政治の中枢を担ったのは旧封建領主的支配層から出た藩閥維新官僚(ブルジョアジーの思想的代表ではない)。近代的なブルジョアジーのイデオロギー(自由・平等・博愛など)ではない、独特の絶対主義イデオロギーをもつ。


【2】明治憲法体制の特色
見た目はプロイセン流の専制的な立憲君主制だが…

*“天皇教”イデオロギー
 神道と儒教の独自の思想的融合。親への孝の道徳的必要性になぞらえて、日本民族の最高神格としての天皇(=天照大神の直系子孫)への国民の忠の道徳的必然性を説く。政治的観念と宗教的・道徳的観念が未分化のまま混在。
→他の宗教的・政治的イデオロギーを激しく禁圧し、排他的独占的に君臨。

したがって、法律、詔勅、勅命など、国家意志はすべて<天皇の意志>という建前。

天皇のもとに、枢密院、帝国議会、内閣諸省機関、陸海軍省と参謀本部・海軍軍令部などは、すべて天皇直属の機関として相互並存的に分立。


参考:
滝村隆一『アジア的国家と革命』(三一書房)
滝村隆一『国家論大綱』(勁草書房)