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生活保護制度

基づく法律:生活保護法(せいかつほごほう;昭和25年5月4日法律第144号)

 ここは生活保護制度に関する情報のページです。制度の目的、基本原則、扶助の種類や実施機関などの情報が載っています。また、参考情報として日本の救貧法の歴史を掲載しています。

〔生活保護制度とは〕


目 的
生活保護法 第1条より)
 日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する
すべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、
その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること。


基本理念
日本国憲法 第25条1より
 1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 
 2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の
   向上及び増進に努めなければならない。

この日本国憲法第25条は「生存権」の条文といわれています。

生存権は、人間が生まれつき持っている尊厳をもって生きる権利であり、
人たるに値する生活に必要な一定の待遇を要求する権利です。

この生存権が生活保護制度の基本理念となっています。


生活保護の原理と原則

生活保護の基本原理
 生活保護法に示された、生活保護制度の解釈及び運用の基本となる原理。

・ 1.国家責任による最低生活保障の原理
     憲法第25条に規定する生存権を実現するため、
     国がその責任において保護を行います。

・ 2.無差別平等の原理
     全ての国民は、法に定める要件を満たす限り、国籍や理由に関わらず
     無差別平等に保護を受けることができます。

・ 3.最低生活の原理
     健康で文化的な最低限度の生活を保障します。

・ 4.保護の補足性の原理
     利用し得る資産、能力その他あらゆるもの(他法や他施策も含む)を
     活用した後に保護が行われます。


生活保護の原則
 生活保護を実施するときに、守られるべき原則です。

 1.申請保護の原則    (生活保護法第7条)
    本人や扶養義務者、親族等による申請に基づいて保護が開始されます。

 2.基準及び程度の原則 (生活保護法第8条)
    厚生労働大臣の定める保護基準により測定した要保護者の需要を基とし、
    その不足分を補う程度の保護が行われます。

 3.必要即応の原則    (生活保護法第9条)
    個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して保護が行われます。。

 4.世帯単位の原則    (生活保護法第10条)
    世帯を単位として保護の要否及び程度が定められます。
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生活保護の実施機関

 生活保護の実施機関は、都道府県知事(福祉事務所を管理していない町村)、市長及び福祉事務所を管理する町村長です。

また、事務の執行は社会福祉主事が行い、民生委員が事務の執行に協力するものとされています。

 社会福祉主事:大学等で福祉系科目を3科目以上受講するなど、
           一定の要件を満たした公務員。

 民生委員   :民生委員法に基づき、各市町村の区域に置かれる民間奉仕者。

生活保護を担当する社会福祉主事は現業員(ケースワーカー)と呼称されます。

(現業員の配置基準)
社会福祉法第16条により、市部では被保護世帯80世帯に1人、町村部では65世帯に1人を配置することが定められています。

また、生活保護費は、国が3/4県と市町村が1/4を負担します。近年は2兆円を超えており、国の負担分はほぼ国債で購われています。
最低生活保障水準

 厚生労働大臣によって定められ、健康で文化的な最低限度の生活水準の尺度を示すものです。

保護基準によって最低生活費を計算し、そこから年金などの収入を差し引いた金額が保護費として支給されます。

この基準は一般国民の消費水準の動向などを踏まえて決定されます。実際に保障される生活保護基準は、被保護世帯の家族構成や世帯員の年齢(加算)、居住地(級地)などにより異なります。


級地制度
 級地制度は、生活保護法第8条第2項に基づき、地域における生活様式や物価差による生活水準の差を、生活保護基準に反映させることを目的とした制度です。

現行級地制度では、22.5%の格差を6区分(3級地6区分制)化し、地方自治体(市(区)町村)単位でそれぞれ級地区分を指定しています。

大都市の1級地ー1から、1級地ー2、2級地-1、2級地ー2、3級地ー1、3級地ー2まであります。

(平成20年度生活扶助基準の例)
東京都区部等 地方郡部等
標準3人世帯(33歳、29歳、4歳) 167,170円 130,680円
高齢者単身世帯(68歳) 80,820円 62,640円
高齢者夫婦世帯(68歳、65歳) 121,940円 94,500円
母子世帯(30歳、4歳、2歳) 166,160円 132,880円
>>保護基準                                ページの先頭へ
生活保護の申請

 生活保護費を受給するには、本人又は扶養義務者、親族による申請が必要です。

病気などで緊急を要する場合は、福祉事務所の職権による保護が行なわれることもあります。(職権保護)

申請の流れ
 1.申請書の提出
   地域の福祉事務所(市役所の生活保護担当課)へ生活保護申請書を
   提出します。

 2.訪問調査
   申請後、7日以内に聞き取りによる訪問調査が行なわれます。
   加えて、資産状況や病状の関係先への問い合わせや、親族に援助を
   お願いできないか等の調査が行なわれます。

 3.要否決定
   調査が終了後、原則として申請から14日以内(最長で30日以内)に
   保護の要否決定が行われます。

 4.給付開始
   指定した金融機関に毎月保護費が振り込まれます。
   保護適用後は、世帯の実態に応じて年2~12回の訪問調査が行われます。
   調査時には、就労の可能性のある人への就労指導も行われます。

   また、収入・資産等の届出が義務付けられ、定期的に課税台帳との照合が
   実施されます。
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8つの扶助

 生活保護は内容により、次の8種類の扶助で構成されています。
これらの扶助は要保護者の必要に応じて単給または併給されます。

これらの扶助は、要保護者の年齢、性別、健康状態等その個人または世帯の生活状況の相違を考慮した生活保護基準(標準世帯の6割)に沿って行われます。

これに加えて、老人や障害者、母子家庭等の事情に応じた生活扶助の基準生活費に対する8つの加算や、住宅改修、学費購入などへの一時給付が行われます。

また、扶助は原則として現金給付です。(医療扶助と介助扶助は現物給付)

 1.生活扶助
   生活困窮者が、衣食、その他日常生活の需要を満たすための扶助であり、
   飲食物費、光熱水費、移送費などが給付されます。

個人ごとの飲食や衣服・娯楽費等の費用(第一類)と、
世帯として消費する光熱費等(第二類)に分けて計算されます。

 2.教育扶助
   生活に困窮する家庭の児童が、義務教育を受けるのに必要な扶助で、
   教育費の需要の実態に応じて給付されます。

※平成17年度より高校就学費が生業扶助により給付されています。

 3.住宅扶助
   生活困窮者が、家賃、間代、地代等を支払う必要があるとき、及び
   その補修、その他住宅を維持する必要があるときに行われる扶助です。

※現在普及しつつあるユニット型特養、あるいは認知症対応型共同生活介護、
  特定施設入所者生活介護など、住環境に配慮された施設は利用料が割高
  なため入所することが出来ません。
 
 4.医療扶助
   生活困窮者が、怪我や病気で医療を必要とするときに行われる扶助です。
   原則として現物給付(投薬、処理、手術、入院等の直接給付)されます。

※予防接種などは対象となりません。

 5.介護扶助
   要介護と認定された生活困窮者に対して行われる給付です。
   生活保護法指定介護機関による現物給付(介護サービス)が行われます。

 6.出産扶助
   生活困窮者が出産をするときに行われる給付です。

 7.生業扶助
   生業に必要な資金、器具や資材を購入する費用、又は技能を修得する
   ための費用、就労のためのしたく費用等が必要なときに行われます。

 8.葬祭扶助
   生活困窮者が婚礼や葬儀を行う必要があるとき行われます。
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加算制度
 生活保護の基本となる生活扶助には、基準生活費の他に家族の状況に
応じた加算の制度があります。

 1.妊産婦加算 
   妊娠の事実を確認した翌月から加算されます。

 2.母子加算 
   父母の一方、または両方がいない世帯の子どもが15歳の誕生日以降
   最初の3月31日まで加算されます。

 3.障害者加算 
   障害等級1級~3級(精神障害は1級と2級)までの障害者に対する加算。
   使途は自由ですが、モラルを求められることも・・・

 4.老齢加算 
   70歳以上の高齢者、または身体の状況によっては65歳以上の高齢者に
   行われる加算です。

 5.在宅患者加算 
   在宅患者で、現に療養に専念している人が栄養の補給を必要としている
   ときの加算。

 6.放射線障害者加算 
   被爆者などで障害があり一定の要件を満たす場合の加算。

 7.児童養育加算 
   児童を養育している場合の加算。

 8.介護料加算 
   障害者を家族が介護している場合や、介護人を頼んだときの加算。
>>生活保護の種類             ページの先頭へ
参考◇日本の救貧法の歴史

恤救規則:明治7年 (1874年)
 親族や住民同士の相互扶助を強調し、救済対象を助ける者がいない70歳以上の病人、13歳以下等「無告の窮民」に制限した扶助。

当時は国に救済義務はありませんでした。(対象者全国で約1万人)

救護法:昭和4年 (1929年)
 市町村を実施主体とした総合低救貧法。居宅において扶助を行い、無理な時は施設へ保護しました。

救済対象を六五歳以上の老衰者、一三歳以下の幼児、妊産婦、など貧困のため生活できないものとし、救護の実施機関、救護の種類、費用の国と地方公共団体の負担割合を明示していました。(対象者全国で約20万人)

母子保護法:昭和12年(1937年)
 13歳以下の子を持つ貧困母子家庭を対象として生活扶助、教育扶助、生業扶助、医療扶助を行いました。

医療保護法:昭和16年(1941年)
 医療費の払えない貧困者に、医療サービスの受けられる医療券を発行しました。

旧生活保護法:昭和21年(1946年)
 保護の内容別に5種類の扶助が行なわれましたが、保護の申請権は認められていませんでした。

新生活保護法:昭和25年(1950年)
 旧生活保護法が全面改正されて、日本国憲法の理念に基づいた現行の生活保護法となり、保護の申請が権利として認められました。
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生活保護制度◇関連用語〕(50音順)

エリザベス救貧法
 1601年にイギリスで制定された「エリザベス救貧法」は近代社会福祉の起源とされています。

エリザベス救貧法は、それまで個人や地方行政まかせだった救貧活動を初めて国家単位で行なったものです。

内容は隔離や強制労働といったものではありましたが、社会福祉制度における模範のひとつとされ、多くの国がも福祉制度の導入にあたって参考にしました。

日本においても、エリザベス救貧法を参考に社会福祉立法案が練られました。


生活保護基準
 生活保護法において保障される最低限度の生活を、「健康で文化的な生活水準を維持することができるもの」にするための尺度。

厚生労働大臣により要保護者の年齢、性別、世帯構成、居住地域などを考慮して決められます。

また、この基準は生活扶助、教育扶助など各扶助ごとに設定され、原則として毎年改定されます。


(標準世帯)
  生活扶助基準の改定に際して、生活扶助基準の基軸となる世帯として利用するものです。

昭和25(1950)年「標準5人世帯(64歳男、35歳女、9歳男、5歳女、1歳男)」
昭和36(1961)年「標準4人世帯(35歳男、30歳女、9歳男、4歳女)」
昭和61(1986)年~2008年「標準3人世帯(33歳、29歳、4歳)」


保護施設
 生活保護法に基づいて設置される施設。居宅において一定水準以上の生活を営むことが困難な人が入所出来ます。

保護施設には、救護施設・更生施設・医療保護施設・授産施設・宿所提供施設の5つがあります。

施設の設置は、事業の公共性から都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人、日本赤十字社が行っています。

ワイマール憲法 1919年制定)
 ワイマールで開かれた国民議会で制定されたドイツ共和国憲法の通称。

国民主権を認め、男女平等の普通選挙を導入し、生存権の保障など、世界で初めて社会権の保障について定められていました。

この憲法は生存権の具現化の先駆けといわれています。

生活保護-近年の動きのページも是非ご覧下さい。
>>生活保護制度                ページの先頭へ
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