射水線の桜





■富山の桜

 富山にやや遅い春がやってきた。富山の風物で興味深いのは、桜の木が、しかも桜並木となっている箇所が多い、という点にある。桜(ソメイヨシノ)は自ら繁殖できないから、桜並木はすなわち人間の営みである。暗く重苦しく鬱陶しい冬が明け、春の到来を祝うが如く、富山には多数の桜が植えられている。

いたち川  いたち川
いたち川の桜


 富山市内の桜は美しく、鑑賞に値する場所が多く目移りしてしまう。上右の写真などでは「瀬をはやみ〜」と百人一首の句が出てきてしまったほどだ。いたち川の桜だけでも、気に入った場所全て紹介するにはロードムービーが一本出来上がってしまう。残念ながらここで割愛して、郊外に足を向けてみよう。

神通川
神通川左岸の桜


 電車道に沿って神通川を渡ると、左岸側に桜並木が見えてくる。神通川を前景とすると、その流れが大きすぎて芥子粒のような趣になってしまうが、神通川を背景に置いてみればまったく違った眺めが見えてくるはずだ。――そう、射水線に沿う桜並木となるのだ。

神通川左岸  神通川左岸
神通川左岸の桜


 神通川の堤から眺めた写真が左である。柵の向こうに見える道路が射水線跡に相当する。射水線跡から望む桜並木が右の写真となる。射水線の小さな電車は、毎春この桜並木の下を通っていたわけだ。

八ケ山手前
八ケ山手前の桜(その1)


 線路跡をいま少し北上してみよう。射水線起点側のうち、バス専用道に転用されたのちさらに廃された区間沿いの民家の軒先で、桜が成長していた。粋な趣である。

八ケ山手前  八ケ山手前
八ケ山手前の桜(その2)


 その少し先では、保育園構内と築堤下の畑に桜が咲いていた。保育園手前側の桜は散りかけで、春が駆け足で去っていくことを如実に示している。

八ケ山  八ケ山
八ケ山の桜


 坂を登ったところが八ケ山。電車が来なくなり、代替バスすら通らなくなったとはいえ、鉄道時代の設備が未だ姿をとどめ、往時の雰囲気をしのばせる。ちなみに、右写真に写りこんでいる赤いBikeが筆者の現在の愛車である。

 風が強くなり、ペダルが異様に重くなってきたので、今日はここまでで引き返す。射水線に関しては、いずれまた別の記事を書く機会が来るであろう。





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