モグラの功罪について考える



哺乳類の祖先?頭の化石を中国雲南省で発見!
雲南省の約1億9500万年前の地層から、新種の小動物の頭骨の化石が見つかった。
爬虫類から哺乳類へ進化する途中のものだと考えられるこの動物は、推定体重2グラム、体長3センチと哺乳類の仲間としては最も小さな部類である。
この動物はハドロコデウムと命名され、丈夫なあごと聴覚が発達、脳が大きいといった特長を持っている。
歯の形は虫類を食べるのに適しており、モグラと同じ食虫類と見られている。恐竜が栄華を極めたジュラ紀前期のことである。
(米科学誌サイエンス2001年5月25日)
モグラの飼育は可能ですか?
広島の阿佐動物園ではモグラが飼われています。動物学者にも実際に飼育された人がいますね。
飼育では「アイビキミンチ」が与えられるそうですが、完全なる肉食性であるモグラには、やはり生きているミミズをエサとして欠かすわけにはいかないようですが、水分が補えない環境では植物の根を食害することもあるようです。飼育ではミルワーム、各種のビタミン類、栄養ドリンクも与えられるそうです。
モグラは朝の5時頃、昼過ぎの1時ころ、そして夜の9時頃と3回の食事をします。体重と同じほどの量を食べますから大食漢だと言えます。これらの観察から色々なモグラの行動パターン、習性が分かってきています。ミミズのある部分に噛み付いて、仮死状態にさせたミミズは冬季に備えて、貯蔵されます。モグラの寿命は5年程度だということも分かってきました。また60ワットの電球の明かりでも平気で、地表行動をすることも分かってきたそうです。

モグラは生きた化石と言われていますが?
2億年前に恐竜が現れました。その中から有袋類へと変化し、もう一方の進化の流れは食虫類でした。この食虫類からヒト、クジラ、ウマ、コウモリなどへと分化していったのです。モグラもこうして特殊な形態へと変化していきました。このモグラの形態は爬虫類からやっとけものになったばかりの進化していない段階の哺乳類だということです。生きた化石と呼ばれる点は、歯形に見られる特徴で、尖っていて臼状になっていない点だそうです。また鳥類と同様に、爬虫類からの進化の名残が、手足のウロコとなって見られる点です。モグラの尻尾は太くて短いですが、これは体温の調節に役立っているとのことです。耳たぶもありませんが、モグラは250〜3500ヘルツの音に敏感に反応します。びっくりすることはモグラは地表の水溜りで、通常の動物のように水を飲んだり、泳ぎも達者だということです。不思議な生き物だといえます。

モグラはかしこいのでしょうか?
脳の構造はお粗末なようです。どうやら本能だけで行動しているようです。市販の風車などのモグラ脅しなどが効果が無いというのは、モグラが危険を感じ取っているというのではなく、単に風車の振動や音に慣れてしまうということだけのようなのです。モグラトンネルにモグラ捕獲器を仕掛けても、容易に捕獲できないことも人間の仕掛けた構造などを理解しているわけではなく、単に鋭いアイマー器官という臭覚器官を持っているがゆえの技なのでしょう。

モグラは日光を見ると、死んでしまうというのは本当でしょうか?
日光浴をしている場面が目撃されるそうです。また月夜の晩に出歩いていることも知られています。それを見た人によると急ぐ時には後ろ足でピョンピョンと飛び跳ねるそうです。照度4000ルクス(100W電球)の明るさでも平気で、工夫しながら飼育研究されている学者さんがおられます。お百姓さんの「たまたまモグラを掘り起こしてしまったら、すぐに死んでしまったが」というのも耕作の際の道具が災いをしているのでしょう。

モグラの巣穴の構造はどうなっているのでしょう?
巣は地下の2メートルぐらいのところにあるそうです。大きな木の根元に作られるため、めったに発見されないのだそうです。その本拠地から連絡道路を伝って本道を作っていて、これがエサ場への通り道となります。
このトンネルは地下15〜40センチのところに掘られ、長さも長いものでは200〜300メートルにもなります。
そしてさらにこの本道から地表に近い地下10〜15センチのところにエサ場トンネルが作られているということになります。モグラ塚が見られるのもこの部分なのです。この部分を1日に何回となく往復しながらエサを捕食しているのです。
それでは本格的なモグラ生息調査に参加してみることにしましょう。

             500平方メートルの土砂をめくると地表下2メートル。
             延々とモグラ塚の連続線が見え、それをたどって行くと!?

水田の環境ではミミズなどの土壌生物が沢山住み着いています。
そこで大規模な掘り下げ調査が行われたのです。もっと近くによって観察をして見ましょう。
安眠ゾーンを壊されたモグラが  周囲全体をエサを求めて探し回った結果が  仰向けの状態で昇天!?  うつぶせにしてやりました

硬い粘土層に古代の生活の営みが見えています。竪穴住居、灌漑水路の跡や掘り抜きの井戸・・・・。
その発掘調査の層から安眠を妨げられたモグラさんはそこら一体をウロチョロとして・・・。
ポコンとモグラ塚から飛び出してしまったのが運の尽き・・。
仰向け状態で空腹死亡してしまいました。            2001年8月17日撮影

なぜ、モグラは単独で行動しているのですか?
モグラはおよそ450uの範囲を縄張りにしながら、一匹だけで生活行動をしているといいます。しかしエサが豊富な環境では200u当たりに一匹相当が確認された例もあるそうです。
これまでの恐竜から進化してきた過程で、まだまだウロコが手足の部分に残っているあたりから、完全な哺乳類になりきれていないようです。赤ちゃんとして生まれ、わずか1ヶ月ちょっとで巣離れをし、6月になる頃には
巣を離れ、単独で生活していくようです。繁殖期は年1回であり、4頭しか産まれないのですから、ネズミとは違って畑に出没する全体数はごく限られていると言えそうです。野ネズミは1回の出産で、8頭が産まれ、年に6回もの繁殖期があるといいますから、モグラさんはおとなしい動物なのですよね。

モグラは何を食べてるのかな?
モグラを自宅で飼育している人の報告です。その人はコオロギを与えたところ、高さ40センチもある飼育箱の天井に逃げたコオロギを何とジャンプして落とし、器用にも足で押さえ込んで食べてしまったのだということを著書(書籍集の項で紹介)で述べられています。土の中にしか生活しないと思っていましたが、このように地面の上での活動はけっこうしているようなのです。こういった貴重な観察で、色々なことが分かっていて、冬に備えてミミズを貯蔵しておくこともしていると言いますから、たいした生き物ですね。ミミズを食べるが害虫のコガネムシなどの大害虫も食べてくれているのです。しかし通常のエサが豊富で、水飲み場も十分な環境では野菜の根っこなどは食べないのが普通です。

モグラのトイレはどこにある?
地下にトイレを作っておくと、あとのメンテナンスが大変でしょう。たぶん。それでモグラさんは地表に出てきて、1日に1回の規則正しいウンチをするそうです。その形は粒団子の連続状で、13.5ミリの光沢のある黒い色だそうです。皆さんもぜひ、見つけてくださいね。

モグラ忌避剤を考える
学者さんの考えもミミズマンと同様に、市販されている忌避行動器財の効用は少ないと見られているようですよ。お薦めの一品はナフタリン15グラム+石鹸10グラムに水1合を混ぜ、これを加熱処理するとあります。
この原液を100倍に薄めてから、はて?後はどうすれば良いのでしょう?
それと、強烈な臭いがいつまでも残る石油を注入するというのはどうでしょうかねえ。

そしてモグラの功罪を考えると?
確かに畑の地表面にはモコモコと土を盛り上げたあとが良く見られます。中には植え付けた苗が持ち上げられていたりもします。枯れてはいないですけどね。畑の中にはコガネムシの幼虫類が沢山見られますが、この白い大食漢の虫はもちろん、野菜の根っこもかじります。大切な野菜の敵でもあるのです。モグラはどうかというとモグラの食性は完全な肉食性だということが飼育でも確認されていましたよね。そうすると野菜の苗は大丈夫なのですね。そしてモグラは、このコガネムシや根切り虫などの害虫を日夜退治してくれていることを認めてやらなければなりません。このように長い目で見ればモグラ塚が見られる畑の方が、ミミズがいて、従ってモグラもいるという畑のほうが自然なわけです。野山を見れば、モグラ塚があちらこちらに見られますが、自然はこうして土壌状態を富栄養化にしていっているのです。落ち葉を有用な好気性バクテリアなどの力を借りながらフカフカな状態に作り上げていきます。畑のモグラトンネルだって、長い目で眺めれば、モグラが見られない他の生きていない土での野菜よりも成育が良いのだということが理解できますね。
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