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メール メール 

 

改版履歴

 

2014年1月27日

AMSAT UKからの発表を追記しました。

CQ Ham Radio 別冊

QEX Japan No.9を追記しました。

Microwave Meeting 2013に発表した

DATV記事 2通を掲載しました。

 

2013年9月1日

図11のピン番号に間違えがあり、修正しました

申し訳ありません

 

2013年8月19日

 

別冊CQ Ham Radio QEX Japan 8月号に掲載の元原稿を掲載しました。 

 

デジタルアマチュア

 

 

テレビジョン

 

 

 

を応援・紹介するHPです

 

 

 

呼出符号:JJ1RUF-DTV

 

 

これまで掲載した DATV Activity Newsは

以下のアドレスに移動しました。

 http://www.geocities.jp/microwave24ghz/index3.html

 

Microwave Meeting 2013 寄稿 記事

http://www.microwavemeeting.org/progressreport.html

 

DATV用占有周波数帯域幅と送信電力の測定方法

http://www.geocities.jp/microwave24ghz/DATV_Bandwidth_Definition.pdf

DATV用送信出力の最適化検討

http://www.geocities.jp/microwave24ghz/DATV_Output_Power_Optimazation.pdf

 

国際宇宙ステーションから、

 

DATVの運用が始まります。

 

ISSの詳細は,JA1OGZ 金子OM記事

http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/News2013/20130923micro/ja1ogz.pdf

 

2014年1月26日

 

Amsat-UKの発表では、

http://amsat-uk.org/2014/01/26/iss-ham-video-commissioning-blank-transmissions/

http://www.facebook.com/Hamtvproject

 

2014年2月5日

アメリカ人 KF5LJG ホプキンス宇宙飛行士によって、DATV機器をS Bandアンテナに接続-電源投入-電源初期確認が行われる予定です。

続いて、2月8日から25日間かけてDATVの運用テストを行う予定です。

 

このように、DATV機器の確認と運用テストを慎重に行う理由は、ISSにおいてS Band(13cmBand)でDATVの運用を行う運用規則が無いためです。

運用規則は、昨年9月ARISS EUより提出されていますが、この規則によりISS運用への影響が無いことを4段階に分けて確認します。

 

現在の計画で運用確認を行う期日は、

2月8日  第1段階

2月15日 第2段階

2月16日 第3段階

3月8日   第4段階

 

運用仕様

ISSからの運用では、ビデオカメラの映像と音声なしの"Blank Transmission"となります。

 

・ダウンリンク周波数   2395MHz

・DATV方式             DVB-S (QPSK)

・シンボルレート       1.3Msym/s

・FEC(エラー訂正符号率)  1/2

・Video PID              256 (100 Hex)

・Audio PID              257 (101 Hex)

PIDは、DATVチューナーで自動設定

 

・映像は黒画面ですが、受信に成功して

 DATVチューナーのリモコンの"info"ボタンを押すと

Program Name "HamTV"と表示が出ます。

 

DVB Tuner で受信した場合の表示例

ARISS では、ISS受信報告を受け付けるWebを準備中

 

これまでの発表からの変化点は、

ダウンリンク周波数が 2422→2395MHzなりました。

この変更により、WiFiからの混信を回避できます

 

ISSについては、JA1OGZ金子OMの記事を参照してください。

http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/News2013/20130923micro/ja1ogz.pdf

 

ARISS-EU AMSATが推奨する受信装置は、

Windows Desk Top用(ノートPCには使えません)

PCI Card  DVB tuner

Techno Trend TT S2-1600

購入はこちらから e-bay オーストラリア  AU $118.00 w/o shipping

 

F6DZP Jeanさん製作

Tutioune Software Ver 0.4

http://www.vivadatv.org/viewtopic.php?f=72&t=274#p634

ダウンロードはこちらから

http://www.vivadatv.org/viewtopic.php?f=60&t=214

TT S2-1600+Tutioune のサンプル画像  

このような受信画像になります。

 

この組み合わせを使用すると、

2400MHz帯のコンバーターが不要になります。

 

ISSの軌道は、

Google Chromeはこちら

Internet Explorerはこちら

 

CQ Ham Radio 別冊 QEX Japan10月号

2月号にDATV記事を掲載します。

http://shop.cqpub.co.jp/detail/1446

http://www.geocities.jp/microwave24ghz/QEXNo9_p111-122.pdf

 

 

 9月22日 Amsat-UKの発表では、

Ham Video Project では、DATVの試験運用の最後に音なし黒画面(Blank)の画像をISSから伝送することを計画しています。

黒画面の理由は、ビデオカメラ用バッテリーの使用がISSの業務時間以外で禁止されているためです。

ARISSでは、DATVの試験運用に合わせて、ISSを追尾してDATVの黒画像の受信と、スクールコンタクト時間帯にISS画像の中継に協力するアマチュア局を募集しています。

ISSから画像を受信できる時間は3-4分程度しかないため、複数の場所でISS受信した画像をつなげることにによって連続したISS画像とするためです。

たとえば、北海道ー関東ー近畿ー韓国ー中国のように受信していくと、連続した画像を受信できます。受信した画像は、インターネット経由でたとえばAMSATのサーバーに伝送することを予定しています。

http://amsat-uk.org/2013/09/21/ham-video-launch-campaign/

 

 9月4日 Amsat-UKの発表では、

日本時間9月4日18時53分、SSTVの運用を行いました。

PCにMMSSTVのソフトウエアーをインストールして、145.80MHz FM機で運用しました。(Kenwood TM D700)

この信号は、手持ちの八木アンテナでも良好に受信できた模様です。

ISSからの運用では、5kHzのドップラーシフトが発生するため、

FM機からの運用にしたとの報告です。

http://amsat-uk.org/2013/09/04/space-station-slow-scan-tv-active/

http://ariss-sstv.blogspot.co.uk/

http://www.energia.ru/eng/iss/researches/education-26.html

 

8月22日 Amsat-UKの発表では、

8月22日、アメリカ Hopkins宇宙飛行士 KF5LFG

によって、DATV送信機を無事Colunbusに移設完了。

8月28日、29日、テスト運用がイタリア北部の制御局IK1SLDとの間で行われる予定。

Up Link 2m FM

Down Link 2.4GHz DATV

http://amsat-uk.org/2013/08/22/ham-video-transmitter-onboard-iss-columbus-module/

 

テスト運用の模様は、BATCのHPでストリーム配信される予定です。

http://batc.tv/ch_live.php?ch=3

http://batc.tv/ch_live.php?ch=5

 

 8月4日

 日本の宇宙輸送船 こうのとり4号 

8月4日打ち上げ成功

8月10日ISSへのドッキング成功 

 

DATV送信機も ISS Colunbusに運ばれる予定

http://sankei.jp.msn.com/science/news/130804/scn13080406590000-n1.htm

http://www.asahi.com/tech_science/update/0804/SEB201308040001.html

 http://www.youtube.com/watch?v=XA5DRWEYcJ8

AMSAT UK

http://amsat-uk.org/

 

CQ Ham Radio 別冊 QEX Japan 8月号の元記事を掲載します。

別冊CQ ham radio QEX Japan No.8 8月19日発売予定

http://shop.cqpub.co.jp/detail/1409

 

お礼

 

デジタルアマチュアテレビ入門と題して、QEX Japan No.8に寄稿しました。

過去前例のない記事の執筆であったことから、すでにDATVを運用している多くの皆さま

から、運用の写真、技術資料、運用中の経験などの情報提供を受けることができました。

初めてご紹介することがあり、少ない紙面で簡潔にまとめるにつては、正直かなり悩んだ部分があります。

DATVのすべてを紹介できていない箇所もあります。

引き続きDATVを運用する皆様のご協力で、DATVの活性化に協力できればと願っています。

この場をお借りして、ご協力いただいた皆様に深く感謝致します。

 

佐藤秀幸 JJ1RUF

 

お詫び

 

今回の執筆は私自身初めての部分が多い事から、締め切り後に入稿することになりました。また編集部の方と十分な意見交換ができなかった事もおおく、結果として記事の構成と校正が十分でないことがわかりました。

記事の校正に不備があり、お名前、コールサインの記述間違えも多数見つかりましたが、夏期休暇期間と重なったことから十分な修正を行うことができませんでした。

記載内容の訂正を兼ねてこのWebに元稿を掲載させていただきます。

この場をお借りして関係する皆様に深くお詫びさせていただきます。

申し訳ありませんでした。今後このような間違えを起こさぬように進めていきます。

 

皆様良い夏休みをお過ごしください。

酷暑のおり、ご自愛いただきますようお願いいたします。


佐藤秀幸 JJ1RUF  8月18日


 

特集

デジタルアマチュアテレビ

昨年724日、アナログテレビ放送が終了しデジタルテレビ放送に移行して、関東圏では5月に634mの東京スカイツリーから送信をはじめました。

今では「地デジ・ワンセグ」もすっかりおなじみになりました。

アマチュア無線では、主にHF帯でデジタル SSTVを利用して静止画、1200MHz以上で動画と音声で交信するアマチュアテレビ(ATV)を運用しています。

現在のATVは、BSアナログ放送で使用されていた周波数変調方式(FM-ATV)を利用しています。

そこでアマチュアテレビもアナログからデジタルへ“移行”する方法を紹介します。

デジタルアマチュアテレビ(DATV)を始めるには、アナログとは異なる技術や機器を使用するので、DATVはどのようなものなのか?

これから始めるにどのようにすればよいのか?を中心に説明します。一部専門書の記載とは違う表現があるかもしれませんが、

全体の概要がわかるようにしたいと思います。

デジタルアマチュアテレビは、国内ではアマチュアテレビのATVにデジタルのDをつけて DATVD-ATVまたはD-TVと表現することが多いようです。

ここではDATVと表記することにします。

 

序章 
デジタルテレビとの出会い

2007年始め頃、ドイツアマチュア無線連盟(DARC)のホームページにデジタルアマチュアテレビジョン(Digital Amateur Television DATV)の紹介を

見つけました。

すごい、アマチュアでデジタルテレビができるのかと、大変興味を持ちました。DARCでは、DATVの開発プロジェクトチームを立ち上げて、

デジタル符号化、圧縮(MPEGエンコーダ)基板、デジタル変調回路基板を100台ほど領布して実験していることを知りました。

(基板の領布はすでに終了しています)

早速プロジェクトリーダーのDJ8DW Krausさんに電子メールを出したところ、丁寧に説明をしていただきました。

ドイツには、このプロジェクトで開発した基板を一般に販売している会社があることも知りました。後程紹介します。

 

DATVを始める前に

 

アナログ FM-TVよりも優れているDATVですが、始めるには送信機とチューナ、モニタなどを一式購入するのに20万円以上の費用がかかります。

また購入する場合は海外から輸入するので、輸入の手続や故障時の保証対応に課題があります。

 

第1章      

デジタル化の利点と放送方式

1-1 デジタル方式の利点は何ですか?

 

デジタル方式の利点は次のような項目があります。

 

    非常にきれいな画像で送受信できる

    データの誤りを訂正できるので、ノイズやマルチパスによる画像の乱れが少ない

    画像の情報量を圧縮する技術により、アナログ方式よりも少ない周波数帯域で送信できる

 

その他、アナログ放送が終了したので、アナログチューナが入手できなくなりました。

手持ちのアナログチューナが壊れた場合には運用できなくなります。

FM-ATVでは、ノイズやマルチパスで画像が乱れることが多いと思います。この解決策となるのがDATVです。

写真12は、同じ電波強度でFM-ATVDATVを比較した画像です。DATVの画像がきれいなことがすぐにわかります。

 

写真 1:アナログ方式

img1.gif

 

写真 2 :デジタル方式

img2.gif

 

1-2 どのようなデジタルテレビ方式がありますか?

日本のデジタルテレビ放送は、日本方式ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)と欧州方式DVB(Digital Video Broadcast)です。

BS放送:ISDB-S CS放送:ISDB-S(スカパー!) DVB-S(スカパープレミアム)、地上波放送:ISDB-T方式のように複雑です。

放送方式はのちほど整理します。

 

日本でDVBISDB 2つの方式を導入した理由は、

1996年にCS放送のパーフェクTV (現スカパー)が一番早くデジタルテレビ放送を始めたためです。

日本独自のISDB方式は、1998年に策定、200012月から試験放送を開始しました。

欧州、アフリカ、アジアではDVB、アメリカではATSC(Advanced Television Systems Committee)

中国ではDTMB(Digital Terrestrial Multimedia Broadcasting)方式です。

デジタルテレビ放送では、放送を利用する形態に合わせて、衛星用(Satellite) 地上波用(Terrestrial) ケーブル用(Cable)3つがあります。

 

スカパー用チューナは、限定受信(スクランブル)専用になっているのでDATVには使えません。

 

1:世界のデジタルテレビ方式一覧

img3.gif

 

2:各デジタルテレビ方式の概要

  img4.gif

3:地上波用デジタル方式の相違点

img5.gif

 

1-3  DATVに適した方式はなんですか?

4 はデジタル放送方式の比較です。DATVに適した方式は、電波を安定して遠くに飛ばす、受けることを考えると、マルチパスの影響を受けない

地上波用です。

マイクロ波帯を利用して見通しのよい場所から運用するDATVでは、必ずしもマルチパスが多いわけではありません。

一方アマチュアは、なるべく簡単で安価な回路構成にまとめる必要があります。実際FM-ATVの変調はFMなので、簡単に送信機が自作できました。

デジタル方式では、信号のデジタル符号化、画像圧縮、デジタル変調が必要となり、回路が複雑になることから最も基本的な変調のQPSK

使用しているDVB-S方式が適しています。

DVB-T方式では、1次変調64QAM2次変調で搬送波が約6800本の直交周波数分割多重(OFDM Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を使用しています。

このことから、送信機の構成が複雑になることが想像できます。

 

4:デジタルテレビ方式の比較

img6.gif

 

 1-4 なぜ DVB-S方式なのですか?

 ドイツでDATVが始まりましたので、欧州方式 DVBを使用しています。衛星用DVB-S方式が選択された理由は4点あります。

    2400MHz帯以上では、トランスバータのIF周波数を1200MHzにしています。衛星用チューナのIF周波数は、トランスバータと

   同じ1200MHzなので市販品をそのまま利用できます。一方DVB-T方式のIF周波数は、アマチュアバンドではないので専用の

  トランスバータを自作する必要があります。

    DVB-T用の電力アンプ(PA)は、DVB-Sと比べて直線性をさらに良くする必要があります。PAの電力効率で比較すると

  DVB-S30%DVB-T10%となり、使用できるトランジスタが限られるアマチュアにはPAの製作が難しくなります。

    欧州の運用では、DVB-Tの周波数帯域を△陵由から2MHzに設定してPAの負荷を軽減しています。このため市販のDVB-Tが使えず、

  アマチュア専用チューナの入手が必要です。

    日本のISDB-T方式に対応した送信機は、測定器または特殊用途のため入手が困難で、購入する場合は車と同じくらい高価です。

   アメリカでもATSCではなく、DVB方式を利用しています。

 

2章 

DATVの技術要素

 DATVを構成する技術要素は、デジタル符号化(AD変換)、画像圧縮(MPEG-2)、誤り訂正(FEC)、デジタル変調(QPSK)があり、

簡単にこれらの技術要素について説明します。

 

2-1 デジタル符号化

 

図のようにアナログをデジタルに変換時、標本化と量子化2つの段階で行います。

 

1 標本化と量子化

img7.gif

連続したアナログ信号をデジタル化するには、信号を01に置き換えて表します。はじめに連続した信号をそれぞれ11個切り離します。

切り離すことを標本化と言います。次に信号の大きさがたとえば8(3bit)の異なる基準の大きさと比べてどれが一番近いかを調べます。

大きさを調べて比べることを量子化と言います。ここで、11個を切り離す数が多いほど、調べる大きさの基準がたくさんあるほど精密に

調べることができます。

画像ではどれだけ細かく切り離しているかを画素数で表し、高精細HD画質 1920×1080  200万画素 、標準SD画質720×480  35万画になります。

SD画質をデジタル化した時の情報量は次のようになります。

NTSC方式では,1秒間に30枚の静止画を組み合わせているので,1個の画素ごとに光の原色の赤R、緑G、青B3色に分けて8(3bit)の値に

デジタル化すると,720×480×30()×8(3bit)×3(RGB)= 248,832,000  248.8Mbit ( 31.1M Byte )

おおよそ1時間(3600)115GByte DVD 20枚分、さらにHD画像の場合には、SDの約6DVD 120枚にもなります。

この情報量を無線で変調すると周波数帯域は、248Mbit2倍、約500MHzになります。この帯域をアマチュア無線で送るには、

77.5GHz帯以上になります。

この理由から、デジタル化した場合には情報量を圧縮する必要があります。

 

今回の説明では、情報とデータの用語を次のように使い分けています。

情報:アナログ信号またはデジタル符号自身が有する情報 

データ:各デジタル符号を加工、組み合わせて、無線で送ることができる情報のあつまり

 

注 NTSC方式では、飛び越し走査(インターレース)を行っているので、2130枚の画像で構成しています。

 

2-2 画像圧縮

 

画像圧縮は、間引くと“変化を捉える”の手法を使って情報量を減らします。

具体的な方法を説明します。

 

    間引く

画像の場合の周波数成分は、図2のように白黒の縞模様がどれくらい細かい間隔で表します。

画像の情報量は周波数が高くなるほど増えていきますが、実際の画像に含まれる周波数成分は、低から高い周波数まで一様ではありません。

写真3の最も細かい画像が集まるひまわりの中心付近で、縦方向と横方向それぞれ8段階合計64個の周波数のうち、どの周波数がどれだけ

分布しているかを調べます。

この結果、図3のように縦横方向とも低い周波数成分に情報が集中しています。

次に情報量が多い低い周波数だけに絞り込み、情報量の少ない高い周波数を間引くと、全体の情報量を減らすことができます。

この情報圧縮方法を離散コサイン変換(DCT)と言います。

DCTは静止画でおなじみのJPEGなど広い範囲の情報圧縮に利用されています。

実際の圧縮処理では、画像全体を8×8 =64画素単位に細かく区切り周波数分布を計算しているので計算量は大きくなります。

 http://www.enjoy.ne.jp/~k-ichikawa/DCTran.html

http://e-vod.cs.shinshu-u.ac.jp/it-univ/study/2003/08higuchi/DCT6.html

 

写真 3   サンプル画像                                       図2  画像の周波数変化

img8.gif img9.gif

 

3  サンプル画像の周波数分布

img10.gif

 

    変化を捉える

動く画像は、ぱらぱら漫画のように1秒間に30(NTSC方式)の静止画が集まっています。

たとえば、図4で11枚の静止画を見ていくと、“背景の空”と“飛んで動いている気球”の2つに分けられます。

背景の空の特徴は、動きが無く、前と同じ画像を繰り返しているので、2枚目以降は背景画像を取り除き、前の画像を再使用することで

全体の情報量を減らすことができます。

次に動いている気球は、その形は変化せずに画面の位置が左から右に動いています。

そこで気球の画像は最初の1枚目を使い、次からは気球の位置が前後の画像間でどれだけ動いたかを検出して、画像の代わりに気球の位置を示す

情報( 図例 気球 → 画素 進)に変換すると、2枚目以降気球の画像は文字情報に置き換わるので情報量をさらに減らすことができます。

このように動画を構成する11枚の静止画を分析すると前後でその変化が少なる特徴があり、これを利用して画像圧縮を行います。

同じようなことは、アニメーション製作時にも利用しています。

http://www.jsa.or.jp/stdz/edu/pdf/b4/4_17.pdf

 

4   MPEG圧縮の仕組み イメージ図

 

img11.gif

 

    圧縮画像の構成(GOP Group of Picture)

圧縮した画像は3つの種類にわけることができます。

 ・ I  Picture  ( Intra coded Picture)

        画像全体を周波数分布に分類して、分布の少ない周波数情報を間引いた DCT 圧縮画像

 ・ P Picture  (Predictive coded Picture)

        前後のI Picture画像から差分を検出して、動いている部分の画像だけを抜き出した画像

 ・B Picture  (Bidirectionally predictive coded Picture)

    前後のP Picture画像で動いている部分が、前の画像と後の画像から動いた方向と位置の情報に変換して、画像として見ることが

  できない動き情報に置き換える

この結果、3つの情報量は図5のように変化しています。

たとえばSD画像をDCTだけで圧縮すると、約10Mbpsの情報量になりますが、P PictureB Pictureを組み合わせるとで、情報量を

平均約2Mbps と1/5まで減らすことができます。

また、このI B Pの組み合わせをGOPと言い、テレビ放送ではIBBBP 5つを3回繰り返して合計15枚の画像を1GOPの単位(15/30 0.5秒ごとの周期)

としています。

 

5

img12.gif

 

 

2-3 誤り訂正

 

誤り訂正は、情報を受信した時に間違えがあるかを調べて、間違えた場合には正しい情報に戻すことを言います。

“送信する前”に誤りを修正する符号を追加しておくことから、前方誤り訂正(FEC Forward Error Collection)と言います。

アマチュア無線のデジタル(パケット)通信では、送受信を短く切り替えることから、なるべく狭い帯域で早い通信速度を保つため

これまでWJST以外で誤り訂正を行っていなかったと思います。

狭い周波数帯域利用するアマチュア無線では、符号に誤りが発生した場合には、双方向通信の利点を活用してもう一度データを送る方が

効率的だったと思います。

もう一度データ送る仕組みをARQ(Automatic Repeat Request)と言います。

デジタルテレビ放送では、一方通行の通信で誤りが発生した場合にもう一度送信することができないため、送信する前に情報の誤りを正す

仕組みを追加しています。

誤り訂正の仕組みは、アマチュア無線の電話交信でおなじみの欧文や和文通話表と同じです。

私の名前“さとう”を送信する場合、“さとう”と一度だけ言うのではなく、“さくらのさ”“とうきょうのと”“うえののう”と送信すると、

たとえば送信途中に混信があって“さ”が聞こえなくても、“さくら”から“さ”を了解することができます。

つまり送信した内容が了解できない場合には、受信した後に了解できなかった内容を元に戻しています。

ただし、“さとう”の3文字だけを送信すればよいところ、“さくらのさ”“とうきょうのと”“うえののう”合計17文字を送信しているので、

送信時間は長くなります。これを冗長性(Redundancy)、情報と誤り訂正の符号がどれだけの割合になっているかを符号化率と言い、

1/2  2/3  3/4  5/6  7/8 または188/208 のような分数で表します。“さとう”の例では3/17が符号化率です。分子は誤り訂正回路に入力する符号の量、

分母は誤り訂正回路からの出力する符号の量です。したがって、符号化率 1/2 50%、符号化率 2/3 33%、符号化率3/4 25%の誤り訂正符号が

含まれています。

実際に行っている誤り訂正の手順はこんなに簡単ではなく、数学の解析や代数幾何などを組み合わせています。

誤り訂正の方式には、リードソロモン(Read Solomon)、ビタビ(Viterbi)などがあり、発明した、リードさん、ソロモンさん、ビダビさんの名前に

なっているところが特徴です。

DATVでは、内符号と外符号の2種類の誤り訂正を行い、内外は訂正を行う順番です。2回誤り訂正を行う理由は、無線通信固有の不確実な電波状況を

考慮しています。誤りの主な原因は、雑音(混信も含みます)とフェージングで、それぞれ決まった周期または散発的に発生する状況に対応しています。

周期的な場合はリードソロン、散発的な場合にはビダビ方式が効果を発揮します。

http://mathsoc.jp/publication/tushin/1302/chinen13-2.pdf

 

2-4 デジタル変調

 

アマチュア無線では、アナログ信号の声を変調するので振幅変調(AM) 周波数変調(FM)をよく利用します。デジタル化の利点は、搬送波に雑音が

加わった場合、アナログでは雑音の影響を直接受けますが、デジタルの場合には01 2つの符号に置き換えているので簡単に雑音と符号を

区別できます。

搬送波を変調する方法は、図のように搬送波の振幅、周波数、位相の3つがあり、デジタル符号1bit 01を変調すると、搬送波は波の有無(振幅)

伸縮(周波数)、上下の波(位相)で切替わって行きます。

http://www.saba.cs.it-chiba.ac.jp/classes/dc/dc05.html

 

6  デジタル変調の特徴

7  

 

デジタル変調した後のスペクトルを見ると、図8のようにFMが一番広い帯域となります。

AMは雑音の影響を受けやすく、画像をデジタル化するとデータ量が大きくなることから、デジタル変調ではできる限り周波数の帯域の狭い

位相または位相と振幅の組み合わせを利用します。

 

  8  デジタル変調方式ごとの周波数帯域比較

img13.gif

 

2-5  多値デジタル変調

 

データ量の多いDATVを効率よく変調する方法を図9を使って考えてみます。1bitのデータを荷物と例えて変調するのが1段積みのBPSKとすると、

データを積み重ねる段数を1段から2段に重ねると一度に2bit変調することができ、さらに2段を4段にすると一度に4bit変調することができます。

この様子を図10でみると、点の数が一度に送れるbit数です。

QPSKでは2段重ね2bit4通り、16QAMでは4段重ね4bit16通りのデータを送ることができます。

図10の点の配列が星座のように見えることから、コンステレーション Constellationと呼びます。

 

9 データを一度にたくさん変調する方法のイメージ図

 

10  デジタル変調のコンステレーション例

img14.gif

 

3章 

デジタルテレビの専門用語

デジタルテレビを始めるとわからない用語がたくさんありました。

すべては紹介できませんが、主な用語ピックアップしました。

 

3-1 チューナ関連

 

<シンボルレート>

Symbol rate SR

ひとつのシンボルに何bitの情報を変調できるかの指標 変調速度とも言う

DVB-S QPSK変調の場合 シンボルレートが周波数帯域となる

 

<22k>

衛星放送用パラボラアンテナの方向を制御するトーン信号

DATVでは使用しないので、OFF

 

<DiSEqC>

Digital Satellite Equipment Control

衛星受信アンテナを自動制御する信号の名称 バージョン 1.0/2.0がある

アンテナの方向、仰角、偏波面を自動で衛星ごとに合わせることができる

DATVでは使用しないのでOFF

 

<FTA>

Free-to-Air

スクランブル無の無料放送

 

<LNB>

Low Noise Block Converter

衛星放送用パラボラアンテナに接続するプリアンプと周波数変換器

 

<LNB  Frequency>

LNBの局部発振器の周波数 

LNBで使用している周波数を設定する  C バンド5150MHz  Kuバンド 10750MHz

DATVでは、LNBを使用しないので任意値 たとえば 10000MHzに設定する

TP Frequency を参照

 

<LNB Power>

13/18V

LNBに供給する電源電圧  ON/OFFを設定する。 13Vまたは18V

DATVでは、LNBを使用しないので常時OFFにする

 

<Polarity>

偏波

衛星放送で使用している偏波 水平 H  垂直 V

DATVでは任意

 

<TP> 

Trans ponder

衛星に搭載している中継器の名称

名称の設定はDATV用変更できる。受信機設定の項を参照する

 

<TP  Frequency >

衛星放送中継器の周波数

DATVでは、LNB Frequency (10000) + DATV 送信周波数 (1280) = 11280に設定する

 

<Signal Intensity>

受信信号強度 100%が最強

アンテナの方向合わせに使用する

 

<Signal Quality>

受信信号がエラー無くどれだけ安定して受信できているかの指標。実際に運用する場合は、Signal Intensityと合わせて最大になるように

アンテナの方向を合わせる

アンテナ方向合わせでは、Signal Qualityを優先して最大にする

 

<SCART端子> 21pinのビデオ、オーディオ信号を1本にまとめた端子とケーブル 写真4参照

       PAL圏では、この端子を使ってテレビとビデオを接続する

 

写真 4

img15.gif

 

3-2  送信機編

 

<誤り訂正>

FEC Forward Error Correction

受信したデータに誤りがあった場合誤りを直す方法 1/2  2/3  3/4  5/6  7/8の分数を設定する

DATVでは、2/33/4が一般的

誤り訂正能力は、 1/2  >  2/3   >  3/4 となる

信号強度が低い、マルチパスが多い場合は、1/2に設定する

 

<ビット―レートとシンボルレート>

ビットレートとシンボルレートは似ている用語ですが,意味が違う

ビットレートは変調する前,シンボルレートは変調した後にどれだけの情報量を送ることができるかを表し、

ビットレートはデータ転送率、シンボルレートは変調速度

シンボルレート(sym/s  Symbol per second)= ビットレート(bps)  ÷  周波数効率

 

単位は sym/s  sps (Symbol per Second またはbaud)ここでのビットレートは、画像データに誤り訂正符号を含めた総データ転送率を示す

 

<画素数>

D1  SD画質 720 × 480画素

HD  Half  D1   360×480 画素 高精細HDではない

SIF  Source Input Format  360×240画素

 

<周波数帯域効率>

周波数帯域効率は、1Hzあたりでどれだけの情報量を送れるかを表す指標

単位bps/Hz または bit/s/Hz

BPSK:1bps/Hz  QPSK:2bps/Hz  16QAM:3bps/Hz

この値が大きいほど一度にたくさんのデータを送ることができる

 

<CVBS>

Composite Video, Blanking, and Sync

コンポジットビデオ信号 

 

<Y/C>   

VHSビデオで利用された輝度と色信号を分けて送るビデオ信号の名称  日本ではS端子

YCbCr アナログコンポーネント信号  日本ではD端子

   Y  輝度信号  Cb  B-Y 色差信号  Cr  R-Y色差信号

 

<ID関連>

PSI  Program-specific information

デジタルテレビでは、画像、音声、番組データをパケットに分割して送っている

番組データの種類を特定する情報の総称

 

Video PID  Video Packet Identifier   固定値 0x100

Audio PID  Audio Packet Identifier  固定値 0x101

PMT  Program Map Table  固定値 0x100

 

PIDProgram IDの略

DVBでは、Video PID 0x100 (10256)Audio PID 0x101 (10257) PMT 0x100(10進256)に決まっている

この設定以外では画像が出ないので注意が必要

Network  ID 

Stream ID 

Program ID

どの放送局からどのような番組を放送しているかの個体識別コード

 

Network Name

Program Provider Name

Program Name

放送局の名称、番組名  数字、記号、アルファベットで構成している

 

<MPEG-2>

 Moving Picture Expert Group

 画像圧縮の標準規格  デジタルテレビ放送、DVDビデオなど広く利用している

 

<TS>

Transport Stream

MPEGで使用する映像、音声、番組情報を188Byteに固定して分割して送るデータのあつまり

 

<GOP>

Group of  Picture

圧縮するときの画像を1つの集まりする単位  IBBBPIBBBPIのように3回繰り返す

テレビ放送では、1秒間に15枚のフレーム画像を1 GOPとしています。0.5秒に 1 GOPとしている

 

<IBBP>

I picture P picture B picture

I  Picture  ( Intra coded Picture)  P Picture  (Predictive coded Picture) B Picture  (Bidirectionally predictive coded Picture)

GOPに集めたフレーム画像の種類の呼称。

 

4 

送受信機の購入方法

 4-1  送信機編

 

仝朕様入の注意点

送信機は、ドイツのSR-Systems社から購入するので個人輸入になります。

個人輸入の詳細説明は省略します。Webで個人輸入を検索するノウハウ説明があると思いますのでそちらを参照してください。

個人輸入の問題は各自で対応してください。手続きがわからない方は個人輸入の代行サービスを利用してください。

Web検索“個人輸入の方法”“個人輸入の代行”

 

購入先

現時点でアマチュアが購入できる送信機は、SR-Systems社だけになります。

以下のWebからProductをクリックするとDATVの製品リストが表示されます。

 SR-Sytems社 社長 Mr.Stefan Reimann DG8FAC 

http://sr-systems.de 

 

デジタル電子回路の開発〜試作までを行って、自社で表面実装部品を基板に実装できます。

Mr.Roberto Zech DG0VEが設計した、マイクロ波トランスバータ基板Kitも販売しています。

送受信のコンバータが別々ですが、DATV用として最適設計してあり性能は良いです。

5.6GHz帯の場合のUp Conv+PA+Down Down Conv+LNA 合計約? 600 +送料です。

http://www.dg0ve.de/

 

ドイツDARCのデジタル化プロジェクトでDATVの開発をし、会員以外への領布版としてSR-Systems社が販売を始めた経緯から、DATV送信機の

取扱説明書はありません。この記事ではできる限り詳しく紹介します。

 

   購入する基板と価格

・MPEG2-Encoder V5  

 アナログビデオ信号のデジタル化とMPEG2規格に圧縮します

・DVB-MiniMod3      

 DVB-Sの変調機で、” Frequency Range for 1200MHz Band “を指定します

 別料金のプログラム変更でDVB-T  DVB-Cにも対応します

・MiniKey v1.0           

 MPEG2-EncoderDVB-MiniMod3の各種設定をする基板です

 

価格

3点セットで?450+送料 ?350です。価格は変動します。

私が購入した2007年当時は、今より価格が高く為替レートはさらに円安(1?=140)でした。

 

 

ァ々愼方法

問い合わせ方法は、Webにアクセスして“Contact”からSR-Systems社にメールを送ります。

以下のような記載で十分だと思います。

info@sr-systems.de

 

img16.gif

 

メールを受信すると、数日程度で返信があると思います。

Stefanさん一人で会社を切盛りしているようです。

 個人経営の会社でアマチュア無線だけで商売をしているわけはないので、外出や出張することもありメールを出してもすぐに返事が

来ないこともあります。また欧州では、土日や夏季休暇(1か月)は必ず休みにします。できるだけ気長に接してください。

連絡がないからサポートが悪いわけではありませんのでご理解をお願いいたします。

 

   送金方法

代金の支払いとして、クレジットカードやPaypalが利用できると便利ですが、SR-Systems社ではこれらの取扱をしていません。このため、

SR-Systems社ドイツ国内の銀行口座に送金します。どの銀行からも送金できますが、手数料が一番安いのはゆうちょ銀行で\2500です。

写真が記載事例です。ドイツへの送金の場合、送金途中で? 5.50手数料が差し引かれるのであらかじめ? 5.50を合計金額に追加します。

http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/kaigai/sokin/kj_tk_kg_sk_koza.html

Web検索“ゆうちょ 口座あて送金”

 

写真 5 ゆうちょ銀行 国際送金申込書の記載例

 

img17.gif

 

    発送と通関

SR-Systems社では、発送にはUPSFedexの保険付を利用しています。発送が完了すると追跡番号をメールで送ってもらえるので、

いつ到着するかがわかります。

購入価格が10,000円を超える商品の場合には5%の消費税を支払います。送信機の価格は? 450に相当する円の金額となります。

個人輸入の場合には、購入価格の60%として課税されるため、実際に支払う税金は少なくなります。

通関手続きは、すべて貨物輸送会社が代行します。

UPSの場合はヤマト運輸が代行し、自宅に送信機が到着した時に税金ほか手数料を現金で支払います。

ドイツから送信機が到着するとヤマト運輸から問い合わせが来ます。

通関手続きを素早く済ませるには、追跡番号が決まったところで予め国内の貨物輸送会社に輸入する荷物が何かを説明しておきます。

“アマチュア無線用のテレビ送信機です”説明すれば問題ないと思います。場合よってはカタログをFAXするように要求されるので、

SR-Sytems社のWebからData SheetInvoice(納品書)FAXします。

(:電子メールは使えません、FAXで送ります)

 東京税関のWeb 

http://www.customs.go.jp/tsukan/kojinyunyu.htm#courier

Web検索東京税関 個人輸入“

 

4-2 受信機編

    チューナの入手先

受信は、市販の海外衛星用DVBチューナを使います。国内の販売店から購入でき、“海外衛星チューナ”で検索するとネット通販業者が

見つかります。

DATVに使用できる機種は、本体に「DVB-S  DVB-S2 FTA」の表示があれば使用できます。購入する前に必ず対応する衛星放送の方式(DVB-S)

電源電圧(100V240V)、映像方式(NTSC)を確認してください。チューナの価格は\15,000\40,000くらいです。

直接海外の通販業者から購入することもできます。

この場合オーストラリアのe-bay

http://www.ebay.com.au    e-bay 検索 “Satellite Receiver”

を利用すると英語が使えるので便利です。

海外から直接購入する利点は、多様な機種のチューナを選らべて価格が円換算5000(送料別)と安い事です。

チューナのほとんどが中国製なので、オーストラリアのe-bayを利用しても販売業者は香港、深センです。

送料無料の場合もありますが、不良品や破損が発生場合には交渉をすべて自分で行う必要があるので注意が必要です。

購入手順がわからない方は国内の業者または個人輸入代行サービスを利用してください。

国内の業者は、 茨城県の海外衛星TVアンテナから購入できます。

 http://www.jyctv.com

 

     テレビモニタ

DATV用モニタが必要です。初期設定でチューナのビデオ出力がPAL方式のため、日本専用のデジタルテレビでは画像が出ません。

このためWeb通販で500015000円で購入可能な、写真6の7インチの液晶モニタ(テレビ)をみなさん使用しているようです。

このモニタは、NTSCPALの映像方式に対応してDC12Vで動作するので便利です。最近は“オンダッシュボードモニタ”でも検索できます。

その他、ワンセグ液晶テレビ“では、外部ビデオ入力端子があるとPALにも対応しているようです。

 

写真 6

img18.gif img19.gif

 

     DVB機器情報

国内には、アジア、オセアニアの衛星放送を受信している愛好家とチューナやアンテナの販売店のWebがあり、受信方法やチューナの購入方法を

掲載しています。一度覗いてみることをお勧めします。

Web 検索 海外衛星放送“

 

これとは別に、対応チューナからパラボラアンテナ、ローテーターなど衛星放送すべての機器を網羅している便利な無料雑誌

Tele-audiovision International  があります。

http://www.tele-audiovision.com/eng/

英語の雑誌ですが、衛星放送に関するたくさんの広告が掲載されていますので、眺めているだけでもチューナや関連する機器と価格の様子

がわかってくると思います。

 

     チューナの紹介

私が海外から輸入して動作を確認したチューナを紹介します。現在購入できるチューナはSDHDに対応していています。

すべてのチューナに共通することは、

付属のリモコンは必需品で、失くすと受信設定ができなくなります。

 

・液晶モニタ付き

Portable Satellite Finder With 7” CY70701  写真7

形名違いの類似品が国内の販売店から購入できます。価格は2万円程度です。

7インチの液晶モニタとリチウムイオン電池も内蔵しているので移動運用に適しています。

( 充電用のACアダプター8.5V 1.5Aを失くすと電池の充電ができなくなります)

ビデオとオーディオの外部入力/出力にも対応しています。

国内で購入可能な類似品 ポータブルデジタルチューナ KPT-928A (アマチュア無線転用可と記載有)

 

写真 7

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・小型高機能

HD DVB-S2 Digital Satellite Receiver 写真8

形名が無いので類似品と間違え易いです。青い箱に入っています。

e-bay オーストラリアで購入可能ですが国内では取扱がありません。価格は日本円換算5000円前後です。

改造することが前提となりますが、分解して基板だけを取り出すとDC 5Vで動作します。

さらに便利な機能として、前面のUSB端子に市販の外付けUSBメモリまたはハードディスク(HDD)を接続すると、録画機能もできるようになります。

日本の通販業者から8000円程度で購入可能な車載用7インチ液晶モニタと組み合わせると、ビデオレコーダー+チューナ すべての機能が動作する

ようになります。

 

写真 8

img21.gif

・受信用測定器

Trimax SM2200  Satellite Meter   写真9

この機種は、海外衛星放送関連業者が測定器として使用します。簡易スペアナや、コンステレーション(WS-6932)が測定できます。

3.5インチの液晶モニタが付属してリチウムイオン電池で動作します。現在の後継機種はe-bayからWS-6906 が購入できます。

国内の販売店から類似機種KPT-968G2万円前後で購入できます。e-bayでは、”Satellite Finder” ”Satellite Meter”で検索することができます。

 

写真 9

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・高機能据え置き型

Openbox X6 1080p Full HD   写真10

据え置きタイプ、デジタルとアナログコンポーネント出力両方に対応しています。

国内、e-bayでも入手しやすい機種です

価格は国内類似機種で20000万円前後、e-bay7000円前後 送料別です。

現在購入可能な機種は、X10S10などの型番になっているようです。購入前に対応している機能と仕様を確認してください。

 

写真 10

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5章 

トランシーバの製作

 

5-1 送信基板の接続

 

送信機は、3枚の基板で構成しています。MPEGエンコーダー(MPEG-Encoder)DVB-S変調(Mini-Mod3)、入力設定(MiniKey)です。

付属するフラットケーブルを使用して、それぞれの基板は図11のように接続します。

接続する際1pinの方向を必ず確認してください。電源は、DC 1015VMiniMod3基板に供給します。

MPEG-EncoderMiniMod3基板は、発熱するので簡単なブック型ファンで冷却した方が良いようです。

 

図 11 送信機基板の配線接続

 

img24.gif

 

5-2  トランシーバの構成

 

2400MHz帯以上の運用では、マキ電機製トランスバータを利用している方が多いと思います。DATVにも使用可能ですが次の点に注意が必要です。

トランスバータの標準入力は100mW1Wですが、DATV送信機の出力が2mW と小さいため約20dBほど外付けPAアンプで増幅する必要があります。

このアンプには、コスモウエーブから販売している1WアンプPW-M12DX が使用できます。このアンプの基板にはチップ部品でバンドパスフィルタ

(BPF)が実装されていますが、中心周波数がDATVの運用周波数よりも低いようです。

もし可能であればこのBPFを通過するように、出力をPAアンプのFETドレインに直接接続すると特性が良くなります。

FETは非常に壊れやすいので注意してください。私は動作試験中にFETを壊してしまいました。Hi

トランスバータは送受信兼用ですが、送信機とチューナが分かれているので、送受信切り替えが必要になります。

12DATVトランシーバにまとめた場合のブロック図です。製作の際に参考にしてください。

トランスバータの送受信切替のキャリアコントロールで行いますが、ドライブ電力が小さいため動作しないことがあります。

このため TRV PTT 用外部スイッチで強制切替える必要があります。

実際の運用では、交信した時の映像を記録しますが、最近のビデオカメラはアナログ外部映像入力端子がついていないので苦労している方が

多いと伺いました。一番容易に入手できるのは、パソコン用のUSBキャプチャーアダプタ、3000円程度でWeb通販から購入可能です。

画像はパソコンのハードディスクに記録します。この記事で紹介した録画機能付きチューナもおすすめです。

 

写真 11  ビデオキャプチャー

img25.gif

12  DATVトランシーバのブロックダイアグラム

 

img26.gif

 

 

5-3 製作に必要な部品

 

・マイクロ波用同軸リレー

1200MHz 1W級アンプ コスモウエーブPW-M12DX 

  http://www.cosmowave.jp 

アンプの出力段に付加しているBPFをパスしてください。

・アルミケース

・小物

A/VRCA端子、S端子、切替スイッチ、リレー、SMAコネクタ、同軸ケーブル(リジット)

 

5-4  DATV送受信機の製作例

 

運用は、主に移動運用となりますので、送信機と受信機を1つのケースにまとめ、DC12Vで動作するようにまとめています。

写真12〜14DATVの運用をされているOMのトランシーバの製作例です。以下のWebを参照して製作してください。

 

製作例の紹介

 

JA8FSA佐々木OM

http://ja8fsa.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-d148.html

JA0BNK 坂上OM

http://jh0yqp.org/exp/MAKE/bnk/2009/09_10_17/ja0bnk_1200dtv_09_10_17.html

JA0GPO寺島 OM

http://jh0yqp.org/exp/MAKE/gpo/2009/2009_07_12/datv_gpo.html

JA0RGP佐藤OM

http://jh0yqp.org/exp/MAKE/rgp/2013/13_05_11/ja0rgp_dtv_tx_13_05_11.html

  

写真 12  JA0DAE 小林OM

img27.gif

 

写真 13  JA0GPO 寺島OM

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写真 14  JA8FSA 佐々木OM

img29.gif

 

DVBチューナには、e-bayで購入した小型のCOSHIP CDVBAny2830Cを使用して方が多いようです。この機種はすでに入手できなくなっていますが、

“Mini DVB-S Receiver”で検索すると後継機種が何種類か見つかります。私は使用していませんがDATVに必要な仕様を満足しています。

ケースのレイアウトは、写真12〜14のように正面のパネル面にDATV送信機のMiniKey液晶と操作、送受信切替スイッチとカメラ映像、音声入力端子を

配置しています。DATVの交信をビデオレコーダに録画するため、録画用の映像、音声出力端子も配置しています。

DVBチューナにはビデオ録画機能(PVR)のついた機種があります。チューナに小型のUSBメモリまたはハードディスク(HDD)を接続すると録画が

できるようになります。運用終了後はUSBメモリをパソコンに接続するとメディアプレーヤー再生できます。

大変便利なので設定方法は後程紹介します。

 

5-5 チューナの改造例

 

13〜15PVR機能の付いた小型のDVBチューナの改造事例を示します。改造する場合には、AC100Vの電源回路の感電事故、微細なCPU配線の断線

など問題が発生することがありますので、ご自身の判断で対応してください。

改造は、ケースの分解、外部5V入力への切り替え、LNB用電源の切断、A/Vケーブルの接続とリモコン受光部の移動、電源スイッチの追加です。

チューナを改造してケースに入れる場合、リモコン受光部をケースの外側に移動しないとリモコン操作ができなくなります。

 

13  ケースの分解方法

img30.gif

 

14 基板の改造方法1 ダイオード配線カット

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15 基板の改造方法2 信号と電源の配線

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SCART端子

欧州のテレビ、ビデオを相互に接続する端子にSCART端子があります。21pinでコンポジット、RGBビデオ信号の入出力がこの端子1個でできます。

日本ではなじみがありませんが、欧州では標準搭載になっています。日本ではWeb通販でSCARTRCA変換コネクタが購入可能です。

 

6章 

送信機の設定と調整

 

6-1  設定の準備

 

DATV送信機は、接続しただけでは使用できません。この項で説明する設定を行う必要があります。送信機の設定には2つ方法があります。

    専用のMiniKeyを接続する

    パソコンのUSB仮想COMポートからRS232シリアルで接続する

 

,麓尊櫃留人僉↓△禄藉設定時に使用します。MiniKeyには送信切替用のショートカットキーがあり大変便利です。MiniKeyでも初期設定は

可能ですが、トグルスイッチで1つずつ順送りの設定をして行くため、入力に間違えを生じたりコールサインの文字を入力するには時間がかかります。

パソコンのUSB仮想COMポートからRS232シリアル接続するには、市販のUSB-シリアルポート変換ケーブルを使用します。

使用するソフトウエアは、Windows XPの場合には、アクセサリに標準インストールされている“ハイパーターミナル”、Windows 7の場合には、

フリーソフトの“Tera Term”をインストールします。ここでは、“Tera Term”で使い方を説明します。

シリアル通信速度は、“115000”を選択します。この設定以外では通信できないので注意してください。

 

6-2  設定手順

 

16 MiniKeyから設定方法 1617は、PCのUSB仮想COMポートからの設定手順です。

各設定項目はMENUの中で“Category”毎の階層配列になっています。

設定項目が多く、このような階層配列になっていることに最初は戸惑いますが、実際に動作させながら試してみるとだんだん理解できるよう

になります

また一度設定すれば、これ以後は送受信切替(ON AIR)と周波数、シンボルレート設定だけになります。

注意する項目が3つあります。設定に間違えがあるとチューナから画像が出ません。

 

    PID Category” のVideo PID0x100  Audio PID0x101かを確認する

 これ以外の値ではチューナから画像が出ない

    Video Category の“SourceCVBS”、“FormatNTSC”に設定を変更する

 CVBSは黄色のRCA端子コンポジット信号(Y/Cも使用可能)

Format”は映像方式、日本は“NTSC”方式

    Modulation Category

周波数、シンボル設定などDATVの送信に関係する項目

 

16  送信機の設定手順 MiniKey

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17   シリアルポートの設定 Tera Termの場合

 

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18 送信機の設定手順 シリアルポート

 

img35.gif

 

img36.gif

img37.gif

6-3 シンボルレートと周波数帯域幅の関係

 

搬送波を変調すると周波数帯域幅は,変調帯域幅の2倍になります.

AMの場合、3kHzまでの帯域を変調すると、周波数帯域は最高変調周波数の2倍 6kHzとなります。BPSKの場合、ビットレートが6Mbpsでは、

ビットレートの26Mbps×2=12MHzが周波数帯域です。

DVB-Sなどのデジタル放送では、QPSK16QAM64QAMなどの多値変調を放送ごとに使い分けていることから、使用する変調方式によって

周波数帯域幅が異なります。このため、共通の指標として周波数帯域幅ではなく、シンボルレートを使います。

 

シンボルレート(sym/s:symbol per second)= ビットレート(bps)  ÷  周波数帯域効率(bps/Hz)

表5より、ビットレートが6MbpsQPSK16QAM64QAMの周波数帯域は

 

QPSK Bw=6Mbps×2÷2bps/Hz=6MHz

16QAM Bw=6Mbs×2÷3bps/Hz=4MHz

64QAM Bw=6Mbps×2÷4bps/Hz=3MHz

 

このように多値変調を使用すると、同じシンボルレートでも少ない帯域幅にすることができます。

写真15は、シンボルレート6Msym/s(6000ksym/s)の時の送信スペクトルです。

電力が3dB低下した時の周波数帯域幅は6MHzとなっています。

 

写真 15

img38.gif

 

5:変調方式ごとの周波数帯域効率

img39.gif

 

6-4  占有周波数帯域幅(OBW Occupied Band Width)

 

電波法の周波数帯域幅の定義は、“変調している全電力の99%”になっています。DATVの免許は、G7Wで最大17MHzとなっています。

デジタル変調の占有帯域幅は、OBWが測定できるスペクトラムアナライザで99%の電力周波数幅を計算する機能を使用します。

アマチュアではスペクトラムアナライザで測定することはできないので、簡易的に次のような計算をして求めます。

http://www.satsig.net/symbol01.htm

http://www.advantest.co.jp/products/emi/on_sale/U3771_U3772/demo/functions/obw.html

 

OBW=1.19×Bw(-3dB)=7.14MHz

 

この1.19の係数は、電力が1/10(-10dB)となる周波数を目安にしていて、DVB-S QPSKで使用しているロールオフ率 0.35の場合の値です。

最大周波数帯域17MHzとする最大のシンボルレートは、14.2Msym/s (14000ksym/s)になります。

ロールオフ率は、小さいほど周波数帯域を狭くできますが、電力アンプPAの直線性がより必要となり、相互変調歪(IMD)悪化の原因となるため、

周波数帯域の上下端をなだらかに低下していくようにフィルタをかけています。

 

6-5 送信機の出力調整

 

PAアンプを接続した後は、使用するトランスバータに合わせてDATV送信設定“Modulation Category”と“Gain”を調整します。

PAアンプの歪をスペクトラムアナライザで観測しながら調整しますが、全ての方がスペクトラムアナライザを持っていないので

簡易的な方法で説明します。

 

    DATV送信設定“Modulation Category”“Carrier Only”を”No”から“Yes”に切替え

これで送信機の出力は無変調キャリアになります。

    Gain”の値を0から順に最大15まで変更する

PA出力をパワー計またはPA12V直流電流値を読み取る

約“Gain”が10以上から出力の増加する割合が少なくなる

出力増加割合が少なくなる直前の“Gain”の値に設定する

    △猟汗阿できない場合には、“Gain”を10に固定する

    Gain”調整後は、“Carrier  Only”を“NO”に戻す

Gain”の値15に設定しても1200MHz FMトランシーバを接続した場合にくらべて半分以下になることがあります。

DATVで使用しているQPSK 6MHz帯域のデジタル変調の場合には、FMと同じ設定ではなく目安FM出力電力の1/10くらいにしておくと良いでしょう。

 

19  IF出力特性

img40.gif

 

6-6  電力測定方法

 

シンボルレート6000ksym/s で変調した場合の周波数特性は、写真15のように平坦な広帯域特性です。

このような広帯域な信号の場合、一般的な電力計で電力を測定すると、たとえば無変調で1Wの場合、QPSK変調時では200mW以下と低い値に

なりますが、これは電力計が6MHz帯域全体の電力を積算していないためです。

これより、DATVの送信出力を確認する場合は、必ず送信機設定で“Carrier Only”を“Yes”にして無変調キャリアに設定してから電力を測定します。

この時の電力値が“DATVの送信電力”です。

QPSK変調時の電力を測定してFMと同じ定格出力まで電力を増やすとオーバードライブとなり、相互変調歪(IMD)が顕著に発生して周波数帯域が広がる

問題が発生します。

 

6-7  送信出力差によるIMDの変化

 

DATV送信出力をPAで増幅した後トランスバータの出力をスペクトラムアナライザで測定すると写真16のように階段状になります。

この段差はIMDで、最初の段差は、第3次、次は第5次の歪です。歪は電力が増えると増加するため、最適値に調整する必要があります。

写真17は最適値、写真20は送信機のGain設定を最大にした場合のスペクトルです。

写真18のように、第3IMD=-20dB(Gain設定最大)を超えると第5次、第7次の値が大きくなり、周波数帯域が18〜30MHzと非常に広くなるので、

3IMD=-30dB以下を目標に電力の設定します。

実運用では、IMD-20dB以上に悪化しても顕著に画像にノイズや乱れを生じる不具合が発生しまませんが、コンステレーションを測定すると

違いがわかります。

写真18、写真19で比較すると、IMD:-20dB以上に悪化するとコンステレーションの“点”が楕円状に広がります。

この広がりは位相歪に起因していています。

このため、信号が強力でSignal Qualityの値が比較的高いにも関わらず、ブロックノイズが発生しやすい場合にはIMDが悪化している可能性

があります。

以上より、DATVでは電力調整が重要となり、できる限りIMDが低くなるように調整します。

IMDを電力調整だけで改善することが難しい場合には、周波数帯域を狭くする効果的です。

シンボルレートを低く6000ksym/s →4000ksysm/s→ 2000ksym/sします。

 

写真 16 適正値より電力を3dB下げた時のIMD変化

img41.gif

 

写真17  適正出力時のIMD  3次IMD -30dBを目標

img42.gif

 

写真 18  適正出力時のコンステレーション 点の集まりが円状

img43.gif

 

写真 19  最大出力時のIMD  周波数帯域5倍

img44.gif

  Photo19-IMD_gain_max1.jpg

写真 20  最大出力時のコンステレーション 点の集まりが楕円 位相歪有

img45.gif

 

6-8  画像の遅延

 

送信機にビデオカメラの映像を入力して、送信信号をチューナで受信すると、映像が1秒くらい遅れていることに気付くと思います。

この遅延は故障ではありません。

圧縮の項で説明したように、画像をメモリに記憶して前後の画像と比較して情報量を減らしています。

画像をメモリに記憶することは画像が遅れることになるので、圧縮を行うと必ず遅延が発生します。

さらに専用のMPEGエンコーダICでは多くの信号処理演算を行っていることから全体の処理時間が顕著に長くなり、結果として1秒以上の

遅れとなります。

 

7章 

チューナの設定方法

チューナの設定をする場合には、送信機にダミーロードを接続して電波を受信しながら行います。チューナの設定手順は図20の通りです。

注意する項目を別項で説明します。

 

20 チューナの設定方法

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7-1  言語とテレビ方式の設定

 

チューナは主に欧州、アジア用ですのでチューナの画面表示は英語以外の場合があり、テレビの映像方式はPALが標準になっています。

日本の映像方式は、NTSCのためテレビに接続しても画像が出ません。送信機の設定はすべてテレビ画面を見ながら設定するので、

4章で紹介したWeb通販で8000円程度から購入可能でDC12Vで動作する7インチ液晶テレビモニタを接続して対応します。

一度NTSCに設定すると日本のテレビが使用できます。

 

7-2  周波数とシンボルレートの設定

 

FM-ATVの受信は、チューナの周波数を合わせるだけで画像が出力しますが、DATVの場合には画像は出ません。

運用する受信周波数とシンボルレートをチューナ設定しておく必要があります。

これは、購入したチューナに設定してあるのは衛星放送のチャンネルで、実際の運用では使用しないので設定をやり直します。

チューナの機種が違う場合、図20の手順とは同じではありませんが、どの機種も設定する画面や表記方法が少しだけなので、

必ず入力する周波数とシンボルレートの設定が正しく入力できれば受信ができます。

衛星放送のIF周波数は、1200MHzを中心に9502150MHzです。衛星放送周波数帯4GHz12GHzをコンバータ(LNB)IF周波数に変換しています。

このため、IF周波数は同じですが、LNBごとに発振器の周波数が異なります。したがって、今回設定する周波数は次のように計算して求めます。

DATV Freq(TP Freq) = LNB Freq +  DATV  IF周波数

 

IF周波数がLNBDATV2つがあり、区別するためDATVIF周波数を DATV IFと表します

 

例えば、5600MHzでトランスバータ(TRV)を接続して運用する場合には、TRVの局部発振器周波数が4480MHzですので、

IF周波数は1265MHzが代表的な値です。

 

    DATV IF周波数 =1265

    LNB Freq = 10750

    DATV Freq = 12015 この 12015 を TP Freqに入力する

  

LNB Freq=10750MHz以外の設定例は、

4GHz帯のLNB Freqは、5150MHz(逆へトロダイン)

DATV Freq(TP Freq) = 5150-1265 = 3885 (MHz)

( TP Transponder 衛星中継機 TP Freqは、衛星中継機の放送周波数です)

 

このように、入力するDATVの周波数は各自で計算する必要があります。

チューナは受信する周波数(チャンネル)はLNBのバンド(発振周波数)ごとに同じ計算をしているだけですので、DATVの場合には計算しやすい

LNB Freqの値にすると暗算が簡単になります。

 

たとえばLNB Freq = 10000にすると、

DATV Freq = 10000 + 1265 = 11265 (MHz)です。

20の手順では、LNB Freq10000で説明しています。

 

7-3  その他の設定

 

海外の衛星放送を受信する場合には、受信する衛星放送ごとにパラボラアンテナを回転させるため、自動のアンテナ回転装置が付いています。

この設定はDiEQC22kの設定ですが、DATVでは必要ありませんので設定はすべて OFF”です。

またチューナには、LNBに電源を供給する機能があり、DATVでは使用しないので”OFF“に設定します。

万が一DC18Vが供給された状態でトランスバータ、プリアンプなどを接続すると思わぬ故障になることがありますので、

13のようにDC電源供給回路を切断しておきます。

 

8章 

DATV免許の申請方法

 

DATVの免許申請書類一式は、私が開設するWebからダウンロードできます。

同じ書式をTSSに提出することで4アマの方から申請して免許を取得できます。

http://www.geocities.jp/microwave24ghz/

 

8-1  免許取得経過

 

DATVの免許は、200712月に取得しました。DATV送信機は自作扱いでTSSの保証認定を取得します。

私が免許申請をする時の心配は、DATVの免許が取得できるかが課題でした。送信機を入手できても免許取得ができないと運用できないので、

20076月頃TSSに申請の理由と技術概要を提出しました。TSSとは何度か電子メール、電話の説明と追加資料の提出を行い、関東統合通信局の審査で

免許を取得できるようになりました。

申請書類は、無線局変更申請書、無線局工事設計書と保証認定用 送信機のブロックダイアグラムを作成しました。

SR-Systems社から半導体の名称を聞くことができましたが、送信機の回路図までは入手できないため、ブロックダイアグラムの作成は苦労しました。

DARCが最初に製作した試作品の回路図を見ながら保証認定用の申請書類を作成しました。この申請ではできる限り汎用性のある申請にして、

入力4チャンネルの多重でSD画質の他にHD画質、さらに日本のISDB方式にも対応できるように記載してあります。

このため、たとえば“デジタルテレビジョン方式の諸言”では、DVB方式の記載にISDB方式も追加してあることから実際の方式とは

異なる記述があります。

また、私が送信機を入手してから何度か基板のバージョンアップをしているので、現在の基板と若干回路が異なる部分があります。

しかし私の申請した後すべて許可されているので問題ないようです。この他、DATVの免許は最初の申請となりましたので、関東総合通信局から

下記説明資料の要求がありました。現在では提出の要求はないようです。

 

    デジタル化方式が秘話性をもたないことを“担保”すること

    デジタル化することへの利点を明確にすること

    デジタルアマチュアテレビジョンの免許を受けた後

「デジタルテレビジョンを公開してその技術の普及に努めること」

    免許の電波形式には最大周波数帯域の制限を設ける

 

8-2  DATVは運用規則上“アマチュアテレビ”ではない

 

免許取得する際、関東総合通信局とTSSからの指摘で1200MHzの免許取得が難しいことがわかり、1200MHzの申請を一旦取り下げました。

 

理由

    デジタルアマチュアテレビの電波形式は、D7W G7W X7W

     無線局運用規則第258条の2「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」のバンドプラン上、

  “アマチュアテレビ”に指定された電波形式は、A8WC8WF8W

    デジタルテレビの電波形式は、バンドプランで指定されていないので、無線局運用規則上“アマチュアテレビ”にはならない

    実際に運用できるのは、“全電波形式”の周波数区分だけになる

 

 

 

アマチュアテレビの周波数帯域で運用できる電波形式

A3F   A8W  C3F  C8W  D7D  F1D  F3F  F7D  F7W  F8W  G1D  G7D  X7D

DATVの電波形式 G7W   D7W   X7Wが含まれていない

 

1200MHz帯には、アマチュアテレビ用に17MHzの周波数帯域がありますが、この周波数帯域では運用できません。全電波形式の帯域は、

1296.201299.00MHzまで帯域2.8MHzになるため、17MHzの最大周波数帯域のあるDATVは許可できないことになりました。

このため初回の申請では1200MHzの申請を取り下げました。

その後、DATVデジタルテレビは、画像の情報量を少なくすることで2.8MHz以下の周波数帯域も設定可能になったので免許の取得ができるようになり、

現在では1200MHz以上のバンドすべてで運用可能です。DATV2400MHz~10.2GHz帯までのバンドの全電波形式の周波数帯域での運用に限定されますが、

1200MHz帯以外は元々周波数帯域が広いので実運用上の問題はありません。

JARLでは、バンドプランの改定を予定していて、DATVの電波形式も“アマチュアテレビ”に加える予定ですので、近い将来アマチュアテレビとして

運用できることになると思います。

最近分かったことですが、アメリカのFCC規則上でも“DATVの信号はデータか映像のどちらとするか”で同じような問題が出ているようです。

ただし430MHz帯に限ったことです。日本以外では、430MHzでアマチュアテレビの運用が可能で、特にアメリカでは430MHzの周波数帯域が

20MHzあります。

 

9章 

DATVの運用

 

DATVの運用は、アマチュアテレビ(ATV)と大きく変わりはありません。運用する周波数が1200MHz以上となるため、ロケーションの良い場所

に移動します。

交信する場合には、430MHz1200MHz帯で相互に連絡を取りながら送受信の切り替えタイミングやアンテナの方向合わせをします。

 

写真 20     JA8FSA 佐々木OMの運用機材

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写真21   JA5GYU 近藤OMの機材

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写真2021は、DATV移動運用機材です。マイクロ波の移動運用では、パラボラアンテナと無線機を一体にしますが、DATVではさらに画像を

録画する機材が追加になるので、機材全体の配置が重要になります。

 

9-1  運用の注意点

 

実際の運用で注意するべき点は周波数とシンボルレートです。

前項で説明したように、DATVATVの周波数で運用することができません。運用できる周波数区分は全電波形式ですので、10.2GHz以下の周波数帯

ではオフバンドにならないように注意します。特に1200MHz帯は、運用できる周波数が1296.201299.00MHz 2.8 MHz幅です。

したがって、周波数とシンボルレートの設定を良く確認してください。現在国内のDATVが運用している周波数は次の通りです。

 

1200MHz: 1298MHz

2400MHz:2440MHz

5600MHz:5745MHz 

10.2GHz:10.225GHz

24GHz:24.02GHz

 

DATVでは、シンボルレートを一致させる必要があります。日本のシンボルレートは6000ksym/sを標準にしています。

1200MHz帯は運用できる周波数帯域が狭いため、シンボルレートと映像の画素数を変更する必要があります。

オフバンドにならないようにするためには、シンボルレートが2500ksym/s以下となるため、JAでは1800ksym/sが標準です。

シンボルレートを1800ksym/sに下げるためには,MPEGエンコーダーの画素数も少なくする必要があります。

この設定方法は,画素数を半分720x480→360x480に変更します。

16の送信機設定Video Setting  4) Video Resolution [D1][HD1]を選択します。

 

9-2  DATVの交信記録

 

私は、200712月にDATVの免許を取得しましたが、交信する相手がいないので自分の送信電波を家の近所で受信する実験をしていました。

その後、仕事などが忙しくなったため、DATV2 way QSOはありません。

私が免許を取得した後、大分マイクロウエーブのJA6LXR長屋OMからDATVの問い合わせをいただき、大分、北九州、愛媛のOM方に送信機の入手や

免許手続きのお手伝いして国内の運用が始まりました。DATVの主な運用例を紹介します。

 

 々馥盻

20082008724日 大分チームJA6LXR JA6CAM JA6CPU JA6SPI 福岡チーム JA6JNR5.7GHz 22km2 way QSOが成功しました。

この交信が日本初です。

2008727日 大分チームJA6LXR JA6CAM JA6SPI JA6MQT 愛媛 JA5GYU  JJ6DRF  

大分県国東市と愛媛県伊予市 5.7GHz 102km 2 way QSOが成功しました。

 

写真 22  JA6SPI 穴見OM とJA6GYU 近藤OMの交信画像

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◆\こΦ録と日本記録

スイスのHB9AFO Michelさんは、公式ではありませんがマイクロ波のDX交信記録を集計してWebに掲載しています。

このDX記録は、DATVが別枠で記録を集計していることから、JAのみなさんがこの記録に挑戦しています。活躍を紹介します。

JARLでは、VUSHF帯の日本記録をWebで紹介しています。

http://www.von-info.ch/hb9afo/records/recordse.htm

http://www.jarl.or.jp/Japanese/A_Shiryo/A-8_Kiroku/distance.htm

 

JA OM各局が達成したDATV世界記録は、1200MHz24GHzまで10GHzを除いて4バンドで保持しています。このような記録を達成できたのは、

ATVが盛んな九州をはじめとする日本各地のOM方が努力された結果と思います。

JA各局の素晴らしい活躍は、チームを結成して多くの方々で楽しんでいるチームワークだと思います。

このような活動が長く続くことを希望します。

 

Youtubeに投稿されている交信記録映像も紹介します。DATVは記録をそのまま映像で残せるので活動の目標を持ち続けられると思います。

またYoutubeは、世界中の方が見ることができるのは素晴らしいことです。

 

    記録に挑戦

2009年、2010年、201111月には、大分+北九州+山口+愛媛の合同チームによって、大分県鰐塚山と愛媛県大川嶺間252km

1200MHz 2400MHz 5700MHz 10GHz4バンドの2way QSOが成功しました。

当時この記録は世界記録になりました。現在でも1200MHz2400MHzの記録は世界記録と日本記録を保持しています。

鰐塚山 JA6 JNR OM  JA6LXR 長屋OM  JA6SPI 穴見OM

大川嶺  JA5GYU近藤OM   JA5JSU  JA5MFY久山ご夫妻

http://www.youtube.com/watch?v=1m2YzGqHalU

http://www.youtube.com/watch?v=IB4uORoq5Uw

 

写真 23                        写真 24

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ぁ‘本見通し最長距離

201189日 山形県鳥海山 2236mと長野県鹿島槍ヶ岳 2889m 日本最長見通し距離 341km5700MHz10GHz帯の2way QSOが成功しました。

5700MHzの記録は当時の世界記録と日本記録、10GHzの記録は日本記録となり、CQ Ham Radioにも掲載されました。

鳥海山 JH1GED 大瀧OM  鹿島槍ヶ岳 JL1BLF 角OM

http://www.youtube.com/watch?v=d-Vl1NxvVws

 

写真 25                                                                 写真 26

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Above 24GHz

20111112 北九州+佐賀+山口合同チームにより、山口県下関市華山と佐賀県佐賀市天山間124km24GHz2way QSOが成功しました。

この記録は24GHz DATV DX日本記録と世界記録です。

華山 JA6EES 秋山OM    天山 JA6DME 和田OM

http://www.youtube.com/watch?v=wyXAx7BvdBJ

 

JA3CVF 森本OMは、47GHz 135GHzDATVの通信実験に成功して、DATVでは不可能と考えられていた周波数2逓倍で135GHzを実現しています。

記録はありませんが、世界ではじめての実験ではないかと思います。

47GHz135GHzでは、DATVの交信記録がないので今後の2Way QSO記録が期待されます。

 

写真 27                             写真 28

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写真 29  JA3CVF 森本OM

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Α仝通し外DATV交信成功 世界記録

2012728 長野+新潟+北陸の合同チームによって、秋田県男鹿市寒風山と富山県砺波市医王山 464km見通し外の5700MHz 2way QSO

成功しました。

この記録は現在も世界記録です。

惜しくも10GHz1wayとなり再挑戦を計画しているようです。

寒風山 JA0GPO 寺島OM   JA0RUZ 関崎OM

医王山 JA0BNK  坂上OM  JA0DAE  小林OM

http://www.youtube.com/watch?v=7MOdNqoLZ-4

 

写真 30                                                               写真 31

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     JA-HL 初のDATV 2way QSO

2012114日 北九州と韓国の合同チームにより、韓国元曉山と山口県下関市崋山間 222km 10GHz 2way QSOに成功しました。

このQSOは初のDATV海外QSOとなりました。

韓国のOMが使用するDATVトランシーバ2台は、JA6GBR 栗田OMが製作したと伺いました。

華山  JA6DME 和田OM  JA6DLL 島村OM  JA6GBR 栗田OM

韓国    HL5’sBBD PMM  DS5’s AXK  BCH  MNU  DS4DUM

http://www.ktqshf.net/ktqshf/2012.html

 

写真 32                                                               写真 33

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9-3  遠距離 DX QSOに向けて

 

1200MHzで変更したシンボルレートの変更はDX QSOにも応用できます。DX QSOでは電波の強さ変化するQSBが発生して安定しません。

QSBの発生要因は複数ありますが、マルチパスの影響が大きいと思います。DVB-Sは衛星放送用のため、直接波を受信するのに適していることから,

マルチパスが発生する場合には影響を小さくすることが必要になります。

マルチパスの影響を小さくするには、できる限り周波数帯域が狭い方が有利で、誤り訂正能力を強力にする設定に変更します。

シンボルレートの符号設定を4000ksym/s2000ksym/s、誤り訂正を2/31/2に変更します。

 

9-4  DATVのレポート交換

 

ATVの運用でシグナルレポートに相当するのがMレポートです。

M0からM5まであり、M1は映像がかすかに確認できる、M5は放送映像同等の鮮明画像のような基準を設け、カラーは末尾にC

DATVは、末尾にデジタルのDをつけてレポート交換しています。

FM-ATVでは、実際にM1M5までのレポート交換がありましたが、DATVでは一定値以上の信号強度(C/N)に到達するとM5のきれいな画像になり、

M0DまたM5D2段階になります。この理由は、デジタル符号化と誤り訂正によって一定以上の信号品質を保つことができるためです。

地デジの画質判定は3段階で図20のようになっています。

 

21

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JA0RUZ関崎さんの提案は、信号品質が悪くなった場合に発生するブロックノイズの程度に応じて判定します。

DATVが新しいモードなので今後みなさまの検討をお願いします。

完璧動画映像:M5D  ブロックノイズ有:M4D     時々画面が消える:M3D        時々画像が出る:M2DQSO不成立

 

9-5  アンテナの方向合わせ

 

マイクロ波用のアンテナは、パラボラアンテナに代表されるように非常に指向性が鋭くなっていることから、信号強度が最大になるように

アンテナの方向を合わせます。

FM-ATVの場合には、映像を見ながらアンテナの方向合わせを行うことができましたが、DATVの場合には信号が弱い,安定しない場合には

画像が全く出ません。

このためDATVでは画像を見る代わりにSignal Qualityの数値を見ながらアンテナの方向を合わせます。

図34のように、信号強度(Signal Intensity)と信号品質(Signal Quality)を画面に表示できるようになっています。表示する方法は、

リモコンの[Info] ボタンを押します。

DATVのアンテナ方向は,主にSignal Qualityが最大になるように調整します。

極端な例では、Signal Intensityの値には関係なくSignal Qualityの目安値がたとえば40%以上であればM5D、以下であればM0Dの画像になります。

 

写真 34

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10章 

海外のDATV

 

10-1  DATVの熱い話題

 

国際宇宙ステーション(ISS)からアマチュア無線の交信をするプログラムを知っている方は多いと思います。

AMSAT-アマチュア衛星協会の発表によれば、今年20138月4日本時間午前448分、日本の無人輸送船“こうのとり”でDATV送信機をISSに送り、

その後準備ができ次第ISSからDATVの運用を行う予定です。

この発表後、ISSから送信される映像を受信する HAM Video プログラムが注目されるようになりました。

http://ww2.amsat.org/wordpress/wp-content/uploads/2013/04/ISS-DATV.pdf

JE9PEL/1 脇田OMが日本語で解説しています。

http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/isshamtv.pdf

ISSに搭載するDATV送信機は,今回この記事で紹介しているDATV送信機と同じSR-Systems社製です。

この号が発売される頃には詳細な運用日程が発表されると思います。

http://www.amsat.org/amsat/ariss/Meetings/2011_Houston/Presentations/11%20Presentazione_Houston_Draft.pdf

 

写真 35

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6                                  表 7

img66.gif img67.gif

 

主な項目を表にまとめました。チューナは、Desk Top PC用でPCIスロットタイプを推奨しています。このチューナと組み合わせるのは、

F6DZP Jeanさんが製作した Tioune Monitorで、ここで紹介したDVB-S用測定器に相当する機能を備えている優れものです。Webに説明があります。

http://www.vivadatv.org/page.php?p=tutioune-en

 

このソフトの特徴は、PCから周波数、シンボルレートの設定を行うだけでISSからのDATV信号を受信できるところです。

また、2.4GHz1200MHzに変換するダウンコンバータは、KUHNE製を推奨していますが、日本ではマキ電機のUTV-2400BPが使えるようです。

私はISSと同じDATV送信設定に合わせ、チューナで受信できるかを確認しました。この記事で紹介しているチューナすべてで受信ができました。

この結果から市販のDVB-SチューナはISSDATV受信に使用できそうですが、つぎのような問題がありますので注意してください。

チューナの周波数とシンボルレートは、ISSの信号を受信して設定終了後に必ず”TP Search”を行います。

DATV送信機を持っている方は予め設定ができますが、持っていない方はISSが受信できるウインドウの“280秒間”にチューナの“TP Search”が

完了すれば受信できます、次回以降に設定を変更する必要はありません。

この方法の課題は、“280秒間”でISS”TP Search”ができるかにあります。

この時間内でアンテナをISSに追尾して受信信号を安定しつつ”TP Search”を完了できるか、これまでの実績がないので確認が必要になります。

図22は、市販のチューナISSを受信する設定方法です。参考例としてください。

UTV-2400BPの場合、周波数とシンボルレートの設定は次の通りです。

 

    周波数 1282MHz(2422MHz)  1297MHz(2437MHz) 

    シンボルレート 1300ksym/s または 2000ksym/s

 

図22

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10-2  海外の活動

 

DATVの運用が行われているのは,ドイツを筆頭に,フランス,イタリア,イギリス,スイス,オーストリア,オランダ,ベルギー、スロベニア、

フィンランドです。また、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでも運用が行われています。

フランス、スイスの合同チームは、10GHz帯の移動運用を行い、イタリア サルデーニア島IS/HB9IBC(GL:JN40CT)とスペイン EA3/F4FXQ(GL:JN12OH)

450kmで界記録を達成しています。

このような海外のDATVの活動は次から情報を得ることができます。

ドイツ AGAF 機関紙 TV-AMATEURを年4回発行(ドイツ語) http://www.agaf.de/

イギリス BATC 機関紙 CQ-TVを年4回発行 http://www.batc.tv/

イギリス CQ-ATV 機関紙 CQ-ATVを発行 無料 http://www.cq-datv.mobi/ebooks.php

アメリカ Amateur Television Quarterly が機関紙同名を年4回発行 http://www.atvquarterly.com/

アメリカOrange County ARC  W6HHC KenさんがTechTalkを不定期で発行しています。  http://www.w6ze.org/DATV/

ドイツのAGAF  TV-AMTEURでは、何度かJAの活動を紹介していて、160号の表紙は鰐塚山で世界記録を達成した大分+北九州合同チームの

記念写真です。

 

写真 36

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10-3   リピーター

 

欧州では、ATVのリピーター大変盛んで、以下のWebから欧州のATVリストを見ることができます。局数の概算は、DL:140 F:80 G:40 など大変多く、

ドイツ、イギリスでは、約50%ATVリピーターがDATV対応していて、山頂や電波塔などに設置して広域のネットワークを作っています。

http://www.atv-relais.de/tabelle.php

 

23   ドイツ 広域リピーター DB0SRSのブロック図

 

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図23 はSR-System社のStefanさんが管理するDB0SRSリピーターの構成図です。このリピーターの特徴は、2.3〜10.2GHz合計6波を同時に受信して、

6画面多重した映像を3.4GHz帯に出力して同時に見ることが可能です。6波の内2波は他のリピーターを受信しているので、フランクフルト近郊の

広範囲で受信可能です。直接DB0SRSの画像を見ることができませんが、6画面同時がどのように見えるかはイギリスBATCWebで配信している

DATV”Live Stream”で体験することが可能です。

http://batc.tv/multi_screen.php

 

写真37 は、BATCから見た6画面のサンプルです。イギリス、アメリカ、アルゼンチン、オーストラリアに設置しているリピーターからの

”Live Stream”です。もちろん日本から“Live Stream”に参加することも可能です。いかがでしょう?日本でもこのようなリピーターが

稼働できることを願っています。

 

写真 37   BATC Live Stream 画像 接続しているリピータを最大6画面同時に表示可能

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10-4   DATV送信機開発プロジェクト

 

手軽にDATVを楽しみたいと思いから、イギリス、アメリカの有志でDATV送信機開発プロジェクトが2つ進んでいます。

MPEGエンコーダ基板で画像を圧縮して予めPCに記録します。送信時は記録した画像を読み出して、製作したPCソフトウエアで誤り訂正や

DVB-S方式へのデータ変換を行い、Digi-Lite基板でデジタル変調を行います。Digi-Liteは、FPGADDS-OSCUSBなどブロック別に基板を構成し、

DATV Expressは一枚の基板でまとまっています。

Digi-Liteの基板Ver5.9 (部品は実装していない) BATCからオンライン購入できます。

https://batc.org.uk/shop/hardware-and-kits

 

DATV Expressの基板は、現在試作評価中で完成後は領布の予定です。

BATCWebに両プロジェクトのフォーラムがあります。

MPEGエンコーダ基板は、Web 検索 “Hauppage PVR“で検索すると日本でも購入可能のようです。

日本でDigi-LiteMPEGエンコーダ基板を使ってDATVの送信したOMはいません。購入される前に使用するPCとの互換性を確認してください。

 

Digi-Lite

http://www.batc.org.uk/forum/viewforum.php?f=71

http://www.g8ajn.tv/dlindex.html

 

DATV Express

http://batc.org.uk/forum/viewforum.php?f=15

http://www.w6ze.org/DATV/

 

24    Digi Liteのブロック図

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11章 

今後のDATV

 

11-1  高精細化(HD)

 

デジタルテレビ放送ではすべてHD対応になりました。DATVの免許申請をした時にSD画質の他にHD画質も含めてあるので、HDに対応するには

どうしたらよいかの問い合わせをいただきました。現在SR-Systems社からHD用のエンコーダー基板(MPEG4 H.264 Encoder)

変調基板(DVB-MiniMod2 2TS)が購入できます。私はStefanさんから試作品を譲っていただき室内の送信テストをしたところです。

写真は、HDの受信画像とコンステレーションです。HDではより繊細な画像となります。

特徴は、圧縮率と周波数帯域効率の高い、MPEG-4 H.264方式 8PSK変調を使用するので、SDと同じ6MHz周波数帯域でHD画像を伝送することが

できます。

 

写真 38  5700MHz HDTVの受信画像

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写真 39

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11-2 社会貢献

 

DATVを運用すると画質が良くなり、乱れも少なくなります。W6HHC Kenさんが記述したTalkTechの中でDATVを導入する理由に、「非常通信:アナログTVより画質が良く乱れのないDATVは非常時の情報手段として有効」と説明し、この考え方には大変感銘を受けました。
東日本大震災を教訓にアマチュア無線が担う非常通信の重要性が再認識されました。大規模災害では長時間の停電が発生する可能性があり、たとえば携帯電話基地局は、停電用のバッテリーが数時間動作した後電力が枯渇して動作が停止します。仮に復旧しても通信規制や輻輳(ふくそう)により通信容量が大幅に低下します。さらにインターネットで使用している光回線では、光通信用モデム、ルーターが停電により動作しないこととから、既存通信による情報伝達が難しくなります。このため総務省や通信会社では、移動電源車、可搬型衛星通信装置(VSAT)を配備して重要通信を確保する整備を進めています。しかし費用や技術操作要員確保がまだ十分ではなく、さらに発電用の燃料をどのように継続して供給し続けるかが課題となっています。
以上より非常時の通信手段は、機動力と情報伝達能力を複数準備しておく必要があります。この点DATVの設備は移動運用を前提で構成していて、大きな電力を必要とせず一般的なDC12V系で動作するようになっていることから、DATVは非常通信手段として有効に機能する可能性があります。参考までに補足すると、テレビ画像をテレビ局間で衛星中継する場合のデジタルテレビ方式は、DATVと同じDVB-S方式を使用しています。
具体的なDATVの非常通信への貢献事例としては、災害でけが人が多数発生した際、治療する医師が不足したり、容易に通行できない被災地域まで医療を提供するのが難しい場合があります。この時アマチュア局が簡素なDATV設備を持ってけが人がいる場所まで移動し、けがの具合を医師のいる拠点病院までDATVを利用しでテレビ画像を伝送して治療の指示が受けられる、遠隔治療の取り組みです。2011年、厚生労働省と総務省が法律を施行して遠隔治療ができるようになっています。もし実現できればアマチュア局が社会貢献できる機会になるでしょう。
写真40は、JA0BNK 坂下OM、JA0DAE小林OMが参加した糸魚川市防災訓練で、DATVの訓練画像を市役所まで伝送した様子です。また写真41は、北海道GHzバンド愛好会JA8FSA 佐々木OMを中心とするDATV移動実験の際、北海道新聞の取材を受けてDATVが非常通信に貢献できることを説明しました。さらに図25は、JA0BNK 坂下OM JL1BLF 角OM JH1GHD 大瀧OMが実験した 渋峠⇔58km⇔赤城山⇔150km⇔大楠山間で5.6GHz-10GHzクロスバンドのテレビ画像中継が成功した時の設備と回線構成図です。
このような活動が広く社会から認められるように願っています。


http://www.soumu.go.jp/soutsu/chugoku/data/kentou2012_data/kentou2012-04.pdf

http://jtta.umin.jp/frame/j_14.html

http://jh0yqp.org/exp/QSO/bnk/2010/06/10_06_02/ja0bnk_ido_10_06_02.html

 

25  渋峠 赤城山 大楠山 DATV中継実験

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写真 40

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写真 41

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12章 

おわりに

 DATV免許取得から5年、全国のDATVOM方のご努力で大きな成功を収めています。DATVはデジタルで画像と音声で通信することから、

現在のインターネット時代に合う通信手段と思います。DATVとインターネット、連携させるとマイクロ波の国内運用から国際的な活動になる

可能性が分かって来ました。また、ISSのスクールコンタクトでDATVの宇宙中継画像を受信するとアマチュア無線への関心がさらに高まりそうです。

今回駆け足でDATVの概要を説明しましたが主体となりますが、この記事をきっかけによりDATVが盛んになることを願っています。

この記事を執筆するにあたり、北海道から九州までのDATVを運用する皆様から写真や資料の提供をしていただきました。

紙面をお借りしてお礼させていただきます。

 

 

 

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