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猫でも読めるブックレビュー


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社会

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 (西原理恵子著、理論社、2008年)New!
 人生のカウントダウンの音が聞こえるあなたへ。負け組みの必読書。

『新脱亜論』 (渡辺利夫著、文藝春秋社、2008年)
 日本の外交方針の基本がどのようなものであるべきか、これぐらい分かりやすく説明した解説書はありません。歴史的な考察によって現代における問題を照射した格好の事例です。オジサンの好きな気分だけの歴史談義なんか比べものにならないアクチュアルな分析。

『仕事とセックスのあいだ』 (玄田有史・斉藤珠里著、朝日新聞社、2007年)
 労働環境の悪さがセックスレス、ひいては少子化の一因になっているのでは、という疑惑はこれまでにもたびたび語られてきましたが、いまいち決定的な証拠に欠けました。そこを実証的なデータに基づいて証明しようという意欲的な本。使っているデータが『アエラ』のアンケート調査というところがやや残念だけど・・・・・・。

『下流志向』 (内田樹著、講談社、2007年)
 「聖域なき構造改革」とはすなわちあらゆる分野に市場原理を導入すること。だが果たして教育に市場原理は適合するのか、という問題を考えたい人にうってうけの本。現場の先生に、是非読んでほしい。

『フューチャリスト宣言』 (梅田望夫・茂木健一郎著、筑摩書房、2007年)
 20代以下の若い人に、是非読んで欲しい。きっと勇気が出ます。でも、あくまで若いうちの通過点でしかないけど。
 mixi に代表される SNS を Web2.0 ではないと言い切ったり(p.90)、インターネットが「資本主義とものすごくかっちりと結びついて」発展する(p.158)という性質を押さえているあたりは、とてもまっとうな見識です。多分インターネットは、アナルコ・キャピタリストにとっての理想郷になると思う。

『つっこみ力』 (パオロ・マッツァリーノ著、筑摩書房、2007年)
 もし合理主義と啓蒙主義が覇権を握りたいなら、正しいだけではいけない。分かりやすさと面白さが必要なのだ! という主張は、啓蒙主義の基本方針に加えるべき。

『反社会学講座』 (パオロ・マッツァリーノ著、筑摩書房、2007年)
 ふふふふ、誰ですか、学問がつまらないなんて言ったのは。もし学問がつまらないと感じているとしたら、それはその人の実力不足なのです。知性とお笑いの華麗なるコラボ、異才マッツァリーノのデビュー作。

『結婚の条件』 (小倉千加子著、朝日新聞社出版局、2003年)
 若桑みどりは死に、上野千鶴子もダメになったいま、もう日本でフェミニズムが何かまともな成果を挙げるとは信じていませんが、小倉千加子と斉藤美奈子だけは、まだフェミニズムが本来持っていた虚偽を衝く批評力を発揮できると期待しています。

『仕事のなかの曖昧な不安』 (玄田有史著、中央公論新社、2005年)
 若者がフリーターやニートに転落するのは、必ずしも彼ら一人一人の「心のもちよう」に責任を帰すことはできない。実は中高年が若者を犠牲にすることによって保身を図った結果なのだ、という事実をきっちり論証した良い本です。

『こうすれば犯罪は防げる』 (谷岡一郎著、新潮社、2004年)
 犯罪抑止のための方法は、少年法を改正したり刑法を厳罰化したりするマクロ政策レベルの対策だけではありません。普段の生活の中のルーティンを少し変えてみる、環境をちょっといじってみるだけで、意外な抑止効果が得られるという、新しい活路を紹介します。家やマンションの購入をお考えの方、子供の非行が気にかかる年齢になった親御さんにお薦め。

『秘伝 中学入試国語読解法』 (石原千秋著、新潮社、1999年)
 国語の成績が上がらないとお悩みのそこの君。その悩み、解決してしんぜよう。


技術

『その数学が戦略を決める』 (イアン・エアーズ著、文藝春秋、2007年)
 DB エンジニアという仕事柄からもしれないけど、考えさせられる本でした。苛立つにせよ諸手上げて賛成するにせよ、無視することはできない。

『ヤバい経済学』 (レヴィット, タブナー共著、東洋経済新報社、2007年)
 困った人たち・・・という印象はさておき、「面白さを鍵にした社会科学入門」というマッツァリーノの主張を米国でやったらこうなりました、という感じの本。

『ネットvs.リアルの衝突』 (佐々木俊尚著、文藝春秋、2006年)
 パーソナル・コンピュータとインターネットに代表されるアメリカのプログラミング文化が、ヒッピー・ムーブメントや、ひいてはアメリカ建国の理念に連なる一つの運動であることを見通しよく整理している点が高評価。Winny 裁判の経過報告などは付けたしでしかない。

『論文の教室』 (戸田山和久著、日本放送出版協会、2002年)
 大学生は、文理問わず必読です。できれば1年生のうちに読もう。社会人でも絶対に役に立ちます。




歴史・思想

『平成宗教20年史』 (島田裕巳著、幻冬社、2008年) New!
 新入生諸君、無防備なままキャンパスに行って変な宗教の餌食にならないように。まずはこの本でワクチンを打っておきましょう。新宗教に興味のある人全般にもお奨めの入門書です。

『新教養主義宣言』 (山形浩生著、河出書房新社、2007年)
 山形さんは、私が勝手に師匠と仰ぐ一人。この本は、若い頃の私の教科書でした。

『私家版・ユダヤ文化論』 (内田樹著、文藝春秋、2006年)
 他者論の本は、一時期多く出回りましたが、ユダヤ人という切り口が鮮やかだった。同じ要領で火星人や地底人バージョンもできそう。

『グロテスクな教養』 (1) (2)(高田里恵子著、筑摩書房、2005年)
 これは面白かった。あまりに面白かったので、二つも書いてしまった。腰帯には「知的マゾヒズム宣言」とか書かれていたけど、こんなの全然マゾヒズムじゃないですよ。堂々たる文化論として胸を張ってください。

『逝きし世の近影』 (渡辺京二著、平凡社、2005年)
 日本が近代化を遂げる過程で、私たちが捨て去ろうとしたものを記録してくれたのは、意外なことに近代化を経た西洋の人々でした。タイトルにつけた「優しき山椒魚の国」というのは、結構きにいっています。

『アナーキズム』 (浅羽通明著、筑摩書房、2004年)
 これほど手際のいいまとめ方をした思想の入門書は、他に知りません。名著です。アナーキズムは、別段珍しい思想ではなく、私たちの多くがある程度は心の中に抱える自然な情念のようなもの。それをはっきり認識してこれと対決するのは重要なことです。

『日露戦争』 (長山靖生著、新潮社、2004年)
 戦争報道というのは、一応その「真実の姿」を伝えようということが第一義に考えられます。でも、実際に人々によって持たれる戦争のイメージについての分析も、表裏一体に重要でしょう。

『死刑執行人サンソン』 (足立正勝著、集英社、2003年)
 賎民にして貴族、処刑人にして医師。人間の矛盾を一身に抱えてフランス革命という嵐の時代を生きた、ある処刑人の数奇な人生ドラマです。著者の第一級の筆力が存分に発揮された名著です。

『紅一点論』 (1) (2)(斎藤美奈子著、筑摩書房、2001年)
 人によっては「おおおおお」とのけぞって震撼するかもしれませんが、ドンマイ。大人になる通過儀礼と思って我慢しましょう。良薬は口に苦い。劇薬も苦いけど。




小説

『白鯨』 (ハーマン・メルヴィル著、講談社、2000年(原著は 1851年)) New!
 これはただの海洋冒険小説ではありません。アメリカ文学史上の最高傑作と呼ぶべきキャノンです。この小説は 100 年後もなお読み継がれるでしょう。




漫画

『CROWS』 (高橋ヒロシ著、秋田書店、1991年-)
 男の子たちのバイブル中のバイブル。私は『ろくでなしブルース』より一枚も二枚も格上の漫画だと思う。



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