贈与税の概要Gift tax

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贈与税とは

個人より贈与(死因贈与を除く。)により財産を取得した場合に課税される国税で、相続税法のなかに規定されています。

もし、被相続人が生前に財産を贈与し続け、この行為に対し課税されなければ、やがて相続財産は減少し、相続税が課税されない、若しくは課税されても少額となれば相続税を設けている理由がなくなります。

よって、相続税では課税されない金額を課税する必要性から、贈与税が立法されていることになります。
 贈与税は、相続税の補完税とも言われる所以です。

このため、暦年課税に係る贈与税は基礎控除(課税最低限)が少なく、また、税率は高いもとなっています。

現行、贈与税の課税方式(申告方法)には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの方式があり、「相続時精算課税」は、平成15年度税制改正により創設され、「暦年課税」との選択となります。


暦年課税」による贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額の110万円を差引きいた金額に対し課税されます。
 よって基礎控除額の110万円以下なら贈与税は課税されませんし、この場合、贈与税の申告を行うことも不要です。

実務では、基礎控除額以下の申告を行う方もおられます。税務署受付印が押された申告書控えを保持することが証拠保全と考えられるようです。これは公文書の保存年限からの自衛手段なのかもしれません。

例外=平成17年12月31日までの適用期限であった旧住宅取得資金等の贈与の特例を受けている場合は、この基礎控除額以下でも申告を要します。(この特例は、5年間分の基礎控除額先取りをしているため)

特例=配偶者控除の特例の場合は、この基礎控除額以外に2,000万円の配偶者控除額があります。

相続時精算課税」については、別稿を参照ください。

贈与税の課税財産

贈与税の課税財産の種類

贈与税の対象となる本来の贈与財産とは、贈与(契約)により取得した財産は当然として、形式がどうであれ実質贈与であれば、贈与税の課税対象となります。相続税と異なる理由はありませんので、相続税における、本来の相続財産と同様の範囲となります。

また、「財産」とは金銭で見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいい、
 (物権、債権、無体財産権に限らず信託受益権、電話加入権等が含まれ、法律上の根拠を有しないものであっても、経済的価値が認められるもの(例えば、営業権のようなもの)も含まれます。

質権、抵当権又は地役権(区分地上権に準ずる地役権を除く。)のように従たる権利は、主たる権利の価値を担保し、又は増加させるものであって、独立して財産を構成しません)

贈与税の対象となるみなし贈与財産とは、経済的効果が実質的に贈与を受けたと同様である場合、贈与により取得したものとみなして贈与税の課税対象としています。

信託財産
信託の受益者が、委託者の以外の場合、信託行為があった時に信託受益権を贈与により取得したものとみなされます。

生命保険金等
生命保険契約等の保険事故の発生により保険金を取得した者が、その保険料の全部又は一部を負担していない場合に、その保険金を、保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなされます。

●課税関係の例

保険契約者保険料負担者被保険者保険金受取人保険事故課税関係
満期所得税の一時所得
満期BからAへ贈与税

定期金に関する権利
 定期金給付契約(生命保険契約を除く)の給付事由が発生した場合に、その契約の掛金等を受取人以外の者が負担している部分がある場合、その掛金等を負担した者から定期金受取人が贈与したものと見なされます。

財産の低額譲受けによる利益
 著しい低い対価で財産を譲り受けた場合に、支払った対価の額とその財産の時価との差相当額を、譲渡者から贈与されたと見なされます。
(時価=不動産の場合は通常の取引価格、不動産以外の財産の場合は相続税評価額)

債務免除等による利益
 債務の免除、引受け、第3者のためにする債務の弁済による利益を受けた場合は、その債務の金額相当額を、債務等を免除した者から贈与をされたものと見なされます。

その他の利益の享受
 上記などのほか、次のような事由のため利益を受けた場合、やはり贈与を受けたものと見なされます。
  ・同族会社の株式等の価格が特定の株主の行為により増加した場合の他の株主
  ・無利息等による金銭の貸付
  ・共有持分の放棄など

贈与税の非課税財産

贈与税は、贈与を受けたすべての財産に対して課税することを原則としていますが、相続税と同様に、その財産の性質や贈与の目的などから贈与税が課されないことにないものがあります。

法人からの贈与により取得した財産
 相続税の性質から課税対象とせず、所得税の課税範疇としています。所得区分は一時所得。

扶養義務者間の通常必要とする生活費又は教育費
 夫婦間、親子間などの扶養義務者相互間で行われる生活費や教育費のやりとり(贈与)にまで贈与税が課税されることはありません。
 ただし、通常必要な範囲のものまでであります。

公益事業を行う者がその事業の用に供するため取得した財産
 民間公益事業の保護育成のため、宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なものを非課税とされています。

特定公益信託で財務大臣の指定するものから交付される特定の金品
 奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託からを取得した場合で一定の要件に当てはまるものは非課税とされています。

心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権
 精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が、地方公共団体の条例による心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利を取得した場合

公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が、選挙運動のために金品を取得した場合
 公職選挙法の規定により報告がされているものに限られます。

特別障害者が特別障害者扶養信託契約に基づいて受ける信託受益権
 特別障害者が特別障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権の贈与を受けた場合、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円までの金額については非課税とされています。
 (その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社の営業所を経由して特別障害者の納税地の所轄税務署長に提出することを要します)

相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与された財産
 相続開始年の場合は、贈与税の課税対象(非課税)とせず、相続税の課税対象として相続財産に加算することになります。
 財産を取得しなかった者は、通常通りの贈与税の申告を行うことを要します。

また、特例として、相続のあった年の贈与であっても被相続人の配偶者で、贈与税の配偶者控除の適用要件を充たす者が、その対象となる居住用不動産などの贈与を受けている場合には、その控除されることになる金額(最高2,000万円が限度となります。)に相当する部分について、相続税の申告書に、所定の記載及び書類の添付をすることにより、相続財産に加算せずに贈与税の対象とすることができます。

H個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞などのための金品
 このような金銭等に対し、贈与税が課税されることについては感情的に抵抗があるものと思われます。 あくまで、非課税とされるのは、社交上必要である金額まで。

贈与税の課税価格の計算及び税額計算(暦年課税の場合)

贈与税の課税価格
 贈与税の課税価格は、その年1月1日から12月31日までの間に贈与により取得した財産及び贈与とみなされる財産の価額の合計額となりますが、うちに非課税財産があるときは、課税価格計算の基礎に算入されません。

贈与税の税額の計算
 課税価格から、贈与税の「基礎控除」及び「配偶者控除」を控除した後の金額に税率を乗じ、納付税額を計算。
 税額控除として、外国税額控除の適用がある場合はこれを控除します。

暦年課税の場合の贈与税課税価額の計算及び税額計算

例えば、生命保険満期金が所得税の一時所得の場合は、受取保険金額から支払保険料が控除し、所得金額とするのに対し、贈与とされる場合は、受取保険金額そのものが課税価格となります。

贈与税には、必要経費という概念がありませんので、時として高額な税額となるケースもあり、課税関係に注意される必要があります。 「相続時精算課税」についてはこちらから ⇒

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最終更新 平成19年7月

贈与税