平成22年税制改正 所得税関係

下記は、国税庁「平成22年分 所得税の改正のあらまし」を基に主な改正事項を抜粋し記述しております。

 この「改正のあらまし」は、次の目次となります。
├1 平成22年分所得税の主な改正事項
├2 平成21年度の改正事項のうち、平成22年分の所得税から適用される主なもの
├3 平成22年度の改正事項のうち、平成23年分の所得税から適用される主なもの
├4 金融・証券税制の改正
└「経済危機対策」における税制上の措置

1 平成22年分所得税の主な改正事項

1 寄附金控除の改正

寄附金控除について、適用下限額が2千円(改正前:5千円)に引き下げられました。

2 政党等寄附金特別控除の改正

平成26年12月31日までに支出した寄附金に係る政党等寄附金特別控除について、税額控除の計算の対象となる政党等に対する寄附金の適用下限額が2千円(改正前:5千円)に引き下げられました。・・・●政党等寄附金特別控除の解説・様式はこちらから

3 事業所得等関係(減価償却等関係)

(1) 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除(措法10)における試験研究費の増加額に係る特別税額控除又は平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る特別税額控除を選択できる措置について、その適用期限が2年延長されました。

(2) エネルギー需給構造改革推進設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除について、対象設備のうち石油以外のエネルギー資源の利用に著しく資する機械その他の減価償却資産を化石燃料以外のエネルギー資源の利用に著しく資する機械その他の減価償却資産とする見直しが行われました。

(3) 中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除について、その適用期限が2年延長された上、適用対象から除外されるソフトウエアの見直しが行われました。

(4) 事業基盤強化設備を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除について、次の見直しが行われました。
 イ 製造業その他一定の事業を営む中小企業者が取得した情報基盤強化設備等に係る措置が加えられました。
 ロ 特定旅館業を営む中小企業者以外の者に係る措置が除外されました。
 ハ 中小企業者等の教育訓練費の総額に係る特別税額控除について、事業主が負担することとされる法定福利費に平成22年度における子ども手当の一部として支給される児童手当に係る拠出金を含めることとされました。

(5) 情報基盤強化設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除が廃止されました。

(10) 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却等について、次の見直しが行われました。
 イ 公共交通機関に係る障害者対応設備等の特別償却の適用期限が1年延長されました。
 ロ 障害者の雇用の促進等に関する法律の改正に伴い、障害者雇用割合の算定の基礎となる雇用障害者数に身体障害者又は知的障害者である短時間労働者が加えられました。

(11) 優良賃貸住宅の割増償却について、中心市街地優良賃貸住宅に係る措置が除外されました。

(12) 中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例について、その適用期限が2年延長されました。

4 譲渡所得関係

(5)特定の居住用財産の買換え(交換)の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、

譲渡資産の譲渡に係る対価の額が2億円以下であることの要件が追加された上、その適用期限が2年延長されました。
 《適用時期》 この改正は、平成22年1月1日以後に行う譲渡資産の譲渡について適用されます。

2 平成21年度の改正事項のうち、平成22年分の所得税から適用される主なもの

1 カバードワラントに対する課税方式等について、次の見直しが行われました。

(1) 金融商品取引所又は店頭で取引されるカバードワラントの差金等決済(カバードワラントの譲渡又はカバードワラントに表示される権利の行使若しくは放棄をいいます。以下同じです。)が、先物取引に関する支払調書制度等の対象に追加されました。

(2) 先物取引に係る雑所得等の課税の特例の対象に、居住者等が金融商品取引所で取引されるカバードワラントを譲渡した場合における譲渡所得等並びにカバードワラントに表示される権利の行使及び放棄をした場合における雑所得等が加えられました。・・・●先物取引の解説・様式はこちらから

《適用時期》 これらの改正は、平成22年1月1日以後に行われるカバードワラントの差金等決済について適用されます。

2 棚卸資産の評価について、所要の経過措置が講じられた上、選定できる評価の方法から後入先出法及び単純平均法が除外されました。

3 平成22年度の改正事項のうち、平成23年分の所得税から適用される主なもの

1 扶養控除の見直し

(1) 年少扶養親族(扶養親族のうち、年齢16歳未満の者をいいます。)に対する扶養控除が廃止されました。これに伴い、扶養控除の対象となる控除対象扶養親族は、年齢16歳以上の扶養親族とされました。

(2) 年齢16歳以上19歳未満の者に対する扶養控除については、上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除の額が38万円とされました。これに伴い、特定扶養親族の範囲が、扶養親族のうち年齢19歳以上23歳未満の扶養親族とされました。・・・●扶養控除の解説・様式はこちらから

(3) 扶養控除の見直しに伴い、居住者の扶養親族又は控除対象配偶者が同居の特別障害者である場合において、扶養控除又は配偶者控除の額に35万円を加算する措置に代えて、同居特別障害者に対する障害者控除の額が75万円(改正前:40万円)に引き上げられました。

2 給与所得者等が住宅資金の貸付け等を受けた場合の課税の特例について

その適用期限(平成22年12月31日)の到来をもって廃止されました。なお、同日以前に使用者から住宅資金の貸付け等を受けている者に対しては、廃止前の特例を引き続き適用するための所要の経過措置が講じられました。

4 金融・証券税制の改正

1 生命保険料控除の改組

生命保険料控除が改組され、次の(1)から(3)までによる各保険料控除の合計適用限度額が12万円とされました。

(1) 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る控除
 イ 平成24年1月1日以後に生命保険会社又は損害保険会社等と締結した保険契約等(以下「新契約」といいます。)のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る支払保険料等(以下「介護医療保険料」といいます。)について、介護医療保険料控除(適用限度額4万円)が設けられました。
 ロ 新契約に係る一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額は、それぞれ4万円とされました。
 ハ 上記イ及びロの各保険料控除の控除額の計算は次のとおりとされました。

年間の支払保険料等控除額
20,000円以下支払保険料等の全額
20,000円超40,000円以下支払保険料等× 1/2 + 10,000円
40,000円超80,000円以下支払保険料等× 1/4 + 20,000円
80,000円超一律40,000円

 ニ 新契約については、主契約又は特約それぞれの保障内容に応じ、その保険契約等に係る支払保険料等を各保険料控除に適用することとされました。

(2) 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る控除
 平成23年12月31日以前に生命保険会社又は損害保険会社等と締結した保険契約等(以下「旧契約」といいます。)については、従前の一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除(それぞれ適用限度額5万円)が適用され、控除額の計算は次のとおりとされました。 ・・・●解説・様式はこちらから

年間の支払保険料等控除額
25,000円以下支払保険料等の全額
25,000円超50,000円以下支払保険料等× 1/2 + 12,500円
50,000円超100,000円以下支払保険料等× 1/4 + 25,000円
100,000円超一律50,000円

(3) 新契約と旧契約の双方について保険料控除の適用を受ける場合の控除額の計算
 新契約と旧契約の双方について一般生命保険料控除又は個人年金保険料控除の適用を受ける場合には、上記(1)ロ及び(2)にかかわらず、一般生命保険料控除又は個人年金保険料控除の控除額は、それぞれ次に掲げる金額の合計額(上限4万円)とされました。
 イ 新契約の支払保険料等につき、上記(1)ハの計算式により計算した金額
 ロ 旧契約の支払保険料等につき、上記(2)の計算式により計算した金額

《適用時期》 これらの改正は、平成24年分以後の所得税について適用されます。

3 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の創設

(1) 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者(以下「居住者等」といいます。)が、金融商品取引業者等の営業所に開設した非課税口座において管理されている上場株式等(以下「非課税口座内上場株式等」といいます。)に係る配当等でその非課税口座の開設の日から同日の属する年の1月1日以後10年を経過する日までの間に支払を受けるべきもの(その金融商品取引業者等がその配当等の支払事務の取扱いをするものに限ります。)については、所得税を課さないこととされました。

(2) 居住者等が、非課税口座の開設の日から同日の属する年の1月1日以後10年を経過する日までの間にその非課税口座に係る非課税口座内上場株式等の金融商品取引業者等への売委託等による譲渡をした場合には、その譲渡による譲渡所得等については、所得税を課さないこととされ、非課税口座内上場株式等の譲渡による損失金額は、所得税に関する法令の規定の適用上、ないものとみなすこととされました。

(注)「非課税口座」とは、居住者等(非課税口座の開設の日の属する年の1月1日において20歳以上である者に限ります。)が、上記の非課税の適用を受けるため、金融商品取引業者等の営業所の長に対し、その者の氏名、住所等を記載した非課税口座開設届出書にその年分の非課税口座開設確認書を添付して提出することにより平成24年から平成26年までの各年において設定された上場株式等の振替記載等に係る口座(1人につき1口座に限ります。)をいいます。  非課税口座には、その設定の日からその年12月31日までの間にその非課税口座を設定された金融商品取引業者等への買付けの委託により取得した上場株式等(その非課税口座を設定した時からの取得対価の額の合計額が100万円を超えない範囲内のものに限ります。)その他一定の上場株式等のみを受け入れることができます。
 《適用時期》 これらの改正は、平成24年1月1日以後に支払を受けるべき非課税口座内上場株式等の配当等及び同日以後の非課税口座内上場株式等の譲渡について適用されます。

「経済危機対策」における税制上の措置

1 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除の特例

試験研究を行った場合の所得税額の特別控除について、平成22年及び平成23年の各年分における税額控除の適用を受けることができる限度額が、その年分の事業所得に係る所得税額の100分の30(改正前:100分の20)相当額に引き上げられました。

また、平成22年又は平成23年に生じた繰越税額控除限度超過額について、平成24年分及び平成25年分における繰越控除の対象とされました。  この場合において、繰越控除の適用を受けることができる限度額は、その年分の事業所得に係る所得税額の100分の30相当額とされています。

2 所得税の額から控除される特別控除額の特例

その年において、試験研究を行った場合の所得税額の特別控除、エネルギー需給構造改革推進設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除などの複数の所得税額の特別控除の適用を受ける場合に、特別控除による控除税額の合計額のうち、その年分の事業所得に係る所得税額を超える部分の金額は、各特別控除の繰越税額控除限度超過額として繰越控除できることが明確化されました。
 《適用時期》 この改正は、平成22年分以後の所得税について適用されます。

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最終更新 平成23年4月

所得税