所得税の総合課税と分離課税の税額表 平成19年分

所得税の税額計算は、総合課税で超過累進税率適用を基本とし、年間の所得金額の合計額から所得控除の金額を差引いた金額に、税率を乗じて求めることになります。

所得税の計算 収入金額必要経費所得控除=課税所得金額・・・×超過累進税率

所得の発生源の違いなどにより、所得の種類は10種類に区分され、所得金額の求め方に違いがあるものがあり、所得税が課税されない非課税所得もあります。

○給与所得や退職所得の金額は、収入金額から概算控除たる所得控除金額を控除し、所得金額を求める方式を採用しています。

○長期総合譲渡所得のように特別控除後の金額を1/2とする半分課税の所得もあります。

 また、税率の適用方法の違いにより、総合課税と分離課税に区分されています。

○例えば、ゴルフ会員権や事業用動産などの譲渡は総合譲渡所得で、土地等不動産の譲渡は分離譲渡所得とされます。

○本邦の預貯金の利子などのように総合課税・分離課税の例外で源泉分離課税が適用される所得もあります。

下記表は、超過累進税率が適用される総合課税の所得と一律又は数段階の税率が適用される分離課税の所得の一覧ですが、一の所得区分に区分される所得でも両方式の課税方法に属する所得が存在します。

総合課税の所得
事業所得不動産所得利子所得配当所得給与所得
雑所得総合譲渡(短期)総合譲渡(長期)一時所得
分離課税の所得
分離短期譲渡(一般分)分離短期譲渡(軽減分)分離長期譲渡(一般分)分離長期譲渡(特定分)
分離長期譲渡(軽課分)株式等譲渡(未公開分)株式等譲渡(上場分)上場株式等の配当
先物取引の雑所得等山林退職

現状の所得税の課税方法は、このように所得の発生源の違い・政策的配慮・担税力考慮などから、総合課税で超過累進税率適用の例外が存在し、所得税の計算は、次の算式で求めた合計額となります。

総合課税の各種所得の収入金額必要経費=所得金額の合計−所得控除=課税所得金額・・・×超過累進税率

分離課税の各区分の譲渡価額(収入金)取得費譲渡費用特別控除=所得金額の合計−上記で引き切れなかった所得控除=課税所得金額・・・×各区分の税率を合計

所得税の確定申告書においては、「総合課税」に係る譲渡所得は申告書第1表に、「分離課税」に係る譲渡所得は申告書第3表に記載し、税額計算を行う仕組みとなっています。

なお、一部の所得区分で損失が生じている場合、一定の順序に従い各所得間での整理(損益通算)を行う場合があります。

【関連事項】 税額表・計算書・確定申告書



平成19年分以前 所得税の総合・分離課税の税額表


総合課税分の税率の変更

三位一体改革の一環として、平成19年分以降の所得税から個人住民税へ税源移譲が行われることとなりました。

所得税については税率の刻みを増やし、最低税率の5%から最高40%まで、個人住民税については一律10%とされました。平成19年分以降の所得税・個人住民税から適用。

所得税実務では速算表を使用することが一般的ですが、
課税所得を階層に分け、各々に税率を乗じ合計
したものと同じ結果となります。
改正前18年分まで改正後19年分以降
課税所得税率課税所得税率左の改正後速算表
--195万円以下の部分5%〜1,949,0005%
330万円以下の部分10%330万円以下の部分10%1,950,000〜3,299,00010%−97,500
--695万円以下の部分20%3,300,000〜6,949,00020%−427,500
900万円以下の部分20%900万円以下の部分23%6,950,000〜8,999,00023%−636,000
1800万円以下の部分30%1800万円以下の部分33%9,000,000〜17,999,00033%−1,536,000
1800万円超の部分37%1800万円超の部分40%18,000,000以上40%−2,796,000
個人住民税(税率上段道府県民税、下段市町村民税)-
200万円以下2%
3%
課税所得に拘らず一律4%
6%
700万円以下2%
8%
700万円超 3%
10%

◎速算表で求めてみると

所得税 課税所得 6,000,000円の場合

平成18年分 6,000,000円×20%−330,000円=870,000円
 定率減税適用 870,000円×(1−0.1)=783,000円

平成19年分 6,000,000円×20%−427,500円=772,500円
 定率減税なし =772.500円

個人住民税

平成18年分 6,000,000円×(2%+8%)-10万円=500,000円
 定率減税適用 500,000円×(1−0.075、最高2万円)=480,000円

平成19年分 6,000,000円×10%=600,000円
 定率減税なし =600.000円

上記の結果所得税住民税合計
平成18年分783,000円480,000円1,263,000円
平成19年分772.500円600.000円1,372,500円
差額△10,500円+120,000円+109,500円

課税所得は所得金額の合計額から控除される所得控除の合計額を控除したものです。
所得控除の所得税・住民税の差異は無視し、同額としています。

この所得控除の差異、人的控除(扶養控除・配偶者控除など)の差異について負担調整されることになります。

住民税調整控除額についての解説はこちらから

定率減税額は18年分所得税10%(最高12.5万円)、住民税7.5%(最高2万円)。19年分はともに廃止。

あくまで試算です。所得金額の多寡により結果が違ってまいりますのでご了解ください。

分離課税分の税率

平成19年分以前の分離課税に係る所得税の税額表
分離課税に係る税額 平成19年分〜平成16年分 平成15年分
分離課税の譲渡所得金額に対する税額 分離短期譲渡所得 一般所得分 (措法32①) 課税短期譲渡所得金額×30% ①と②のいずれか多い方
①課税短期譲渡所得金額×40%
②110%割増計算
軽減所得分 (措法32③) 課税短期譲渡所得金額×15% ①と②のいずれか多い方
①課税短期譲渡所得金額×20%
②100%割増計算
分離長期譲渡所得 一般所得分 (措法31) 課税長期譲渡所得金額×15% 課税長期譲渡所得金額×20%
特定所得分 (措法31の2) ①課税長期譲渡所得金額が2,000万円以下の場合×10%
②課税長期譲渡所得金額が2,000万円を超える場合×15%−100万円
①課税長期譲渡所得金額が4,000万円以下の場合×15%
②課税長期譲渡所得金額が4,000万円を超える場合×20%−200万円
軽課所得分 (措法31の3) ①課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合×10%
②課税長期譲渡所得金額が6,000万円を超える場合×15%−300万円
①課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合×10%
②課税長期譲渡所得金額が6,000万円を超える場合×15%−300万円
分離課税の株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額 未公開分 (措法37の10①) 株式等に係る課税譲渡所得金額等の金額×15% 株式等に係る課税譲渡所得金額等の金額×20%
上場分 (措法37の11) 株式等に係る課税譲渡所得金額等の金額×7% 株式等に係る課税譲渡所得金額等の金額×7%
分離課税の先物取引に係る雑所得等に対する税額(措法41の14) 先物取引に係る課税雑所得等の金額×15%先物取引に係る課税雑所得等の金額×15%

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最終更新 平成20年1月

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