保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の課税の特例 24

この保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の課税の特例は所得税法に規定され、

たとえば、法人が金融機関からの融資を受ける際、代表者が保証人となっていたところ、法人側の景況が悪くなり返済不能、代表者が返済を求められ、やむなく代表者は個人不動産を売却し、債務を返済したというような事例が想定されます。

特例適用されるには、次のような流れ(因果関係)であることが必要となります。

保証債務を履行するため資産を譲渡し、 その譲渡代金の全部または一部をもって保証債務の履行をし、 その履行に伴って生じた求償権の全部または一部が行使できなくなった時は、 その求償権の行使不能額を譲渡所得の金額の計算上なかったものとする。・・・という所得計算の特例です。


譲渡所得の特例には、「特別控除」・「特例計算」などがありますが、上記の場合、少々趣が異なり、計算で求められた金額が「なかったものとされる」訳ですから、計算方法も違えております。

譲渡所得の計算 (下記計算明細書を参照下さい)

次のうち、最も少ない金額が「なかったものとされる」金額となります。

求償権の行使不能額

①の求償権が行使不能となった時の直前において確定している「総所得金額+短期譲渡所得の金額+長期譲渡所得の金額+株式等に係る譲渡所得等の金額+山林所得の金額+退職所得の金額の合計額

②の金額の計算の基礎とされる譲渡所得の金額

明細書の記載要領等

(1) 「保証債務の明細」の各欄には、主たる債務者、債権者及び保証債務に関する事項を記載。
(2) 「譲渡所得(山林所得) のうちないものとみなされる金額」の各欄のうち、「D」欄から「S」欄までの各欄には、所法第64条第2項の規定を適用しなかったとした場合におけるその年分の各種所得の金額の合計額及び譲渡所得金額又は山林所得金額を記載。
(3) 「求償権が行使不能となった事情の説明」欄には、求償権が行使不能となった事情を記載。

平成24年分様式は、「平成23年分以降用」(H24.11)ですが、特に改訂は見られません。見落としがありましたらお容赦ください。

申告の手続

①所得税申告書の特例適用条文欄に「所得税法64条2項」と記載
②申告書とともに「譲渡所得の内訳書」の提出
③この保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書(確定申告書付表)の提出

この特例は、資産の譲渡の理由が、保証債務履行のためであること、他の所得の必要経費に算入されるものではないこと、保証時の主債務者の資力の状況や求償権が行使不能であるか等、多面的に判断する必要があり、ある1面だけでこの特例適用の適否は判断できません。

下記は、国税庁様式「保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書」でありますが、当事務所では、この様式を自動計算ファイル(エクセル)として作成しております。このファイルは必要事項の入力を行うことにより、自動計算にて本様式を作成します。

写しであり、当事務所ホームページ上では、この様式の操作を行うことができません。顧問先配布用でありますので販売やダウンロード等も行っておりません。

保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書(確定申告書付表)

保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書

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最終更新 平成25年1月

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