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最終更新 平成20年7月

収用等特別控除について(譲渡所得の特例)

租税特別措置法第33条の4

個人の方の有する資産が土地収用法等により収用等された場合に、その譲渡益につき収用換地等の場合の「特別控除」の制度があります。

事業施行者等から最初に買取等の申出があった日から6ヶ月以内に譲渡した場合に限ります。

また、一定期間内に譲渡資産に応じた代替資産を取得した場合、「収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例」の適用を受けることもできます。

ただし、「代替特例」か「特別控除」か、両者は選択適用でありますので、いずれを選択するのかは慎重に判断される必要があると考えます。

この特別控除の制度を適用せず、収用代替の特例を適用する場合のページはこちらから

収用事業等、特別控除の適用を受けるには公共事業の事業施行者から交付を受ける収用証明書など一定の書類の添付を要します。

また、この特例を受けられるのは、資産の譲渡の対価である「対価補償金」であり、他に収受する「移転補償金等」は対象となりません。ただし、一定の補償金について特別な扱いがされるものがあります。

収用等特別控除については、外部サイトである資産税の税務にも記述しております。資産税の税務サイト

注) 公共事業が施行されることにより収受する補償金には、実に様々な種類があり、取り扱いも複雑であります。取扱いにつき誤りも多く、税負担に影響する場合もありますので、注意が必要です。(下記支払調書も参照ください)

 法人税と違い所得税は、所得を10種の所得に区分しているため、収受する補償金等も該当する所得区分に区分し、処理を進めていくことになります。

 例えば、対価補償の金額は譲渡所得、移転補償金は一時所得、収益補償金等は事業所得等とはされますが、例外的な取扱いにより、所得区分が変わることもありえます。(紙幅の関係で詳細は割愛させて頂きます)

 課税庁に在籍していた当時、所得区分の誤りや支払調書の記載誤り、特例適用要件不備など、多くの是正事例を見てきましたので、特に収用等の課税関係は複雑であると実感しております。


公共事業の施行者から収用事業であれば、「収用証明書」などとともに「不動産等の譲受の対価の支払調書」の交付を受けると思われます。

いわゆる「民民売買」では見られない「補償項目」があります。当然それぞれの「補償項目」には算定根拠があり支払われるものであります。

不動産等の譲受の対価の支払調書

所得の特別控除には次のものがあり、各特別控除の金額は各譲渡益の金額を上限としておりますし、
譲渡の日の属する年における、これらの特別控除の合計額は5,000万円とされています。

特別控除の区分金額根拠法令
収用換地等の場合の所得の特別控除5,000万円租税特別措置法第33条の4
土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の特別控除2,000万円租税特別措置法第34条
特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の特別控除1,500万円租税特別措置法第34条の2
農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の特別控除800万円租税特別措置法第34条の3

(原則的な表示にとどめておりますので、詳細は法令等でお確かめください。)


譲渡所得の計算

対価補償金の交付を受けた場合
 @収入金額=譲渡収入
 A必要経費=譲渡資産の取得費+譲渡費用
 B特別控除=5,000万円(譲渡益が上限)
 C所得金額=@−A−B

分離課税とならない資産に補償金の交付を受けた場合
 上記Cの金額から
 D総合課税の「50万円の特別控除」 (長期分・短期分合計)
 E所得金額=C−D 総合課税の総所得金額に含まれます。長期分はE×1/2

申告の手続

@所得税申告書の特例適用条文欄に「措置法33条」と記載
A申告書とともに「譲渡所得計の内訳書」の提出
B「収用証明書」、「買取等の申出証明書」、「買取等の証明書」の3点セットが必要です。

取得価額の引継計算

代替特例を適用していませんので、圧縮計算を行うことはなく実際の取得価額になります。