鳥山明先生著作紹介

Dr.スランプ
1980年〜1985年発行
全18巻

◆鳥山ワールドの原点にして到達点
鳥山先生の名を世に知らしめた初連載作品。則巻千兵衛が作ったロボット、アラレちゃんが巻き起こすハチャメチャな日々を描いたギャグ漫画です。強烈なキャラクターやスラップスティックな展開はむしろドラゴンボールよりこっちが鳥山先生の本領なのだなぁと再確認させられます。ドラゴンボールしか読んだことないぜ!ってな方にこそぜひおすすめな作品。丸い線で描かれる凄まじい画力は時代を感じさせません。刊行から20年以上たっていますが現在でも入手可能です。


鳥山明○作劇場VOL.1
1983年発行

◆すべての始まりに当たる処女作
デビュー作「ワンダーアイランド」を含む7作品を収録した短編集。舞台がド田舎だったり動物が喋ったりと、脈々と受け継がれている鳥山ワールドの原点を垣間見ることができます。荒削りながら勢いにあふれた初期の短編は一読の価値ありかと。この頃から大成していた抜群の画力も魅力のひとつ。絵の丁寧さでいえば全作品中白眉だと思います。内容的にはDr.スランプに連なる流れが感じ取れます。


鳥山明のHETAPPIマンガ研究所
1985年発行

◆現役ジャンプ作家のバイブル(?)としてあまりに有名
さくまあきらさんと共著の、漫画家を目指す方に向けた指南書。漫画家を目指しておらずとも普通に読み物として楽しめますし、鳥山先生の漫画に対するお考えや姿勢も読んで取れます。実際、漫画入門書としての評価も高く「銀魂」の空知英秋先生もこれを読んで漫画家になったとか。鳥山先生の絵柄を極めたいなら必読の一冊。ただ残念ながら現在では入手が困難な状態のようです。(ちなみに現在、少年ジャンプで月一で村田雄介先生による「ヘタッピマンガ研究所R」が連載中です。)


ドラゴンボール
1985年〜1995年発行
全42巻

◆どこまでもまっすぐな少年漫画の王道
単行本総売上>日本の人口という鳥山先生の最大ヒット作。主人公孫悟空が仲間とともに7つの玉を探す冒険物語。次第に格闘路線へシフトしていく。今更細かな説明は不要とすら感じます。かなりいきあたりばったりで描かれた作品らしいのですが、これほど完成されたバトル漫画もそうそうないのではないでしょうか。初期、中期、後期とそれぞれに違った魅力、面白さがあって読む者を飽きさせない工夫が随所に見受けられるのも本作の特徴なのだと感じます。あまりに有名なので名前が先行し本質が見落とされがちですが、名実ともに日本を代表する漫画作品だと思います。多くの方に支持されるだけの確かな魅力があります。


鳥山明○作劇場VOL.2
1988年発行

◆広がる世界観。カンフー映画の影響が如実な短編集第二弾
1巻がアラレちゃんならこちらはドラゴンボールの原点が窺える短編集第2弾。まんまドラゴンボールの下敷きとなった「騎竜少年」「トンプー大冒険」はファンならニヤリとさせられる設定&演出が面白いです。ヤムチャみたいな主人公が活躍する「ミスターホー」や、のちに頻出する雨をテーマにした最初の作品「PINK」も収録。1巻と比べると作風の変化が見れとれるのでそういった変化を楽しむのもアリです。個人的に一番好きなのは「SONCHOH」。かっこよいじいさんを描かせると右に出る者はいませんね。


Dr.スランプ(愛蔵版)
1990年〜1991年発行
全9巻

名作「Dr.スランプ」のハードカバー版全9巻。内容はJC版と同じですが本編しか載っていないので(作者コメントなどはなし)、保存に適しているという点以外は利点がないように思われます。が、実は差別につながる表現や著作権的にまずい背景が書き換えられていたりするので、そういった部分を見比べるのも楽しみ方の一つですね。しかしかなり昔から絶版になっていて古本屋でもあまり見かけませんし、入手は難しいかと思います。


Dr.スランプ(文庫版)
1995年〜1996年発行
全9巻

こちらは「Dr.スランプ」の集英社文庫版全9巻。文庫版の利点がいまいちよくわかりませんが、持ち運びに便利です。一冊に収録されている話数も愛蔵版同様多いのでボリュームはありますね。価格と入手難易度を考慮すると一番手が出しやすいかもしれません。鳥山先生の美麗な絵柄が好きな方にはこちらよりも完全版の方をおすすめします。


鳥山明○作劇場VOL.3
1997年発行

◆鳥山先生のポリシー「ばかばかしく勝つ!」が前面に
前巻から9年もの歳月が経過したためか、作風&画風ともに変化を遂げた短編集第3弾。ドラゴンボールと並行して描かれたものが多いためか、主人公が突拍子もなく強いという設定の作品が多くみられます。のちに中鶴勝祥さんの手で漫画化される「貯金戦士CASHMAN」やゲーム化もされた短期連載作「GO!GO!ACKMAN」など5作を収録。それとなくドラクエからの影響がうかがえます。またこの頃からデジタルでの色塗りが実験的に使われているのも注目。余談ですが、この巻以降10年以上経過するも4冊目発行のめどは立っていません。(そのあたりに関しては雑ネタの方に書かせていただきました。⇒こちら


COWA!
1998年発行

◆ギャグでもバトルでもない、第3の落としどころ
鳥山先生の新境地とでもいうべき短期連載作品。主人公パイフー達オバケと人間丸山さんがオバケ風邪を治す薬を求めて冒険するというストーリー。絵本のような絵柄で描かれているのが特徴ですが決して見劣りしないレベルだと思います。内容もこれまでの「強い主人公が敵を倒す」ではなくオバケと人間の不思議な友情で苦難を乗り越えていくという新しいテーマが根底にあるような気がします。感動を誘うラストも必見。巻頭にカラーが収録されているのもうれしいですね。


貯金戦士キャッシュマン
1998年発行
全1巻?

○作劇場VOL.3に収録されている同作品を、アニメドラゴンボールシリーズを担当したアニメーター中鶴勝祥さん&脚本を担当された小山高生さんの手によりオリジナル漫画化。中鶴さんは鳥山先生がもっとも信頼するアニメーターさんであり、実際この人ほど鳥山絵に近い絵をお描きになる方はいないのではないでしょうか。厳密には鳥山先生は監修というかたちになるのですが、せっかくなので著作の一つとしてここでは紹介させていただきました。やはりというかこちらも絶版の模様です。そして悲しきかな、1巻発売後2巻が出るめどはたっておりません。


カジカ
1999年発行

◆ドラゴンボールの面影が見いだせる一巻完結モノの第2弾
「COWA!」に続く短期連載作品。世界で最後の竜をめぐって繰り広げられる三つ巴の攻防を描いたアクション漫画。キツネの呪いを解きたいカジカ、竜の血を欲するギバチ、ギバチに雇われたイサザやその他キャラクターによる様々な視点が存在しておりなかなか読ませる作品です。こちらはかなりドラゴンボール色が前面に出ているのでDBファンはなじみやすいかと思われます。たった12話で本当によくまとまっているな〜と感心させられる傑作。こちらも巻頭のカラーをそのまま乗せてくれたらよかったのですが・・・。


SANDLAND
2000年発行

◆恐るべき完成度を誇る、ある意味で最高傑作
悪魔の王子ベルゼブブと軍人シバが幻の水源を目指して砂漠世界を冒険する短期連載作第3弾。鳥山先生の作品では珍しくストーリーにも重きが置かれており、上記二冊よりも絵の書き込みが多いのも特徴(特にスクリーントーン)。きちんと出来上がった世界観にくわえ抜群の構成力や軍事考証などが素晴らしいです。いきあたりばったりであったドラゴンボールとは対照的にはじめから展開が決まっていたらしく、鳥山先生が自由に描かれるとこうも面白い物語ができるのかと感心しました。個人的には一巻完結の漫画作品として最高傑作ではないかと思っています。強くおすすめ致します。


ドラゴンボール(完全版)
2002年〜2004年発行
全34巻+ガイドブック2巻

傑作「ドラゴンボール」の完全版全34巻。何といっても最大の魅力は書き下ろしカバーイラスト。デジタルで彩色されたイラストは当時のものと比べると微妙な変化があったりして面白いです。そして雑誌掲載時のカラーが収録されており、こちらも素晴らしいです。また書き直されている扉絵や最終回の数ページに加筆されていたりと、JC版をお持ちの方でも十分買うに足る理由になると思います。解説書となるファンブックも完全版刊行に合わせて発売されました。


TOCCIO THE ANGEL-てんしのトッチオ-
2003年発行

こちらは漫画作品ではなく、絵本。「COWA!」で培われた絵本的な絵柄そのままにトッチオの活躍(?)が描かれています。当然というか、絵本なので絵に重きが置かれているのでストーリーにあまり目立った要素はありません。しかしなんでもない話の中に絵本独特の温かみというか、感じるものがあると思います。鳥山先生の絵に興味のある方なら読んで損はないかと思います。絶版になったものとばかり思っていましたがいまでも普通に買えるようですね。


ネコマジン
2005年発行

◆DBのパラレルワールド?完成された脱力系(?)ギャグ
読み切りとして描かれたネコマジンシリーズをまとめて単行本化されたものです。どれも肩の力を抜いて描かれた?ような脱力感のある作品ですが、その分ギャグなどかなり鳥山テイストに仕上がっていて読みやすいです。大御所漫画家の面目躍如といいますか、とても読みやすいコマ運びが特徴的です。ちなみに作中にはベジータ、魔人ブウ、悟空がゲスト出演してたりもするのでそちらも一読の価値ありです。大判サイズ&扉絵がカラーそのままに収録されているのがありがたいですね。今のところ鳥山先生の漫画作品としてはもっとも新しい単行本となります。


Dr.スランプ(完全版)
2006年〜2007年発行
全15巻

JC版、愛蔵版、文庫版ときてついに完全版です。ひとつの作品で4つもの形態で刊行されるのは非常に珍しいですね。やはり完全版ということで表紙書き下ろし&カラー原稿なので、ファンならずとも、はじめて読む方にもおすすめです。愛蔵版や文庫版のような修正が取り払われているのも完全版の名にふさわしいと思います。本当に息の長い作品です・・・まとめて読むとそのクオリティの高さに驚かされます。


鳥山明 満漢全席
2008年発行
全2巻

過去の短編集3冊の中からいくつかの短編が収録された文庫版。いわば○作劇場の文庫版ということですね。特筆すべきは、一巻には「LADY RED」、2巻には「宇宙人ペケ」という単行本初収録作が載っていること。未収録作を載せることですでに過去短編集を持っている人にも買わせようという集英社のさもしい意図が垣間見えます(笑)。まぁそこはそれ、ファンとして買わない道理はないでしょう。他にもDB大全集でしか拝めないイラストが載ってたりと、なんだかんだでボリュームのあるシリーズです。また、過去作をはじめて読む方には比較的やさしいのではないかと思います。入手もしやすいかと。


ほかにも○作劇場やスランプのリミックス版がありますがここでは割愛します。


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