手打ちらーめんの作りかた

配合
 小麦粉は準強力特等粉が一般的ですが、強力粉系では手作りが困難なこと及び手打ちうどん専用粉で十分美味しいらーめんが出来ることから、「めん匠」(手打ちうどん専用粉の入手参照)を使います。手に入らなければ、色は悪くなりますがパン用粉(強力湖)と汎用粉(薄力粉)を5:5程度の割合で混ぜて使って下さい。
 かんすい(粉末)は、小麦粉に対して1〜1.5%使います。通常は1.0%で十分です。
 かんすいは、液状のものもあります。この場合は、濃度が明記してあるので、固形物換算で1〜2.0%になる量を計量して下さい。
 食塩は、使う場合は1〜2%です。使わなくても、らーめんは出来ますが、かん水風味の角とりに有効です。
 加水量は、小麦粉量の45%でつくってみましょう。かん水の影響で、軟らかめの生地でもべたつかないので、加水量は多めにします。
 生地量は、少ない方が楽です。小麦粉量は、初めは200gがよいでしょう。200gの場合、水は90ml、かん水(粉)と食塩は共に2gです。
 要領が分かって延ばせるようになったら、300g、500gと増やして下さい。300g以上では、生地が延び難いために、どうしても厚め(太めのらーめん)の生地になります。
 液体かん水の場合は、正確に計量するなら、濃度表示がある筈なので、炭酸カリウムの%数から25ならば(100/25)*2=8gを水でうすめて90mlにして使います(小麦粉200gの場合)。計算が面倒ならば、大雑把に10倍にうすめ使ってもよいでしょう。

計量、調整
 うどん、そばと同様ですが、かん水(粉)は使用量が1.0%と少ないので、1g単位で正確に計れる秤を使って下さい。1g表示のデジタル秤で2g秤量した場合の実際量は、2g以上〜3g未満であることを忘れないで下さい。
 小麦粉は、篩って使うのが原則ですが、新しい粉であれば必ずしも必要ではありません。200gを正確に秤ます。
 かん水の調整は、計量した水(90g=90ml)を先にカップに入れておきます。小ボール(容器)にかん水(粉)2gと食塩2gを秤取り、カップの中の水を掻き回しながら、少しづつボールから落とし込みます。いきなり放り込むと、かん水(粉)が凝縮して塊をつくるので、なかなか溶けません。
 かんすい代替え品のメンラクト(和光堂)の場合は、予め粉に混ぜて使います。
 色粉を使う場合は、記載の使用方法に従って使って下さい。使用量が少ないので、調理用の家庭秤では測れないでしょう。クロシン(クチナシの色素)の使用量は0.1%程度ですが、希釈してある場合もあるので、何でも同じ量でよいとは云えません。また、ものによって、かん水に溶いて使うもの、小麦粉に混ぜて使うものがあります。らーめんの場合は、あくまで補強ですから、控えめに使うことです。
 バイタルグルテンを使う場合は、予め粉に混ぜます。

混合、粗捏ね、熟成1、本捏ね、熟成2
 粉と水の合わせ方は、うどん、そばと同様です。写真入の「ミニ手打ちうどんの作り方」参照。
 大型のボール(容器)に粉を入れ、箸で掻き混ぜながら、かん水液を万遍なく注ぎ込みます。次に両手で生地を挟んで揉みほぐし全体をよく混ぜます。この時点で、全体が黄色いのがわかります。
 次に、手で掴むようにして全体を一つの塊にまとめます。
 まとまったら、これを捏ねて、らーめん生地をつくります。捏ねる要領は、うどん生地、そば生地と同様です。 生地の硬さは、42%加水した時のうどん生地の程度ですが、これはグルテンがかん水のアルカリで締まって硬くなるからです。グルテンが出る(形成)につれて段々硬くなりますが、急がずゆっくりり捏ねます。折り返して、50回以上、うどん生地の場合より軽めに捏ねます(粗捏ね)。粗捏ねが終わったら、餅状にまとめて乾かないようにビニール袋等に入れて、一旦20分間寝かせます(熟成1)。
 
 写真1 粗捏ね  写真2 本捏ね  写真3 生地割れ

 次に本捏ねを行います。粗捏ね段階では滑らかな生地が出来ませんが(写真1)、本捏ねで滑らかな生地になります(写真2)。但し、かん水を使ったらーめん生地は伸展生が余りないので、捏ね続けるとグルテンの伸展が限界に達して生地が割れ始めます(写真3)。
 うどん生地の場合は、生地耐久力の限界まで捏ねてよいのですが、らーめん生地では、延しを容易にするため、ここでも軽めに(少なめに)捏ねて下さい。割れ始めるまで捏ねてはいけません。捏ね終えたら餅状にまとめて、乾かないようにビニール袋に入れて40分寝かせます(熟成2)。
 
 1ポイント 寝かせる目的は、うどん生地と同じく生地の緩和ですが、らーめん生地の場合は、アルカリ生地であるため緩和が相殺されるので、うどん生地のような長時間寝かし(熟成)はマイナス効果になります。

圧延(麺棒)、熟成、圧延(麺棒)
 麺棒での圧延にはいります。写真入の「ミニ手打ちうどんの作り方」参照。
 うどん、そばの場合は、角出し、本伸し等麺棒に巻き変えて縦横に生地を広げる圧延をしましたが、らーめんも全く同じ方法で延ばすことができます。打ち粉は、生地がうどんに較べてべたつかないので、少量を適宜に使いますが、必ず澱粉(馬鈴薯)を使ってください。
 注意点は、生地の伸展性が小さいので無理をしないことです。延しの途中で延びなくなったときは、麺棒に巻いた状態で10分程度一休みして延ばすようにしましょう。
 麺棒での圧延は、最初はうどんと同じに、麺棒を生地上で転がして(上下左右方向)生地を延ばします。
 麺棒に巻ける大きさになったら、角出しを行います。@生地の下方(手前)角から麺棒に巻いて、中央部を強く押さえて前方に転がして延します。A麺棒を180度回して麺棒の左右を入れ変えて下から上に生地を広げ、下角から巻き直して延します。次に、B90度廻して麺棒を縦にして、左から右へ横に広げ下角から麺棒に巻いて転がして延ばします。Cまた180度廻して広げ、下角から巻いて延ばします。1行程で4回麺棒に巻いて転がして、四方に延ばしたことになります。最後に広げる時は麺棒を斜めにして左上から右下に向けて生地を広げます。概ね四角形の生地が出来ています。
 次に本延しを行います。@下辺(角ではない)から麺棒に巻きつけて、麺棒を転がして延ばします。この場合は、生地の両端部を強く抑えて転がします。後、ABCと角出しと同様に巻き変えて延ばします。
 目標のサイズ(そばと同じ厚みで、200gの場合1辺が40cm)に生地が広がるまでこの行程を繰り返します。
 以上の延し作業で、どうしてもうまく延ばせない場合は、次回には最初の粗捏ねの後に40分寝かせて、本捏ね抜きで延しに入って下さい。
 水、食塩、かん水生地比較エクステンソ 
1ポイント 小麦粉を水で練った生地、食塩水の生地、かん水の生地それぞれの硬さや弾力を比較したのが右の図です。この図はエクステンソグラムと云います。
 この図は、生地を引っ張ったときの伸長と抵抗力を示していますが、水平方向が伸長(伸びた長さ)で、垂直方向がその時の抗張力です。
 
 この図から、水生地は伸長、抗張ともに小さく、食塩生地は伸長、抗張ともにバランスよく大きいが、かん水生地は伸長が小さく、伸張に対して抗張力が著しく大きいことが判ります。これらは、それぞれの水溶液がグルテンに対して異なる作用をした結果ですが、らーめん生地が延び難いことをよく現しています。
 それぞれ3本の線がありますが、引っ張った後にもう一度捏ねて寝かして引っ張った結果です。これは寝かした後に捏ねると生地が一段と硬く(延び難く)なることを示しています。特にかんすい生地が顕著であることが分かります。
 
包丁切り
 そば切りと同じ要領で生地を折り畳みます。生地を広げた状態で、軽く打ち粉して、右から左に、縦に二つに折り重ねます。次に、上から軽く打ちこして、下から上に二つ折りにします(4枚重ね)。軽く打ち粉して、もう一度下から上に折り重ねます(8枚重ね)。
 まな板(ビニールシートでよい)上で、右端から小間板をあてがって、麺切り包丁で切ります。包丁の使い方は、うどんやそばと同じで、上から下に少し前に押し出して切ります。包丁の刃が、まな板に着地した時点で切り終わりです。まな板上で包丁をしごいてはいけません。
 切り幅は、1.5mmが標準です。生地がしっかりしているので、麺線が切れたり折れたりすることはありません。
 
1ポイント ロール製麺機を使う機械製麺では、加水量が少なく硬い生地ですが、一方向の圧延になるため生地のグルテン配列に方向性がでます。
 また、機械製麺では包丁ではなく切歯ロールを使いますが、切り幅は切歯の番手で決まります。この番手は、30mm幅を何本に切るか、その本数で表わされます。1.5mm幅の切歯の番手は#20になります。3mm幅に切りたい場合は、#10の切歯を使います。


玉取り、熟成

 包丁切りして出来た生らーめんを、適当に分割して(200g生地の場合は1個155gで2個)、これをバラバラにほぐし(写真左)打ち粉を振りかけてよく混ぜ、、おむすびを握るように両手で軽く握って団子状にして、再度ほぐし(写真中央)箱に盛りつけます(写真右6食分)。握りを強くすると、ウエーブが強くついたらーめんになります。
 
ストレートのらーめん ウエーブをつけたらーめん 木(紙)箱に入れ冷蔵

 すぐ食べる場合は、必要な量だけ茹でて下さい。残りは、蓋をして冷蔵庫で保存します。保存は10℃程度がよいので、野菜室がいいでしょう。 箱は、通水性のある木箱がいいのですが、プラスチックなど通水性のない容器を使う場合は、キッチンペーパー等に包んで入れて下さい。壁面に凝縮する水分を吸収させます。
 らーめんの特徴は、作ってすぐ食べるより、寝かせて(熟成させて)からの方が良いのです。これは、手作りめんにとって大きなメリットと云えるでしょう。食べる直前に作る必要はありません。作りたいときに、作ることだけに専念すればよいのです。
 
1ポイント らーめんの特徴は、かん水(アルカリ)で生地が締まり、その結果、食感も硬い弾力のあるものになることです。このアルカリによる変化は一気に起こるのでなく、じわじわと進行します。包丁切りした時点では、この変化はまだ進行中で、このまま寝かせておけば、さらに締まって硬いらーめんになるのです。締まれば体積が小さくなりますが、このために空気が追い出されて麺の透明化が進みます。業務用の生らーめんは、製麺後(機械製麺)1〜2日冷蔵庫で熟成させてから出荷されるのが普通です。
 
 2日以上保存する場合は、そのまま箱に入れておくと乾燥が過ぎるので、ビニール容器などに移して、乾燥しないようにして更に保存します。保存が長すぎると脆くなるので、6日以内には処分して下さい。

茹で
 
茹での要領は、他のめんと同様です。めんの10倍以上の湯で茹でます。茹で時間は、めんの太さによりますが、1〜2分(太い場合は3分以上)程度が普通です。硬めが好みであれば1分でよいでしょう。
 1分で茹で上げるためには、火力が十分(30秒以内に再沸騰)でなければなりません。火力が弱い(30秒以上かかる)場合は、1食分ずつ茹でるようにして下さい。
 うどんに較べて、らーめんは茹で溶けガ多く、色も変化(褐色に)するので、茹で時間は短くする必要があります。
 ラーメンは熱いスープに泳がせて食べるので、めんが茹で上がる前に、どんぶりに熱いスープを張っておき、その中に茹で上がっためんを笊で掬って入れます。適当な具を上にのせて出来上がりです。
 滅多にないことかと思いますが、同じ湯で、うどんとラーメンを茹でる時は、うどんを先に茹でて下さい。ラーメンが先だと、うどんが酷い目に遭います(うどんの作り方2の茹で項、めんのいろいろの中華麺項参照)。
 夏期は、冷やし中華(関西の冷麺)で食べることが多いのですが、この場合は少し長めに茹でます。冷水でよく洗い、好みの温度に仕上げて下さい。

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