ARTIST INDEX

■ MOVEMENT
Mellotronは鍵盤と同じ数の磁気テープ音源とそれを再生するヘッドを備え、鍵盤を押下する事によりあらかじめ音階で録音されている「フルート」「バイオリン」「コーラス」等のテープ音源を再生する、鍵盤楽器です。
概念は、現在のサンプラーにあたりますが、Mellotronには録音機能はありませんので、厳密にはテープ(サンプル)プレイバックキーボードと言う表現になるでしょう。
ピアノやギター等の減衰系音源や自然音、効果音までも再生可能にする為、あえて音源テープをループさせず、スプリングによるテープリターン方式を採用しています。
その為、再生時間は約8秒と有限ですが、Mellotronの活躍の幅を広げる結果となりました。
楽器の歴史や機種はそれぞれ「HISTORY」「MODELS」をご参照下さい。
また、Mellotron M400Sの演奏動画をこちらで御覧いただけます。
ここでは、ビートルズ「ストローベリーフィールズフォーエバー」やキングクリムゾン「クリムゾンキングの宮殿」等で使用された「Mellotron MARK II」を例にして、その動作構造を理解したいと思います。
Mellotron MARK II動作図


●Mellotron MARK II動作図(画像左)

●各部の名称
[1]音源テープ(実線が静止時、破線が動作、演奏時)
[2]リヤ収納ローラー
[3]テープ収納ボックス
[4]キャプスタン
[5]ピンチローラー
[6]プレッシャーパッド
[7]再生ヘッド
[8]テープガイド
[9]リヤボトムローラー
[10]トップローラー
[11]フロントボトムローラー
[12]フロント収納ローラー
[13]テープリターンスプリング
[14]マウンティングローラー
[15]鍵盤
[16]ピンチローラー調整ねじ
[17]プレッシャーパッド調整ねじ

●音源テープの配置
まずは、その[1]音源テープの位置を確認してみます。
全長約12m80cmにも及ぶ18音源からなるテープは、楽器手前側[12]フロント収納ローラーから楽器下部へ移動し、[11]フロントボトムローラー、[10]トップローラー、[9]リヤボトムローラーを「W字」に通り抜け、[8]テープガイドに従い[6]プレッシャーパッドと[7]再生ヘッドの間を通り抜け、更に[4]キャプスタンと[5]ピンチローラーの間を通り抜け[3]テープ収納ボックスの上部を通り、[2]リヤ収納ローラーへと巻き取られています。テープはループしていません。

●本体の電源を入れる
本体の電源スイッチ(MARK II は鍵式)をONにするとモーター駆動により[4]キャプスタンが定速で回転をはじめ、演奏していなくても常に[4]キャプスタンが回っている状態になります。

●ステーションの選択
次に、キャビネット上のスイッチにより[12]フロント収納ローラーと[2]リヤ収納ローラーを回転させ、[1]音源テープの中から再生したいステーションを選択します。(ステーションは[1]音源テープの全長を6等分したいずれかの音源部分。)
選択中は[1]音源テープ保護の為、鍵盤がロックされ演奏が出来ない様になっている。
選択出来た時点で、[12]フロント収納ローラーと[2]リヤ収納ローラーは固定され、選択された1ステーション約2mの部分が再生される事になります。

●トラックの選択
3トラック録音されている、9.5mm幅の[1]音源テープから、キャビネット上のボタンを押す事により[14]マウンティングローラーを切り替え、[7]再生ヘッドを左右に移動させて再生したいトラックを選択します。この音源はテープ中で隣り合わせになっているので、例えばAトラックとBトラックの中間、すなわちミックス(50%レイヤー)音源も選択できます。

●演奏する
[15]鍵盤を押下すると[1]音源テープは、[15]鍵盤の裏に一体になっている[5]ピンチローラーで押し下げられ、回転している[4]キャプスタンに挟まれて楽器奥側へ移動し、[3]テープ収納ボックスへ自然な「S字」を描いて収納されます。
それと同時に、こちらも[15]鍵盤と一体にになっている[6]プレッシャーパッドが移動する[1]音源テープ上面を押さえ、録音部分である[1]音源テープ下面を[7]再生ヘッドへ押し当て、音源が再生されます。
鍵盤を押し続けて約7秒間で再生は終了しますが、鍵盤を離さない限り[1]音源テープは回転している[4]キャプスタンに摩擦されたままの状態です。
[15]鍵盤を離すと、一体になっている[11]フロントボトムローラー[9]リヤボトムローラーに保持されている[1]音源テープは[13]テープリターンスプリングによって、楽器下部へ素早く引き下げられ通常の位置へ戻ります。
[1]音源テープはループしておらず常に同じ位置から再生をはじめるのでピアノ等の減衰系音源も再生可能です。
しかし、速いフレーズを演奏すると[1]音源テープが元の位置へ戻る前に次の演奏を始める事になるので、それほど向いているとは言えません。

●調整
[16]ピンチローラー調整ねじと、[17]プレッシャーパッド調整ねじはメンテナンス時に使用します。

●最もポピュラーなMellotron M400Sの演奏について
鍵盤左側のコントロールパネルにある電源スイッチをONにします。
3音色のトラックを選択し、ピッチコントロールを標準に合わせ、トーンコントロールを右一杯に回し、ボリュームを上げ、鍵盤を押下し演奏します
トラック選択が無段階(3ラッチ付き)レバー式の為、隣り合う音源で自由にレイヤー音源を作る事ができます。
M400SはMARK IIにある[2]リヤ収納ローラーと[12]フロント収納ローラーが装備されておらず、従ってステーションの選択は出来ません。

●材質
磁気テープの音源保護のため、木、アルミニウム、プラスチック等の非磁気素材を中心に構成されています。

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