エステ市 -01



南米の香港ともパラグアイの中のブラジルともイスラム過激派の拠点とも言われているエステ市、3つの国の国境近くにあり、物流の拠点として活況を呈しています。しかしながら日本の地図帳には未だに記載が無い街、そんな不思議な魅力あふれる街を紹介します。



1・街の概要
第二の都市である「エステ市」はイグアスの滝に隣接して、ブラジルとの国境に架る「友情の橋」が完成して以来、この20年位に急速に発展して出来た商業都市で、現在では、パラグアイ第二の都市です。現在でも急激に膨張を続けており、市内には建築中の建物が一杯あります。比較的新しい街ですから、皆さんの持っている地図によってはこの街の名前が無いこともあるでしょう。40年程前に発足した時には数戸しか無く、今日の大都市に発展するとは誰も予測出来なかったと思います。

「エステ」とはスペイン語で「東」の意味で、89年に付けられた名前です。それ以前はこの国の大統領の名前が付けられていましたが、同年の革命によりこの大統領は国を去り、同時にこの街の名前も変えられたのです。中国人はこの街を「東方市」と呼んでいます。



(写真:エステ市遠望)

この街は、アルゼンチン、ブラジルとの三国国境に位置しており、河を挟んでブラジル・フォス・ド・イグアス市、アルゼンチン・プエルト・イグアス市と向き合っています。この3つの都市は一体となっており、実質的には一つの経済圏となって機能しています。合わせて50万人以上が住んでいてかなり大きな都市圏を形成しています。最近までは寒村に過ぎなかったのですが、「イタイプ」ダムの完成で一気に人口が増えたのです。イグアスの滝(ブラジル・アルゼンチン国境)イタイプの滝(パラグアイ・ブラジル国境)の2つの世界一を有する世界的な観光地として、一つの地域を形成しています。この中でエステ市は商業都市として発展を遂げております。

街の様子・1

街の様子・2

「国境貿易」というと、何か聞こえは良いですが、何やら怪しげな商売人も沢山住んでいるようです。「友好の橋」を越えてパラグアイ側に入ると、すぐに大きな商店街があります。露天商も多く、歩くのも大変な程です。「友好の橋」はいつも賑わっていて、自動車、担ぎ屋さんが沢山往来して混雑しています。徒歩で橋を越える場合にはほとんどノーチェックです。ブラジルやアルゼンチンの人は滝観光と買い物を楽しむのを目的として、この地を訪れるようです。商売をしているのは主にアラブ人、中国人、韓国人、ブラジル人、アルゼンチン人等の外国人です。パラグアイは言わば場所貸しといった感じですね。店の看板を見ているとポルトガル語、中国語やハングル文字が沢山あり、世界各地の言葉が飛び交い、一体ここはどこなのだろう?と考えてしまいます。

橋は片側一車線の狭い橋で今から20以上も前に架けられたもので、完全に飽和状態となっているので、「第二架橋」の計画があるのですが、利権が絡み、なかなか話が進みません。 世界各地から富を求め、一攫千金を夢見て人々が集まり、「南米の香港」とも言われているこのエステ市、世界の文化が交差するこの街は必見です。実際、中国人が集まる食堂等は香港の町角の食堂そのものです。またブランド品が安く買える魅力もあります。品揃えはすごいですよ。例えば、ビール一つとっても世界中のが味わえます。この前行った時には、「キリン・ラガー」が積み上げられていました。このほかにもアサヒ、サッポロの等の製品が色々とありました。雑貨、電化製品、コンピュータ製品等の店がぎっしりと並んでいて、その数は7千とも言われています。

観光客ならびに「担ぎ屋」で溢れている


正規の店は余り問題が無いでしょうが、「露天商」 が売っている商品には偽者、コピー商品、海賊版が多いようで、さながら偽者見本市のようです。確かに安いのですが、商品はかなり怪しいのが多いのも事実です。世界一の滝・イグアスの滝、世界一のダム・イタイプのダムとこのエステ市をセットにすると良いでしょうね。イグアス観光についてはイグアス観光のポイントのページをご覧下さい

街の様子・3

街の様子・4

街の様子・5

2・イタイプ・ダム
世界一の発電量を誇る「イタイプ・ダム」はラプラタの本流パラナ河に在り、パラグアイ、ブラジルの両国の共同管理になっています。発電した電気は両国で等分しているのですが、パラグアイの総需要はここでの発電量・パラグアイ分のほんの数パーセントにすぎず、残りはブラジルに売っています。この売電がパラグアイの輸出のかなり大きな部分を占めています。ダム見物の際は、国境をまたいで見学するのでパスポートを持参して下さい。また特別ツアーの時間は決められていますので、事前に時間を確認しておいて下さい。最初に説明の映画を見て、専用のバスで場内を見て回ります。壮大な堤防、巨大な発電機は想像を絶する大きさです。イタイプ・ダム観光についてはイタイプ・ダム観光のポイントのページをご覧下さい

イグアスの滝はパラグアイ国境から3キロ支流のイグアス河を溯った地点にあり、アルゼンチン、ブラジルの国境にあります。パラグアイ領ではありませんが、エステ市から日帰りで観光に行くことが出来ます。イグアスの滝・観光についてはイグアスの滝・観光のポイントのページをご覧下さい

街の様子・6

3・南米の香港
この街の繁栄はアルゼンチンとブラジルの買い物客に大きく依存しているので、両国の経済状態ならびに関税等の政策が変化した時には大きな影響を受けることが予想されています。次の時代に向けて工業化への試みも行われており、ブラジル、アルゼンチンの市場を狙った「軽工業」が芽生えています。現在のところ、単純な加工工業、例えば煙草の葉、紙、包装紙等をブラジルから入れてそれを刻み巻き、紙巻煙草として、「パラグアイ製」としてブラジルに輸出するようなことが行われています。

その中で特に注目されているのは、パラグアイと外交関係のある台湾政府が後押しをしている「中国工業団地」でしょう。(国道に面しており、エステ市からイグアス移住地に行く途中に通ります。)活力のある台湾企業の進出が期待されています。現在のところ、進出に好意的な人ばかりでは無く、パラグアイ国内の軽工業経営者、中華人民共和国政府関係者などから圧力がかかっているようで、計画通りに進んではいないようです。

中国工業団地(大きな看板:敷地はほとんどが今でも空き地)

4・発展する市街地
商店街の周りには20階を超す、高層アパートが次々に建設されています。また治安の問題も在り、夜間は余り人出は無く自宅で過ごす事が多い点に目をつけて総合レジャー・ビルも建設されています。一部はオープンしており、中でも最新設備のボーリング場が人気を集めています。一時間1レーン28ドルと割高な感じも受けますが、設備は最新でスコアー記録も全自動で行えます。お客のほとんどは中国人のようでした。

市内の様子

次々に建設が進む高層アパート(中央はレジャービル)

最新設備のボーリング場


2泊3日・モデルコーズ1日目:朝、飛行機でエステ・グアラニ空港、もしくはバスにてエステ市・ターミナル到着。国境を越え、ブラジル側に行き、イグアスの滝を見物。壮大な滝のカーテンを眺めます。ゴムボートで滝壷へ。豪快そのものです。3国国境を見て、昼食(ブラジル風バーベキュー・シュラスコ料理)午後、アルゼンチン側へ。アルゼンチン側で滝の先端「悪魔の喉」を見物、吸い込まれそうな気がしますよ。ブラジルを経由してパラグアイ・エステ市へ

2日目:朝、イタイプ・ダムへ。専用バスに乗り、世界一のダムを見学。イグアス移住地に行き、日本の反対側のもう一つの日本を見学。そこか懐かしいノスタルジックな気分を味わって下さい。途中、建設中の「中国工業団地」を見ることが出来ます。エステにて昼食(中国料理)午後はエステ市内見物。南米の香港を体験して下さい。




(写真)市街地の様子-01

街には大型の高層ビルが林立するようになって来ました。多くの建物は地上階は商業用の店舗になっており、2階以上はアパートになっています。ただ急激な膨張が起き、需要以上に建物が建設されて供給過剰になって空きが目立つようになっています。

(写真)市街地の様子-02

ただ写真を見ても解る様に緑も多くまずまずの環境だと思います。

(写真)食堂-01(ブラジル風)

エステ市には多くの店があり、昼時には店員や買い物で各所に在る食堂は一杯になります。多くの食堂はブラジル風でメニュー等もポルトガル語で書いてあり、値段もブラジルの通貨「レアル」で書かれています。

(写真)食堂-02(中国料理)

また市内には沢山の中国人が住んでいるので中国風のレストランもあります。香港の大衆食堂のような雰囲気です。この写真に在る食堂では20種類くらい在る料理の中から5種類を選びこれに白飯と汁が付き13,000グアラニです。(約400円)料理は肉、野菜など色々とあり、作者が特に気にいったのは「ゆば」の料理です。豆腐の副産物?の「ゆば」、なかなか美味しいですね。

街にも色々な食堂があります。例えば、藤井さん経営のスーパー富士のならびにある「香港小吃」の昼食用メニューが揃っています。



(写真:香港小吃外観)

こちらで麺を頼むと自家製の米粉があると言います。河粉とこの麺、自家製で米から作っているのだそうです。ここはお勧めですね。



(写真:河粉は2ドル)

街を歩いているとアラブ系の人が目に付きます。有力商人の多くはレバノンなど西アジアから来ているのだそうです。米国に過激派の拠点として睨まれているのだそうです。街にはモスクなどがあり、アラブの影響を感じます。



(写真:モスク)

街はビルが立ち並び風格が出て来ました。



(写真:ビルが並ぶ)

ただ近代的かと言いますと余りそうでも無く、買出しの人とそれを目当てに商売する人で溢れています。コンビと呼ばれているバンが列を作ってお客を待っています。この人達は買った商品を持ってブラジルに戻るのです。



(写真:コンビと呼ばれる自動車に荷物を載せてブラジルへ)

そして街の歩道はメシテロと呼ばれる路上商人で一杯です。歩くスペースも無い場所が多いのです。衣類、雑貨、電化製品を売っていますが、どのような商品なのか全く保証の限りではありません。



(写真:メシテロ)

また競合する商店が多いのか争って看板を出しています。街は色とりどりの看板で一杯です。



(写真:多くの看板が並ぶ)

それぞれのビルの中には小さな商店がびっしりと入っています。コンピュータ用品を買うのであれば「来来」でしょう。ここには各種のパソコンそして付属品が並んでいます。ただどこも同じような商品でもう少し特徴を出して欲しいものです。



(写真:コンピュータなら「来来」)



(写真:街の様子-01)



(写真:街の様子-02)


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