The Temple of Elemental Evil: A Classic Greyhawk Adventure
2003年9月16日発売 開発元Troika Games 販売元ATARI 英語版

総評:

テーブルトークの完全なる移植版と言ってよい出来。古参のファンには感慨深い舞台。
バルダーズ・ゲートのような物語重視ではなく、ダンジョン潜りを主体とした、いささか古めかしい趣向。
ターンベースでありながら、とてもプレイし易い。ただし、少々のバグが気になる。

数多くのDungeons&Dragonsのコンピュータ版があるけれども、本作には他では見られない以下の特徴が上げられる。

・パーティ・アライメント別に9つの序章、エンディングは主なNPC達と村々の末路が語られる(プレイヤーの活躍により細部が変化)。
・数字ではない、具体的な評判(Reputations)が下されるキャラクター一行。
・NPCとの会話にBluff、Diplomacy、Gather Information、Intimidateを生かした選択肢。
・豊富なFeatとSkill、高い戦術性。多様なモンスター。
・マジックアイテムの作成が出来る。
・ポーションを他人にも飲ませる事ができる(例えば気絶しているキャラクターに)。
・マジックミサイルは一本毎に標的を選べる。

バルダーズ・ゲートを念頭に置いて劣る点と言うと・・・

・凝った筋書きがあるわけではなく、とある地方のモンスター退治に終始する。
・舞台がやや狭い(二つの村、およそ5階層の大きなダンジョン、小さなダンジョン、クエスト関連の小エリア10前後)。
・リアルタイムでない為、戦闘に若干の時間を要する。
・比較的、短い時間でもゲームをクリアする事が出来てしまう。
・クエストの総数が(狭い舞台にしては多いが全体としては)やや少ない。

丁寧に細部までよく作り込まれている。機能的なユーザー・インターフェイスはBGやNWNにも勝る。ヘルプのウィンドウはインベントリーや能力値の画面とも連携しており、Hキーを押した時のポインタでクリックしても開く。これが実に行き届いており、能力値の一時的減少でも慌てずに済む。NPCのダイアログは簡潔にして明瞭で、繰り返し閲覧する際にも辟易しない。キャラクターの状態を表すアイコンも実に分かりやすい(キャラの肖像画の上にあれば良い効果、下なら悪い効果)。D&Dのファンが、遊ぶ側に立って作り込んだという印象である。ゲームクリア後、異なるパーティーでまた挑戦してみたいと思ってもおかしくない。

以上のようにインターフェイス周りや作り込みは秀逸なのだが、BGシリーズを凌駕できていない部分もある。原因は既刊のモジュール(テーブルトーク用のシナリオ)を採用した事だろう。古めかしいダンジョン潜りには新味が無く、舞台の移り変わりも手狭で、大きく変化はしない(とはいっても、戦術的な要素のおかげで楽しく遊べるのであるが)。欲を言えば、よりコンピュータ向けの筋書きや、一風変わった野心的な仕掛けを用意してくれれば、更に楽しめただろう。バルダーズ・ゲートのエンジンで、アイスウィンドデイルやプレーンスケープ:トーメントが出たように、そうしたレパートリーを容れてくれれば、面白くなるに違いない。一本切りで終わらせてしまうには、あまりに惜しいタイトルだろう。次作を希望したい。


Wizardry 8
2001年11月15日発売 開発/販売元SIRTECH
ウィザードリィ8日本語版 2001年12月20日発売 日本語化ローカス 販売元エレクトロニック・アーツ・スクウェア

総評:

昔のゲームによく見られた、「説明の無い謎」を紐解いていく感覚が、今では逆に新鮮。
時間のかかる戦闘に堪えるには、膨大な余暇と忍耐強いアイアンウィルが必要。
取捨選択できる分岐、必須ではないエリア、隠しダンジョン、など、遊び要素は多い。
パーティ編成やポイントの割り振りをあれこれ悩むのが楽しい。

モンスターとの戦闘が主体となる、古式ゆかしいタイプのRPG。大局よりも些末なルーティンワークを大事に積み上げていく。ゲームの大部分は、キャラクターを成長させる事に割かれている。従って、その大部を除いて考えると、大枠はArx Fatalisと同様の特徴が露わになる。物事はやるべき事が決まっており、順序の入れ替えは可能であるものの、消化しないと次の段階に進まない。エリア探索は概ね自由だが、立ち入り制限として「敵を倒せないと入れない」というストッパーがある。物語の進展だけに注目すると、さほど興味を引かれるとは感じない。同じエリアを何度も行き来する事も多い為、飽きも来る。ところが、「戦闘」というフレーバーが加わると、単調であるはずの物語が、苦労の末に為し得た偉業のように思えてくるから不思議である。

冒頭のダンジョンでは一歩また一歩と障害を乗り越えていく雰囲気にワクワクする。しかし、序盤を過ぎると、雑魚の強さが常に挑戦的であるという作為をはっきりと感じる。それ自体は良い事だと思うが、困るのはわらわらと湧いて出ること。難易度設定をノーマルにしていた私も、途中から「初心者」に切り替えなければプレイできないと感じた。敵は弱くなるのだが、初心者モードですら湧いてくる敵に歯止めは利かないようで、実に苦労する。

ウィザードリィ8での戦闘は、手間と時間を大量に必要とし、人によっては好き嫌いがはっきり別れる。進行上必須のモンスターよりも、野外で出会うようなワンダリング・モンスタ−の類が圧倒的に重荷になる。それは頻度、量、強さが半端で無く、いつも「強め」に感じる手強さになっているからである。手抜き(リアルタイム戦闘)も助けとはならず、反復作業が次第に嫌悪感を招いてしまう。敵のバリエーションは非常に多彩で、最近のRPGの三倍か四倍の分量があるように感じられる。初めて出会うモンスターに驚嘆するも、その楽しみを優に上回る「エンカウンター回数」に泣かされるのが残念と言えばざんねん。モンスターはキャラクターの経験値の源であるからして、最大の泣き所であると同時に「売り」でもある。経験値稼ぎに躍起になる必要はないわけで、モンスターを始末して回るのが好きな人にはお勧め。


Divine Divinity
2002年9月24日発売 開発元Larian Studios 販売元CDV
ディヴァイン・ディヴィニティ完全日本語版 2003年1月24日発売 販売元ゲームビレッジ

総評:

Diabloタイプの進化版と見受けるように、パワー(アクション)プレイの側面が強い。
敵ボスを倒す為に選択しうる戦術に、巾があるようでいて、その実、無い。
リバータウン周辺のクエストはなかなか面白い。
干し草の携帯ベッド、禁じ手デススコーピオンなど、自らのゲーム様式は崩さずにプレイの利便性(裏技?)を高めている点が評価できる。

マップの未踏査エリアを探検しつつ、適宜クエストを処理していく、という風に各自のペースで遊べるゲームとして考えるならば秀作と言える。特段、目新しさは無いのだが、ハマってしまう作りに脱帽。反面、アクションゲームとしてのノリが強すぎて、ボスが倒せないというストレスにこの種のアプローチのマイナス面を感じる。本筋は最後の最後に取っておくべきもの、となってしまう消化順序では、本筋の必要性すら疑問かもしれない。セリフが代弁しているゲームの雰囲気は、さほど高尚ではなく、さりとて矮小というわけでもなく、絶妙なスパイスが利いた現代風のファンタジーである。自由気ままな冒険を楽しむ趣向がもっと全面にまで及んでいれば、さらに楽しめる作品になっていたかもしれない。さて、ここからは蛇足となるが、英語版発売後、早々に邦訳版が販売された為、パッチが追いつかないというお馴染みのジレンマがある。とはいえ、日本語で遊べると良作RPGの楽しさは倍増する。今後も、邦訳化に励む会社が増える事を願うばかりである。


Arx Fatalis
2002年11月4日発売 開発元Arkane Studios 販売元JoWooD Productions 英語版

総評:

パズルを解くのが嫌いでなければ、面白い。
筋書きから外れたプレイは推奨できない。
どちらかというと、アクション・アドベンチャー。
惜しむらくは、世界が狭い。あと数十のサイド・クエストか、数カ所の分岐が含まれていたならば、もっと長く楽しめただろう。
邪神の再臨を阻止してから、城やヘビ女達の世界はどうなったのだろうか? 主人公が去ってからの世界が気になる。

狭い世界に見所が凝縮されており、世界が広いばかりのMorrowindとは対照的である。Arxに含有されているシステムをMorrowindに移植してやれたならば、Morrowindの面白さは画期的に飛躍したに違いなかろう・・・そういう例えができるほど、よく練られたシステムになっている。手軽な戦闘アクションはFPS系のゲームのようでさえある。例えば、ネズミ相手に剣の切っ先を当てる事に、最初は苦労する。ショートソードよりロングソードの方が有利であるように、武器の長さを実感できるシステムはRPGでは珍しいだろう。両手剣は威力は高くても振り回すのに時間が掛かり、俊敏な敵には、別の武器を選ぶ事になるわけだ。一方、RPGとして、全体的な印象はウルティマ9のようである。昨今の自由度の高いと評されるRPGと比較すると、一直線の物語であるが故に構想自体が少々旧い気もする。パズルは理路整然としていて解きやすく、ただのお使いクエストよりは断然楽しめるだけに、全体の筋書きが束縛に感じられ、惜しい。NPCの扱いも普段のRPGより重く、特定のキャラクターは場面に応じてきちんと演出されている。続編でパワーアップを望む秀作。


The Elder Scrolls III: Morrowind
2002年5月1日発売 開発/販売元Bethesda Softworks 英語版

総評:

綺麗だが、中身は薄っぺら。
発想(俗に言う自由度)が目立つ分、諸々のマイナス面が大変惜しい。
ゲームの中で目的意識をどう保つか、プレイヤー次第。
異世界の観光旅行を成立させるには、NPCの挙動に細やかさや個性が足りない。
物体にはまり込む主人公や、居なくなるNPC(おそらく壁の中に居る)、崖下に落ちているNPCは、非常に不都合且つ不愉快な欠点。
高性能のパソコンを要求する割に、屋外でのフレームレートの上限が低いという問題点アリ。
Construction Setが親しみにくい。

短所は大きくわけて二つ、「遊び勝手の悪さ」と「乏しいゲーム性」である。前者の代表格は、ロード(=読込み)回数の多さとその長さと言えよう(ジャーナルの見難さなど、他にも多数挙げられるが)。このゲームでは、プレイヤーキャラクターが舞台である陸地を旅して回る。輸送機関を利用することもあるが、概ね、地面の上や空を歩いて目的地へ向かう。てくてくと進んでいくと、目に見えない境界を越える度にロードが発生し、ゲームが停止する。これはどんなオプションを試しても改善できない。なぜなら、升目に分割した地域毎に内容を読み込む為である。全てを一度に読み込む事は叶わないし、かと言って、迷作「ダンジョン・シージ」のようにバックグラウンドで随時読み込むという方法も講じられていないので、仕方がない。

大抵のゲームでは、ロードすべきタイミングをプレイヤーに解りやすい局面で利用する。扉をくぐった時や、城門を出た時などだ。このタイミングなら、プレイヤーもロードを納得できる。もちろんロードが無いに越したことは無いが、避けられないのなら、受け入れやすい区切りというものを利用してくれた方が親切である。Morrowindでも、屋外と屋内の行き来でロードを行っている。ところが、屋外では、ロードするタイミングを見計らったりしてはくれない。突然に起きて、「止まった」と感じさせ、プレイヤーをいらいらさせる。キャラクターが、ずんずん歩いていくと、ロードの回数は一回では済まない。仮想の升目を何ブロックも横断すれば当然で、歩行速度が増していれば、短い間隔で何度もロードにぶち当たる。プレイを重ねる内に、このゲームはプレイヤーキャラクターが成長するにつれて、ロードの割合が増えていくのだと実感できるようになる。途切れ勝ちなプレイは、楽しいものではない。

《お断り・・・遊んだパソコンは、HDDアクセスが速い部類ではないのだろうとも思う。もっと上位のパソコンならば、さほど苦痛では無いのかもしれない(たぶん、問題にするほどじゃないのだろう)。いずれにしろ、私的なプレイ体験に基づいて書いているので、なんというか、仕方がない。当然、悪意もない。わざわざ注釈するのはどうかとも考えるが、いずれにしろ、そうした観点の違いを含められて読まれる事を(当然の事として)お勧めしたい。》

二番目の「乏しいゲーム性」は、もっとタチが悪い。プレイを積み重ねていくと、プレイヤーはゲームが内包している可能性というものを自然と認識してしまう。すでに行ったプレイ内容から、今後行うであろう物事にも大した変化はあるまい、と想像できてしまうのだ。この悪感情を払拭するべく、大抵のゲームでは、バリエーションの豊富さと線形の物語を利用する。限られた材料でも、多少の違いを演出する事で、印象を変えてアピールするわけだ。バリエーションとは、敵の種類だったり、ダンジョンの内装だったり、NPCの個性(顔立ちに加えて性格、つまりセリフ)だったりする。線形の物語とは、一直線の筋の事で、出来事は作者の意図した順序で起き、プレイヤーが先回りしてしまうような事が無い。

さて、Morrowindは非線形な物語展開が目玉である。この非線形ぶりは、無頓着と言っていい。まだ行くべきでないはずの場所にも行けてしまうし、後になってから既に終えたクエストを依頼されてしまう。この弊害の最たる物は、「クエストが遂行不能になったので、一番最近のセーブをロードしてやり直せ」と諭されてしまう珍妙な事態だ。大抵のゲームなら、「フラグ」が立つまで「行けない場所」「起きない事件」として特別扱いされるのだが・・・。また、クエストで利用する大事なアイテムも特別扱いされず、換金できてしまう。現実的アプローチと言えるかもしれないが、不親切な作りだとも言える。

あえて「ゲーム性」と表現して批判したのは、全般に於いて未熟さや詰めの甘さが目立つ為である。遊び続けるプレイヤーは、未踏の土地を訪れる度に、会ったことの無い人々や、そこで起きるであろう無尽蔵のバリエーションを期待する。ところが、Morrowindのゲーム世界は呆れるほど有限で、期待を裏切る出来事しか起きない。あの個性的で壮麗な建築物の住人がロボットのような対応ばかり繰り返すのでは誰でも幻滅するだろう。解放したはずの奴隷はいつまでも牢屋の中に立ちつくし、道すがらのNPCはイベントを終えてしまうと所在なさげに居続ける(お願いだから、立ち去ってくれ)。洞窟に踏み入った者は挨拶はおろか、釈明の暇すら与えられずに攻撃される・・・(何か他の歓待を用意してくれたなら、全部「同じ」とは感じないのに)。要は、スクリプトに個々の対応を記述してやるだけで良いはずなのだが、数が膨大な為か、使い回しが出来ない理由でもあるのか、それとも単なる「手抜き」なのか、いずれにしろ大味でお粗末である。長く遊んでいても、機械的で型にはまった処理しか感じない(脳内補完が必要な理由)。クエストの数は多くとも、型のバリエーションが少ない故かもしれないし、そもそもシステム上の制約で大した型が作れないのかもしれない。なにしろ「底が見える」と思わせてしまう。

RPGでは抜きにしては語れないと言われる、お決まりの要素がある。戦闘、アイテム集め、クエスト、等々。各自の好みによって、感想は異なるだろうが、最大公約数的に言えば、Morrowindでは、これらに魅力がない。特に強調したいのは、綺麗なグラフィックスと、こうした未熟さとの激しい落差である。ファースト・パーソン・ビュー(一人称視点)を取り入れたグラフィックスでは、冒険をしている感覚が殊の外よく表現される。従って、初めてプレイする人は、見せかけの綺麗さのおかげで、細かく組み立てられた世界であるかのような錯覚をする。手に取れる調度品や衣服もその幻想に役立つ。書物の内容も、深い背景世界を感じさせる。ところが、NPCとの会話を通してクエストをこなす内に、それは見立て違いだという事にイヤでも気が付く。このゲームは中身がうわべほど充実しておらず、熟成期間が足りない印象を受ける。長期間遊び続ける事が可能な仕組みを持ってはいるのだが、その持続力をもたらすほどの源は無いに等しい。まことに残念である。


バルダーズ・ゲート
Baldur's Gate 1998年12月24日発売 開発元BioWare Corp.Black Isle Studios 販売元Interplay Inc.
Baldur's Gate: Tales of the Sword Coast 1999年4月30日発売
Baldur's Gate II: Shadows of Amn 2000年9月25日発売
Baldur's Gate II: Throne of Bhaal 2001年6月19日発売
バルダーズ・ゲート 完全日本語版 1999年10月20日発売 販売元セガ
テイルズ オブ ザ ソード コースト(バルダーズ・ゲート拡張シナリオ集 日本語版) 2000年 2月18日発売
バルダーズ・ゲート 完全版バリュー パック 2001年7月6日発売
バルダーズ・ゲート2 シャドウ オブ アムン 完全日本語版 2001年7月6日発売
バルダーズ・ゲート2 完結編 スロウン オブ バール 完全日本語版 2001年11月29日発売

総評:

まとも。(真っ当って事は凄いコトですよ、ハイ)
呪文のバラエティも豊富、クエストも多彩。バランスも悪くない。楽しめる。
コンピュータRPGの基準石としたい作品。

私はプレイし終わってしばらく経つ。細かな印象は薄くなってしまっているのだが、なかなか面白かった事は確か。全般的に1よりも2の方が楽しめる(と私は思う)。2では、ヒットポイントの低さを気にしなくて良いし、なにしろコンテンツが山盛りという印象がある。他方、1の方が物語進行に伴う縛りが少ないと感じる人も多い。

1では、テイルズ・オブ・ソードコーストを足しておくと良い。2では、スロウン・オブ・バールをバグ修正の為に足すと良いが、内容はあまりオススメできない。というのも、増加分はパワープレイが中心になり、大して強くもないパーティでは敵が倒せず先に進めなくなってしまう。このパワー偏向は、シャドウ・オブ・アムンの傾向と似つかわしくなく、著しく興を削ぐ。

1、2とも、総じて戦闘が面白い。正確には、その試行錯誤の過程が、である。クエストの多さもこのゲームの楽しい印象を後押ししてくれるとは思うが、概ね、お使い然としている。そこでスパイスとなるのが、障害となる敵である。ただ力押しするだけでは勝てないときもあり、その都度、対処法を学ぶ事になる。自分が持てる組み合わせの中で、役に立つ方法を発見しなくてはならない。この試行錯誤が、なかなか楽しく(つまり、度々死ぬ事になるが)、強敵だった相手をまんまと退治できた爽快感はやみつきになる。勝てそうもないときは退却して後回しにするだけである(ちょっと癪だけど)。パーティは6人全員をコントロールでき、少々手間ではあるものの、どの武器や呪文を使わせるか選ぶのも醍醐味となっている。ネヴァーウィンター・ナイツのシングルプレイではこの妙味を体験する事は叶わない。

シャドウ・オブ・アムンは、複雑なゲームシステムにありがちな嫌らしさを、あまり気にかけないで済む。武器にしても呪文にしても、選択の巾が多くて、取り逃したりすると不利になってしまうのじゃないか、と初心者は思ってしまうらしいが、このゲームに限っては、そうでもない。上述のように戦闘の比重が高く、効率を重視したくなるのも解らないではないが、シャドウ・オブ・アムンの楽しみ方は、そっちの方ではないと思うのだ。好きなキャラクターを作って、気に入った仲間(NPC)で冒険をする。サブクエストは全部こなす必要は無い。強い敵は確かに出てくるが、全く勝ち目がないわけでもない。横道に逸れて出会う強敵は、相手をしなくてもかまわない。全部さらうのではなく、楽しみたい部分だけ相手をするのが似合っている作りだと思うのだ。

玄人向けの中に、割とそうでない者でも楽しめる懐のでかさ、そういう所を体現しているシャドウ・オブ・アムンは、数あるダンジョンズ・アンド・ドラゴンズのコンピュータRPGでもピカイチだと思う。主人公のキャラクタークラスによって本拠地が変わるという趣向は洒落ていて、指導者たるプレイヤーはMorrowindのギルドマスターがうらやましがるような管理職としての体験ができる(旧ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズのコンパニオンルールセットのドミニオンを連想させ、感慨深い)。おまけ程度だけれど、仲間の異性NPCと恋愛もできる。本拠地以外でも少々の分岐が用意されていて、選択の楽しみに事欠かない。セーブデータから分かれ道だけをちょろっと遊ぶのも面白い。二週目を遊ぼうという人の為には、1のときと同様、最終時のセーブデータが残る。ただし、大まかな展開は変わるべくも無いので、面白さの点では一週目よりも劣る(私は途中で飽きたクチだ)。


プール・オブ・レディアンス
Pool of Radiance: Ruins of Myth Drannor 2001年9月25日発売 開発元Stormfront Studios 販売元UBI Soft
プール オブ レディアンス 英語版 完全日本語マニュアル付 2001年12月6日発売 販売元メディアクエスト
プール オブ レディアンス 日本語版 2003年3月28日発売予定

総評:

飽きる。
ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズにあったはずの多様性を考えると、泥を塗るに等しい乏しさ。
前時代のパソゲー。(期待してたんだけどねー)

変化に乏しく、最後まで「同じ」ダンジョンに潜っている。つまり、ダンジョンのグラフィックは使い回しである。ドワーフの根城だろうが、エルフが作ったセラーだろうが、内装に変化はない。建物の内側で初めて変わる。ディアブロ1ですら、階層によって趣が変わったものだ。(マルチプレイでは、ダンジョンの迷路構造が毎回変わるという。それで、ああした「開かない壁」があるワケだ)

敵の種類は、数えるに両手で足りる。そのくせ、敵側ターンは、だらだらと時間ばかり要する。モーションが冗長でノロノロしているのだ。

所持金は使途に困る程溜まる。アイテムはろくに売り出されない。因みに売店は二カ所。マジカル・アイテムは序盤からバカスカ出てくる為、買い足す必要は無い。売り払うのみ。売る意味はあまり無いので、捨てても構わない。

(ボス戦を除き)敵はさほど強くもなく、インビジビリティとヘイストを唱えておけば、勝てる。標的が重なっていると、敵がユラユラ動いたりして(アニメーションのせい)、上手くポイントできない。

バグがまだ残っている(v1.3)ようで、本筋には影響ないものの、宝箱にあるはずのカギが無かったりする。

ダンジョンマスターが司会進行を勤めているという本作唯一の特徴が、まったく生かされていないように思う。ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズのルールをないがしろにしたかのようなコンピュータ化は頂けない。この点はNeverwinter Nightsにも一部当てはまるのだが、程度としてはPORの方がずっと酷い。(弁護しておくと、本作は旧ルールを雛形に想定されていたものを急遽、新ルールへと改変したそうだ。したがって、新たな概念を充分に取り入れられなかったと思われる。しかし、それを割り引いても、コンピュータRPGとしての評価は高くならない)


ウルティマIX: アセンション
Ultima IX: Ascension 1999年11月23日発売 開発元Origin Systems, Inc. 販売元Electronic Arts
ウルティマIX:アセンション EA BEST SELECTIONS 2002年3月28日発売 販売元エレクトロニック・アーツ・スクウェア

総評:

パズル。
観光気分だけなら良いのだが(解くのは骨が折れる)。

ハードディスク・アクセスの度に画面がカクカクする。ブリテインでは、一歩進む毎にカリカリ(これ3年前のゲームなんですけど・・・)。序盤から2つ目くらいの柱(バッカニアーズ・デン)辺りまでは、割と楽しめる。デンでは、宝探しも出来る。ところが、その後、ブリタニアの町人やNPCの人当たりがそっけない(パターン)である事が明らかになり、徐々に遊びが少なくなってくる(縛りが増える)。

パズル色が濃くなってくると、もはや、ファンタジー風の冒険を楽しんでいるという雰囲気ではなくなり、スーパーマリオでもやっているような気分に。おまけに、意地の悪い(不親切な)解法。

最後は「お使い」の如く、大陸と海原を右往左往。どこへ行けばいいのか、途方に暮れる指示ばかり。いたずらに、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ。テーブルトークもしくはネットワークRPGなら、「○○ってどこですか?」と聞いて回るのが普通。

順番を違えると、発生しなかったりする、おバカなフラグ(ハマリ)。中途で引き返してしまうと、居なくなってしまう、囚われのNPC。神殿に紋章と印を先に置いてしまうと(物が持ちきれない為)、マントラを教えてくれないNPC。物事の経過に関わりなく、目的地でいつも同じセリフを吐くレイブン。開ける前に、壁石を押してしまうと、「ブラックロックの水晶」が消えてしまう宝箱。勇気づけているのに、酷い人呼ばわりするヒーラー(実は、PCが邪魔でベッドに近づけない為)・・・等々。

毎回、一定時間後、定位置で発生する雑魚。必ずしも戦う必要は無いが、通行の妨げにはなる。

とにかく、同種のアイテムを揃えないとクリアできない。その繰り返し。終盤になる頃には、いい加減うんざり。そもそも、こうしたアイテムを揃えて扉が開く事に、意味があるか? 重要なカギが、妙ちきりんな場所で手に入る事に整合性があるとは思えない(必然がない)。一方で、使われなかった鍵が袋一杯!

善人の振りしか奨励されない点も面白味を削ぐ。