スイカズラ

5月末から6月にかけて、散歩の途中甘い芳香に誘われて近づくと、白と黄色の花を同時に付けるスイカズラと呼ばれる花と出会う。
最初は白色の花が咲き、受粉すると黄色に変わるとされ、その為、白と黄色の花を一つの茎に同時に付け、金銀花(キンギンカ)とも呼ばれる。
この管状になった花を引き抜き、細い側から吸うと、良い香りがあって、蜜も甘く、蔓性(つるせい=カズラ)植物の為、スイカズラ(吸い蔓)の名が有るとされる。 一説には蜜を吸うときの唇の形が花弁の形に似ているからともされるが、欧米でも同種の植物をhoney−suckleと呼んでいるところから見て、洋の東西を問わず甘い蜜を吸う花とする方が自然である。
葉は冬にも全部は落ちず、変色した葉をわずかに残し、いかにも寒さを耐え忍ぶ様子から忍冬(ニントウ)の別名もある。 唐草模様のひとつに忍冬唐草模様があるが、模様がこの植物の蔓や葉に形が似ていることからきている。 又、蕪村の句の 「蚊の声す 忍冬の花 散るたびに」 からも分かるように、この花の散る頃は丁度、蚊の出る時節に当たる。
スイカズラの香りは昼間でも甘い香りを発するが、特に夜間にその香りが強く、蛾などの昆虫によって受粉するとされ、秋になると紺色の実を付け、染料に使われる。

咲き始めのスイカズラと黄色に変わったスイカズラ

スイカズラの花と葉と実

一方、 名のある薬草でもあり、葉と茎をきざんで天日干しにしたものを漢方の生薬名で忍冬(にんとう)、花の蕾を乾燥したものを金銀花(きんぎんか)と呼び、利尿、抗菌作用があって、解熱、解毒に用いられ、風呂に入れると湿疹、あせも、はたまた美容にも良いとされる。
薬酒を忍冬酒と呼び、徳川家康が長寿の酒として飲んだと伝えられている。

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