くも膜下出血発症時の頭痛


 くも膜下出血発症時の症状は、必ずと言っていいほど、「ハンマーで殴られたような激しい頭痛が突然起こる」と書いてある。しかし私はそれとは全く違っていたので、私のケースはよほど特殊なのかと思って、病後いろいろ調べてみた。すると、発症時の症状は大きく二つあるようだ。一つは、突然、気圧の変化が起きたような(高速エレベーターに乗った時のような)プレッシャー衝撃、もう一つは、激しい痛みである。この二つが同時に感じられることもあるが、ずれて感じられることもあるようだ。

 くも膜下出血の症状は、血液がくも膜下腔を流れる脳脊髄液の中に排出されるため、脳圧が上がり、脳が圧迫されることにより表れるということだ。出血部位、出血量の違いや緩急により、プレッシャー衝撃の強さ、衝撃と激しい痛みのずれる間隔、痛みの激しさには違いがあるだろう。

 プレッシャー衝撃を言葉で何と表現すればよいかは難しいところだ。私が調べた中では、「ピカッとした」「ズキッとした」「a feeling of pressure」「massive head rush」等、いろいろあったが、私自身は、「ズン!」というような重い感じがした。しかし、ごく軽い頭痛は感じたものの、激しい頭痛は全くなく、視野が一瞬狭まった感じがして、耳が遠くなった。頭の中で何かが起こって大変なことになったという感じはあった。軽い頭痛と耳が遠くなったような感じは持続した。

 私は、くも膜下出血とは激しい痛みを感じて、倒れてしまうと思っていたので、この症状が起きて、「くも膜下出血だ!」とは全く思わなかった。プレッシャー衝撃に「ハンマーで殴られたような激しい頭痛」という表現は、当たらないと思う。激しい頭痛は、確かに父の場合を見ても、度を超えたすごいものなので、これを、「ハンマーで殴られたような激しい頭痛」と表現するのはよいが、父のように激しい場合でも、プレッシャー衝撃とのずれはあったのだから、必ず痛みから始まるという言い方は誤った常識になると思う。激しい頭痛を経験するとその激しさのために、プレッシャー衝撃とのズレがあったとしても印象がうすく、どんなものだったか語られることがないために激しい頭痛から始まったと感じることも多いのではないだろうか?

 平成16年8月19日、NHKの「生活ほっとモーニング」でくも膜下出血の特集をしていたが、そこで紹介していたくも膜下出血から生還した人も、激しい痛みの前に、軽い頭痛を経験していたというのに、医師は、その痛みについて深くふれることなく、「激しい頭痛から始まる」を繰り返していた。9月6日にも同じ番組でくも膜下出血を取り上げていた。そこでも頭が痛いと一言も言わすに死亡した、くも膜下出血患者の家族からのFAX紹介もあったが、やはり、「激しい頭痛から始まる」と言っていた。

 医師にとっては確かに、病院に入ってきた時の状態が問題で、どんな風に発症し、病院に着くまでにどんな手当をしたか等、あまり問題にならない。私の場合も病院に入って詳しく聞かれていない。CT検査をすることで、くも膜下出血の診断はできる。医師の責任はそこから始まるのであるから、それ以前に目が向きにくいことは分かる。

 しかし、プレッシャー衝撃と激しい痛みの間隔があればあるほど、出血は軽く、助かる確率は上がるのだと思うので、ここを強調する必要があるのではないだろうか????? 激しい痛みが始まる前に「もしや、くも膜下出血?」と思って救急車で搬送されれば、私のように後遺症もなく助かる率は上がると思う。

 
「ハンマーで殴られたような激しい頭痛で始まる」という言葉は、CTも血管造影もできない時代の診断基準ではないのだろうか?その時代なら、私のように頭痛もほとんど無く、意識もはっきりしている人をくも膜下出血と診断する手段はなかったのだろうが、今では、わかるようになり助けることもできるようになったのだから、古い表現は改めるべきでは???

 医師は頭痛患者は山ほどいるので、見分けが難しいと言うが、若い頃、頭痛持ちだった私に言わせれば、この頭痛ははっきりと違う。風邪や、疲れから来る頭痛は、突然衝撃から始まることはあり得ないし、痛みの性質も、全く違うので、一寸気をつけて問診すれば、必ずわかるはずである。
 本人もこのことを知っていれば、「もしや、くも膜下出血!」と疑うことはできる。
     
   
★ 発症時刻が明確な頭の中の衝撃                    
★ 激しい頭痛を伴うことが多いが頭痛をあまり感じないこともある
★ 痛みを伴わない場合も、ガーンとする衝撃感、気が遠くなる感じやめまい感な
  ど異変が突発し、持続する
★ とにかく本人が『くも膜下出血では?』と疑うことが大切


◎以上のような症状が起きたら、夜中でも脳神経外科に受診すること


私の体験を取り上げて、間中信也先生が、ご自分のサイト“頭痛大学”でくも膜下出血の特徴を、上記のように書いて下さいました。ご覧下さい!
    
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