メレンゲでGo!!

 前略おふくろ様名言集 No.1

第一話

■サブと初対面の利夫の発言


かすみお嬢さんに俺だって惚れて…。
だけど、半妻の兄貴がいるから我慢して引いたけど…、そのままずっと…、
嫁さんももらわずこの歳(31歳)まで一人で…。 

(以下、サブを殴りながら)
俺が…、この面で…、
惚れて悪いかよ! えっ?

■昔のヤクザ仲間の逃亡に手を貸さなかった秀次。逮捕事件を知ったサブの発言



秀さん「昔、ある人が俺に言ったよ。法律に背くのは怖くない。けど・・・。
神様だけには背きたくない。」

あの時、先輩は俺にそう言った。先輩の言った神様っていったい何のことだったんだろう。
もしかしたら逃げてきた友達を知らん顔して突き放すことは、神様に背いたことになったんじゃないか。

第二話
■若旦那の愛人宅を偵察し、若奥さんに偽報告した直後のサブの発言



奥さんはわかっているみたいだった。なんとなくあれは…、わかってた顔だぞ。 
そうすると、俺は、つまり…。 
俺は「男の
優しさ」っていうつもりで、奥さんに、まぁ、嘘をついたんだけど…、
それに気づいて気づかないフリをしていた奥さんの方は…、
これはやっぱり「女の優しさ」で…、「男の優しさ」と「女の優しさ」を比べると…、
やっぱり、俺は「女の優しさ」の方がいいなぁ。

第三話
海ちゃんの入院費や帰省費用を秀二や女将さんから拝借したサブの発言


皆、とても優しかった。俺はゾクゾクと幸せを感じた。
前略おふくろ様、俺は皆に愛されてます。

サブを錦糸町の呑み屋に誘い出した利夫の第一声



川端先生、知ってますか? (サブ「歯医者の?」) 
長〜いトンネルを抜けると…、雪国だった。 (サブ「どうかなされたんですか?」) 
俺の故郷(くに)ですよ。越後湯沢。

お兄ちゃん…。 民宿してるんですよ、俺んち、あっちで。 
親父は戦争で逝っちゃって…、お母ちゃんが一人で…。
妹が一人、ウチにいます。俺によく似てて、だから、まだ独身(ひとり)で…。

(周囲の呑み客が偶然に発した笑い声に向かって)
何が可笑しいっ? よっ?

 
第四話
蔵王のロッジに働きに出た母親の話を兄から聞いたサブの発言。


前略おふくろ様、何て書くんですか? 早くに親父に逝かれちゃった貴女が、女手ひとつで8人の息子を、一人前に育て上げた。 その息子達が揃いも揃って、貴女を、言わば邪魔者扱いにしている。 しかも、この俺は半人前で、とても今貴女を引き取れません。 その俺が、貴女に何て手紙を書くんです? 俺にはとても書けません。 口先だけの慰めなんて…、俺にはとても…、書けないんですよ…。

呼び出された若旦那の前で秀次の発言。


単刀直入に申します。コチラ(愛人宅)を引き払ってもらいたいわけです。若奥さんが寂しがっておいでです。くどくど言うのはアタシも嫌です。それに、これは…、若奥さんの御存知無いことで、アタクシの独断で参りました。ですから…、一回だけしか言いません。使用人の分際で出すぎているとは重々承知しております。その分は幾重にもお詫びいたします。ですから、何にもおっしゃらずに、お帰りになってください。アタクシからお願いします。

「わかる、よくわかるよ・・・(若旦那の言い訳が続く)」

旦那さん、事情はいろいろおありだと思います。アタシみたいな板前風情には複雑な話はわかりません。ただ…。ただ、ワタクシにわかることは、例えどんな事情があるにせよ、ああいう形で、若奥さんをひとりぼっちにしておくことはいけないってことです。

もしも…、旦那が本気で若奥さんをお捨てになるのなら、です。 ワタシもその気にさせてもらいます。 若奥さんを取らせていただきます。 いや、もしも、本当に旦那が若奥さんをお捨てになるのならです。 どうか、そのことを覚えておいて下さい。

(サブのナレーション)
よっ、秀さん! って言いたかった。 ほんの一瞬のことだったが、秀次先輩のその時の目つきは40ワットの電球が急に100ワットになったみたいだった。 前略おふくろ様、秀次先輩はなんつっても「男の中の男」です。余計なことは言わず、ずばり旦那に言い切ったかっこよさ。

若奥さんの尋問に無言で突っ張り通したサブの発言。


若奥さんに悪いなぁ、って思った。俺の気持ちを察してくれて、聞くのをやめてくれた若奥さんの優しさ。それがとても悲しかった。 でも、最後まで喋らずに通せたことは、我ながらちょっと男らしいと思った。 前略おふくろ様、旦那に凄んだ秀次先輩を高倉健さんに例えるならば、俺も今夜は松方さんぐらいいってたんじゃないかと考えられます。
(鏡に向かって凄む)

自宅に預かった海ちゃんと母親が喧嘩したことを気に病んだ半妻が家出。「兄ぃはマザー・コンプレッサーってんだよ」「女学生みてぇだ。男ですか、兄貴?」と利夫になじられ飲み屋を飛び出した半妻の背中に向かってサブが発言。


半妻さんのその時の気持ちが俺にはなんだかよくわかった。40になって「お母ちゃん」なんつってる、「深川一番勇み肌の兄ぃ」は、そりゃあ恥ずかしいことかも知れない…。 けど、半妻さん、俺は笑わんぜ。 前略おふくろ様、俺は笑いません。

一郎兄さんに昨日聞きました。蔵王に住み込みを始めたそうですが、いいんじゃないかと俺は思います。一度、東京に出てきて下さい。今はとっても駄目だけど、将来きっとこっちへ来てもらって…。 (サブ、うなだれる)

第五話
仲居の千代が別れた亭主の子供を「さぶの子」「秀さんの子」と偽って、分田上をかき回す。顛末を知って憤るサブを秀次がとりなす。


サブ「俺、頭に来ましたっ! ・・・ おやすみなさい!」

サブ、勘弁してやんな・・・、女の嘘はな。

おい。 呑みなおそうか!

第六話
サブの母の誕生日にショールを編んでサブに手渡したかすみの発言


あたしが自発的に作ったなんてお母様には言っちゃ駄目よ。 (サブ「どうしてですか?」) そういう女がいるってことはお母様を心配させるから! 友達に頼んで作らせた、って言いなさい。 「友達」ってとこは…、まぁ、もし、アレなら、わたしの名前を書いてもいいけど…。

サブ「わ、わかります、わかります。そうします」

母からの手紙を受け取ったサブの発言



「山形県蔵王温泉町 樹氷高原ロッジにて 片島益代」 

おふくろはいつも差出人のところに、ただ「母」とか、「おふくろ」とか、時にはふざけて「おっかあ」なんて書いてきた。「片島益代」と本名を書いてきたのは、変な話だが初めてだった。 おふくろが急におふくろじゃなくて、「片島益代」という女の人になった。 しかも、その人は68歳で初めて他所に出て働いているのです。

オールナイトのヤクザ映画を観た後、スナックでコーヒーを飲みながらかすみが発言



あたしね、夢なの。 結婚するでしょ? (サブ「あ、結婚するんですか?」) 違うわよ、そのうちするでしょ、って言うの! そしたらね、ちっちゃなアパートに住んで…、そしたらどうしてもしたいことが2つあんの。 1つはね、今日みたいに旦那様と2人で土曜の夜に映画を観て、どっか開いてるスナックに入って、腕組んでアパートに帰ること。 もう1つはね…、サブちゃん笑うわ…。 (サブ「いや、笑わないっすよ」) ん〜ん、笑いそう、ほら、絶対笑いそう! ふん、話すの止めた! 失礼しちゃう! ・・・ 笑わないでね・・・。 タオル集めるの! 夢なの、これぐらいちっちゃいね、いろんな色の。それをたたんできれいに重ねて、洗面台の脇にきれいに積んでおくの。 夢なの…。 綺麗に洗ってたたんだタオルをこんなに積んでおくの。 夢っ!

第七話
かずみが風邪で寝込んだ日、立ち退き問題の件で分田上を訪れた甚吉(かすみの父)が秀次に向かって


時に…、サブってのはよ…。 (秀次「サブが何か?」) いや…。 どんな子だい? (秀次「いいやつですよ。どうかしたんですか?」) いや…。 かすみが世話になってるみてえなんでね。 (秀次「かすみちゃん、熱があるんですか?」) うん、まぁたいしたこたぁねぇが…、ウチで一人で寂しがってる。 ん…。 いや、この…。 どうも…、歳とってさぁ、近頃物忘れがひどくってねぇ。 (秀次「そんなふうには見えないですよ」) そうなんだ、じき忘れてねぇ。早えぇ話が…、この煙草入れなんざぁ、年中行った先置いてきちまう。 そうするとその都度、行った先から人が届けてくれるってわけだ…。困っちまぁ…。 (煙草入れを脇に置いて)おいら、忘れたらよろしく頼まぁ。 ふん…。 行くかなぁ。 あの…、アレだぜ…、おまえさんがテメエで届けてくれなくたっていいんだぜ。 若けぇものがいるだろ。 例えば…、サブ…。そういうのに持たせてくれればいいんだ。 (秀次「はい」) 行くわ…。 俺ちょっとこれから脇へ回るし、2時間ばかりはかすみ一人だ。 じゃあ…。

年の瀬で多忙の調理場でサブの独り言



前略おふくろ様、昨日の朝深川にこの冬最初の霜が降りました。 高速道路が通るというニュースが皆の心を暗くしていますが、そんなことにはおかまいなく、そろそろ気の早い忘年会のシーズンがこの分田上に始まっています。 もしこの辺りが立ち退きになって、この店が深川から消えていったら、この人達は来年からどこで年忘れの酒を飲むのでしょうか? 政吉先輩にそう言ったら、「お客は河岸を変えるだけさ」といともあっさり答えられました。 前略おふくろ様、どう思いますか? 本当にお客さんってそうなんでしょうか? 一件の古い料亭が消える。でも、お客さんはたいして重大に思わない。一件消えても別の店がある。そっちに行けばいいって思う。しばらくは話題になるかも知れない。「分田上の料理はうまかった」「あそこの料理には心がこもっていた」 でも、そんな話もすぐに忘れる。俺達の作っていた料理の味も、分田上の座敷も、おかみさんの顔も、若奥さんや八重さんや鶴さんや、かすみちゃんの顔も皆忘れる。そして、皆、よその店で遊び、誰も何ひとつ不便を感じない。 考えていると…、俺はなんだか悲しくなってきて…。

第八話
物忘れが激しく蔵王のロッジから疎ましがられている母が兄達の策略で上京、サブと同行したレストランにて


(隣のテーブルをのぞきこみ) ちょっと! アレ、何だい? (サブ「さぁ…?」) アレ、食べた〜い 

サブの母の身の上を知り、分田上のおかみさんが発言


サブちゃん! これは人助けだと思って聞いて欲しいんだがねぇ…。 ウチで「中働き」探してんだよ。こないだっからミツ子と話してたんだけど、欲しいけどどっかに人がいないかってねぇ。 ほんでぇ…、あんたのお母さん、ずっと東京にいてくれるんだったら願ってもない話なんだけどねぇ。 どうだろ? ウチ来てくんないかねぇ? お願いしてみてくんないか? なんなら、アタシからお願いに行ったっていいんだよ。

母は突然に山形に帰ってしまった。母を見送った海の発言



夕方、おばさん、アタシのとこ来たのね。これから帰るからサブによろしくって。一生懸命止めたんだけどさぁ。駄目だったんだぁ…。ごめんね…。 困っちゃった、アタシ…。これ(お小遣い)くれたのね、おばさん。海の就職のお祝いだって。だけどさぁ、ホントは今朝もくれたんだ…。 同んなじの夕方もくれちゃってんの…。 嬉しそうにニコニコ笑って押し付けてさぁ、「サブには内緒な」なんて言うんだもん。 アタシ、悪くてさぁ。 もう貰いましたからなんて言えなくなっちゃったんだもん。 だってさぁ…、おばさんすごく嬉しそうでさぁ…。


このページのキャスト
萩原健一、川谷拓三、室田日出男、梅宮辰夫、坂口良子、
北林谷栄、桃井かおり、田中絹代、加藤嘉

 

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