スパークス・ショー!

     〜2001年1月24日「メレンゲ自慢会」書き込みより〜

スパークスに恋してた。 投稿者:まじろう  投稿日: 1月24日(水)13時13分08秒

今日、スパークスのLIVEを観に行きます。

以前、「今週のCD」でも書きましたが(バックナンバー、読んで下さいネ!←Click!!)、スパークスのアルバム『キモノ・マイ・ハウス』は僕の人生において重要作品。 僕がこれまでの人生で最も集中して聴いたアルバムでもある。 1日最低でも5回は聴くという状態が1ヵ月間フルに続いた。多い日は1日中かけっぱなしだったと思う。 1曲目から最終曲まで歌も演奏部の概要も全部同じタイミングで口づさめる程聴いた。アルバムを再生していなくても、同じ音が頭の中で再生された。 いわゆる“曲間のミゾの尺まで把握できているアルバム”ってヤツ。 その間、他のレコードは一切聴かなかったくらいだ。 「俺って、このまま一生『キモノ』しか聴かないのかなぁ」などとボンヤリ思ったが、「それも幸福な一生だわな」などと思う始末。 それほどまでに人生を占拠された。 そんなレコードは僕にとって今のところ たった1枚だけだ。 そして、僕がこのアルバムから受け取った恩恵は計り知れない。栄養分が多いアルバムだからネ。

憧れ、尊敬していたロン・メイルとラッセル・メイルの兄弟を観に行く。 「ありがとう」と言いたい。  客席でヒッソリと「ありがとう」を言いたい。 『キモノ・マイ・ハウス』を僕に与えてくれて本当にありがとう、と。

あぁ、『This Town ain't Big Enough for both of Us』の演奏時に泣いたらどうしよう。

 
2001年1月24日 CLUBクアトロ SPARKS
 
さて、3人組のスパークスによる初の日本公演。待ちに待ったライヴだ。そう、僕にとっては20年もの間待っていたライヴ。 長かった。 僕は最前列を確保。 当り前じゃないか。スパークスに会うんだから。
 
■伝説として語り継がれて来たパフォーマンスの数々が遂に日本で公開された。 オープニングで“SPARKS SHOW”の楽曲に合わせてマイムをする「ロン・メイルコートショー」。糸で釣ったコインをユラユラさせ、客席を“スパークスの虜”にする「ロン・メイル催眠術ショー」。赤ちゃんの人形を糸で操る「ロン・メイル空中浮遊ショー」。 どれもドリフのコントのような“お約束ネタ”なんだけど、遂に生で観た感激はひとしお。
 
ロンが操作するシンセサイザー(メーカー名は“Ronald”!)と、シンセにシンクするパソコンが出す電子音、それにシンセドラム(メーカー名は“Ronald”! 奏者は死ぬ程美人でスタイルの良いオネエちゃん!)がバッキングの全て。ロンが手弾きで出していた音は基本的にはコードなので、パソコンに予め仕込まれた“カラオケ”が全て、と言える。(しかも、この音源、2ミックスだった!)
 
■どう考えても閉塞感しか在り得ないユニットなのに、ステージとサウンドには躍動感がみなぎっている。 その鍵はラッセル・メイルの歌唱とアクション。 4つ打ちのキックに合わせてピョンピョン跳び跳ねたり、リズムにシンクして拳を突き上げたり、気持ちよさそうに飛行機の真似して旋回したり。。。 クールなステージを予想していたので、あまりの明るさにビックリ。 なんて言うか、「気の良い大道芸人」の風情。 左足を1mばかり前に出して、腰を落として熱唱する姿なんか、二昔前のドン臭いロケンローラーみたいだ。 まぁ、ダサかった。(ファッションもダサかった) でも、ラッセルのアクションは人なつこくって好感が持てるんだ。汗まみれだったしネ。 アクションをしながら、音程を外さない歌唱力にも脱帽。レコードのまんまの声が聴けた。
 
■楽曲は70年代〜90年代を縦横無尽に配置した“ベスト選曲”。 途中、ロンの手弾きコードとラッセルの歌唱だけで披露されたミドルテンポの『Hospitality on Parade』なんかはジーンときたね。意外性があったし。
 
■歌もアクションもMCもラッセルが担当するが、おいしい箇所はロンが持っていく。 中央に引っ張り出されたロンラッセルはシンセの位置に移動。パソコンのマウスをクリックし、ビートをスタート。シンセのスイッチを押すとループがシンク。 ここで、ロンが威圧的なダンスを始める。ビートチェンジと共に一転して歯を剥き出してニッカニカしながら大仰なダンスで爆笑を誘う。そのダンスのピークでラッセルがシンセのスイッチをオン。その瞬間に曲が変わり、ラッセルはマイクに、ロンはシンセに飛びつく。何事も無かったように曲は進行する。これもドリフ的な“お約束コント”に違いないんだけれど、むちゃくちゃカッコ良かったなぁ。
 
■最終曲は『This Town ain't Big Enough for both of Us』。 ・・・残念ながら、僕は泣きかけてしまった。20年も待って、眼のあたりにしたライヴバージョン。 嬉しかった。 本当に嬉しかった。 曲が終った瞬間、僕はロンラッセルの顔を交互に見ながら小さく「ありがとう」と言わせてもらった。 この20年間、言いたかった言葉がやっと言えた。
 
■1回目のアンコールは『No.1 Song in Heaven〜Never Turn Your Back On Mother Earth』のメドレー。意外な“つなぎ”。 こんなテンポで『Never Turn …』を聴くなんて!
 
■2回目のアンコール。ロンが2つのコードを弾いた瞬間に、僕には楽曲が理解できた。『Amateur Hour』! コードとシーケンスにドラムが被さり、“例のフレーズ”を待っている。 そして、“例のフレーズ”が始まった瞬間、僕はヘナヘナと崩れそうになった。 だって『キモノ・マイ・ハウス』の2曲目なんだぜ! 
 
■ショーが終り、楽屋に引き上げようとするスパークスは日本での盛況ぶりに心から満足しているようだった。ニコニコしながら「ありがとう」を連発。なかなか、立ち去れずにいるようだ。 僕達だってスパークスを立ち去らせたくはないんだ。 マイク無しの大声で「ありがとう」という日本語を使うラッセル。(この時、僕はラッセル・メイルと握手することが出来た!) ふと、ロン・メイルの顔を見たら、ライヴの最中一回も声を出していないロンの口が小さく「ありがとう」と動いていた。 はにかみながら、日本語で「ありがとう」と動いていた。
 
■違うよ、ロン。 「ありがとう」を言いたいのは僕の方なんだよ。
 
会場を出る観客の顔は皆幸福そうだった。
僕には「僕が一番幸福なんだ」という自信がある。
 


↑ 僕の人生で“最も重要なレコード”『キモノ・マイ・ハウス

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