〜モンタクート〜 2005,9,10

港町のワイナリー

 アドリア海に面した港町、アンコーナには山もある。ふくらはぎのピョコっと出たとこにチョコっとあるコーネロ山(標高約500m)ではブドウが実る。ブドウのあるところにワインあり!
車をチョット走らせてモロダーというワイナリーを目指したのだが、またもや迷走、全然チョットどころではなかった。
“ゴクタビ”記載のアクセス通りの道を進んでも、あるべき地名“モンタクート”が見つからないのだ。「ここしか進む道なし」と、山に向かう一本道の先にはブドウ畑などなく、フォーマルな格好をした人が集まっているだけ。ブライダルホテルのようだったのでまた大通りに戻り、その先へと行ってみるが“モンタクート”の文字はどこにもない。引き返し、また同じ一本道を行く。二度目に行ったら違う場所だった、なんてSFファンタジー的なことは現実にはなく、当然さっきと同じ景色。駐車場の奥にも行ってみたが全然お呼びでない、軍隊か何かの関係者以外立ち入り禁止地区であった。

アドリア海 結局大通りを行ったり来たりするしかなく、その間も“モンタクート”の標識を注意深く探す。車中、「モンタクート」をうわ言のように連呼。「モウタクトウ」などと、たまにオヤジギャグなんか飛ばしてるけど、車の速度に標識確認速度がついていけない私・・・。
そして何度目かでやっと見つけたMONTACUTOの標識は、山の中のオアシスのようだった。山に向かい、道なりに走るとやがて一面に見えるブドウ畑。その中にポツリとワイナリーはあった。

写真はもちろんアドリア海。
迷っている最中でも、時々顔を出す海をウットリと穏やかに眺める余裕は忘れない、私たちの旅。



 モロダーはマルケ州で最も有名なワイナリーの一つである。総敷地は46ha。
下の写真、正面の建物はショップ。右側の奥の建物が本館で、この2階にレストラン「アイオン」があり、郷土料理を食べながらワインを楽しむことができる。手前の建物の壁に架かっているのは日時計。(左:拡大写真)もちろん天気のいい日のみ稼動。
食後、少し敷地内散歩をしてみた。建物の裏手(写真館にて)にはテーブルがあり、野外コンサートも行なうそうだ。燭台効果の灯りの元で聴く音楽は、また格別なものだろう。

撮影地点の後ろ側に26ha(26万u?)ものブドウ畑が広がっている。畑と建物の途中には、柵で囲った“放し飼いエリア”があり、七面鳥が大地を蹴って走り回っていた。

レストランの内装や壁にかけてある絵の写真を撮っていたら「日本人?」とオーナーらしき人に声をかけられる。そうだと答えると、すぐさま厨房に向かって「やっぱり日本人だってよ」と話している。これは私の推測だが、「何でも写真を撮るのが日本人」と思っているに違いないから。シェフと「ナニ人だろう?」と話していたのかもしれない。
「雑誌を見て、来たいと思ったの」ぐらいの受け答えがサラッと出てくる語学力があれば・・・と、いつも後で思う。




モンテプルチアーノ種のブドウ畑


〜フラサッシ峡谷〜 2005,9,10

我ら≪無防備≫洞窟探検隊

 観光名所に関係なく、自然の中を探検するって面白い。 だからKさんからフラサッシ鍾乳洞見学を提案された時も二つ返事だったのだが、まさかこんなに有名だとは!

その前に・・・現地に着くまでの、お約束にも似た長いドライブも避けて通れない。
モンタクートからアンコーナ市内に戻り、今度は約65kmほど山のほうに向かうのだが、またもや市内からなかなか抜け出せない。メストレの悪夢再び・・・
イタリア国内どこの都市も言えることだが、一通が非常に多いためだ。通り一つ間違えると、とんでもない方向か堂々巡りの運転を強いられる。しかも坂道の多いアンコーナは、まるでジェットコースターのようだ。一時は「断念か?」と諦めかけたこともあったが、何とかフラサッシに向かう幹線道路を探り当てることができた。下りる場所も注意深く確認し、無事到着。

アンコーナへ向かう 洞窟へは勝手に歩いて行けるものだと思っていたら、土産物売り場が並ぶ普通の観光地だった。その一角の売り場で12Euroを支払い入場券を購入。“勝手に歩いて”と思い込んでいたので少々面食らったが、これはガイドツアーで往復のバス代も含まれている。なので時間制だなんて知らなかったのも当然、ギリギリ最終グループに間に合った次第だ。
土産物屋をザッと見て、あとはバスの到着を待つ。

ツアーから帰ってきたバスは、また新たな“探検者”を乗せて再び山間へと向かう。数分後、洞窟の入り口に到着。
イタリア語と英語のガイドがあり、圧倒的にイタリア人観光客が多い。私たちの他に、ドイツ人と見られるカップルの4人のみが英語ガイドさんのあとに続く。秘密基地のような重い鉄の扉が開き、洞窟内へ。
・・・メッチャ寒い!
バスの中で、セーター姿にフリースを腰に巻いた人を見かけた。そこまでいかなくても、かなり厚着の人ばかりで「みんな寒がり?それともファッション?」と、半ば鼻で笑っていたのだが、私たちのほうが笑われてたんだ。タンクトップに半そでシャツを羽織っただけなのだから、周りから見れば無防備・向こう見ずな日本人2人。軽装にもほどがある。

鳥肌を立たせながら奥へ進むと、そこは大きく青白い空間。最初からガツーンとパンチをくらった気分だった。
200m近い高さの天井に一瞬眩暈さえ感じた。高い建物を見上げるのも恐怖を感じる私だ。ガイドさんがその一点を指し「あそこからこの洞窟に入った」と言うのを想像して、膝の力が抜けそうだった。
しかし自然が生み出したこの神秘の芸術たるや、神の創造物以外の何物でもない。言葉を失い、ただただ惹きこまれる。
そしてまた両腕をさすりながら進む。冷たい空気の中で鍾乳石の白さは氷に見え、ライトが溶かしてると錯覚しそうなくらい。
ガイドさんは小まめに足を止めて説明をしてくれるが、英語もダメな私は半分も理解できなかったと思う。が、分かったようなフリをして効果的なライティングにしばし見とれたり、時には何千万、何億年もの時間の堆積を間近で見たり。または足元に広がる暗闇に目を凝らして見てみると、とてつもなく深かったり。ぇえっ!?と身震いする私にガイドさんが「DEEP」と低い声でひと言。
言葉に出さないで〜!
フラサッシの土産物屋 もう、寒いのか怖いのかさえ分からない鳥肌を立てている私に、Kさんはクスクス笑っていただろう。いや、ニヤニヤかも・・・?
こうして、怖美しい(コワうつくしい)約1時間の幻想の旅を終え、折り返す。最後にまた地球創成期の青白い空間を見上げながら、基地の扉に向かった。外界に一歩出た途端、体中の毛穴が開き筋肉が緩む。
そして「秋吉台よりスゴイよ!」と思った私たち。行ったことないくせに何を根拠に・・・。でもそのぐらいスゴかった。
でもこれはほんの一部。他に3時間コースのツアーもあるそうだ。行く時には防寒対策をお忘れなく!・・・って、みなさんご承知のことか・・・。

夕暮れに包まれながら帰路に着く。
フラサッシで見上げた白い薄紙はアンコーナに戻る途中で徐々に輪郭を濃くし、やがて光り輝く弓張り月となった。

洞窟内の写真UPはないけど、文頭にあるリンクで青白い空間が見られます。

◆ アンコーナの食事へ→ ワイナリーでランチ・海の幸ディナー


※ 1Euro=140円前後
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