「ローマ字実験学級の調査報告」について
ローマ字は合理的であるから,学習の負担が少なく教育効果があがると云われてきました.実際に,小学生に対してローマ字だけで教育してその効果を調査したことが三度あります.
1948年(昭和23) 文部省の国立教育研究所では,「ローマ字実験学級」を72学級つくった.(3年間)
1951年(昭和26) 文部省は,「ローマ字実験学級」を20学級つくった.(3年間)
1952年(昭和27) 民間の「ローマ字教育研究所」では,41学級つくった.(4年間)
この実験では,できるだけ条件を同じにして
A. 「ローマ字クラス」:「国語」以外をローマ字だけで教えるクラス.
B. 「対比クラス」: 同じ内容を教える普通のクラス.
とで,教育の効果(成績)を比較しました.
当時,「ローマ字クラスの成績が良すぎて困る」という話が漏れていました.
A. すべての科目で,ローマ字クラスの成績がよい.
のはもちろんですが,
B.予想に反して,「漢字の読み書き」さえもローマ字クラスの方が成績がよい.
ということでした.「はやく読み書きできる文字を持つこと」が,その後の教育効果を上げることが実際に証明できたということです.
関係者からは結果を公表することを求められていましたが,なぜか,ほとんど出ていません.ここに収録した「ローマ字教育の調査報告」は,この最初の実験のものです.教師も,ローマ字教育の経験がほとんどなく,敗戦後の,ローマ字クラスの教科書は「算数」だけという悪い条件で行なわれたものでした.
元の報告書は,印刷も悪く古いもので汚れも沢山あります.できるだけ読めるように手を加えてはありますが,読みにくい点も多いかと思います.また,明らかにミスプリントと考えられるところもありますが,貴重な文献として,そのままにしてありますことをお断わりいたします. (Simizu-Masayuki)
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