

8月11日
am7:00 船内アナウンスで目が覚める。鹿児島県志布志港へ7時30分に入港するとのこと
昨夜の酒量が多かったのか寝冷えしたのか少し頭が痛い
はっきりしない頭で洗面所へ、そこには顔を洗う家族連れが大勢いて割込む訳にもいかず
缶コーヒーを飲みながら順番を待つ 小さな子供がすれ違いざま小生に向かい
「おっちゃん、ありがとう!」 の一言・・・・・これには少々驚いた
近年、若い親の躾(しつけ)を心配していた小生はこの一言ですっかり気分を良くした
しっかり躾をする若い親がいた事を嬉しく思う
am7:50 志布志港には時間通り入港したのだが上陸するまでは少し時間を要した
志布志は初めての土地だが種子島と同じ鹿児島というだけで胸は高鳴る
ここから鹿児島港までは約180kmの道のりだが途中で大学時代の友人と会う約束だ
長年、音信不通の仲だったが2年前のOB会で同じテーブルに着き
話が弾み名刺交換した。彼の名刺にはM市市議会議員とあり同期の出世頭と
仲間からもてはやされた。
その彼が昨年テレビに出たのを見た
すぐ小生は彼の自宅に電話したが繋がらず心配したものだった
その彼と連絡を取り今日の午後会うことになっている
九州の道は走りやすくカブ式バーディー号も気持ち良さそうに進む
pm0:30 国道220号線をひた走りT市に着き彼に携帯から電話をかける
小生 「もしもし、U先生のお宅ですか?京都のmasuharaですが先生はご在宅でしょうか?」
奥様らしき女性 「いえ、ただ今議会に出ておりますがmasuhara様から電話が有れば来宅されるように
申し付かっております」
電話で家を聞き彼の家を訪ねることにした 15分ほど走ると彼の家が見つかり・・と言っても
過疎地域の一軒家だから簡単に見つかった。
彼の先祖は庄屋らしく築後100年以上経っているその家もたいそう立派であった。
電話に出た女性は奥様では無くお手伝いさんだった(彼の生活レベルが見えた様な気がした)
その女性に客間に通されそうになったのだが小生はカブ式バーディー号で走って着たばかりで
埃っぽいから外で待つと伝えると庭園と呼ぶに相応しい庭へ案内された
黒光りしている広縁に腰をかけ彼の帰りを待った。
午後3時になっても彼は帰らず小生もこのままでは今夜の宿も困ることになると案じ
市内のビジネスホテルを探しに行こうと立ち上がると
その上品そうなお手伝いさん 「masuharaさん、今Uから電話が有り5時過ぎに帰るから」
「必ず待っていてくださいとのことでした」
小生 「分かりました、それまで町を見物してきます」
その上品そうなお手伝いさん 「桜島はここの庭からが最高ですよ」
と、東側の庭に案内してくれた すぐそこに煙吹く壮大な桜島があった。
彼はこの景色を見ながら育ちこの空気を吸い大きくなった
彼の温和と豪快が同居している性格は、ここで生まれたことを小生は納得した
pm5:30 待ちくたびれた小生は写真のような桜島を借景にした庭でうたた寝した
バタバタ 縁側を歩く音 「お〜〜〜っとmasuhara!懐かしいのぉ 待たせたのぉ」 彼のお帰りだった
小生 「留守中 すまんなぁ 厚かましく寄らせてもらったよ」
彼 「どうや、あっちは変わりないか おはん えろぅ太ったな」
「風呂へ入れよ! 今夜は泊まって行け 飲み明かそうぞ」
「鹿児島の料理屋に予約してあるから行かんか」
と捲くし立てる 2年ぶりに会う彼は以前よりスリムになっていた荷台から着替えを出し
お手伝いさんに風呂へ案内してもらうと風呂には彼がもう入っていた
「お〜い 俺も入ってええんかぁ」と尋ねると「お〜入れよぉ」の返事が返る
6帖大の風呂は岩風呂風で温泉を引いているとのことだ
石で造られた浴槽は温泉場そのもので普段はユニットバスにしか入ったことの無い小生は
「お前、成功したんやなぁ・・・」とつぶやく
「アホ 成功しとったら嫁 逃げへんわ・・・・」とぽつりと彼の返事
なんか、事情がと察しさっさと洗って出た
大学の頃 練習が終わると同回生同士が近くの玉の湯という銭湯に良く行った
入学時、彼は90kg級で長崎国体を準優勝し特別セレクションなる特待生であった
小生も52kg級セレクションで入学したのだが入学金や学費免除とは行かなかった
子供の頃から彼には何をやっても適わなかったことを思い出す
彼は卒業後企業からの誘いを断り鹿児島県会議員の父親に付き勉強をしていたらしい
庭にはビールが用意されていた グラスに注ぎ一気に喉に流し込む・・・
「冷てぇ〜・・」 頭が痛くなるほどよく冷やされている
何故、田舎で飲むビールはあんなに冷やすのだろうか 不思議だ
温いビールより冷え過ぎビールのほうが美味いことには違いはない
お手伝いさん「旦那様・・ハイヤーが着きました」
彼 「もうすこし、待てと言いなさい」
お手伝いさん「はい 」
彼 「masuhara・・用意出来たかのぉ?行こう」
後ろを振り向くと夏用の背広を着た彼が立っていた (暑くないのだろうか?)
小生は、綿パンにポロシャツという軽装・・・・これでは余りにも釣合いがとれないが
旅先での無礼と気にしない事にする そくそくとハイヤー(普通のタクシーであった)
に乗り込む 彼は運転手に「天文館鶴屋へ」と一言
彼 「masuhara、料理屋に予約しているからゆっくり飲もう」
小生 「鹿児島の街は3度目やぁ 修学旅行、種子島への途中」
「何年か前、西鹿児島の偶然入った居酒屋で楽しく飲ましてもうたなぁ」
「人情が厚い、いい所だねぇ」
彼 「人情が厚い分こじれると修復が難しいんだ・・」
小生 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ハイヤーは、高速道路を下り鹿児島市内に入ってくる 目に入ってくる景色は
南国のムードたっぷりで小生が住まいする京都とはずいぶん異なる
運転手 「U先生、鶴家の前でよかでしょうか?」
彼 「うむっ。。。」
pm7:30 ともなくハイヤーは料亭鶴家の前に着く