hide TRIBUTE SPIRITS を聴いて        99年5月13日(木)


 hideをご存じない方々、申しわけありません。


 5月2日は僕が敬愛するhideが不慮の事故で亡くなってちょうど一年目の命日だった。
一周忌を記念して日本のロックシーンを代表するロッカー達が、hideの残した作品をそれぞれのスタイルで演奏したCD hide TRIBUTE SPIRITS が発売された。

 演奏しているのは布袋寅泰、清春・SHOJI、kyo&TETSU、SIAM SHADE、
 shade、CORNEKIUS、ZEPPET STORE、LUNA SEA、BUCK-TICK、
 TRANSTIC NERVE、OBLIVION DUST、GLAY、I.NA.・Pata・heath、YOSHIKI。

 生前のhideが発掘し育てたり、交友の深かったミュージシャンもいれば、面識もなかったミュージシャンも参加しているが、そうそうたる顔ぶれだ。彼の気さくな人柄、人徳を垣間見る思いがした。

 中でもロック界のBig Nameである布袋が、hideの音楽をどのように演奏するのかが僕には興味があり、このCDの発売を心待ちにしていた。ROCKET DIVE を演奏した布袋は全くの正攻法だった。hideの音楽は彼のパーソナリティーに密着した歌詞とそれに寄り添うようなメロディー、そして一ひねりを加えたアレンジが特徴的ではないかと思う。彼は大変な照れ屋であり、変化球を好んで投げるため、音楽の外見的なスタイルは万華鏡のように変化に富んでいて、しばしばおもちゃ箱に例えられる。布袋はさすがにhideの音楽の生命線を見事にとらえ、その表現スタイルを正面から受けとめ、布袋流味付けにこだわらずに演奏している。最後に布袋hideへのメッセージのようなフレーズが加えられており、この演奏が単にhide作品を布袋が追悼演奏する、というだけではなく布袋によるhideへの尊敬を込めた墓碑銘のようなものになっていることに気づき、胸が熱くなる。

 hideと関わりの深いZEPPET STOREFLAME GLAYMISERY がやはり思いの外良かった。照れ屋のhideがさりげなく見せる静かな激しさを、彼等の演奏はさりげなく彼等流で表現したが、外見の派手さとは裏腹なhideのリリシズムは、こういう方法でしか望めないのではないか。


I.NA.・Pata・heathX-Japanのためにhideが書いたCELEBRATION のデモテープからhideのVoiceトラックを抜き出してのfeaturingを試みている。これはHURRY GO ROUND でも行われた手法だが、自分の作品にシビアなhideがどう思うだろうか。デモテープはあくまでもデモテープではないだろうか。ファンとして、hideの未発表の歌や声が聴ける喜びはないとは言わないが、HURRY GO ROUND での歌唱はデモテープの段階、素の状態のhideを聴く感じで、僕はhideの心中を考えると手放しには喜べなかった。もう、こういう企画はいいや。

 最後に、YOSHIKIによるGOOD-BYE だが、この曲をYOSHIKIが選んだことはとてもうれしかった。僕がhideの音楽の中で最も好きな曲だ。大変美しい曲なのだが、hide自身の演奏は例によって照れ隠しモードに入っていて、この曲が持つ抒情性をわざと歌舞くようなメイクアップで隠している。これはうっかり聴いていると、こんな曲かな? と、曲そのもののボディーの素顔を見過ごしてしまうかもしれない。YOSHIKIはピアノとストリングスで、いかにもYOSHIKIらしいアレンジに仕上げているが、それはhideを深く知り尊敬し合っていた彼が、hideがオリジナルでほどこしていた彼のライブの時さながらのメイクアップをきれいに拭い落とし「みなさん。hideは照れ屋でなかなか見せなかったけれど、こんなに美しい音楽を書いたんですよ」とでも、言っているように僕には感じられた。

  hideのオフィシャルHPへ             とりとめもなくこの章これまで。  Sonore

 


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