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極東ミュンヘンの陰謀を暴露せよ

          (一九四一年五月二十五日)

 (一)日本とアメリカが妥協し、中国を犠牲にして、反共、反ソの局面をつくりだす東方ミュンヘン@の新しい陰謀が、いま、日本、アメリカ、蒋介石《チァンチェシー》のあいだでたくらまれている。われわれは、これを暴露し、これに反対しなければならない。
 (二)蒋介石に投降をせまることを目的とした日本帝国主義の軍事的進攻は、すでに一段落をつげたが、必然的にこれにつづくのは投降への誘いこみの策動である。これは、たたいたり、だきこんだり、あるいはたたきもし、だきこみもするという、敵のいつもの政策のくりかえしである。われわれは、これを暴露し、これに反対しなければならない。
 (三)日本は、軍事的進攻と同時に、デマ攻勢をおこしている。たとえば、「八路軍は国民党中央軍に呼応して戦うことをのぞまない」、「八路軍は機に乗じて地盤を拡大する」、「国際ルートをきりひらく」、「別個に中央政府をつくる」などがそれである。これは、国民党と共産党の関係を挑発《ちょうはつ》して、投降への誘いこみに役立てようとする日本の謀略である。国民党の「中央通信社」と国民党の新聞は、それをひき写しにして流し、臆面もなく日本の反共宣伝に呼応しているが、その意図には、はなはだあやしいものがある。われわれは、これも暴露し反対すべきである。
 (四)新四軍は「反乱した」と宣告されたにもかかわらず、また八路軍は一発の弾丸、一銭の軍費も受けとっていないにもかかわらず、ともに敵軍との戦いを片時もやめたことはない。今回の山西《シャンシー》省南部戦役〔1〕でも、八路軍は、すすんで国民党軍と呼応して戦い、この二週間らい、華北の各戦線で全面的に出撃し、いまも激戦のさなかにある。共産党の指導する武装力と民衆は、すでに抗日戦争での柱石となっている。共産党にたいするすべての中傷は、抗戦を失敗させ、投降するのに都合のよいようにするのが目的である。われわれは、八路軍、新四軍の戦争の成果をのばし、すべての敗北主義者、投降主義者に反対すべきである。



〔1〕 山西省南部戦役とは、中条山戦役のことである。一九四一年五月、日本侵略者は五万余の兵力をもって、山西省南部の黄河北岸にある中条山地区を攻撃した。その地区に集結していた国民党軍は計七コ軍で、そのほか東北部の高平地区にいた四コ軍をあわせると、合計三十五万人にのぼった。だが、黄河以北にいた国民党部隊は、もともと、反共が主要な任務で、日本侵略者とたたかうつもりはなく、日本侵略者の攻撃をうけると、その大部分は戦闘をさける方針をとった。そのため、この戦役では八路軍が国民党軍に積極的に呼応して、日本侵略者に打撃をあたえたにもかかわらず、国民党軍はやはり総くずれとなって、三週間のうちに五万余の兵力をうしない、残りの部隊も黄河をわたって逃走した。
訳注
@ 本選集第二巻の『投降の策動に反対せよ』注〔2〕〔3〕を参照。


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