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矛盾論

          (一九三七年八月)

 事物の矛盾の法則、すなわち対立面の統一の法則は、唯物弁証法のもっとも根本的な法則である。レーニンはいっている。「本来の意味においては、弁証法は、対象の本質そのものにおける矛盾の研究である。」〔1〕レーニンはつねにこの法則を弁証法の本質とよび、また弁証法の核心〔2〕ともよんでいる。したがって、この法則を研究するばあい、どうしてもひろい面にわたり、多くの哲学問題にふれないわけにはいかない。これらの問題をはっきりさせれば、われわれは唯物弁証法を根本的に理解することになる。これらの問題とは、二つの世界観、矛盾の普遍性、矛盾の特殊性、主要な矛盾と矛盾の主要な側面、矛盾の諸側面の同一性と闘争性、矛盾における敵対の地位である。
 ソ連の哲学界では、この数年間、デボーリン学派の観念論が批判されてきた。このことは、われわれの非常に大きな興味をよんでいる。デボーリンの観念論は、中国共産党内にも非常にわるい影響をおよぼしており、わが党内の教条主義思想は、この学派の作風と関係がないとはいえない。したがって、われわれの現在の哲学研究活動は、教条主義思想の一掃をおもな目標にしなければならない。