前へ  目次へ  次へ


    革命の性質の問題

 われわれはコミンテルンの中国問題にかんする決議に完全に同意する。中国は現在たしかにまだブルジョア民権革命の段階にある。中国の徹底した民権主義革命の綱領は、対外的には、帝国主義を倒して徹底的な民族解放をかちとること、対内的には、都市における買弁階級の勢力を一掃し、土地革命を完成し、農村の封建関係を消滅し、軍閥政府をくつがえすことをふくんでいる。社会主義に移行するほんとうの基礎をつくりだすには、かならずこのような民権主義革命をへなければならない。われわれは、この一年来、各地を転戦してみて、革命の全国的退潮を深く感じている。一方、少数の小地域の赤色政権はあるが、他方、全国の人民はまだ普通の民主的権利さえもたず、労働者、農民から民権派のブルジョア階級までが、すべて言論、集会の権利をもたず、共産党に加入することは最大の犯罪とされている。赤軍のいったところではどこでも、大衆はひっそりとしていて、宣伝がおこなわれたすえに、ようやく立ちあがってくる。敵軍とたたかうばあい、それが第何軍であろうと、敵軍の内部に寝がえりがおこったり反乱がおこったりすることはないので、力ずくのたたかいをしなければならない。馬日事変以後に「暴徒」をもっとも多く募集した第六軍でさえもそうである。われわれは深い寂莫《せきばく》を感じ、このような寂莫の生活が終わることを願わないときはない。わきたつような、全国的に高揚した革命に移っていくために、どうしてもとおらなければならない道は、都市の小ブルジョア階級をもふくめた政治上、経済上の民権主義闘争をひきおこすことである。
 われわれは、小ブルジョア階級にたいする政策を、ことしの二月までは、わりあいによく遂行してきた。三月に湖南省南部特別委員会の代表が寧岡県にやってきて、われわれがあまりにも右よりで、焼きはらったり、殺したりすることが少なすぎる、「小ブルジョアをプロレタリアに変えたうえで、かれらに革命を強制する」政策といったものを実行していない、とわれわれを批判した。そこで前の前敵委員会の指導者がかえられ、政策が一変した。四月に全軍が省境地区にやってきてからも、焼きはらったり、殺したりすることはやはり多くはなかったが、町の中ぐらいの商人にたいする没収や、農村の小地主、富農からの現金調達は、たいへんひどかった。湖南省南部特別委員会の提起した「すべての工場を労働者へ」というスローガンも、ひろく宣伝された。小ブルジョア階級に打撃をあたえるこのような極左的な政策は、小プルジョア階級の大部分を豪紳の側に追いやり、白い腕章をつけてわれわれに反対するようにさせてしまった。近頃になってこのような政策はしだいにあらためられ、事態はしだいに好転してきた。遂川県では、とくによい成果をおさめ、県部や町の商人はわれわれをおそれなくなり、赤軍のことをよくいうものもかなり出てきた。草林[土+于]《ツァオリンユイ》の市の日(三日に一回、日中ひらかれる)には二万人も集まるが、こんなことは今までになかったことである。このことは、われわれの政策の正しかったことを証明している。豪紳の人民にかける税金は非常に重く、遂川県の靖衛団〔21〕は、黄[土+凹]から草林までの七十華里の路上で五回も税金をとり、どんな農産物も課税をまぬがれることはできなかった。われわれは靖衛団をたたきつぶし、これらの税金を廃止して、農民や中小商人全体の支持をかちとった。
 党中央は、われわれに小ブルジョア階級の利益をふくむ政治要綱を公布せよと要求しているが、われわれとしては、党中央が、各地方のしたがうべき基準として、労働者の利益、土地革命および民族解放をふくむ民権革命全般にわたる政治要綱を制定されろよう提案する。
 農業を主要経済とする中国の革命では、軍事によって暴動を発展させるのが特徴である。われわれは党中央が軍事運動に大いに力を入れるよう提案する。


前へ  目次へ  次へ