
| 行進曲 威風堂々 作品39 第1番 ニ長調 作 曲 E・エルガー |
エルガーの軍隊行進曲『威風堂々』は全部で5曲あります。 5曲中、一番人気のあるこの第1番は1901年に作曲され、同年の10 月にリヴァプールで初演されました。その数日後のロンドン初演では、熱 狂した聴衆のために合計3回も演奏させられたそうです。 また、時の英国国王エドワード7世はエルガーに、「君は、いずれ世界中 に知れ渡る”ふし”を作曲したね」という御言葉を賜ったという有名な逸話 が残っています。国王が絶賛したのはトリオ(中間部)の美しいメロディの ことで、さらに国王はこれに歌詞をつけるよう勧めました。 エルガーはこの言葉に応えてエドワード7世の『戴冠式領歌(作品44)』 の第7曲終曲にA.C.ベンソンの詩をつけて『希望と栄光の国』として、 この旋律を使いました。この『希望と栄光の国』はのちに独立した歌曲に 編曲され、イギリスの第2の国歌として愛唱されているそうです。 イギリス人はよくシェークスピアから言葉を引用しますが、この曲の原題 『Pomp and Circum−stance』もシェイクスピアの『オセロ』第3幕 オセロのセリフ『Pomp and Cir-cumstance of gloriouswar (輝かしい戦いの盛儀盛宴)』からとられているそうです。 ミリタリー・マーチの開始に相応しい勇壮な序奏から一気に気分を高揚 させてくれ、その後もグイグイ引っ張られますね。 そして悠々と登場するトリオの威厳、風格は、まさに王者、勝者をイメー ジさせる黄金のメロディといえましょう。 |
| エドワード・エルガ−(1857−1934) |
|
イギリス中西部ののどかな農業地帯、ブロードヒースの田舎家に生まれた。 旅回りのピアノ調律師でのちに楽器店の経営者となったエルガーの父親は、 カトリック教会のオルガニストも務める多芸多才の音楽家だった。 エルガーは15歳で学校教育を終了し、音楽家になりたいという願いを持ち ながらも弁護士事務所で一年過ごし、その後は近所でヴァイオリンやピアノ を教え、父の後を継いでカトリック教会のオルガニストなども経験した。 120マイル離れたロンドンにも出かけ、積極的に進歩的な作曲家の音楽を 聴いた。それはベルリオーズ、シューマン、ワーグナー、ブラームス等で、エルガ ーの作風に影響を与えるようになった。また、愛妻家としても有名で、89年 に結婚してから特に名曲を生み出していった。 ◆主な作品 管弦楽/エニグマ変奏曲、行進曲『威風堂々』、愛の挨拶、序曲『コケイン』 交響曲/第1番 変イ長調、第2番 変ホ長調 声楽曲/ゲロンティアスの夢、十二使途 弦 楽/序奏とアレグロ |