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茶の栽培

 チャは、苗の植付けから摘採出来るようになるまでに4年、安定的な収量を得るまでに7〜10年がかかる永年作物で、経済樹齢(経済的寿命)は30年とも50年ともいわれます。チャの栽培は、生葉の収量、品質に大きく関わるだけに、年間をとおした計画的な栽培管理をします。

チャの栽培条件

 お茶を栽培するには栽培に適したいくつかの条件があります。特に「気象」と「土壌」はチャの栽培に大きく影響します。ではどのような気象条件と土壌がチャの栽培に適しているのでしょうか。

(1)チャに適した気象(地理)条件
 わが国では一般的に、年平均気温が14〜16℃程度で、降水量が年間1,300mm以上の場所がチャの栽培に適しているとされます。亜熱帯性の作物であるチャの生育は、特に温度条件に左右されます。古くから「香味の良い良質の茶は、比較的冷涼な河川の上・中流域の、朝霧のたつような地域で生産される」と言われます。しかし、山間部のチャは、平坦部と比較すると萌芽が遅く、摘採期が不利な点がある反面、新芽はよく伸び、芽ぞろいも良いことから、品質面に良い影響があります。さらに、新芽の老化が平坦部のものより遅く、呈味成分を長く保っていることから、成分的にも好影響を及ぼしていると考えられます。新潟県村上市と茨城県の大子町を結んだ線付近がおおむね経済的栽培地の北限とされています。
 また、製茶の北限といわれる地域があります。古くから農家の副業として、また自家用としてお茶を生産している地域のことで、伝統的な手揉み製茶の北限は秋田県能代市(檜山茶)、近代的な機械製茶の北限は岩手県陸前高田市(気仙茶)です。そして、栽培の北限は青森県の黒石市で、過去に生産していましたが今は製茶はしていません。最後に植樹の北限で、北海道古平町の禅源寺の庭木にあるチャが、日本最北の茶樹です。

(2)チャに適した土壌条件
 茶園の土壌には、耕土が深く養分に富み、通気性がよく、適度な水分を保持できる土壌が良いとされています。チャは湿害や干害などの水分環境に敏感なため、土壌の透水性、通気性、保水性を兼ね備えていることが重要なポイントとなります。

茶種と品種特性

(1)茶種に適した品種の選定
 チャの品種は、製品に対応して、煎茶用、玉露・碾茶用、釜炒り茶用、紅茶用の4群に分けられます。

(2)品種の特性
 茶樹品種の生育特性としては、早晩生、樹姿、耐寒性、耐病性、収量、品質などがあります。
 @ 早晩生そうばんせい
  チャの品種の早晩生は、品種選択の重要なポイントです。一番茶芽の新芽が摘採適期(出開度50
  〜80%)に達して品質と収量が兼ね備わった時期をもって早晩生を表します。
 A 樹姿じゅし
  茶樹は横に広がりにくく上に伸びがちな直立型と、横に広がりやすい開帳型、及び中間型の品種が
  あります。
 B 耐寒性たいかんせい
  チャは亜熱帯性植物ですので、日本の栽培地帯では生産の安定化のために耐寒性は重要な特性
  です。
 C 耐病性たいびょうせい
  最近は農薬散布量を減らすことが求められるので、耐病性品種の導入は大切です。
 D 収量 
  品種により収量が左右されます。品種には、芽数または芽重に依存するものがあり、それぞれ芽重
  型、芽数型品種と分類されます。
 E 品質 
  チャは嗜好作物であり、品種に求められる最も重要な特性は品質です。品質は、荒茶の形状、色
  沢、香気、水色、滋味について官能で検討しますが、その中でも重要なのは香気と滋味です。

チャの繁殖法

 茶園の造成は、古くは種子を播種することによって行なわれてきました。しかし、チャは自家不和合性であるため、茶樹の生育が均一でなく、摘採をはじめとする茶園管理に支障をきたすようになりました。明治末期頃から取り木法が試用され、昭和初期に挿木法が実用化されたため、品種の増殖は取り木法から挿木法に移行しました。⇒自家不和合性

チャの栽植方法

   定植の適期は3月です。標準的な茶園は、畝幅は1.8m以上、茶樹と茶樹の間隔は30〜45cmです。10aの茶園の畝の長さは約660mありますので、30〜45cmの間隔で苗を植えると、10a当たりおよそ1500〜2000本の苗木が必要となります。

茶樹の整枝

 整枝は、秋または春の整枝と各茶期摘採後の2種類に大別されます。
(1)秋整枝あきせいし
 摘採面を揃えながら秋に伸びた枝の頂芽を取り除き、一番茶の萌芽を揃えるために行ないます。
(2)春整枝はるせいし
 寒冷地などでは、春、気温が少し上がってきた時期に、秋整枝と同じ要領で行います。
(3)その他の整枝 
 摘採面を揃えて、次の茶期の摘採した新芽の中に、茶の品質を悪化させる古葉や遅れ芽の混入を防
 ぐために行ないます。一般には、遅れ芽が出揃った摘採後7〜10日に行ないます。

茶樹の更新

 茶樹は毎年摘採を行うと、次第に枝が細く密生して葉が小形になり開葉数が少なく収量も落ちてきます。また、年々樹高が高くなり、摘採しにくくなってきますので、品質向上と収量維持、作業条件から見た適正な樹高を保つために、枝や芽の状況などを見て株面を刈り落とすこと(剪枝)を更新といいます。更新は剪枝の仕方によって、浅刈り、深刈り、中切り、台切りの4つに分けられます。

気象災害と防ぎ方

 茶園における主な気象災害としては、凍霜害、寒害、干害、潮風害、雹害等があります。その中で最も生産に大きな影響を及ぼすものは凍霜害で、次いで寒害、干害等です。

(1)凍霜害
 萌芽期前後から一番茶の摘採が終わるまでに起こる新芽の低温障害を総称して凍霜害といいます。凍霜害は凍害と霜害を一緒にした表現で、凍害は、風があって霜が降りない状態で気温が下がり新芽が耐えられなくなって生ずる被害、霜害は、晴れて風のない夜に放射冷却により地面近くの気温が下がり、新芽に発生する被害として区別することもあります。
 茶樹は亜熱帯性常緑樹で、耐寒性はそれほど強くありませんが、厳寒期の成葉では-10℃程度までの低温に耐えられます。 しかし、春、気温が上がってくると次第に耐寒性は弱まり、一番茶期の新芽は-2℃でも被害を受けるようになります。

(2)防止法
 防止法には、被覆法、送風法、散水氷結法などがあります。

 @被覆法
  地表や茶株面から放出される熱を被覆資材で捉え、逆放射により、熱が逃げるのを和らげることに
  よって、茶芽の冷却程度を軽くする方法です。

防霜ファン  A送風法
  夜間、風がほとんどない放射冷却型の気象条件では、茶株面の温度が放射冷却
  によって低下する反面、逆転層といって地上6〜8mの気温が5℃以上も高いところ
  があり、人工的に送風して、上空の暖かい空気を茶株面に吹き降ろして凍霜害を
  防止するのが送風法です。茶産地の茶園には、頂上に扇風機がついた高い柱が
  林立しているのが見えますが、これが防霜ファンです。全国的に最も普及している
  方法で、各種防霜対策実施面積の8割以上を占めています。

 B散水氷結法
  水1gが氷結するときは80calの潜熱を放出します。毎時1mmの水を散水すれば、氷結潜熱によって
  茶芽は0℃以下には下がりません。この原理を利用した防霜法が散水氷結法です。



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ーおいしいお茶を求めてー2003年11月開設・現在進行形