目 次
茶の分類と種類    日本茶の生産    日本茶の産地 日本茶の品種特殊なお茶
 茶の生産動向茶の消費茶の輸出入世界の茶の動向世界の茶とは
 茶の栽培


世界の茶とは

 世界中でお茶が飲まれていますが、国や地域によってその飲み方は千差万別です。嗜好品としてのお茶や、薬として、または生きるための栄養源としてのお茶まであります。はたして、世界のお茶事情とは。

@英国式紅茶
 「世界一紅茶を飲む国」といわれるイギリスも、17世紀はじめ、初めて伝わったのは緑茶でした。しかし当時はとても高価なものでした。やがて上流階級で社交用の飲み物として流行し、茶葉も緑茶から次第にヨーロッパ人の嗜好に合った紅茶へと変わり、庶民のあいだにも普及していきました。飲み方は、

 茶葉をポットに入れる。茶葉の量は150ccのお湯に対して5gを目安とします。
 お湯をポットに注ぎます。沸騰してからさらに5分ほど沸かしたお湯を使用。水は水道水で
   良いが必ず100℃まで沸騰させてカルキを飛ばすこと、紅茶に適したお湯になります。
 次に茶葉を蒸らします。蒸らす時間は6〜8分ほど。お湯を注いだ後、必ずティーコジーをポット
   にかぶせておきます。
 牛乳をカップに入れます。前もってカップに容積の5分の1程度の牛乳を入れておきましょう。
   牛乳は生乳100%の低脂肪か無脂肪のものを使用します。
 5分経過したところで、スプーンでポットの底からよくかき混ぜます。これは、紅茶の味を均一に
   するために必要なことです。
 最後にティーストレーナー(茶こし)を使って、紅茶をカップの9分目まで注ぎます。

Aロシア紅茶
サモワール  ロシアは、イギリスに次いで紅茶を飲む国といわれています。東欧諸国では、サモワール(金属製の紅茶専用湯沸し器)で沸かした湯で紅茶を濃く煮出し、熱湯をさしてうすめます。レモンやジャムを加えたり、固い砂糖のかたまりをかじりながら飲みますがミルクは入れません。
 ロシアで飲まれる紅茶の大半はグルジア共和国、アゼルバイジャン共和国などから輸入しています。機械化されたお茶の製造では世界7位の生産地帯となっています。ここで産出される茶葉はオレンジペコといいます。オレンジペコの「オレンジ」はオランダのオランジナソー宮殿、また「ペコ」は中国語の「パク ホ」(髪の毛や羽毛の意味)からきていて、お茶の木の新芽がうっすらと白い産毛で覆われていることが名前の由来と言われています。                                                      

Bイヌイットの茶
 カナダ、アラスカの極北に住むイヌイットの人々は、紅茶を真っ黒くなるまでじっくり煮出し、一日に何杯も飲みます。生肉を常食とするため、血液の酸性化を中和するのにアルカリ性飲料の紅茶は必需品なのです。火を使うテント生活で空気が乾燥しているので、一日中お茶を飲んでいるようです。

磚茶 Cシベリアの茶
 紅茶を原料とした板状の紅磚茶こうたんちゃは、貴重なビタミン源として、生肉を主食とする人たちには欠かせません。サモワールを使って濃く煮出し、砂糖と共に飲むこともあります。磚茶だんちゃ(右写真)とは、緑茶や黒茶・紅茶の中・下級品や粉茶を蒸し、機械で板状やレンガ状に成形した固形茶のことです。 硬く締まり、長く貯蔵しても変質せず輸送に便利なことから、辺境の遊牧民族などが用います。

Dトルコ紅茶
 トルコ、イラン、アフガニスタンなどでは、デムリッキというサモワールに似た二段重ねのヤカンで紅茶を濃く煮出し、チャイバルダウというガラスの器で飲みます。このチャイは濃く苦味が強いので、ストレートでは飲まず、砂糖、または蜂蜜、ジャムなどを入れますがミルクは入れません。

E北アフリカの茶
 エジプト、リビアなどでは、中国産の緑茶に砂糖を加えて十分に煮出し、ポットからポットへ勢いよく注ぐことでお茶を泡立てます。ハッカを一緒に入れて煎じることもあります。
 チュジニア、アルジェリア、モロッコのマグレブ諸国ではミントティーが主流で、ポットに緑茶と生のハッカの葉、砂糖を入れ、熱湯を注いで飲みます。
 モロッコ、北アフリカのベドウィン族の人々は、緑茶または紅茶を砂糖と一緒に煮出し、ハッカの葉、シナモンを加えることもあります。

Fインド・ネパールの茶
 チャイと呼ばれ、茶葉とミルクを一緒に煮出すか、お湯で煮出した紅茶にミルクを入れ、そこに砂糖を加えて飲みます。コクのある、甘くて濃厚なインド式ミルクティーです。ここにシナモン、カルダモン、ショウガなどの混合香辛料(マサラ)を加えて煮出したスパイシーなチャイがマサランティーです。私が20年ほど前にネパールへ行ったときはショウガ入りのチャイを飲んだ記憶があります。
 カシミール地方では、カシミール・チャイと呼ばれ、サモワールを使って緑茶または紅茶をお湯で煮出します。シナモン、カルダモンなどのスパイスを加えますが、ミルクは入れずに、塩か砂糖を入れて飲みます。

Gチベットの茶
 チベット族をはじめ、モンゴル族、アジアの遊牧民族の飲み物として知られているのがバター茶で、スウヨウチャ(酥油茶)と呼ばれます。。チベットのバター茶は、その作りかたから、チベット語でチャスマ(チャスとはかき混ぜること)とも言います。レンガ状につき固めた中国の磚茶を削って煮だし、これにヤクや羊から作ったバター(ギー)と塩(ミルクをいれる場合も)を入れて攪拌したものです。お茶というよりもスープのような飲み物で、温めて木碗につぎ分けて飲みます。

Hモンゴルの茶
 磚茶を削って煮だし、牛か羊の乳を温めたものと塩をよく混ぜ合わせます。攪拌してスープ状になった茶に、麦こがしや炒った粟、羊肉などを入れ、食事として飲むこともあります。スーティー・チャイと呼ばれ、ミルクを入れないものはハル・チャイ(黒い茶)といいます。

Iベトナムの茶
 東南アジアではあまりお茶を飲む習慣がありません。その中でもベトナムでは、家庭で一般的に飲まれるのが緑茶(チュー・サイン)と紅茶に似た発酵茶(チェー・レン)です。茶葉はベトナム産で、ハスの花をブレンドした緑茶もあります。小さな器と急須を使っていただきます。蓮の葉の茶葉に湯を注いだり煮たりして飲むハスの葉茶もあり、利尿効果や高血圧よいといわれています。

Jタイの噛み茶
 タイの山間部に伝わるミエン(噛み茶)は、茶葉を蒸してから漬け込んで発酵させ、岩塩を添えたり、ナッツや肉などを包み、ガムのように噛んで食べます。渋味と酸味が強いのが特徴です。

Kミャンマーのラペ・ソウ
 ミャンマー北部で見られる「漬物茶」で、ラペット、レット・ペットともいいます。茶葉を蒸してから漬け込んで発酵させ、水にさらしてごま油と塩で味付けしたもので、ニンニク、干しエビ、ピーナッツ、トウガラシなどを混ぜてお茶請けに食べます。ラペ・ソウ(=湿ったお茶)と一緒に飲む茶は緑茶(ラペ・チョウ=乾いたお茶)です。

 

茶の木以外の原料から作られる世界のお茶

@マテ茶
 アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、チリなどの中南米の人々には欠かせない独特の風味を持つハーブティーで、コーヒー、紅茶に次ぐ世界3大嗜好飲料の一つに数えられます。 マテ茶の正式名「ジェルバ・マテ」のジェルバとは「ハーブ」のスペイン語です。マテは現地のグァラニー・インディアン語の「ひょうたん」の意味です。
 原料は、イレックス・パラグアイエンシスというモチノキ科の常緑樹(マテの木)に葉です。鉄分やカルシウム、ビタミンも豊富で「飲む野菜」といわれています。カフェインやタンニンも含まれています。ひょうたんにお茶をいれ、「ボンビージャ」という茶こしのついた金属製のパイプをストローのように差し込んで吸うのが伝統的な飲み方です。

Aギムネマ茶
 インド中南部に自生するガガイモ科のツル性植物で、ギムネマ・シルベスタからつくったお茶です。採取時期は9月〜2月頃でとった葉を乾燥し、番茶のようにして飲みます。インドでは糖尿病や肥満などに効くとされ、古くから飲まれています。東南アジアや中国南部などの熱帯・亜熱帯地域にも自生しています。

Bタヒボ茶
 ブラジル、南米アマゾン川流域の特定地域にのみ自生する樹木、ノウゼンカズラ科タベブイア・アベラネダエの内部樹皮からとったお茶です。この木は、カビやコケに覆われることもなく、虫も寄り付かないほどの殺菌力が強く、「神からの恵みの木」といわれ、インカ帝国のインディオも愛飲していました。ビタミン、ミネラル、蛋白質、繊維質、糖質等の基礎成分の他に ポリフェノール、キノン等の様々な成分がバランス良く含まれています。

Cルイボス茶
 原産地は南アフリカで、昔からルイボスティー(赤いやぶの奇跡)といって不老長寿のお茶として飲用されています。南アフリカ共和国のセダルバーグ山脈一帯にしか生育しないマメ科のアスパラサス・リネアリスという針葉樹の葉が原料で、鉄分、カルシウム、マンガンなどのミネラル成分が豊富に含まれています。また、プロテインやフラボノイド等(抗酸化物質)がバランス良く含まれた健康茶です。

Dとうもろこし茶
 韓国で古くから飲まれている、もっとも一般的な日常茶です。とうもろこしを炒って煮出して飲むますが、今はティーパックタイプのものが一般的なようです。体を温める効果があり、発汗、利尿作用もあります。飲むと、とうもろこしの香ばしい香がします。

Eハーブティー
 ヨーロッパでは、ギリシャ・ローマ時代から、地中海沿岸に生育する香草を料理に使ったり、薬として煎じて飲んだりしていました。現在は、植物の葉、花、果実、樹皮などを加工して飲むものすべてをハーブティーといいます。お茶として飲まれるハーブの種類は何百種類にものぼり、4千年前のメソポタミアの時代から飲まれていました。ヨーロッパに紅茶が広まるまでは、日常的な飲み物として用いられていました。

川根のお茶や 日本茶インストラクター協会

おいしいお茶を求めてー2003年11月開設・現在進行形