椰子の実
一 名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ ふるさとの岸を離れて なれはそも波にいくつき 二 もとの木はおいや茂れる 枝はなお影をやなせる われもまたなぎさを枕 ひとり身の憂きねの旅ぞ 三 実をとりて胸にあつれば あらたなり流離のうれい 海の日の沈むを見れば たぎりおつ異郷の涙 思いやるやえのしおじお いずれの日にか 国に帰らん