ミルフィーユ・ブランの エピソード3


エピソード1


絵を描いてくださった山西ゲンイチさんは『そばかすイェシ』のときからの大ファン。

キュートでおしゃれ、それでいてとても表情がゆたか。

あー、でも、私の作品には無理やな・・と、ずーっと諦めていました。

ですから、東京で担当の友貴さんから「絵は山西ゲンイチ先生でいこうと思っています」

と聞いたとき、「スゴイ!ウレシイ!」というより、

「私の文に、はたして合うのかな・・・?」という不安の方が大きかったんです。

そして今、本になって改めて思うのです。

やっぱり編集者さんてスゴイ!  絵描きさんてスゴイなあ!!



エピソード2


本はみんなで作るもの!

これは私の信念でもあり、逃げ道でもある。

じっさい「あとは○○さんにおまかせします」とかよく言う。

さてこの作品の一番の目玉は、「宇宙ねこ・ミルフィーユ・ブラン」

私が書いたのは、目はブルー、体はまっ白、しっぽの先はピンク。 と、それだけ。

さあ、そこからが大変。

山西ゲンイチ先生にミルフィーユ・ブランを描いてもらったのだけど、

「なんかちがう」「ほかにないですか」という、私と編集者さんの願い。

ゲンイチさんはなんと、26通りものミルフィーユ・ブランを描いてくださったのです。

もちろんゲンイチさんも「ぼくはこっちだと思う」とか

「この部分が気に入っている」 とかあって、

みんなの“大好き”を集めて誕生したのが、 このミルフィーユ・ブランなんです。

こんな風に生まれた「ミルフィーユ・ブラン」 ほんとに素敵で可愛さ満点!



エピソード3


この本で、単行本が9冊目になるわけですが、未だに標準語で書いた本がないっ!

これはマズイ・・・

「村上しいこは標準語で作品が書けない。

もしかして標準語というものがあることすら知らないのでは」

なんていう噂が流れては困る。

そこで今回、初の標準語に挑戦したんだけど・・・

う〜ん、なんかこの宇宙ねこ、迫力が足りない。

言いたいことをいって、それでハッタリが効いていて

(この時点ですでに関西的発想なんだけど)

しかもイヤミじゃない・・・ってことは、やっぱり大阪のオバチャン!

これしかない。

ということで、ミルフィーユ・ブランは関西弁になったのでした。

でも、編集者の皆さま、わたくし、標準語も書けると思いますので、

あんじょうよろしゅうたのみます。