フッ化物洗口の問題点

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増補
2004年12月追加資料

 2004年12月末に「歯磨剤を使っていればフッ化物洗口の有効性は殆どない〜集団フッ化物洗口の有効性について〜」と題する資料も作成しましたので、これを増補として「フッ化物洗口の問題点」に追加します。ワード文書版はこちらに公開しています。


 私たちは子供の虫歯予防のためのフッ化物洗口には、安全性(危険性)と有効性の問題をはじめ、様々な問題があると考えています。しかし、これまでフッ化物洗口については、その有効性は過大に評価され、危険性については無視され、正しい情報が提供されてきたとは言えません。現在、国内でフッ化物洗口は保育園、幼稚園、小学校などで約30万人の子供たちが行っていると報告されています。フッ化物洗口の問題点を考えるために本稿を参考にして頂けたら幸いです。


作成:薬害オンブズパースン・タイアップ仙台支部
 
協力:日本フッ素研究会
 
(2003年12月25日改訂版)  
 
 
── 目 次 ──  
 

第T章 はじめに
 (1)フッ化物洗口、フッ化物応用とは
 (2)日本の実施状況と賛否の対立
 (3)本稿の目的
  用語解説:フッ素、フッ化物、ppm、ppmF、mgF、
       洗口液と洗口方法、水道水フッ素化
第U章 フッ化物、フッ化ナトリウムについて
 (1)毒性によるフッ化物の分類
 (2)フッ化ナトリウムとは
 (3)フッ化ナトリウムの致死量とその取り扱い
  用語解説:急性中毒、フッ化物の産生と処理
第V章 フッ化物洗口の危険性
 (1)洗口におけるフッ素飲み込み量
 (2)急性中毒の基本的な考え方
 (3)見込み中毒量(PTD)=5mgF/kg説について
 (4)急性中毒量=2mgF/kg説について
 (5)急性中毒量(最小中毒量)の検討
 (6)フッ化物洗口の安全性の検討
 (7)毎日洗口によって起こる可能性がある害作用
  用語解説:斑状歯、ダウン症候群、フッ素の排出と腎機能
第W章 フッ化物洗口の有効性と虫歯の減少について
 (1)フッ化物洗口が虫歯を予防するしくみ
 (2)年々減少する虫歯数
 (3)有効性判定方法と考慮事項
 (4)実際の効果
  用語解説:DMFT指数、DMFS指数、薬効判定
第X章 フッ素洗口に関する誤解
 (1)WHOは6歳未満の子供のフッ化物洗口を禁忌としている
 (2)フッ素は必須栄養素か
 (3)日本ではフッ素摂取が少ないか
第Y章 フッ化物洗口に関する情報提供について
 (1)安全性(害作用)に関する情報提供
 (2)フッ化物洗口に関する事前の説明はどうあるべきか
 (3)価値観の多様化と配慮
第Z章 その他の問題
 (1)保育・教育現場に集団医療を持ち込むべきでない
 (2)一部の施設では医薬品でない「試薬」を用いている問題
第[章 結論
第\章 参考資料・文献


 第T章 はじめに
 
 (1)フッ化物洗口、フッ化物応用とは
 
 フッ化物洗口とは、虫歯予防のためにフッ化物(普通はフッ化ナトリウム)の水溶液1)を口に含み、30秒〜1分間、歯をすすぐ事を言います。この洗口は、一部の保育園、幼稚園、小中学校などで集団的に行われています。洗口は一般的に、毎日法(または週5回法)の場合、フッ化ナトリウム0.05%(フッ素230ppm)溶液を、週1回法では同0.2%(910ppm)溶液を、それぞれ5〜10ml使います。
 虫歯予防のためのフッ化物応用としては、他に水道水へのフッ化物添加(水道水フッ素化)やフッ化物歯面塗布、フッ化物配合歯磨き剤の使用、フッ素入り錠剤の服用などがあります。
 フッ化物洗口は1946年、Bibbyによって試みられ、その後、Weiszによって虫歯予防法として広められました。日本では、新潟大学歯学部予防歯科の堀井欣一教授、境脩助教授らが1970年に新潟県の小学校で開始し、その後、「子供の歯を守る会」を発足させ、1974年から新潟県を中心として実施を推進しました。水道水フッ素化が全く実施されていない日本では、現在、フッ化物洗口がフッ化物応用の重点的課題として推進されようとしています。厚生労働省は国民の健康づくり運動の指針「健康日本21」の「歯の健康」の部分で、フッ化物の局所応用、つまりフッ化物洗口、フッ化物歯面塗布を受けることを「数値目標」を策定して推奨しています。2002年11月には厚生労働省の研究班によって「う蝕予防のためのフッ化物洗口マニュアル」2)が編集され、2003年1月に同省はフッ化物洗口法の普及を図るため、各都道府県知事宛に「フッ化物洗口ガイドラインについて」3)と題する通達を発し、今後全国的に保育園、幼稚園、小学校等におけるフッ化物洗口の広がる事が予想されます。

 (2)日本の実施状況と賛否の対立
 
 これまでフッ化物応用を推進する立場から、フッ化物応用は虫歯予防に大きな効果があり、かつ安全性には全く問題が無いと広報されてきました4)。しかしその有効性と安全性について、疑問を指摘する専門家が少なからず存在し、世界中で長年にわたり推進派と反対派の科学者は論争してきました。
 推進派は、フッ化物応用についての賛否の論争など決着済みで、ゆえに洗口などのフッ化物応用を実施する際の事前説明において危険性を指摘する見解が存在することすら広報してきませんでした。フッ化物洗口については、強力に洗口の実施が推進された新潟県下で反対運動が起こり、推進する新潟大学歯学部、新潟県歯科医師会などと対立5)しました。この対立は現在も続いています。
 薬害問題に取り組む市民団体「薬害オンブズパースン会議」は2002年5月、水道水フッ素化は「危険性を上回る有益性はない」とした濱らによる文献的調査研究報告書6)に基づき、反対する意見書7)を厚生労働省、日本口腔衛生学会、日本予防歯科学会などの関係学会に送付しました。フッ化物洗口もフッ化物を応用する点では、安全性と有効性について水道水フッ素化と同様の問題を含んでいると考えられ、フッ化物洗口についても2003年8月、安全性等に問題があるとして集団(4歳から14歳対象)に行うべきでないとする意見書8)を発表しています。
 この問題を考える上での参考資料として、フッ化物応用については、これを推進する立場から様々な出版物9〜17)が出されてきました。特にフッ化物洗口については、日本口腔衛生学会フッ化物応用研究委員会編集『フッ化物応用と健康―う蝕予防効果と安全性―』(1998年)9)の中の「フッ化物洗口」という部分に詳しく書かれています。
 一方、フッ化物応用に反対する立場からは高橋晄正著『むし歯の予防とフッ素の安全性』(1982年)18)、高橋晄正、日本フッ素研究会編著『あぶないフッ素によるむし歯予防』(1995年)19)や村上徹著『フッ素信仰はこのままでよいのか――反対論の学術的基盤』(2003年)20)などがあります。他に日本教職員組合発行の『子どもの歯の現状とフッ素問題』(1986年21),1987年22))があり、またフッ化物洗口を問題にした西牧23)、南雲24)、麻生25)らの論文もあります。より詳しく知りたい方は合わせてお読み下さい。

 (3)本稿の目的
 
 虫歯予防のためにフッ化物を応用する是非は、科学的な知見をもって判断すべきと考えられます。WHO(世界保健機関)などの権威ある団体の推奨があったとしても、それは過去の薬害等の歴史を振り返れば分かる通り、絶対的なものではありません。
 フッ化物応用について賛否の議論のある中、保育・教育現場の教職員、児童・生徒の保護者の皆さんは混乱される事と思います。是非を判断する為には、「安全・有効」とする推進派のみの情報によらず、反対の立場からの情報にも耳を傾けて頂きたいと思います。
 このパンフレットはフッ化物応用の問題点、特にフッ化物洗口に焦点を当ててまとめたものです。この問題に関心のある方々、特にフッ化物洗口を実施している、あるいは実施を検討している保育・教育現場の教職員、あるいは児童・生徒の保護者の方々にお読みいただき、ご判断の一助となることを願っています。

【用語解説】
 
フッ素:
 英語で fluorine といい、元素記号は「F」(原子量19)。フッ素は自然界では主としてホタル石(フッ化カルシウム:CaF2)や氷晶石(六フッ化アルミニウムナトリウム:Na3AlF6 )という岩石の成分として存在します。両者とも化学的に安定で、毒性はほとんどありません。
 
フッ化物:
 英語で fluoride といい、フッ素化合物のこと。虫歯予防に使用されるものとして、フッ化ナトリウム(NaF:分子量41.99/水道水・練り歯磨き・洗口)、珪フッ化ナトリウム(Na2SiF6:分子量188.07/水道水)、珪フッ化水素酸(H2SiF6:分子量144.11/水道水)、モノフルオロリン酸ナトリウム(Na2PO3F/練り歯磨き)、フッ化スズ(SnF2/塗布)があります。
 
ppm:
 parts per million の略で、百万分率を示し、物質の濃度を表すのに用います。1kg(水1リットル)中に1mg存在すると、1ppmの濃度ということになります。
 
ppmFとmgF:
 ○ppmFとは、物質中のフッ素の濃度を示します。例えば、1ppmFは、フッ素元素(原子量:19.0)が1kg(水1リットル)中に1mg存在することを示し、フッ化ナトリウム(分子量:42.0)なら2.2mg(1÷19×42=2.2)が溶けている溶液のフッ素濃度です。同様に、フッ化物としてではなく、フッ素にして○mgというときに○mgFと表記します。
 
洗口液と洗口方法:
 齲蝕予防洗口剤(劇薬・指定医薬品)「ミラノール」の添付文書1)によれば、1g中にフッ化ナトリウムを110mg含有し、これを200mlの水に溶解するとフッ素濃度が約250ppmの水溶液ができると記載されています。洗口方法については「薬液を口に含み、約30秒間薬液が十分歯面にゆきわたるように含み洗いさせる。次に薬液を十分に吐き出させる。(そのあと1〜2回たまった唾液を吐き出すようにすれば、水で口すすぎさせる必要はありません。)1回に口に含む液量は、年齢等による口腔の大きさを考慮して定めるが、通常未就学児で5ml、学童以上で7〜10mlが適当である」とあり、副作用の項目には、「本品は、使用成績調査等の副作用の発現頻度が明確となる調査を実施していない。過敏症:発現頻度不明、過敏症状があらわれたとの報告があるので、そのような場合には、ただちに洗口を中止させること」とあります。洗口剤は「要指示薬」で購入には歯科医の指導箋が必要です。薬局では扱えますが、薬店では扱えません。
 
水道水フッ素化:
 水道水中のフッ素濃度を虫歯予防に有効であるとする濃度に調整すること。フロリデーション(Fluoridation)とも言います。フッ素濃度が低い地域では添加する事になり、水道水フッ化物添加などとも言われます。1945年、米国の2市とカナダの1市で開始され、1998年において、世界36ヶ国、人口で3億1700万人がフッ素化水道水を飲用しているとされ、米国では2000年において1億6200万人、上水道給水人口の65.8 %に及んでいるとされています15)。日本では、第二次世界大戦後、京都市山科地区、三重県朝日町、沖縄本島の7浄水場で実施されたものの、その後中止され、現在では全く実施されていません。
 

 第U章 フッ化物、フッ化ナトリウムについて
 
 (1)フッ化物の毒性による分類
 
 ここではまず一般論としてフッ化物の特性を述べます。河野公一・大阪医科大学衛生学公衆衛生学教授は、中毒学の観点からフッ化物を以下のように分類しています26)

 無機フッ化物――
  第一群: 常温でガス状のフッ化物であり、フッ化水素、四フッ化珪素などがあり、これらのガスは刺激性、腐食性が強く、毒性はきわめて高い。
  第二群: フッ化水素酸、フッ化珪素酸、および酸性のフッ化物(KHF2、NaHF2)の溶液で、これらも毒性が非常に強い。主に皮膚または粘膜に作用し、その部分を腐食する。このため激しい疼痛と、しばしば水疱形成に続く難治性の潰瘍を形成し、熱傷のごとき症状を呈する(化学火傷)。また、血行に移行すれば全身障害を起こし、しばしば致命的となる。
  第三群: 水溶性のフッ化物および珪フッ化物(NaF、KF、NH4F、Na2SiF6)で、毒性は比較的高い。代表的なものがNaFで、殺虫剤、消毒剤、漂白剤などの家庭用品に用いられているが、しばしばこれを小麦粉やベーキングバウダー等と誤認して食品に混入され、また自殺の目的で大量に摂取されて重篤な急性中毒を来す。0.2gまでは胃腸障害のみであるが、数g以上では痙攣、意識障害も加わって致命的となる。
  第四群: ほとんど不溶性のフッ化物で毒性は低い。蛍石(CaF2)や氷晶石(Na3AlF6)と、その類似化合物が含まれる。これらの物質の消化管からの吸収計数は低く、毒性は低い。

 有機フッ化物――

 C−F結合の強さからイオン化されず、その毒性は原則としてこれら化合物にそれぞれ特有な性質として現れる。またこれら有機フッ化物が耐熱限界を超えて使用されると熱分解が起こり、その生成物であるフッ化水素やホスゲン(COCl2)により、低濃度であっても中毒死することがある。フッ化ナトリウムは第三群に属し、飲み込まれれば胃液中の塩酸の影響を受けてさらに毒性の高い第二群のフッ化水素酸に変化し吸収されます。

 洗口に用いられるフッ化ナトリウムは毒性の上からは第三群に属し、酸性の胃液の中で、約半分がより毒性が強い第二群のフッ化水素酸になります。

 (2)フッ化ナトリウムとは
 
 洗口に用いられるフッ化物は殆どの場合、フッ化ナトリウムです。『化学大辞典』(共立出版)には次のように記されています(要旨)。

「フッ化ナトリウム」 NaF 分子量=41.99
製法: 水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを当量のフッ化水素酸に加える。工業的にはホタル石(CaF2)、炭酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを炭素とともに融解してつくる。
性質: 無色、結晶。融点992℃ 水溶液はアルカリ性を示し、ガラスを侵す。
用途: @タンパク質接着剤の防腐並びに結合剤。
A木材の防腐。
Bホウロウ工業の間接乳白剤。
注意: 毒性があり、粉末は粘膜を刺激し、神経系統を侵すので、工場では防毒マスク、ゴム手袋を使用すること。

 フッ化ナトリウムは医療機関で採血するとき、血糖を測定するプラスチック試験管に白い粉末として入っていることで、医師が日常、目にする物質です。酵素系を強く阻害し、ブドウ糖濃度を下げない様にして正確に血糖値を測定するため添加されています。
 フッ化ナトリウムはガラス腐食性がありますが、ガラス腐食性がより強いフッ化水素酸は、この性質を応用してガラスに模様を描くエッチングに使われます。フッ素化学の発展には、ガラス容器による取り扱いができず、フッ素の腐食性に強いプラスチックが出現するまで待たねばなりませんでした。

 (3)フッ化ナトリウムの致死量とその取り扱い
 
 洗口を考える前に、フッ化ナトリウム水溶液を作る際の注意について触れたいと思います。それにはフッ化ナトリウムの急性毒性、致死量といった知識が必要です。急性中毒については、『中毒ハンドブック』27)には以下のように書かれています。

「フッ化物中毒」
 

致死量:フッ素にして5〜10mg/kg(ただし毒性効果は1mg/kg以下でも起こる。)
血中致死濃度:3mg/リットル(フルオロ珪酸の致死量はフッ化物の場合と同じ。)
毒性の性質:フッ素とフッ化物はカルシウム代謝および酵素作用を阻害し、これによって直接細胞毒として挙動する。フッ化物はカルシウムと不溶性沈殿物を形成し、血漿中のカルシウム濃度を下げる。
皮膚・粘膜への毒性:フッ素、フッ化水素(フッ化水素酸)、およびほとんどのフッ素誘導体は組織の腐食剤である。1〜2%濃度の中性フッ化物は粘膜の炎症と壊死を引き起こす。死後には硬直が急速に起こり、その病理所見は脳のうっ血と浮腫、肺水腫さらに肝と腎における変性である。
フッ化物の慢性中毒:1日あたり6mg以上のフッ素摂取はフッ素症を引き起こす。症状は体重減少、骨脆弱、貧血、脱力、関節の強直であり、もし歯の形成期に暴露すると歯が褪色する。
骨硬化と靭帯のカルシウム沈着。

 フッ素を取り扱う作業従事者は6ケ月ごとに尿中のフッ化物を定量すべきである。フッ素症の治療は暴露を受けぬようにすること。関節強直が戻るまで、1年またはそれ以上、他所に移転して暴露を避けることが是非とも必要である。

 フッ素は塩素と同族のハロゲン元素で、フッ素あるいは塩素がナトリウムと結合したものが、それぞれフッ化ナトリウムと塩化ナトリウム(食塩)です。フッ化ナトリウムは毒性が強く、塩化ナトリウムはいわゆる食塩として生物に必須の物質です。フッ化ナトリウムの致死量は上記の『中毒ハンドブック』によれば、「フッ素にして5〜10 mg / kg」と記され、それは「フッ化ナトリウムにして、11.1〜22.1 mg / kg」になります。後に第V章(3)でも取り上げますが、フッ化物応用を推進する一部の学者や歯科医が引用するWhitford G.M.の「見込み中毒量(PTD)=5mgF/kg」は、「死亡も含めた(including death)」中毒量とされています。従って「フッ素にして5 mg/kg、つまりフッ化ナトリウムにして11.1 mg/kg」が致死量の下限と推定されます。つまりフッ化ナトリウムは、体重20 kgの子供なら、0.22 gで死亡する可能性があるほどの強い毒性を持ちます。フッ化ナトリウムの致死量については、多数の報告がありますが、例えば『薬物中毒必携』(医歯薬出版、1989)には1〜4gと書かれており、体重を60kgとすると、16.7〜66.7 mg/kg になります。しかし、致死量の上限はもっと大きいとする文献もあります。『フッ化物応用と健康』では、ヒト(体重70 kg)での急性致死量はNaFにして5〜10 gとする報告を引用しており、これだと71.4〜142 mg / kgです。
 
 毒物とは劇物より毒性が強い物質を言い、その境界は 半数致死量(LD50)で30mg/kg ですから、フッ化ナトリウムは子供や感受性の高い大人では毒物となりうる物質です。
 
 ここで仮にフッ化ナトリウムの致死量の上限を 142mg/kg とし、一方、塩化ナトリウムの致死量の幅を広く見て 0.5〜5g/kg とすると、体重が 60kg の人で、致死量はフッ化ナトリウムで 666〜8520mg、塩化ナトリウムで 30〜300g となります。従って、相対的な毒性の強さは、フッ化ナトリウムは塩化ナトリウムの35〜45倍と考えられるのです。急性中毒を起こす毒物は、有名な毒物である青酸カリウムとよく比較されますが、ヒトでの致死量は1〜2mg/kg とされ、フッ化ナトリウムの毒性は青酸カリウムの毒性の 0.090〜0.014 倍ということになります。
 
 ミラノール、オラブリスはフッ化ナトリウムの原末が10倍に薄められた粉末ですが、劇薬の扱いです。試薬を用いている場合は、原末ですからより危険です。塩化ナトリウム(食塩)は素手で扱えても、フッ化ナトリウムの溶解・希釈にはガラス容器は使用できず、粉末あるいは高濃度溶液の段階では、防毒マスク、ゴム手袋を使用し、猛毒の物質として慎重に扱うべきものです。

【用語解説】
 
急性中毒:
 毒物の接触局所の障害から始まり、吸収と排泄までに関係する各種臓器の症状、物質により特徴的な特定臓器の症状、重篤な場合の間脳、自律神経、延髄の症状があります。他にアレルギー性症状も急性中毒の症状です。摂取後、数分から数時間で症状が現れます。
 
フッ化物の産生と処理:
 フッ化物は火山活動やホタル石を用いた鉱工業によって生成します。例えば、鉱石から鉱物を取り出す時や、化学肥料を作る時、融剤としてホタル石を砕いて混入して熱しますが、有毒な無機フッ化物が生成され排出します。かつてはそれらの工場から出るフッ化物を含んだガスのため、精錬工場や肥料工場の周辺で甚大なフッ素公害が起きました。その後、排煙を脱フッ素装置で処理するようになり、フッ素公害がなくなった代わり、その装置からフッ化物が多量に産生されるようになりました。一部はコンクリートに混ぜたりしています。精錬工場から出るフッ素を含むスラグは埋め立て材としても使われますが、脱フッ素装置から出るフッ化物と同様に、企業は有料で安定型産業廃棄物処分場に廃棄しています。現在、環境汚染を防ぐ観点から廃棄スラグなどからフッ化物の溶出をいかに少なくするか研究されています28)
 

 第V章 フッ化物洗口の危険性
 
 (1)洗口におけるフッ素飲み込み量(残留量)
 
 フッ化物洗口は口腔内を洗口液ですすぎ、一般的には吐き出すよう指導されています。洗口液に使われるフッ化ナトリウム(NaF)の濃度は0.05〜0.2%(226〜905ppm)で、洗口後に水で軽くすすぐよう指導される場合もありますが、水ですすぐ指導が行われない場合もあります。洗口液を故意に飲まないにしても、どうしてもある程度の量が飲み込まれてしまいます。年齢が低いほど、また洗口液が多いほど、飲み込んでしまう割合が多いことが報告されています。6歳未満の児童で、その割合は、WHOが根拠とした論文では15〜30%16)となっています。「フッ化物洗口」9)の中では、水による洗口練習を経た後であれば、口腔内残留量(「洗口液中フッ素量−吐き出し液中フッ素量」で算出され、「飲み込み量+粘膜吸収量」を意味します。)は10.7〜12.0%であるといいます。
 フッ素の飲み込み量は洗口液のフッ素濃度や洗口頻度によっても違ってきます。意図せず飲み込んでしまう量が子供たちに如何なる影響を与えるか、特に急性中毒量(最小中毒量)との関係において安全と言えるのか、また長期の洗口によって起こる可能性がある害作用も検討されなければなりません。

 (2)急性中毒の基本的な考え方
 
 急性中毒量(最小中毒量)の問題を考えるにあたり、基本的な事柄を述べたいと思います。急性中毒とは、化学物質が短時間内に生体に作用し、急に疾病状態に陥る現象をいいます。
 まず、どのような所見・症状をもって「急性中毒」とみなすかという問題があります。

【フッ素による急性中毒症状】
 
流涎(よだれ)・悪心 → 嘔吐・腹痛・下痢 → 痙攣・不整脈 → 昏睡

 フッ素による急性中毒症状の進行は大体上記の通りですが、「流涎(よだれ)・悪心」の発現をもって「中毒」とみなすか「嘔吐・腹痛・下痢」の発現をもって「中毒」とみなすかによって中毒量は違ってきます。また、ある所見・症状がどの位の人数に現れる量を「中毒量」とみなすかによっても違ってきます。
 そもそもフッ化物洗口は虫歯を「予防」するために行われます。この「予防」施策は健康な子供たちに対して行われるため、それをしたが為にかえって子供たちの健康を害してしまうような事があってはなりません。ゆえに厳格に安全性を考える必要があり、健康障害を起こさないように中毒症状として流涎(よだれ/唾液分泌過多)や悪心が子供たちに現れはじめる最少量を「急性中毒量(最小中毒量)」としてとらえ、危険を回避するための基準としなければなりません。
 現在、急性中毒量(最小中毒量)として推進派は体重1kgあたりのフッ素を「5mg」とする説(「見込み中毒量(PTD)」)と、「2mg」とする説を採用しています。以下、この「見込み中毒量(PTD) =5mgF/kg」説、「急性中毒量=2mgF/kg」説、そして危険を回避するための基準として「急性中毒量(最小中毒量)」はどうあるべきかについて検討し、フッ化物洗口の安全性(危険性)を検討します。

 (3)見込み中毒量(PTD)=5mgF/kg説について
 
 まず「見込み中毒量(Probably Toxic Dose)」という用語は、一般的な中毒学の領域では使用されていない、フッ化物応用の領域だけで使われている用語です。「フッ化物洗口」9)では、以下のように書かれています。

「わが国での標準的なフッ化物洗口(フッ素濃度230ppm)の場合,見込み中毒量(PTD)は5,6歳児では洗口液430ml,すなわち,一人分は5mlであるから86人分の洗口液を一度に飲んだ時に相当する量となる.」
 この記述は実際使用される洗口液をけた外れに多く摂取しなければ中毒量に達しない、ということを強調するものと言えます。
 この「見込み中毒量(PTD)=5mgF/kg」という概念はWhitford G.M.によって提唱されました。その定義は「死亡を含めた中毒の所見・症状により、緊急の治療及び入院を必要とする最小量(the minimum dose that could cause toxic signs and symptoms, including death, and that should trigger immediate therapeutic intervention and hospitalization)」で、「5mgF/kg」はフッ素による子供の死亡例から算出されました9)。これは「フッ化物洗口」にもある通り、最小致死量に近い概念と言え、「見込み中毒量=5mgF/kg」をもって急性中毒量とすることは危険極まりない事と言えます。
 ゆえに、未だに下記の如く最小致死量に近い概念を安全性を計る基準としていることは許されない事と考えられます。
「『フッ素の見込み中毒量、おそらく中毒を起こすであろうと考えられる量は、フッ素(F)として5mg/Kg』とされているように、極端に大量のフッ素を一度に飲用しない限り急性中毒は起こり得ない。よって、むし歯予防に使用するフッ素量の安全性は十分に確立している。」


 (4)急性中毒量=2mgF/kg説について
 
 『フッ化物応用と健康』によれば、「急性中毒量=2mgF/kg」説は1899年のBaldwin H.B.の論文29)をもとに飯塚が推定したと記されています9)。このBaldwinの論文では彼自身が自らフッ化ナトリウムを摂取して発現した症状を記録しています。現在Baldwinの論文をもとに飯塚の推定したとされる「2mgF/kg」説が推進派の多数によって採用され、これを根拠に「洗口液を何人分飲まない限り安全」などと頻繁にパンフレットなどで引用されています。
 この「急性中毒量=2mgF/kg」説のよりどころとなったBaldwinの論文の関連部分を引用します30,31)

 極少量(NaF)で僅かに悪心と流涎が起こった.0.03グラムとパン少量を飲み込んだが症状はなかった.0.09グラム摂取1時間後は,少量の流涎以外何も症状はなかった.しかしながら,2日後,空腹時に0.25グラム内服すると,2分以内に悪心を起こした.そして徐々に激しくなり,20分後に最高に達した.多量の流涎,吐気はあるが,嘔吐はなかった.悪心は次第に収まり,美味しくはないが昼食はとれたが,すぐ嘔吐した.内服後丁度2時間後であった.翌日まで僅かな悪心はあったが,2日後には消退した.
 まず、Baldwinは論文中に自身の体重を記しておらず、体重1kgあたりの中毒量を算定するためのデータはそもそも存在しません。ゆえにこの論文は急性中毒量を「2mgF/kg」としうる科学的な根拠を持ち得ません。基本的にこの論文は特定個人(たった1人)のデータであり、しかも前世紀の1899年以前のデータです。この論文を根拠に導き出されたという「2mgF/kg」説には一般性は認められず、科学的な批判に耐えるものでもありません。
 また、フッ素の急性中毒量を2mg/kg と推定したとされる飯塚の著書32)を読むと、そこでは Baldwinの報告から「急性中毒症状発現域は、だいたいNaFで0.25 gぐらいと考えられる」と書かれているだけで、体重当たりの換算値として 2mgF/kgと推定されるとは書かれていないのです。「2mg/kg」説には二重の意味で問題が存在します。
 この論文によらずとも、それ以降に起こった様々なフッ素中毒事故や試飲実験などのデータをもとに、より信頼性のあるデータの収集は可能です。
 1つ例33)を挙げて「急性中毒量=2mgF/kg」説の妥当性に疑いがあることを示します。昭和62年、新潟大学歯学部予防歯科学教室において同学部3年生70数名に対し「フッ素の急性毒性」と題する実習が行われました。二重盲検法によって2つのグループに分けられた学生の内、食塩水にフッ化ナトリウム(フッ素量18ミリグラム)を混入した溶液を飲んだ学生(38名)の内68.42%にあたる26名の者に嘔吐、吐き気、腹痛、よだれ、顔色変化など種々の症状が発現し、ただの食塩水(偽薬)を飲んだ学生に比べ約2倍、症状の発現が認められました。21歳前後の男女の平均体重はそれぞれ60kg、50kg前後ですから、幅を持たせて体重を45〜70kgとすると、体重あたりの急性中毒量は0.26〜0.40mgF/kgとなり、急性中毒量とされた「2mgF/kg」の4分の1を下回る量となります。
 ここで、逆に現在に至るまで推進派が主張している「2mgF/kg」説を適用して上記の体重から逆算してそれぞれの急性中毒量を求めると、体重45kgの人は90mgF、70kgの人は140mgFとなり、この説が正しければ、この量を下回れば急性中毒症状を回避できた筈で、18mgFの飲用は問題となり得ない筈でした。
 この中毒事故は飲用拒否の自由を奪われた強制的な人体実験であるとして、新潟県弁護士会人権擁護委員会に人権救済の申し立てがなされました。弁護士会から教授に出された「要望書」によると、教室側は「本テストの結果の諸症状は、いずれも精神的心理的な不安感によるもの」として因果関係を否定しています(新潟弁護士会,新弁第210号,平成2年1月29日)。
 新潟大学の事例は推進派の「急性中毒量=2mgF/kg」説を否定する、少なくとも再検討をすべき論拠となるべきです。

 (5)急性中毒量(最小中毒量)の検討
 
 急性中毒量については、これまでに中毒事例などの考察から複数の説が提起されてきました。毒性は個人差、例えば、性別、年齢、感受性、健康・栄養状態など様々な因子が絡み合うので、実際の事例から明瞭に特定の量が導き出される訳ではありません。比較的新しい秋庭による中毒事例の広範な文献調査31)によれば流涎、悪心などの急性中毒症状はフッ素量にして推定で 0.1mgF/kg 以上で起きています。近藤武著「地域性歯牙フッ素症」では、笠原らが NaF の飲用実験の結果から「成人での NaF 内服による中毒の初期症状の発現は,0.3mgF/kg である」としていることなど、複数の実験結果から、「NaF による急性中毒発現量は 0.1〜0.5mgF/kg とするのが妥当と考えられる」と記しています34)。これらの報告などを総合して、およそ 0.1〜0.3mgF/kg 位を急性中毒量(最小中毒量)と考えたら良いのではないかと思われます。本稿では以下、この急性中毒量(最小中毒量)「0.1〜0.3mgF/kg」を安全性(危険性)を比較計算するために、便宜的に「0.2mgF/kg」として扱います。
 
 次にこの急性中毒量「0.2mgF/kg」をフッ化物洗口で飲み込まれてしまう量との比較において安全性を検討します。

 (6)フッ化物洗口の安全性の検討

 表1.フッ化物洗口における飲み込み量の検討

年齢(平均体重) 4歳(16.3kg) 5歳(19.0kg) 6歳(21.6kg)
洗口液F濃度(ppm) 230 230 910
洗口液量(ml) 5 5 7 or 10
飲み込み量(%) 15〜30 15〜30 10〜20
摂取量(mgF) 0.173〜0.345 0.173〜0.345  7ml:0.637〜1.27
10ml:0.910〜1.82
 〃 (mgF/kg) 0.0106〜0.0212 0.00908〜0.0182  7ml:0.0295〜0.0590
10ml:0.0421〜0.0843
最小中毒量に対する% 5.3〜10.6 4.5〜9.1  7ml:14.7〜29.5
10ml:21.1〜42.1


年齢(平均体重) 8歳(27.1kg) 11歳(38.2kg) 14歳(52.6kg)
洗口液F濃度(ppm) 910
洗口液量(ml) 7 or 10
飲み込み量(%) 10
摂取量(mgF) 7ml:0.637
10ml:0.910
 〃 (mgF/kg)  7ml:0.0235  7ml:0.0167  7ml:0.0121
10ml:0.0336 10ml:0.0238 10ml:0.0173
最小中毒量に対する%  7ml:11.8  7ml:8.3  7ml:6.1
10ml:16.8 10ml:11.9 10ml:8.7


◎週5回法(毎日法)の場合:
 
 表1に4、5、6歳の子供がフッ化物洗口を行った場合のフッ素の飲み込み量(F摂取量)を検討した結果を示します。計算の例を示しますと、4歳の子供で、230 ppmF 溶液5mlで洗口し、その15%が飲み込まれたとします。これはFを 0.173mg (230×0.005×0.15) 摂取したことになり、年齢4歳の子供の平均体重は平成12年度の統計で 16.3kg ですから、体重1kgあたりFが 0.0106mg の摂取となります。これは上記の最小中毒量(0.2mgF/kg)の 5.3%に相当します。同様に計算して、30%が飲み込まれたとすると、最小中毒量の10.6%となります。年齢5歳の子供では、飲み込みによるF摂取量は最小中毒量の 4.5〜9.1%となります。最小中毒量の10%近くを毎日摂取することになり得るということは、決して安全な措置とは言えないと考えられます。また推進派は、「たとえ誤って全量飲み込んでも安全」としていますが、全量飲み込みの場合は4歳で、最小中毒量の35.3%、5歳では30.2%になります。

◎週1回法の場合:
 
 フッ化物洗口の週1回法では、0.2 % NaF(910 ppmF)を7〜10 ml使用します。飲み込まれる量は多くみて25%で、年齢が大きくなるに従い、15%程度に落ち着くとされます19)
 6歳で洗口液7mlの場合、飲み込み量を10〜20 %とすると、同様に計算して、最小中毒量の14.7〜29.5%となります。6歳で洗口液10mlの場合、最小中毒量の21.1〜42.1%となります。週1回法を行う6歳児でF摂取量が最小中毒量の42.1%になり得るということは、非常に危険なことです。学年が上になるほど体重が増えるので、最小中毒量に対する比率は減少するものの、14歳でも飲み込み量は最小中毒量の6.1〜8.7%となります。
 全量飲み込みの場合、6歳では最小中毒量の147〜211%、8歳では118〜168%、11歳では83〜119%、14歳では61〜87%にもなります。これは小学生では全量飲み込みで急性中毒症状を発症しうる量となり、フッ化物応用推進派が『フッ化物洗口マニュアル』の中で、「(週1回法では)一度に6〜7人分飲み込まない限り、急性中毒の心配はありません」としている事と大きく異なります。それは先に述べたように、最小中毒量の設定を推進派がフッ素2mg/kgとしているためです。
 最近まで小学生以下の場合、週5回法が多くの場合実施されてきましたが、最近は小学校では週1回法へと切り替えている所が多くなっているようです。洗口液のF濃度が230ppmから910ppmへと変わる6歳で最も危険性が高くなりますが、もし保育園、幼稚園で週1回法を行えば、体重が少なく、飲み込み量が増えるため、その危険性は6歳児よりさらに高くなります。
 先に新潟大学の実習におけるフッ素 18mg 飲用による中毒症状発現事例を紹介しました。推定F摂取量は 0.26〜0.40mg/kg でしたが、これはフッ化物洗口の週1回法の洗口液を6歳の子供が間違って1回分全量飲み込むのにほぼ等しく、洗口が決して安全性の高い処置でない事を示しています。従って、推進派が言う「フッ化物は、たとえ誤って全量飲み込んだ場合でも、安全です」との主張は、医学的根拠を有さないというべきでしょう。

 (7)長期の洗口によって起こる可能性がある害作用
 
 毎日洗口法の洗口液飲み込みによる年齢4、5歳のF摂取量は0.173〜0.345 mgでした。これは0.8 ppmのフッ素化水道水を毎日、216〜431 ml飲むことに等しいことになります。資料35)によると、4歳小児の液体(水、茶、ジュース、スポーツ飲料、牛乳など)摂取量は666.0ml(± 211.9 SD)、5歳小児では、576.1 ml (± 209.2 SD)とされています。洗口を毎日行うことは、フッ素化水道水を毎日飲むことに近いか同等のフッ素摂取になります。年齢が6歳を越え、週1回法になると、F摂取量は少なくなるものの、毎日法に比べ、高濃度での断続的なフッ素摂取が続くことになります。以下はフッ素化水道水を飲み続けた場合の害作用6)です。フッ素洗口を続けることで、同様の害作用が起こり得ることは否定できないと考えられます。

@ 斑状歯の発生頻度の上昇6,36):海産物、お茶(特に紅茶)にはフッ素が比較的多く含まれており、日本人は欧米諸国の人々より海産物を多く摂取するため、総フッ素摂取量は決して少なくありません。これにフッ化物洗口やフッ素配合練り歯磨きからのフッ素摂取が加わります。
 斑状歯は歯冠のエナメル質が遠心的に厚さを増す時期に過量のフッ素暴露を受けると発生し、歯はそれぞれ形成期が異なるため、フッ素暴露時期を反映した部位に形成障害が発生します。飲料水フッ素濃度の高い地域における出生、転出、あるいは転入と斑状歯の発生頻度の研究によると、0〜1歳時のフッ素暴露で斑状歯の発生頻度は最も高く、2歳以降で減少するものの、6〜10歳時の暴露でも2割〜数%の発現率を示し、15歳以上で発現率は0であったといいます34)。従って、大体6歳未満のフッ化物洗口(毎日法)では斑状歯の増加の懸念があります。
 WHOのレポート16)においても、フッ化物洗口は、洗口による口腔内残留フッ素の摂取によって斑状歯を発生させることはないとしながらも、1日当たりの総フッ素摂取量によっては斑状歯のリスクに寄与する可能性があるとしており、これは6歳未満のフッ化物洗口を推奨しない理由となっています。
A 男児の骨肉腫の発生頻度の上昇:米国国立毒性プログラム(NTP)レポート(1990)37)は、フッ素投与して2年間飼育のオス・ラット261匹中4匹に骨肉腫が発生したことを報告しています。オス・メスのマウスとメスのラットには骨肉腫はみられなかったものの、この報告を受けてその後、米国・公衆衛生局は「AD Hoc レポート」38)を発表しました。この中でも、水道水フッ素化地域において15〜19歳の男児に骨肉腫の増加が認められたのですが、担当者であるHoover は、「より長期にわたりフッ素をとり続けている高齢者でもっと増えなければならないのに、逆に高齢で減っているから、15〜19歳での増加は、フッ素によるものではない」と結論づけました。しかし、癌の発生はその種類によっては年齢・性別に特異性があり、必ずしも高齢になればなるほどすべての癌の種類で多くなる訳ではないのです。骨端線という骨を成長させる部分の細胞が活動を停止していく20歳以上で、骨肉腫が減少するのは当然です。現在までに得られた科学的知見からはフッ素摂取により若い男性で骨肉腫の増加が懸念されます。
B 他の癌、特に咽頭癌や口腔癌の発生頻度の上昇:水道水フッ素化地域では咽頭癌や口腔癌の増加が指摘されており39)、フッ化物洗口では口腔内においてフッ素濃度が高く維持されるので、これらの癌の発生は特に心配されます。
C 若い母親がダウン症児を生む頻度の上昇:ダウン症児の疫学調査に関する論争は『フッ化物応用と健康』9)にも取り上げられて、推進派はその可能性を否定しています。しかし、「フッ化ナトリウムが培養細胞に変異原性、染色体異常を生じる方がエビデンスとして優勢である」との見方は米国毒性プログラム(NTP)も認めています。染色体異常であるダウン症児がフッ素化地域で若い(20歳代)母親から生まれる頻度が有意に高いというラパポートの報告や、それを否定しているエリクソンの報告を再検討した高橋の「ダウン症の発生にはフッ素摂取が関与しており、30歳以降ではこれに卵子の老化が加わって起こる」との見解18,19)は無視できないと考えられます。
D 骨フッ素症と骨折の頻度の上昇:フッ素が歯や骨に取り込まれ、歯を強くするなら、骨も強くするはずとの考えから、フッ素を含有する錠剤を骨粗鬆症の女性に投与した治療実験がなされました。ところがその結果は逆にフッ素を取り込んだ骨は有意に骨折しやすいという結果がでました。また推進派は、「米国を中心に、飲料水中のフッ素濃度が高い地域では腰部骨折が多い傾向にあるという調査研究が存在する」ことは認めながらも、「他の報告では、関連がないとするものや、逆にフッ素濃度が高い地域のほうが腰部骨折が少ないと結論したものもあり、各報告の内容について一貫性がない。フッ素と腰部骨折との関連についての調査研究には、調査方法自体に限界があり、また至適フッ素濃度(約1ppm)の数倍高い濃度の地域を対象にしているケースがあることなどの理由により、現在得られているフッ素と骨折に関する情報の信頼性については不十分であるとされる」としています。しかし不十分であるなら、安全であるとの結論が出るまで、フッ化物応用はストップするべきです。園児・児童が長期にわたりフッ化物洗口をした場合、骨折の頻度が増加する危険性があると考えられます。ネフローゼなど腎臓に障害のある子供ではさらに骨へのフッ素蓄積が起こる危険性があります40)
【用語解説】
 
斑状歯:
 正式には歯牙フッ素症、あるいはフッ素症歯という。斑状歯のエナメル質にはフッ素が多量に含まれている。変色の原因は、歯胚が顎骨の中で発育を続けていく過程で、エナメル質を形成する細胞の酵素がフッ素で障害されて、エナメル質の内部にタンパクが吸収されずに残り、その部分の石灰化が不十分になり、その結果として起こる現象です。高度のものは、日本では温泉地帯など、高濃度のフッ素が含まれる飲料水を飲む人々の間で古くから「歯くされ病」として知られていました。もろくて治療しがたい歯です。
 
ダウン症候群:
 1966年、英国の内科医ダウンが記載した先天性染色体異常症の1種。21番目の染色体の過剰(3本、普通は1対2本)によって起きる発達・成長の障害。知的障害のほか、特有の顔つき、短頭、平べったい後頭部などの身体的な特徴や先天性心臓疾患を伴うことが多い。
 
フッ素の排出と腎機能:
 摂取されたフッ素は成人の場合、約半分が腎臓から排出されます。腎臓の機能が低下するとその排出が低下し、フッ素が過剰に骨に蓄積します40)。また子供では成人より多く歯や骨に取り込まれて、腎臓から排出される割合が少ないことが知られています。
 

 第W章 フッ化物洗口の有効性について
 
 (1)フッ化物洗口が虫歯を予防するしくみ
 
 フッ素による虫歯予防のメカニズムとして、推進派は主に2つの働きがあるとしています。それは、フッ素が歯質強化、耐酸性向上に有効である、そして歯垢中の細菌に作用して酸産生を抑制するなどして口腔環境の改善に有効である、としています。

齲蝕(むし歯)のメカニズム:フッ素→歯質→@結晶性の改善Aフルオロアパタイトの生成B初期脱灰部の再石灰化の促進→歯質強化・耐酸性の向上⇒抗う蝕作用/フッ素→歯垢(口腔内)→C最近・酵素作用の抑制→酸産生の抑制⇒抗齲蝕作用

 以前は萠出前の歯がフッ素を取り込むことが歯質を強化したり、耐酸性を向上すると考えられてきましたが、それが主なメカニズムであるという説は大きく割り引いて考えられるようになりました(Ad Hoc Report38))。フッ化物洗口やフッ素入り練り歯磨きの使用によってフッ素が歯垢中に取り込まれ、酸産生を抑制することで抗う蝕作用を現すとする説が唱えられています。しかし歯垢中の十〜数十 ppm に達するフッ素濃度が逆に安全といえるのかという問題が指摘されています41)

 (2)年々減少する虫歯数
 
 下図は日本における12歳児1人当たりの平均虫歯数(DMFT指数)の変遷を図示したものです。厚生労働省(歯科疾患実態調査)、文部科学省(学校保健統計調査)、新潟県(小児う蝕実態調査)、3つの調査とも減少傾向が続いています。文部科学省の調査によれば、平成14年度は2.28本であり、6年前の3.51本から1.23本の減少、つまり35.0%の減少です。
 WHO(世界保健機関)とFDI(国際歯科連盟)が定めた12歳児のDMFTの2000年目標値である3本は3つの調査とも1999年時点で下回っています。この年々減少する虫歯数は効果判定で重要な意味を持ってきます。
(※平成15年度学校保健統計調査の12歳児のDMF歯数は男女平均=2.09,男=1.92,女=2.26)
(※平成16年度学校保健統計調査速報の12歳児のDMF歯数は男女平均=1.91,男=1.75,女=2.08)

12歳児のDMFT指数の経年変化(1人平均むし歯数)
※出典:厚生労働省:歯科疾患実態調査
    文部科学省:学校保健統計調査
    新潟県:小児う蝕実態調査(小児の歯科疾患の状況)

(3)有効性判定方法と考慮事項
 
 現在、フッ化物洗口の有効性を示す様々なデータがありますが、有効性の判定にはいくつかの方法があります。またフッ化物洗口の有効性(う蝕予防効果、予防率)は洗口頻度、洗口液のフッ素濃度、洗口期間、洗口開始年齢、そして予防効果を算出するために比較される対照をどのようにとるかなどによって異なる結果が出ます。
 フッ化物洗口の有効性の表し方として以下の2つの予防率の計算法があります。

 「フッ化物洗口前後比較(before-and-after study)」

「フッ素洗口前後比較(before-and-after study)」:予防率=(フッ化物洗口実施前のDMFT−実施後のDMFT)÷実施前のDMFT×100(%)

 「フッ化物洗口未実施校と実施校の比較」

「フッ素洗口未実施校と実施校の比較」:予防率=(フッ化物洗口未実施校のDMFT−実施校のDMFT)÷未実施校のDMFT×100(%)

 ◎「フッ化物洗口前後比較(before-and-after study)」
 
 一般にフッ化物洗口の有効性を表すために使用される図表を例に考えて見ましょう。ある学校(下図では「仮想データ」として棒グラフで図示)でDMFT指数が1996年時点(洗口未実施)で全国データ(文部科学省の学校保健統計調査データを線グラフで図示)よりも多く、洗口を実施して6年後に同年齢で比較したとき、全国平均を下回り、フッ化物洗口の効果があったとする図表です。多少の数値の違いはあっても、このようなデータが多く使われています。

12歳児のDMFT指数の比較(DMFT指数=1人平均むし歯数)

 この様なデータを見ると、洗口が虫歯予防に有効であるかの印象を持ちますが、しかし、洗口が実施される際には、一般的に、以下の事が同時に行われます。
 
 ・虫歯とその予防の必要性の教育(学童・生徒、学校教職員、保護者らに対して)
 ・虫歯予防の様々な実践方法の教育(歯磨き、フロッシングなど)
 ・生活指導(歯磨きの励行指導/間食を控える指導など)
 ・「かかりつけ歯科医」を持つことの推奨
 
 このような様々な口腔衛生教育・指導が行われると、たとえフッ化物洗口を実施しなくても、虫歯予防意識などの向上によって、結果的に虫歯が減ることが予想されます。
 上記の図表では洗口実施前と実施後(6年後)を比較していますが、このような比較方法を「before-and-after study」と呼びます。この図表は相対的にフッ化物応用の少ない全国データも6年間に「3.51→2.28」つまり35%減少したことを示しています。これはフッ化物洗口を実施しなくとも、6年の間に大体30数パーセント減少しているということで、この分が「フッ化物洗口の有効性」に算入されてしまっていることを意味します。
 さらに、「フッ化物の有効性」は「フッ化物洗口の有効性」から「フッ化物を含まない単純な水による洗口」の効果を差し引く必要があります。つまり「単なる口すすぎ」にも虫歯予防効果がある可能性があります。この点に留意して対照をおいた最近の比較研究は残念ながら見つける事ができませんでした。現在「フッ化物洗口の効果(予防率)」として掲げられている数字は殆ど厳密な意味で「フッ化物洗口」単独で導き出された数字では無く、様々な虫歯抑制因子を織り交ぜたまま導き出されています。

 ◎「フッ化物洗口未実施校と実施校の比較」について
 
 この方法の問題は、学校が存在する地域の経済状態、教育レベル、その他、様々な条件が、虫歯の頻度にも影響することが考えられることです。従って、比較する学校同士で、それらのバイアス(bias:偏り)がないことを証明した上でのデータである必要があります。有効性を大きく見せるため、虫歯の頻度の高い学校を対照に持ち出すようなことがなかったという保証が必要なのです。そのためには学校の選択や生徒の選択を無作為に行うランダム化した比較試験が必要です。

 以上、前後比較、実施・未実施校比較において、フッ化物洗口の効果を厳密な意味で検討する場合には、「ランダム化二重目隠しのもとでの比較対照試験」またはそれに準ずる科学的な方法で検討されなければなりません。
 また、同様に有効性評価で考慮しなければならないのは、フッ化物応用で「永久歯の萌出遅延」が起こると言うことです20)。水道水フッ素化によって永久歯の萌出遅延が起こることが知られていますが、フッ化物洗口によってどの程度萌出遅延が起こるか現在のところ不明ですが、このような萌出遅延によって見かけ上の虫歯数の減少がどの程度あるかはフッ化物洗口の有効性を考える上でも必須のデータと言え、研究が待たれるところです。

(4)実際の効果
 
 フッ化物洗口の予防効果として「う蝕予防のためのフッ化物洗口マニュアル」2)ではDMFTまたはDMFSの評価で30〜80%としています。また、小林ら42)は臨地研究について文献的考察を行った堀井、小林の研究を引用して、洗口開始時期に注目したDMFTの予防率を紹介しています。標準的な術式(0.2%NaF,週1回法、0.05%NaF,毎日法)によるDMFTの予防率は6歳以上で開始の場合33〜51%、4、5歳から開始した場合には55〜79%としています。
 フッ化物洗口の効果(予防率)を報告した研究は様々あり、それぞれ洗口溶液濃度、洗口頻度、洗口開始年齢、洗口期間、比較方法(対照設定、比較時点)や比較項目(DMFT,DMFS)などが異なります。「フッ化物洗口」9)では1988〜1997年の14論文を取り上げ、フッ化物洗口の効果を表にまとめています。表中の14論文の内、フッ化物歯面塗布を併用したもの、成人を対象としたもの、短報を除く原著論文の結果を下に引用します。

最近10年間におけるわが国でのフッ化物洗口法のう蝕予防効果の報告(抜粋)9)

報告者 比較
方法
フッ素
濃度
洗口
頻度
 開始 
年齢
洗口期間 う蝕予防効果
予防率%
備 考
境ら 群内
群内
225ppm
900ppm
5/週
1/週
4歳
6歳
2〜7年 DMFT:79.0%* 小学生全体の評価
筒井 群間
群間
225ppm
900ppm
5/週
1/週
4歳
12歳
11年 DMFT:74.7%* 高校生全体の評価
他地域との比較
稲葉ら 群間 500ppm 5/週 6歳 6年 DMFT:32.5%* 中学3年生の評価
岩瀬ら 群内 900ppm 1/週 4-5歳 2〜6年 DMFT:54.4%* 小学生全体の評価
岸ら 群間
群間
225ppm
900ppm
5/週
1/週
4歳
12歳
7年
2年
DMFT:53.6%* 20歳の評価
小林ら 群間
群間
225ppm
900ppm
5/週
1/週
4歳 11年 DMFT:56.0%* 16〜17歳の評価
安藤ら 群間
群間
225ppm
900ppm
5/週
1/週
4歳
6歳
6〜8年 DMFT:43.8%* フッ化物洗口群36市町村と対照群37市町村との比較

 表中の「う蝕予防効果」として掲げられた「予防率」の多くに共通する問題として、「むし歯予防プログラムの効果」と「フッ化物洗口の効果」を明確に区別していないことが挙げられます。「むし歯予防プログラム」とはフッ化物洗口を始める際に(あるいは併行して)行われる様々な口腔衛生教育、生活指導、歯磨きの励行などを含みます。予防効果(予防率)の内、どの程度がフッ化物洗口の効果なのか、それ以外による効果なのか明確に区別されないまま、単に「フッ化物洗口法のう蝕予防効果」、「予防率」とされています。
 「むし歯予防プログラム」を詳細に記したものとして岩瀬らの論文43)があります。「むし歯予防プログラムの効果」と「フッ化物洗口の効果」を明確に区別する必要性を考えるために関連部分を引用します。

2.齲蝕予防プログラムの概要(要約)
 
1)1.5,3歳児
 母親,幼児への歯科衛生教育,幼児自身の歯口清掃習慣の形成,早期発見,早期治療を目標とし,グループ分けされた幼児を3カ月毎にリコールし「むし歯予防教室」として集団指導,幼児の歯垢染色および母親による寝かせ磨き指導を行った。また,毎回幼児の歯科検診およびAPF塗布(年4回)を行い,さらに年2回齲蝕予防に関するアンケート調査を実施している。
 
2)幼稚園児(4,5歳児)
 幼児自身による歯口清掃,フッ素洗口の習慣づけを目標とし,年1回の保護者,園児を対象とした歯科衛生教育,年1回の園児の歯科検診およびフッ素洗口週1回法を実施している。歯磨きは,毎日昼食後に行っている。
 
3)小学校児童
 齲蝕,フッ素についてのより詳しい知識と理解に基づく歯口清掃およびフッ素洗口の励行を目標とし,年1回の児童を対象とした歯科衛生教育,年2回の歯科検診,およびフッ素洗口週1回法を実施している。教育の内容は,スライド,ビデオ等の視聴覚教材を利用した講話,位相差顕微鏡による口腔細菌の観察,歯垢染色,歯磨き指導,良いおやつや歯ブラシの紹介など,毎年メニューを工夫し実施している。検診は,春,秋の年2回実施し,治療勧告も年2回行っている。

 園児に対しては,入園児及び卒園時に町による表彰制度があり,齲蝕の無い者と完全治療児に賞状と記念品が贈られる。この制度のおかげで,子供だけでなく母親もやる気を起こし,このような良い結果が得られたものと思われる。

 論文ではプログラム実施開始年(1984年)と6年後(1990年)とを比較し、小学生全体としてDMFT指数で54.5%(小学6年で54.4%)減少したとしています。しかし、この予防率には様々な口腔衛生教育、生活指導、歯磨きなどによる効果が含まれています。また、例えば小学6年生に近い12歳児のDMFT指数は、学校保健統計調査(文部科学省)によれば4.75(1984年)→4.30(1990年)と約9.5%減少しています。
 この岩瀬らの論文「フッ化物応用を中心とした地域歯科保健活動」に示された「むし歯予防プログラム」の成果(予防率)は「フッ化物洗口」9)などにおいて「フッ化物洗口法のう蝕予防効果」として掲載されていますが、「プログラム」による予防効果と「フッ化物洗口」による予防効果とは同一ではありませんので、「フッ化物洗口の効果」として掲げることには問題があります。「フッ化物洗口の効果」として実際よりも過大な予防率を掲げることになり、一般に過大な期待を持たせる懸念があると言えます。
 現在、フッ化物のむし歯予防効果として掲げられている予防率の多くは「フッ化物洗口」単体によるものではありません。また、フッ化物洗口などの効果を報告する臨地研究は、一部で検査者盲検、ランダム化を取り入れて比較したデータもありますが、そのようなことをしていないものもかなりあります。このような事から実際、「フッ化物洗口のむし歯予防効果」は少なくとも推進派の学者が言うほど高い効果を持つとは言えないと考えられます。

 参考までに「予防歯科学」44)に「フッ素洗口法のう蝕予防効果」として掲げられたデータの内、洗口液にNaFを使用し、「プラセーボ(偽薬)による盲検法」を採用したもの、そして洗口液濃度3000ppmと1800ppmの2つを除いたものを下に引用します。予防率はいずれもDMFS(DMF歯面数)によるものです。

報告者 年度 濃度(ppm) 頻度 研究期間(月) 開始時年齢 予防率(%)(DMFS)
Horowitz '71 900 1/週 20 6 16
Horowitz '71 900 1/週 20 11 44
Aasenden '72 200 1/日 36 8〜11 27
Brandt '72 900 2/週 21 11〜12 43
Rugg-Gunn '73 225 1/日 34 11〜12 36
Radike '73 200 1/日 36 8〜11 27
【用語解説】
 
DMFT指数:
 永久歯の虫歯数の指標。Dは「Decayed(虫の食った歯)」、Mは「Missing(虫歯で抜去した歯。「C4」つまり根だけになった歯もこれに含める。)」、Fは「Filled(充填された歯。冠もこれに含める)」。Tは「Teeth(歯の数)」。DMFT指数(Index)とは被験者中のDMF歯数の合計を被験者数で割った数。A群のDMFT指数が10で、B群のDMFT指数が5であれば、B群はA群よりDMFT指数で50%虫歯が少ないと表現される。乳歯の場合は同様にdmft指数で表現される。
 
DMFS指数:
 SはTeeth Surface(歯面)の略。DMFS指数はDMF歯面数の合計を被検者数で割った数。切歯(8本)と犬歯(4本)は各4面、臼歯(16本)は各5面として計算する。
 
薬効判定:
 一般的にある薬物の有効性を評価するに当たっては、「薬物効果」、「自然回復」、「心理的期待効果」の3者を分離する客観的な方法によらなければなりません。対照として偽薬や普通薬を用いて、それを患者にも医師にも分からないようにして投与する必要があります。このような配慮をすることを「二重目隠し法」と言います。また治療を受ける患者さんの病気の程度が、特定の治療グループで軽くなったりしないよう、無作為に振り分けられる必要があります。これが無作為化(ランダム化)比較試験で、薬の効果の判定には二つの条件が必要です。
 

 第X章 フッ素洗口に関する誤解
 
 (1)WHOは6歳未満の子供のフッ化物洗口を禁忌としている
 
 『フッ化物応用と健康』9)の第3章「フッ化物洗口」の冒頭に、「WHO(世界保健機関)は1994年、テクニカルレポート(Series No.846),Fluorides and Oral Healthにおいて,6歳未満の就学前児童を対象にしたフッ化物洗口法は推奨されないとの見解を示した」とあります。この文章は高江洲義矩(東京歯科大学教授)のテクニカルレポートの翻訳17)から引用したものです。
 原文16)では何と記されているかと言いますと、共に「6歳未満の子どもを対象としたフッ化物洗口は禁忌である [Fluoride mouth-rinsing is contraindicated in children under 6 years of age.]」と書かれているのです。この「禁忌」(contraindication)とは医学用語で「してはならない事として禁止されている」という意味で、強い規制を示します。
 このテクニカルレポートの翻訳17)において高江洲教授は、contraindicated という用語を「フッ化物洗口は6歳未満の子供には処方されない」あるいは「フッ化物洗口は6歳未満の子供たちには用いるべきではない」などと訳しています。これはフッ化物応用推進のために不都合となるレポートの表現を、より許容度の高い表現へ意図的に歪曲して訳したと批判されても仕方がありません。
 さて、WHOのテクニカルレポートで「6歳未満を対象としたフッ化物洗口は禁忌」とされているにもかかわらず、推進派は、保育所、幼稚園などにおいてフッ化物洗口を実施しています。それは日本では、洗口の飲み込みが過剰にならないよう練習を充分させている、水道水フッ素化がなされていない、フッ素入り歯磨きの市場占有率(シェア)が充分でないことなどを理由にしています。しかし洗口の対象が幼児、低学年の児童であるため、その徹底には限度があること、後に述べるように日本では食物・お茶などからのフッ素摂取が比較的多いこと、フッ素入り歯磨きの市場占有率はかなり高い(2002年で86%=(財)ライオン歯科衛生研究所)ことから、「6歳未満の洗口=禁忌」を日本で適用しない理由とはなりません。フッ化物洗口を実施するにあたり「フッ化物応用はWHOが推奨している」などと広報するのであれば、そのWHOが洗口については「6歳未満=禁忌」としている事実も広報すべきです。

 (2)フッ素は必須栄養素か
 
 WHO(世界保健機関)やFAO(食糧農業機関)ではフッ素を必須栄養素としています。(米国では「推定される安全かつ十分な1日食事摂取量」の「微量ミネラル」の1つとして「フッ化物」は成人で「1.0〜4.0mg」とされています。)しかし、これは虫歯予防のために「必須」とされて、「必須栄養素」と分類されているに過ぎず、科学的に厳密な意味でヒトにおいて必須性が証明されている訳ではありません。ほとんどの医学書には「フッ素欠乏症」という用語はありません。現在、厳密にはフッ素が栄養素として必須とも必須で無いとも証明されておらず、今後の研究を待たねばなりません。これまでの研究成果から言えることは、たとえ必須性が認められるとしても、極端に微量と推定され、我々が日常の食事を摂る限り、その飲食物には広範にフッ素が認められるため、その摂取量から考えて余りあると考えられます。ゆえに、改めて「栄養素」として特段に摂取する必要は全くありません18,36)

 (3)日本ではフッ素摂取が少ないか
 
 フッ化物洗口などのフッ化物応用の安全性を考える上で、日本人の1日あたりのフッ素の総摂取量の問題があります。食物や飲料から日本人がフッ素量としてどの位摂っているか、諸外国と比較してどのようなことが言えるのかについても推進派と反対派では対立があります。推進派は日本人が特にフッ素を多く摂っているとは言えず、諸外国と差は無い13)としているのに対し、反対派は日本人の摂取量は諸外国に比べて多い、としています。
 諸外国のフッ素摂取量を比較したものとして「各国の1人あたりの食料純供給量からみた1日フッ素摂取量」9)があります。(下は略表)

ノルウェー
1969-70
スイス
1969-70
イギリス
1970-71
  米国  
1970
ソ連
1964-66
西独
1969-70
フィリピン
1969
  日本  
1970
食物からの1日摂取量(mg) 0.91 0.91 0.94 1.03 0.83 0.91 0.70 0.92

 この表のデータは、食物を穀類、肉、乳、魚介、くだもの、野菜、卵などの食品群に分け、様々な食品についてフッ素含有量(ppm)を設定し、供給量(=消費量、g)とをかけ合わせて、食品群ごとのフッ素量を求め、積算して各国の食物からの1日フッ素摂取量を導き出しています。推進派はこの表のデータから、日本と諸外国の食物からのフッ素摂取量には差が無いとしています。
 しかし、この表のデータに用いられた食品のフッ素含有量(ppm)の設定の仕方に批判があります19)。それは各国の食品に設定されたフッ素含有量(ppm)にわが国の分析値(一部アメリカの学者のものを加えた)を共通に使用しているためです。諸外国のさまざまな食物について、そのフッ素量を考える場合、その食物の生産される環境などに地域性(水・土壌の違いなど)が推測されるため、単純に日本の食品の分析値を当てて良いのかという問題があります。各国のそれぞれの食品のフッ素含有量(ppm)を日本の食品の分析値で代用すると、消費量による違いしか反映されないことになり、結果、日本のデータに引き寄せられて近似的なものになると考えられます。それゆえ、日本以外の国々のデータについては信頼性が乏しいと考えられます。
 次表は日本と米国における食品からの1日フッ素摂取量を分析したデータです。食品のフッ素濃度は加工段階で水道水のフッ素濃度の影響を受けるため、米国のデータは水道水のフッ素濃度を3地域に分けてあります。日本では食品からのフッ素摂取量は飯塚が平均0.95mg、副島が1.44mg、角田が1.03mgと、お茶からの摂取を除いても、米国人の摂取量より高いことが分かります。

日本人と米国人の1日フッ素摂取量
 


フッ素摂取量 備考
飯塚9) 食品から  0.40〜1.50
      (平均0.95)
水から   0.10〜0.15
茶から   0.25〜0.50
 →計0.75〜2.15
成人
水はF0.1ppmとして
副島45)
(1994)
食品から  1.44(全国平均)
      1.42(北九州)
成人
※小児のフッ素摂取量の算定値
 3歳児:0.95mg/4歳児:1.02mg
 5歳児:1.02mg/6歳児:1.03mg
角田46)
(1988)
食品から  1.03 成人
Singer9)
(1985)
食品から  0.27±0.03mg 飲料水0.3mgF/L未満の地域
(15〜19才男子が摂取するF量)
食品から  0.33±0.03mg 飲料水0.3〜0.7mgF/Lの地域(同上)
食品から  0.37±0.05mg 飲料水0.7mgF/L超の地域(同上)

 下表は「NAS;Biologic Effects of Atmospheric Pollutants;Fluorides 1971」を出典として「日常食品中のフッ化物」として角田が論文中に載せている表です。1日フッ素摂取量を各国で比較したものです46)

表 日常食品中のフッ化物a)
 

国 名 食物および飲料水より
摂取されるフッ化物 [mg]
飲料水中フッ化物 [ppm]
カナダ 0.18〜0.3 0.1
英国 0.3〜0.5 痕跡
日本 0.47〜2.66b) 0.01〜0.08c)
ニューファンドランド島 2.74d) 痕跡
ノルウェー 0.22〜0.31 0.01〜0.07
ソ連 0.6〜1.2 0.2〜0.3
スウェーデン 0.9
スイス 0.5e)
米国 0.2〜0.3
0.34〜0.80

0.1

  a)Hodge と Smith : Fluorine and dental caries. Adv. Chem. Ser. 94 : 93〜115, 1971.
  b)緑茶からの 0.07〜0.86mg 量を含む.  c)フッ素摂取量を mg 単位で表示.
  d)紅茶中の 1mg 量を含む.   e)飲料水中フッ化物を含まぬ.

 ニューファンドランド島で摂取量が高いのは、カナダ東海岸のこの島が、タラ、ニシンの魚獲が多い地域であるという特殊性によるものと考えられます。また、お茶、特に紅茶の飲料量には個人差があり、それに含まれるフッ素の量も1日フッ素摂取量に大きい影響を与えることが知られています。日本では飲料水中のフッ素濃度が低いにも係わらず1日フッ素摂取量が比較的高いのは海産物やお茶からの摂取が比較的多いことによると考えられます。
 日本では上水道が普及するまで、つまり第二次世界大戦後の経済発展の時期までは、天然の河川水、井戸水を飲用に用いている人々が多く、特に農村、過疎地域ではその傾向が強かったのです36)。その頃までは、日本の各地、特に火山地帯、温泉地帯に斑状歯の発生頻度が高い地域があることが数多く報告されていました。それは飲用の天然水に含まれるフッ素濃度が高いことによるものでした。

 第Y章 フッ化物洗口に関する情報提供について
 
 (1)安全性(有害性)に関する情報提供
 
 フッ化物洗口が実施される場合、一般的に保護者らの承諾を得るために説明会が開かれます。そこで安全性に関する資料には、多くの場合、次の様な事が書かれています。

 フッ素って安全なの?
 フッ素は、諸外国では半世紀以上前からむし歯予防に使われていて、WHO(世界保健機構)も使用をすすめています。水道水にも加えられており、高い効果を上げています。残念ながら日本では、まだまだフッ素の応用は遅れています。遅れている主な原因は、フッ素の安全性に対する誤解と考えられます。
 最も大きな誤解は、フッ素の量に対するものです。たとえば、栄養剤もとりすぎれば有害となるようにフッ素もとりすぎれば有害となります。指示された量を、よく守って使用すれば、フッ素は安全で確実なむし歯予防法です。
 ※ 神奈川県, 神奈川県歯科医師会「フッ素でつよい歯じょうぶな歯〜フッ素洗口手帳〜」(P4)より [平成13年3月]


 フッ素利用によるむし歯予防については、 すでに多くの研究者や研究機関が長年にわたってあらゆる方法から再三の確認を行い、 安全かつ有効であるとの結論が出ています。 これらの結果を踏まえて、 WHO (世界保健機関)、 FDI (国際歯科連盟) をはじめ、 国、 日本歯科医師会、 日本口腔衛生学会など内外の専門機関・専門団体が一致してフッ素利用の有効性と安全性を認め、 その積極的な利用を推奨しています。
 (「フッ素洗口の手引き」新潟県・同県教育委員会・同県歯科医師会・同県歯科保健協会)

 WHO(世界保健機関)やFDI(国際歯科連盟)などの医学、歯学の世界的に権威ある組織の推奨があることは、一般的には世界中の市民が、虫歯予防にフッ化物を応用する場合の安全性を考える上で、有用な判断材料となることでしょう。
 しかし、このパンフレットで述べてきたように、フッ化物応用については、安全性に論争があります。水道水フッ素化を実施している米国でも科学者から反対意見があります47,48,49)。これは、誰もが納得するような結論に達していないことの現れとも言えます。たとえ権威ある組織の推奨があろうとも、このような議論のある施策については、慎重に取り扱うべきと思われます。
 これまでの薬害の歴史を振り返ると、薬害は、許可・承認手続きに基づいて有効性と安全性が保障された医薬品であっても起こりうることを証明しています。ある薬について深刻な害作用の指摘がある時、しばしば「科学的根拠がない」とか「因果関係が証明されていない」として、使用・販売中止や回収などの対処がなされず、被害が拡大し、深刻化してしまうことがありました。薬害の歴史から導き出される教訓として、ある薬剤に対して有害性が疑われる場合には、その有害性、危険性に関する情報は軽々しく扱われてはならない、と考えられるのです。
 安全性の問題は、個人の健康に直接関わる問題であるがゆえに、最も重要で、多くの広範な情報が提供されてしかるべきです。しかし、フッ化物応用の安全性に対する疑義については、「フッ素の安全性に対する誤解」とされたり、無視されたりして、その指摘が存在することすら、多くの場合、広報されません。

(2)フッ化物洗口に関する事前の説明はどうあるべきか
 
 まず個々人が選択(自己決定)出来るようにすることと、その前提となる幅広い情報を提供することが重要です。その際には、事前に提供する情報をふるいにかけたりすることはすべきではありません。どのような情報が有用か無用かは情報を必要とする人が判断すべき事で、とりあえず、全てオープンに幅広い情報提供に務めるべきです。広く情報を提供することで、各々が自ら適切と判断する選択(自己決定)をすることが可能となります。洗口事業への参加者を増やす目的で、「安全・有効」を殊更強調し、異なる見方が存在することを知らせないような偏った広報は厳に慎まねばならず、洗口実施後に、危険性などのネガティブな情報について説明が無かったなどと指摘される様な事があってはなりません。

(3)価値観の多様化と配慮
 
 価値観が多様化した現在、例えば、純粋に科学的知見により安全性を判断する見方もあれば、政府・学会などの見解を基準に安全性について判断する見方もあります。洗口について、少数でも危険性を指摘する声があればしないとか、安易に薬剤に頼りたくないからしない、歯磨きで虫歯予防に努めるからしないなど、様々な考え方があります。このように、それぞれの意識、価値観、嗜好、信条などの違いからも評価・判断が別れ得ることにも配慮しなければなりません。
 虫歯の予防は個人の問題であり、そのためにフッ化物洗口をするか否かは、個人の判断・選択(自己決定)に委ねられています。したくないと考える人々に、そのような選択をしづらくなるような説得など、自己決定に対する不当な干渉はすべきではありません。また、フッ化物洗口をしない児童が疎外感を感じたり、いじめにあったりしないよう、配慮する事も必要と思われます。

 第Z章 その他の問題
 
 (1)保育・教育現場に集団医療を持ち込むべきでない
 
 学校保健法(昭和33年4月10日法律第56号)に以下の条文があります。

■学校保健法(昭和33年4月10法律第56号)
(学校保健安全計画)
第二条  学校においては、児童、生徒、学生又は幼児及び職員の健康診断、環境衛生検査、安全点検その他の保健又は安全に関する事項について計画を立て、これを実施しなければならない。

 また同法第6条において「健康診断を行わなければならない」と規定し、第7条においては、「健康診断の結果に基き、疾病の予防処置を行い、又は治療を指示し、並びに運動及び作業の軽減する等適切な措置をとらなければならない」と規定しています。
 小学校などの教育機関が集団でフッ化物洗口を行える法的根拠は上記(第2条)の条文にあります。教育機関で疾病の「予防」が問題となるのは、学校が集団生活の場であり、伝染性の疾病の蔓延を防ぐ必要があるからです。学校において予防すべき伝染病の種類として、「学校保健法施行規則」(昭和33年6月13日文部省令第18号)ではインフルエンザ、百日咳、麻疹などを規定しています。
 そもそも医療は基本的人権の範疇の問題であり、個々人がその責任において個別に行うことが原則です。学校などに集団医療が持ち込まれる場合には急性伝染病の流行などに対して、合理的かつ必要最小限に行われるべきものです。虫歯は上記急性伝染病のような伝染性は無く、生命に関わる問題でもありません。また虫歯を予防するためにフッ化物洗口が代替手段の無い、唯一無二の手段・方法とも言えません。教育機関は虫歯予防の必要性、その手段・方法などを教育することにこそ力を注ぐべきと考えられます。

(2)一部の施設で医薬品でない「試薬」を用いている問題
 
 洗口を実施している小学校などの教育機関の一部で、洗口剤として薬事法上の許可・承認を取得した医薬品があるにもかかわらず、工業用(研究用)の試薬を使用しているところがあります。そもそもフッ化物を虫歯予防に応用する事は問題なのですが、それはさておき、医用目的ではない試薬を使用することには様々な問題があります。
 まず、安全性の問題があります。試薬は医用目的の商品ではありませんので微量ですが、不純物として金属などが含まれています。また、医薬品とそうでない物の区別を混同させる教育上の問題があります。巷に医薬品的な効能効果を謳う怪しげな商品が散見されますが、医薬品的な効能効果を医薬品ではない物に求めうるという誤解を学童・生徒に与えかねません。怪しげな商品を摂取することの無いよう教育すべき教育機関が、自らこのような試薬使用をすべきではありません。
 大手試薬メーカーである和光純薬工業株式会社には、家庭でフッ化物洗口をするためフッ化ナトリウムを入手したいという問い合わせがしばしばあるそうです。同社は「試薬は医用目的の商品ではない」ことから、断っているそうです。

和光純薬工業株式会社のコメント(2002年9月)
 
   193-01985  ふっ化ナトリウム   和光1級  (500g)
   192-01972  ふっ化ナトリウム   JIS特級   (25g)
   194-01971  ふっ化ナトリウム   JIS特級  (100g)
   196-01975  ふっ化ナトリウム   JIS特級  (500g)
 
   について

 こちらは、いずれも、試薬です。
 
 試薬とは、試験、研究の目的に使用されるもので、「医薬品」「食品」「化粧品」「家庭用品」には使用できません。
 
 医薬品としての許可、承認を受けた商品ではありませんので、人間に対して使用した場合の安全性についてメーカーとして保証できません。
 
 ふっ化ナトリウムは、(社)日本化学工業協会の「悪用防止対象化学物質の流通管理の指針」に基づき作成しました「悪用防止対象化学物質」としてのリストにもあげております。 次の遵守事項を十分ご理解の上お取り扱いをいただきますようお願い致します。

1.  該当製品を使用あるいは第三者に販売し、または譲り渡す場合は、不正な転用を防止するため、適切な管理を行うこと。
2.  該当製品の余剰品及び在庫品を廃棄する場合は、自己の責任において完全に処理処分し、第三者により不正に使用されないようにすること。
3.  該当製品に関係する法令等を遵守するため適切なる管理を行うこと。
4.  該当製品を第三者に販売し、または譲り渡す場合には、販売先または譲り渡し先に対して上記1、2、3の内容を通知確認をとること。

 第[章 結論

安全性: 6歳未満の子供は、洗口における飲み込みがフッ素濃度230ppm毎日洗口法で、最小中毒量の約10%にもなり得、6歳の子供では910ppm週1回法によって最小中毒量の約40%にもなり得る。また洗口によってフッ素化水道水を飲み続けるのに近いフッ素摂取となり、様々な害作用が起こり得る。
有効性: 科学的な評価が少なく、推進派が言うほど高くない。
必要性: 日本では子供の虫歯数は年々減少しており、その必要性は低下した。
代替性: 虫歯予防は、食事やおやつのあとのブラッシングやフロッシング(糸ヨウジ)の励行などの生活指導と口腔衛生教育の徹底で代替できる。
受容性: 安全性についてのネガティブな情報が提供されていない現在、受容性が高いのは当然の事で、情報が提供されれば、受容性は低まると考えられる。希望制とは言うものの保護者が学校の施策へ事実上反対を唱えにくい点も見かけの受容性を高めていると思われる。


 第\章 参考資料・文献
 

1) ミラノール, オラブリスの添付文書.
2) 厚生科学研究「フッ化物応用に関する総合的研究(H12-医療-003)」班編, 『う蝕予防のためのフッ化物洗口マニュアル』2002年
3) 厚生労働省医政局長・健康局長「フッ化物洗口ガイドラインについて」(医政発第0114002号, 健発第0114006号), 2003年1月14日.
4) その一例として:新潟県, 同県教育委員会, 同県歯科医師会,同県歯科保健協会発行『フッ素洗口の手引き』平成10年3月改訂版.
5) 谷美津枝「新潟県における水道水フッ素添加、集団フッ素洗口推進運動の真相について」フッ素研究:第10号, 42〜48頁, 1989年.
6) 濱六郎, 別府宏圀「う歯予防を目的とした水道水へのフッ素添加の有効性と危険性に関する文献的調査研究報告書」平成14年1月31日. (報告書は「薬害オンブズパースン会議」(http://www.yakugai.gr.jp/), また「特定非営利活動法人 医薬ビジランスセンター」(http://npojip.org/)からダウンロード(PDF)できます.
7) 薬害オンブズパースン会議(代表:鈴木利廣)「水道水へのフッ素添加についての意見書」2002年5月7日.
8) 薬害オンブズパースン会議(代表:鈴木利廣)「フッ化物洗口の集団適用に関する意見書」2003年8月4日.
9) 『フッ化物応用と健康―う蝕予防効果と安全性―』日本口腔衛生学会・フッ化物応用研究委員会編集, (財)口腔保健協会発行, 平成10年6月.
10) 『フッ化物局所応用に関するガイドブック』日本口腔衛生学会・フッ素研究部会編集, (財)口腔保健協会発行,昭和60年10月.
11) 『集団を対象としたフッ化物局所応用マニュアル』日本口腔衛生学会・フッ素研究部会編集, (財)口腔保健協会発行,昭和61年9月.
12) 『口腔保健のためのフッ化物応用ガイドブック』日本口腔衛生学会・フッ素研究部会編集, (財)口腔保健協会発行,平成6年2月.
13) 飯塚喜一, 境脩, 堀井欣一編集『これからのむし歯予防 わかりやすいフッ素の応用とひろめかた』学建書院, 第3版, 2000年10月.
14) 『フッ化物ではじめるむし歯予防』日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会編集, 医歯薬出版(株)発行, 2002年11月.
15) 花田信弘編者代表『新しい時代のフッ化物応用と健康』医歯薬出版(株)発行, 2002年11月.
16) WHO Technical Report Series No.846, Fluorides and Oral Health, 1994年.
17) 『フッ化物と口腔保健―WHOのフッ化物応用と口腔保健に関する新しい見解―』日本語監修:高江洲義矩, 一世出版株式会社, 1995. (上記WHO Technical Report Series No.846 の翻訳).
18) 高橋晄正『むし歯の予防とフッ素の安全性』薬を監視する国民運動の会発行, 1982年.
19) 高橋晄正, 日本フッ素研究会編著『あぶない!フッ素によるむし歯予防』(株)労働教育センター発行, 1995年(増補2001年).
20) 村上徹『フッ素信仰はこのままでよいのか―反対論の学術的基盤』績文堂, 2003年(「DMFT抑制のからくり」178頁).
21) 日本教職員組合養護教員部編集『子どもの歯の現状とフッ素問題』日本教職員組合発行,(健康白書No.5)1986年.
22) 同上(No.5別冊)1987年.
23) 西巻義通「フッ素洗口と人権問題」フッ素研究:第13号, 99-104頁, 1992.
24) 南雲明男「集団フッ素洗口と子どもの健康」フッ素研究:第16号, 27-34頁, 1996.
25) 麻生真「フッ素塗布法・洗口法の問題点」フッ素研究:第14号, 30-36頁, 1993.
26) 河野公一「フッ素とその化合物の代謝と毒性」日本医事新報:No.4077, 20-22頁, 平成14年6月15日.
27) 山村秀夫監訳『中毒ハンドブック』(第11版), 廣川書店, 平成2年. (Dreisbach, R.H. Ed. 『Handbook of Poisoning: Prevention, Diagnosis and Treatment』11th Ed. Lange Medical Publications. Los Altos. Ca. 1983.)
28) 日本学術振興会,未来開拓推進事業研究プロジェクト報告会資料:製鋼第19委員会成果報告「環境調和型新製鉄プロセスに関する研究」東北大学多元物質科学研究所 水渡英昭, 井上亮「鉄鋼スラグ、スラッジからのフッ素、クロムの溶出抑制」他2報:平成14年1月25日.
29) Baldwin, H.B.: The toxic action of sodium fluoride. J. Am. Chem. Soc., 21:517-521, 1899.
30) 村上徹「わが国のフッ素推進論者が,ヒトのフッ素急性中毒量を『体重kgあたり2mg』とする説の根拠をなすバルドウィン論文の翻訳」. フッ素研究:第10号, 49-52頁, 1989.
31) Akiniwa, K. Re-Examination of acute toxicity of Fluoride. Fluoride 30(2):89-104,1997. 同様の内容の和文論文:秋庭賢司「フッ素による急性中毒量の再検討を」フッ素研究:16号, 5-21頁, 1996年.
32) 飯塚喜一『口腔衛生学』,永末書店, 1972.
33) 新潟県弁護士会・同人権擁護委員会「要望書」(新弁第210号).平成2年1月29日.(フッ素研究, 第11号, 48-52頁, 1990. にも掲載)
34) 近藤武『地域性歯牙フッ素症』口腔保健協会発行, 平成3年.
35) 厚生科学研究歯科疾患の予防技術・治療評価に関するフッ化物応用の総合的研究班, 日本口腔衛生学会:「薬害オンブズパースン会議意見書に関する解説」平成14年7月25日.
36) 柳沢文徳「弗素の毒性研究」フッ素研究:第3号, 2〜24頁, 1982.
37) National Toxicology Program. NTP Technical Report on the Toxicology and Carcinogenesis Studies of Sodium Fluoride (CAS No. 7681-49-4) in F344/N Rats and B6C3F1 Mice (Drinking Water Studies) December 1990.
38) 米・公衆衛生局「Review of Fluoride―Benefits and Risks」1991.(通称,Ad Hoc レポート).
39) 高橋晄正, 秋庭賢司, 成田憲一「がん発生率と飲料水フッ素濃度の回帰分析、LACR/LARC(WHO)による合衆国データ(1978-1992)について-1, 2, 3」フッ素研究:第20号, 17-32頁, 2001.
40) 丸茂文昭「水道水のフッ素化 腎不全患者に影響重大」食べもの通信:2001, 5: 11頁.(特集:フッ素による健康被害の中の一部)
41) 高橋晄正「フッ素が多少でもむし歯予防に効くしくみ」フッ素研究:第18号, 45-50頁, 1999.
42) 小林清吾ら, フッ化物洗口プログラム終了後のう蝕予防効果, 口腔衛生学会雑誌 43: 192-199, 1993.
43) 岩瀬達雄ら, フッ化物応用を中心とした地域歯科保健活動, 口腔衛生学会雑誌 41: 716-722, 1991.
44) 島田義弘編, 予防歯科学,医歯薬出版(株)発行, 1983.
45) 副島隆「食品中のフッ素含有量に関する研究」口腔衛生学会誌 44: 342-353, 1994.
46) 角田文男「生活環境におけるフッ素と健康問題」フッ素研究:第13号, 1-10頁, 1992.
47) Bette Hilleman 「Fluoridation of Water」ケミカル&エンジニアリング・ニュース(アメリカ化学学会の週刊機関誌の特別報告)pp.26〜42, Vol.66, 1988.(村上徹訳編『プリウスの迷信―荒れ狂うフッ素論争』1989年7月, 績文堂)
48) Yiamouyiannis, J.: Water Fluoridation to Prevent Tooth Decay? フッ素研究:第11号, 6-12, 1991.
49) Rachel's Environment & Health News「#724- Fluoridation : Time for A Second Look?, May 10, 2001 by Paul, Ellen and Michael Connett」
(和訳:http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/rachel/rachel_01/rehw_724.html)



 本稿は皆様のご批判を頂きながら改訂を重ねていくつもりです。
 本稿について間違いの指摘・ご意見・ご感想など頂けましたなら幸いです。
 
加藤純二


  

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