現時点でもっとも有名なスクリプト言語といえば Perl になるでしょう。CGI 用のプログラミング言語として大ブレークしましたが、それだけではなく、いろいろな処理が可能な奥の深いプログラミング言語です。Perl 5 (version 5) になると、C言語のポインタに相当する リファレンス や オブジェクト指向 が取り入れられました。その結果、以前のバージョンではテキスト処理用の簡易言語というイメージが強かったのですが、今では汎用のプログラミング言語として様々な分野で使われるようになりました。
GUI (Graphical User Interface) アプリケーションの作成もそのひとつです。Windows のような GUI に対応したアプリケーションを作ることは、DOS 窓で動作するプログラムを作るよりも相当の労力を必要とします。さらに、GUI はユーザーの使い勝手に直結しているため、プログラムの改良を頻繁に行うことがあります。このため、GUI の開発は簡単にプログラムの修正と実行が行えるスクリプト言語が適している、といわれています。
GUI 用のスクリプト言語で有名なのが Tcl/Tk ですね。M.Hiroi も Tcl/Tk を愛用していますし、このホームページで拙作の入門記事やミニゲーム集を公開しています。Tcl/Tk は優れた開発環境ですが、実際に使っていると Tcl 言語に不満が出てきます。Tcl はシェルスクリプトを拡張したコマンド言語、つまり簡易言語に過ぎません。簡単なアプリケーションならば、数行から数十行でプログラムを記述できますが、数百行以上のプログラムを作るのには適していません。また、実行速度も Perl より遅いため、時間がかかる処理はC言語で作成してリンクする必要があります。
もっとも、GUI アプリケーションはユーザーの操作に応答するイベント駆動方式なので、処理速度に難があっても悪影響はほとんどありません。C言語とのリンクも、Tcl にはC言語用のライブラリが充実しているので、それほど難しいことではありません。そうはいっても、ひとつの言語で済ますことができれば、その方が簡単で嬉しいですね。
Tcl は好まないが Tk を愛してやまない人々が、自分の好みの言語に Tk を移植する試みが行われました。もちろん、Perl にも Tk が移植されています。それが Perl/Tk です。Perl/Tk というプログラミング言語があるのではなく、Perl に Tk.pm というモジュールをロードすることで Tk を利用することができます。
ただし、Perl/Tk を使いこなすには、オブジェクト指向とリファレンスの知識が必要です。特に、Perl/Tk のプログラムはリファレンスを多用するので、初心者には難しく感じるかもしれません。Tcl/Tk のように、お気楽プログラミングにはならないのがちょっと残念です。
このページ Perl/Tk memo では、簡単なプログラムを作りながら Perl/Tk の使い方を説明していく予定です。まあ、忘れないうちに使い方をメモしておこう、というのがページの趣旨なので、高度な内容は期待しないで下さいね。とりあえず、Tcl/Tk お気楽 GUI プログラミング入門編、Tcl/Tk お気楽 GUI プログラミング応用編 と同じ例題を Perl/Tk で作ってみようと思います。よろしくおつきあいくださいませ。
『お気楽 Perl/Tk プログラミング入門』の著作権は筆者「広井誠 (Makoto Hiroi) 」が保持します。無断使用や無断転載は禁止いたします。『お気楽 Perl/Tk プログラミング入門』で作成したプログラムはフリーソフトウェアとします。ご自由にお使いください。プログラムの改造や配布もご自由にどうぞ。その際は、出典を明記してくださるようお願いいたします。
ただし、これらのプログラムは無保証であり、使用したことにより生じた損害について、作者「広井誠 (Makoto Hiroi) 」は一切の責任を負いません。また、これらのプログラムを販売することで利益を得るといった商行為は禁止いたします。
『Perl/Tk を使った GUI プログラミング』は、特集『GUI の組み込み機器への実装 & 活用法』 Interface 2002 年 4 月号 (CQ出版社) の第 5 章に掲載された拙作のドキュメントです。Perl/Tk の基本的な機能とプログラミングの方法について説明します。なお、ホームページへの転載にあたって、内容の再考証は行っておりません。ご了承下さいませ。
< Interface 2002 年 4 月号 (CQ出版社) pp.86 - 97 から転載 >
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