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 花京院典明の性格分析

  ○冷静沈着、 高い分析能力
   花京院はどんなときにも静かである。決して取り乱したりしない。敵に襲われても落ち着いているのが花京院の第一に目につく特徴だろう。そしてそれは同時に深い洞察につながる。花京院は実に鋭い。


○クールな印象を与える
 次に花京院の登場場面から窺えるのは感情表現の少なさだ。そしてまた共感性はさほど高くない。つまり彼には「ああ、そうだね」といった台詞や「僕も君に同意見だ」といった場面が極端に少ないといった傾向が窺える。承太郎たちと旅を同行したのもDIOを倒すという目的では一致したもののDIOを倒したところで得られるものが全く違う点に注目したい。承太郎、ジョセフ、アヴドゥルはホリィを救うためだけに闘っているように受け取られるしポルナレフは妹との情愛をどこまでも忘れずにいるといった風にとれる。それに対して花京院のDIO打倒の目的は限りなく個人的なものであるし他者との関係性は希薄なものである。テレンス・T・ダービーとの闘いとの際に彼はDIOと初めて出会った時のことを回想する。 「DIOはそんな僕を見ながら こう言った。しかも優しく、子供に言い聞かせるように。花京院くん 恐れることはないのだよ 友達になろう。僕は自分を呪う。それを聞いて僕はホッとしたんだ。正直言って心の底から安心したんだ。まだまだ生きられるんだ、そう思った。しかし屈辱だ。許せない。これ以上の屈辱はない。自分が許せなかった。ヤツに精神的に屈した自分を呪った。承太郎に助けられ、この旅に出た理由もそれだ。二度と、あの時の、みじめな花京院には絶対に戻らない。ダービー。お前と魂を賭けて闘うのも、それが動機さ」 。この場面からも花京院は、ただ自分のために闘っていることがわかる。同じパーティーでも動機が違っている。



それでは花京院はDIOに屈したことをなぜそこまでに恥じたのだろうか。それは花京院の抱いていた孤独感に関係すると考えられる。花京院はスタンドを持つために幼少の頃から孤独感を抱いていた。 「子供の時から思っていた。町に住んでいるとそれはたくさんの人と出会う。しかし普通の人たちは一生で真に気持ちがかよい合う人が何人いるだろうか…?自分にはきっと一生誰ひとりとしてあらわれないだろう。なぜならこの『法皇の緑』が見える友達は誰もいないのだから…見えない人間と真に気持ちがかようはずがない」 といった思考がそれにあたる。DIOとの接触がまじかとなった場面になって改めてこの様に闘う理由を再確認する事から花京院は、なぜDIOを倒すことを目的としたこの旅に参加するかを仲間たちに明らかにしていなかったのでないかと考えられる。承太郎にせよ、ジョセフにせよ、旅を続けてDIOを倒すことの具体的な成果は明白である。これに対して花京院の理由はなかなか他者に理解されにくい。花京院はただひたすら自己の空虚感を埋めるために闘っている。おそらくは肉の芽を植え付けられた際にDIOに長い間抱えていた孤独感を見抜かれたのであろう。その結果として詰め寄られた自分を花京院は恥じていると思われる。ポルナレフにも巧みに近寄ったDIOだ、DIOは個々人の性格性質をはっきりと見抜いていたと思われる。



スタンドをもつことにより孤独感を抱いていた花京院だがこの点についても考察してみたい。スタンドが見えない他人と打ち解けられるはずがないと考えてきた花京院。彼のこの悩みは一体どのような性質のものだろうか。現実社会に置き換えるならば、普通一般の平均的な人からは理解されにくい特別な才能を持ったものの苦しみといえる。“X-MEN”というアメリカの作品があるが、この物語の主人公たちも特別な才能-超能力を持ったために苦しめられる。希有な能力ゆえに共感、理解してくれる人もいない。彼らの才能を恐れるものの中にはあからさまに迫害しようとするものもいる。主人公達は差別と闘い、どうにか社会に自分の居場所・よりどころを創ろうと奮闘する。この作品にはそういった者のもつ心の痛み、葛藤が描かれている。彼らと花京院の苦悩には類似する部分が認められる。ただし花京院の場合は17歳になるまで自分と同じ境遇のものがいるとは知らなかったのだから状況はまた変わってくる。父親や母親はいつもひとりでいる花京院を理解しようと努めるだろうが花京院にはその理由を説明することができない。その場合諦めに近い感情を抱くかもしれない。花京院に感情表現が少ないのもこのことが原因であろう。不安や恐れを押さえ込むあまり喜びや楽しみといった感情まで抑圧してしまっている。決して他者に理解されることのない孤独感が彼を無表情にしてしまっている。それだけに同じ目標を共有する仲間を持てたことは花京院にとって嬉しいことだったのではないだろうか。ある種の居心地の良さを感じていたかもしれない。承太郎を襲ったときのピリピリした雰囲気も若干弱くなったようだ。花京院が一行の中で我に走ることがなかったのも彼が「同じスタンド使い」という関係性を保つことを望んでいたからに他ならない。共感できる友人の存在は花京院に大きな作用を及ぼしたといえるだろう。
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