Thanks for your visiting!


トップページへこのサイトについて掲示板メール
花京院を探る
花京院典明データ
性格分析
スタンドの特徴
花京院はなぜ死んだのか

荒木世界検証
奇妙な例え
遊び心
作風の変化について

短編を読み解く
デッドマンズQ

登場人物
キャラクター紹介
「無駄無駄」を分析する

作品紹介
連載作品
短編作品

その他
編集後記
本の紹介

掲示板

Mail

Link  

「無駄無駄」を分析する

 「無駄無駄無駄無駄」―シリーズ通しての最も登場機会の多い悪役DIOの性格を最も端的に表した彼自身の台詞はこれを除いて他にないだろう。承太郎の「オラオラ」や仗助の「ドラララーッ」といったものも強烈なインパクトを与えるがDIOのものもこれらと並んで印象に残りやすい。なぜ「無駄」なのか?ごく稀な例を除き、わたしたちの生活の中で他人に無駄などと言う機会はまずない。それは無駄という言葉が相手を否定する意味合いを持つからでありその人との関係性を断ち切ることのできる語であるからである。それゆえ日常的な会話では見られることがない。なぜDIOがこんな言葉を使っているかといえばそれはDIOが敵を否定し、排斥しようとしているからである。彼の登場場面から察する限り、DIOには他人を支配下に置いておきたいという強い願望があるように思われる。それは第一部の初登場のときから顕著だ。彼は他人全てを支配下に置きたいのであろう。どの部を見ても心を打ち明けている友人などはいないし(心を開いている振りをするのは非常にうまい)外の顔と内の顔をはっきり使い分けている。なぜ彼が他人を支配したがっているかというと、それは彼自身が過去に「支配されていた」という意識があるからだ。DIOがジョースター卿に引き取られるまでの彼の生活環境は劣悪だ。母親はいない、父親はアル中、職を持っているかも疑問、家庭が家庭として機能していない場所に彼は育った。このような環境の中でDIOに悪影響があったことは容易に想像できる。それこそジョースター家のような優雅な暮らしをしている人間を見れば劣等感に近い感情を抱いたかもしれない。DIOの強烈な支配欲はこのときの悪感情によって形成されたものだと考えられる。強い悪感情を振り払うために正反対の態度を形成してしまっている。自分の仕事の不出来に薄々気が付きながらどうすることもできず、部下に過度に威張り散らす中年男性だとか、幼い時期に同性にも異性にも人気のなかった女性が成人して場間違えな程に化粧や露出をして気を引こうとするなどと同じだ。DIOも彼らも過去の負の体験を打ち消さんとするが余りに逆の姿をつくり、そこで凝り固まってしまう。こうしたことを考慮に入れるとDIOの「無駄無駄」は自分自身に対して言っている可能性が高い。DIOが「自分の何々した経験は無駄だ」「何々したけど駄目だった、無駄だった」「自分のすることはいつも無駄になってしまう」と自らを責めている可能性は高い。他者への評価と自己評価が連結していることが科学的に証明されている。他者を常に褒めているひとは自分自身に対しても肯定的であることが多く、他人を責めてばかりのひとはやはり自分自身に対しても否定的な心理が働いているということだ。DIOにしても「無駄無駄」と他者を否定する様は迫力がある。だが同じ尺度で自分自身をも裁いていることも忘れてはならない。




画面上へ
home
Copyright(C) 2004-2005 荒木飛呂彦論 All Rights Reserved