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■編集後記
  −なぜ花京院をとり上げたのか−

 編集後記を書いてみようと思った。このサイトはまだ完成にはほど遠いし書いている途中の文章もあるからここにつくべき本来の名は「編集前記」かさもよくばせいぜい「編集中記」がいいところだろう。しかしこの名前で書こうと思ったので書いてしまう。名前なんてさほどの事でもないのだ。

 わたしが花京院を特にとり上げて書いたのは、早く言ってしまえば花京院が「好き」だったからである。花京院というキャラクターには妙な思い入れを抱いていた。あの独特の緊張感、目つき、洞察能力の高さ、そして花京院の持つ孤独感がたまらなく好きだったのである。花京院は健康的なキャラクターとはいい難い。悩みをひとりで抱えすぎだしそれゆえなお更に苦痛を大きくしてしまっている様に見える。もちろんそうなるだけの十分な環境設定がなされているのだけれども、あまりに苦しそうなのでいたたまれない。だが考えてもみれば恐らくわたしは彼のこの葛藤こそを好いているのだと思う。彼がただ冷静沈着な切れ者で終わっていたならそれほど思い入れはしなかっただろう。花京院は孤独であることに悩み、それに闘ってきた。ひとはその個人にとって一番に深刻な問題に対峙するときこそその生命の輝きを放つのではないかと彼を見てそう思う。

JOJOに登場する人物はなんらかの問題を抱えている場合が多い。19世紀イギリスに物語は始まり、作品の年季の積み重ねと時代背景の経過によって登場人物のもつ悩み、問題は次第に変化して来た。1〜4部までは石仮面と波紋、スタンドと弓と矢に関係した問題・葛藤を中心に描かれている。上記した事柄に関係しない人間には、なんのことか分からない問題である。それに対し5〜6部では明らかに登場人物の持つ問題の種類が変化している。登場人物は学校を卒業していないことを気にしナイフを振り回し、警官の身の上で汚職を行い、大学教員を辞書で打ちのめし、麻薬事件に巻き込まれて、社会から捨てられ、ヤクザな世界に身を落としてゆく。6部においては父親に愛されていないと思い続けて育った少女のいわば成長記である。これは主要人物がみな、社会的成功者である1〜4部とは明らかに違ったものだ。物語の描き方はより現実に即したものに変化しつつある。荒木飛呂彦氏のものの見方、描き方が変化を遂げているといえよう。わたしはこれが現実的で丁寧な描き方に感じられた。多くの荒木作品読者にとってはどうだろうか。

またわたしはJOJOに好きなキャラクターが多い。ジョナサン・ジョースターも好きだし、ツェペリも好きだし、エリナも好きだ。ジョセフは一見適当そうな男に見えて実は家族思いなところがいいし、シーザーは涼しい顔して激情家なのが印象に残る。シュトロハイムはどことなく憎めないキャラクターの持ち主であるし、実は50歳だったリサリサや、お転婆娘のスージー・Qも好きだ。承太郎はかっこいいし、ムードメーカー的なポルナレフの雰囲気もいいと思う。ちょっとひねくれたイギーも大好きだ。仗助の髪型へのこだわりは素敵なものだと感じる。ひとには軽く見られるけれどいざというとき頼りになる康一や、決してひととは相容れないが街のことは強く思っている岸辺露伴も思い入れが強い人物だ。夢を持ち正しいと信じることのもとに行動できるジョルノは見ていて気持ちがいいし、ブチャラティの他者への想像はどこまでも優しい。6部では「自分のことは自分で切り抜ける」といったセンスの持ち主が多い。徐倫にしろ、エルメスにしろ、ウェザー・リポートにしろ自らを恃んで生きている点が私は好きだ。JOJOに登場する多くの人物に共通すること、それはそれぞれおのおのの、強い美意識の存在だ。美学とも表現できる。己の美を求めるストイックな態度が彼らの態度を凛々しく潔いものにしている。わたしはこれを求めて荒木飛呂彦を読むのだな、と感じてしまう。

  荒木飛呂彦氏の発想は実に奇抜だ。一体こんなことを毎週考えている氏の脳の中はどうなっているのだろうか、などと疑問に思ったりすることもある。ひとが考えつかないことを着想する源はなんだろうか、あるとしたら原体験はどの様な種類のものだろうかと考えてしまう。わたしは少しずつそれを探ってみたい。荒木飛呂彦のなかを覗いてみたいと感じる。簡単に言えば荒木飛呂彦が何を考えているのか知りたいのである。氏のなかは複雑そうだ。覗くことも簡単にはままならないだろう。出来るだけの手段を用いてこの世界を解明してみたいと思う。


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