セックスヘイターズ・トライアングル



まずは「セックスヘイター」と言う単語をここで初めて目にする方へ。
これは表現規制対策団体「ROSF(Rights Of Sex Fantasies)」が彼らのHP(当HPリンクより行けます)で1年以上前に生み出した単語・概念であり、性的なもの全般に憎悪を向け排斥を望む「性憎悪者」を意味するものです。(注:ROSF以前から精神医療上の症例としての性的なものへの嫌悪をこう呼ぶ場合がありますが、それらは全く性質の異なるものなのでくれぐれも混同しないようお願いします)

1年の間にこの言葉も規制反対者の間で随分定着して来たように思われます。「規制の推進・支持に大きな影響を与えて来たのがこのセックスヘイターだ」とする認識も自明性を強く帯びて来たように思われます。

但し、当然ながら、「私はセックスヘイターだ。私は性的なものをすべからく憎む。故に表現規制や性の制度的抑圧を望み、支持する」などと宣言した上で主張する人など何処にもいません。彼らは常に建前として「人権擁護」や「男女平等」や「公共性」を持ち出して来ます。いや、彼らにとっては「建前」「本音」に分化できる程の自覚さえない所なのかもしれません。
vol1で語った事を少し思い出して欲しいのですが、彼らの「男女平等」や「人権擁護」の理想が創作物や性的なものへの抑圧に直結しているとする論理は、彼らが「セックスヘイター」精神を持ち、それを持論に盛り込んでいる事に起因する場合が少なくありません。vol1での「何か別の」「真に批判すべきもの」の一つがこの「性憎悪」精神であると僕は考えます。

この事は、何者かを指して「彼はセックスヘイターだ」と認識する為にはその相手の発言から背後にある論理や意識を注意深く暴き出す作業を要する、と言う事でもあり、(慣れていなければ取分け)面倒くさい話でもあります。
しかし、比較的容易に、セックスヘイターであると認識できる類の人達がいます。例えば、「悪書追放運動」等で話し合いも拒みながらひたすら前線で「要求」を「主張」する様な市民団体や教育団体の「ご婦人方」。彼女達は時折論理さえ見失い「性的なもの=子供への悪・男女平等への悪・公共性への悪」とする意識のみをぶつけて来る場合さえあり、彼女達を「セックスヘイター」と判断するのにさほど考えを必要とはしないでしょう。

これは僕達が「セックスヘイター」について考える上で実は両刃の剣なのです。分かり易いモデルは「セックスヘイター」の存在をリアルに感じさせてくれますが、イメージがステレオタイプ化する事で異なる現象への想像力を奪い、本質への視点を見失わせます。
現に「規制支持者が全員セックスヘイター」だの「セックスヘイターは女、特に専業主婦やフェミニズム運動家がなるもの」と言った先入観が横行しています。セックスヘイターは「性憎悪」の精神を有する限り、性別・世代・立場を問わず全面的に或いは部分的に、誰もがなりうるものです。また、規制の動きはセックスヘイターによってのみ成立しているものでもありません。ROSFのHP上には「セックスコントローラー(性支配者)」と言うものの存在も指摘されています(この話題は別の機会で)。

話を進めます。この性憎悪精神は先天的なものではなく、後天的に教育や経験によって身に付くものです。つまり「性的なもの=悪」だと直接周囲の人間に教育される、或いはそう結論付ける様な経験を積む事によって形成されるものだという事です。この「性的なもの=悪」の背景は現状での日本の性に対するタブー意識です。そしてタブー意識は現状での日本の性に関する道徳規範意識を前提としています。そして、これらの性道徳やタブー意識を信奉し、維持して来たのは他ならぬセックスヘイター達です。

ここで「性道徳と性憎悪は違う」と言う反論があるかと思われます。しかし、現在、日本社会で性道徳・タブー意識とされているものは紛れもなく性憎悪的性質を抱えています。性憎悪者の発想に基づいたような道徳です。「性的なもの=悪」とした上で部分的に(家族制度・生殖の為など)認めているか、性憎悪を限定的に(他人―弱いものや異性など―利己的に自分を除外する形で)向けているか、そのようなケースもありえます。そこまで言えば「誰もが、僕さえもが持っている」と言う事も出来ますが、それを以って他者を排斥ないし抑圧する事を正当視し希望するに至るケースを問題視するものと考えます。

性道徳が性憎悪を生み、性憎悪者が社会や他人に抑圧を与え、その結果性道徳が強化され、維持されます。
この三角形の辺上に表現規制の問題があるのではないかと僕は考えます。
彼らの要求のまま抑圧が進むのなら、三角形の各辺はますます太くなる事でしょう。


<お断り>
当文章はROSFのHP上テキストを読んだ当HP文責者が独自に「セックスヘイター」を解釈し、それを前提に語っているもので、当然ROSFの出した見解ではありませんし、オリジナルROSFメンバーの「セックスヘイター」観とも何らかの相違がある恐れがあります。純粋な「ROSFによるセックスヘイターの概念」に基づいていない事を強く申し上げておきます。
(この文章への批判は当HP文責者まで。間違ってもROSFにクレームしないようお願いします。って事)



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