「コメディライフ −身内ネタ−」


Written by 佐々木真史




この作品は、ボケ倒す祐巳に健気にも突っ込みを入れ続ける、かいがいしい瞳子の物語で

ある。




「お姉さま、やはり私たちも時事ネタを取り扱うべきだと思います」

 そう。いつもいつもおバカなことばかりしていると、紅薔薇の品格を疑われてしまいま

すから。え? もとよりそんなものは無いと? それはお姉さまに言ってください。私は

むしろ被害者です。言いようによっては共犯者かもしれませんが……。それはともかく、

路線変更第二弾です。前回は思わぬ罠に引っかかり、自滅してしまいましたが今回はそう

もいきませんというかいかせません。

 あのお仕置きの内容は、ですか? そんなことお答えできるわけがありません。まずち

ょめちょめがチョメチョメな時点でもうcyomecyomeなのですから。

「時事ネタといわれても、政治経済文化にスポーツと幅広すぎるんじゃないのかな? せ

めて何かに絞ろうよ」

「言われみればそうですわね……」

 政治や経済は残念ながら学生の身分ですので、あまり得意ではありませんし、スポーツ

も興味が無いとすれば残るは文化関連でしょうか。

「文化ならば私たちにも取り扱うことが出来そうですね」

「瞳子、文化って一言で言っても結構範囲広いよ。音楽や芸能、アニメにゲームに絵画に

服装などなど」

 そうですわね。私たちの話題に最もしっくりきそうなものといえば……

「よし決めた。”お笑い”にしよう」

 なんでまたそうなっちゃうんですか!? 私の目指すところはほのぼの路線なのに。

「瞳子、私がいる限り”ほのぼの”なんて有り得ないんだよ」

 ご自分で言いますかそれを。

「なんてことおっしゃるんですかお姉さま!! 私の夢や希望を根こそぎ破壊しないでく

ださい! 普通に切ないじゃないですかもう」

「というわけでこれからも、この作品はほのぼのは無しで全壊ギャグに突っ走ることを私、

福沢祐巳は誓います!」

 そんなこと宣誓しないでくださいませ。え? なんですかその私もやれという目は。

「…………」

 ズルイ。その無言の圧力といい物寂しげな目線といいズルイ。

「瞳子は私といるのがイヤ?」

「そんなことあるわけないじゃないですか」

「じゃあ私とおバカなお話しするのはイヤ?」

「……別にイヤというほどではないのですが、毎回毎回同じようなバカばっかりしている

と飽きられるんじゃないだろうかというちょっとした老婆心から……」

「瞳子、好き」

 私の唇がまたしても奪われましたわ!! あぁなんて甘ったるくて柔らかくて……美味。

と、悦に浸っている場合じゃありません。なんですかこの超展開は。ジャンルはギャグな

のにキスしちゃってなんかしちゃっていいもんなのでしょうか。おバカラブという新ジャ

ンルの幕開けなんでしょうか?

「瞳子って本当に可愛いよ」
 ちょっと待ってください。そんな恥ずかしいことを面と向かって言われてしまうと、心

の仮面がはずれてしまいそうになるじゃないですか。

「こんなお姉ちゃんでゴメンね。瞳子に心配ばかりかせさせて」

「お姉さまが謝る必要なんてありません」

 姉を支えるのが妹の当然な役目なのですから。

「じゃあ、少しぐらいならばおバカなことやっていい?」

「ま、まぁ。少しぐらいならばお付き合いいたします。少しだけですから」

「ありがとうね。瞳子」

 と、優しく抱きすくめられた私でした。




 完




 あれ? ギャグはどこへ行ってしまったんでしょうか? いつもならばここでお姉さま

が「ニヤリ」と笑って、「謀ったな!!」という流れになると思っていたのですが……

「瞳子、好きだよ」

「お姉さま……」

 そんなことはどうでもいいですわね。それではまたごきげんよう。




 本当に完