「コメディライフ ―ロザリオを因数分解しよう―」


Written by 佐々木真史




この作品は、ボケ倒す祐巳に健気にも突っ込みを入れ続ける、かいがいしい瞳子の物語で

ある。




 薔薇の館の二階、山百合会のメンバーが集うサロンにて、私とお姉さまは雑談に興じて

いるのです。作業しているところの描写なんてつまらないですしね。だからずっと雑談の

描写ばっかりだと思います。

「瞳子、ロザリオを因数分解してみない」

 意味不明……

「お姉さま。私は今この作品をご覧いただいている皆さま方に状況設定の説明をしている

最cy」

「チュッ」

 脈絡も無く瞳子の唇が奪われましたわ!!

「お姉さま!? もっと雰囲気を読んでください」

「形のいい唇に祐巳はメロメロですぅ」

 頭悪い台詞ですわねぇ。

「そうだ、だから因数分解」

「しません」

「しよ」

「しねぇよ」

「しないの? 私とキス

「しません……は?」

「そうだよねぇ。私なんかとはしたくないよねぇ」

 なんてことでしょうか!? さり気に重要事項を混ぜないでほしいものです。ズーンと

真っ黒で鉛のような雰囲気を当たりかまわず振りまくお姉さま。私が何とかして元気にし

て差し上げないと。 「あのお姉さま。なるべくならば、その……」

 「……」の部分は私とお姉さまだけの秘密です。

「本当? 私とってもとっても元気になったよ。ありがとう瞳子」

 私だけが知る、お姉さまを元気にさせる特効薬があるのです。その言葉を囁くとこのと

おり。

「じゃあ私と因数分解しようか?」

「だからしませんってば」

 まだそのネタで引っ張るつもりですか? もういい加減飽きられますよ?

「じゃあ瞳子は何がしたいの? え? ナニがしたいんだね」

「ここでしちゃマズイでしょう! 薔薇の館ですよ。何を考えてるんですかまったく」

 ナニって何か、ですか? それは私の口からは申し上げることは出来ません。乃梨子に

聞いてください。白薔薇さまとそりゃぁもうあははははと笑えるぐらいなされているそう

ですから。腕相撲を。あらあら私としたことがついうっかり口を滑らせてしまいましたわ

おほほほほ。何か別なことを想像されていたのですか?

「私思うんだ」

「何をでしょうか」

「この話、落ちないよね。起承転結無いよね。どうしようか?」

 それを私に振るんかい! そもそも「因数分解しよう」という無茶な振り方からしてダ

メダメだったものですから、当然といえば当然ですが……

 仕方ありません。お姉さまの面目を保つため、私がオチを担当いたします。

 私はおもむろにバイオリンを取り出し、「笑天のテーマ」を演奏して差し上げました。

そうすればお姉さまが「バイオリンでその曲かよ!!」というツッコミを入れてちゃんち

ゃん、なはずです。

「…………」

「くっ……」

 やけに大人しくされているかと思いきや、爆睡してやんの。腹立つぅ……