「ホントのキモチ」
Written by 佐々木真史
守護騎士システムとして永い永い間存在してきた鉄槌の騎士ヴィータ。歴代の主の下で
は道具のように扱われ戦闘に明け暮れていた。しかし現在の主である八神はやての願いは
「みんなで仲良く暮らすこと」である。これまでの時において、そんな願いを持った主は
存在しなかった。
初めて経験する安寧の日々。しかし、一方で悪化する主の病状。はやての治療のため闇
の書のページを埋める戦い。そして、闇の書の防衛機能の消滅とリインフォースの封印。
主はやてと時を過ごすうちに、ヴィータにはある一つの感情が芽生えていた。
「シャマル、ちょっといいか。ヴィータについてなんだが」
「どうしたのシグナム。ヴィータちゃんがどうかしたの?」
「いや、私の勘違いなのかもしれないが……変わったなと思うんだがどう思う?」
「そうねぇ。確かに。はやてちゃんが主になってから、前のヴィータちゃんとは明らかに
違っているわね」
「そうか、やはり……」
はやての顔を見る度に、声を聞くたびに、そしてはやてのことを思う度に胸がざわめい
た。ヴィータにはそのキモチが何なのか分からなかった。
「な、なぁシグナム」
「どうした?」
「いや、やっぱいい」
「……そうか」
時間を置けば消えると思っていたこの分からない感情は時を経るに連れて、むしろ大き
くより強くなっていった。
「あ、あのさ、はやて。ちょっと教えてほしいことがあるんだけどさ」
就寝時、いつものようにはやての隣で横になるヴィータは問う。
「なんやヴィータ? ウチに分かることやったら何でも答えたげるよ」
このはやてのことを考えるとざわめき、全く心を落ち着かせなくする正体不明のモノに
ついて、それが何であるのかヴィータは意を決してはやてに尋ねてみることにしたのだ。
「うまく言えないんだけど、アタシはやての顔見たり、声聞いたり、はやてのこと考えた
りするとなんか胸がわさわさして落ち着かなくなるんだ。何だろうコレ。アタシ病気にな
ったのかな」
「ありがとうなヴィータ」
ぎゅっと、ヴィータの細く小さな体を抱きしめるはやて。
「う、うあっ、ちょ、はやて!?」
顔を赤らめはやてから逃れようとした。が、強く抵抗することも出来ず、ただはやてに
抱かれるるままだった。
「ヴィータ、それはな、『好き』ってキモチなんやよ」
「好き?」
「そうや。ヴィータはウチのことをむっちゃ好いてくれてるんやなぁ。ホンマおおきに」
「はやて……」
抱き合い互いに見詰め合う二人。その距離は極めて近く。
「そうか、このキモチが好きってことなんだ」
騎士として生まれ、長い時を経て初めて得た感情。
「アタシははやてのことが好きなんだ!」
「なんや改めて口に出されると恥ずかしいなぁ」
「はやて大好き!」
自分と同じキモチを持ってくれている嬉しさに、ヴィータははやてを飛びつくように抱
きしめた。
「ウチもやよ。ヴィータ」
そう囁くと、はやてはヴィータの柔らかい頬に軽く口付けをした。
「は、はやて!?」
ヴィータははやての行動に驚き目を丸くする。
「あの二人はもっとすごいことしてるんやから、こんなん序の口やでヴィータ」
そう言うとはやてはヴィータの唇をそっと優しく奪った。
「!!??」
はやてのキスにただされるがままの赤いヴィータ。蠱惑的な笑みを浮かべたはやては一
言。
「ホンマにヴィータは可愛らしいなぁ」
翌朝、いつもどおりベッドに横たわっているはやてとヴィータ。しかし、二人の手はし
っかりと握り合っていたのだった。
それから十年後。
「ウチもたまにはヴィータに甘えてみようかな」
「うわっ! はやてくすぐったいって」
はやての私室にて、ベッドに横たわりじゃれ合う二人。
「はやて、大好きだ!」
「うちもやよ、ヴィータ」
作後贅言
さてさて、いつものようなぶっ壊れのギャグとは全然違うラブいものを書いてみました。
うん。はやヴィもいいよね。
「ホンマヴィータは可愛らしいなぁ」
の台詞の後の五行の改行。そこには描かれなかった二人の触れ合いがあったことだろうと
思います。というかあります(笑 でも、そこ書いちゃうと、ホラ、アレですし。いわゆ
る一つの年齢制限(笑
舞-Himeの命も「好きっていいことだな」って言ってますけど、ホントそう思いますねぇ。
うん、この二人には是非ともなのフェイ並にハイパーイチャイチャしてほしいです。
あ、はやヴィ好きでStrikerSのSound Stage4を未聴の方は是非とも聴いてみてください。
はやヴィの素晴らしさに絶っっっ対悶えますから(笑
それでは、また。
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