今月の特集はストラトパーツに関する小ネタです。管理人の執筆です。

<特集No.4 ストラトに関する小ネタ集>



'57年製 '58年製

'63年製 '66年製

54年のストラト登場以来、装着されていたクルーソンペグはノーラインでしたが、56年からCLUSON DELUXEの刻印のある1列ライン(通称シングルライン)に換わります。'63年頃から2列ライン(通称ダブルライン)のものが使われる ようになり、'64年後半には完全に2列ラインのペグに切り替わります。 ヘッドに埋めこまれたペグブッシュにも変遷があり、54年〜57年まではほぼ同じ物が使われておりますが、58年〜61年頃までは先端がより平らになったものになります。これが62年以降になると、63年製と66年製の画像で判るように頭部の形状が尖ったものに換わります。 ペグブッシュに関しては何年頃から切り替わるというハッキリした事実までは分かっておりません。もしかするとかなりの期間混在している可能性もあります。
また、同じシングルラインでも50年代ではストリングポストの切れ目の幅が広く、中心部の窪みはないのですが、60年代以降のものでは切れ目の幅が狭くなり、中央部に窪み(弦の先端を納めるための穴の痕跡)がはっきりと 確認できるようになっています。'66年製は2列ラインですが、画像でも溝が狭くなっているのがはっきり分かると思います。おそらく弦のゲージが細目になったことに対応してるのと、切れ込みが大きいとポスト先端部の肉厚が薄くなり折れ易いというクレームへの対策でもあったのでしょう。 (実際に50年代のクルーソンでポストの先端部が折れているものをいくつか見たことがあります。)
ストリングポストの長さが異なって見えるのはそれぞれ ヘッド厚が違うためです。'66年製は極端に短く見え、'63年製は極端に長く見えますね。(66年製と63年製ではヘッド厚が2mmも違います。)




ブリッジサドルのアップです。左が'57年製、右が'66年製です。左のタイプは文字の刻印が深いタイプで、57年頃から登場します。文字の型を新しくした際に プレスの圧力が変わったのかも知れませんね? '57年製と'66年製ではプレスの曲げ方に違いがあり、↓で判るように'66年製のほうが曲がり方が甘くなっています。




ブリッジサドルを横からみたところです。左が'57年製、右が'66年製です。'57年のものはプレスで折り曲げた折り返し部分がキッチリと平行になっています。 '66年のものは若干曲げ部分がルーズな感じで、平行になっていません。'63年頃からこの右側のように曲げがルーズなものが見られるようになります。 また、サドルを正面(というより指板のナット側)から見たときにサドルの厚みが薄いのが50年代の特徴で、60年代のもののほうが厚みが厚いです。




ブリッジサドルのイモネジです。左の画像は長さを比較したものです。一番下が'57年製のもので、上2つが'66年製 のものです、ギターグラフィック誌Vol.6に「'59年より長さが短くなり、1弦と6弦用は更に短いものが使われるようになった」と記述がありますが、 実際に比較してみると'58年までのイモネジが9.7mmなのに対し、'59年以降のイモネジの長いほうが9.5mm、短いほうが8.0mmでした。 リイシューものは’59以降をcopyしているらしく長いほうが9.5mm、短いほうが8.0mmと59年以降のイモネジと全く同じ長さでした。
右側の画像はイモネジのブリッジプレート接触面のアップです。左側の2本はオリジナルで右側の2本はリイシューです。
ちょっと分かり難いですが、オリジナルは接触面が半球形をしていますが、リイシューは中央部が窪んでいます。




ブリッジカバーの比較です。表側を見ても違いが判らないのですが裏側を見れば一目瞭然ですね。左から'57年製、'66年製、リイシューです。'57年製と'66年製は 横のプレス成形部分にバーナーで熱を加えた跡があります。リイシューものはプレス後に裏にもメッキが掛けられていますね。




トレモロアームの比較です。上から'66年製、'63年製、'57年製、リイシュー。左の画像では長さを比較しています。'57年製と'63年製は同じ長さですが、'66年製は数cm長いです。 右の画像では角度を比較しています。リイシューものは50年代初期のcopyなのでかなり角度が大きいですね。'57年製では緩やかになり、'63年製では殆ど角度が付いていません。 リイシューもののように初期のストラトに見られる角度の大きいアームは57年の前半くらいまで使用され、57年の途中から緩やかなタイプに切り替わるようです。


'57年製 '63年製

'66年製 '6?年製

CRL製3点式スイッチの比較です。まずは表側(CRL1452の刻印がある側)。'50年代のものは基盤の形状が違います。'63年製以降のものは円形ですが、'50年代のものは台形というか オニギリ型をしているのがおわかりでしょうか?この形のSWは'54年から'62年まで使われているようです。それと、大変細かい違いですが、'6?年製は端子の接点側に長方形の穴が空いています。 注)長方形の穴のアップ画像
回転するレバー部分の両端が長く60年代のものには間違いないのでおそらく、60年代後期(67〜69年)のものだと思われます。これは過渡期の仕様で、 '70年からはレバー部の両端が短くなります。


'57年製 '63年製

'66年製 '6?年製

同じくCRL製3点式スイッチの裏側です。基盤の形状の違いは前述の通りですが、その基盤を金属製のベースプレートに止めているハトメの位置の違いに注目してください。 '57年ではかなり上側にハトメがありますが、'63年と'66年ではハトメの位置が下(ピックガード側)に移動し、元の穴がプレートに残っています。'6?年製になると 元の穴が無くなっています。それからSWレバーと共に回転する中央部分の基盤が'63年以降では白いナイロン製に換わっています。これによりSW全体の大きさが小さく なっています。さらに'6?年製(67-69年製)ではその白い部分に接点を固定するための丸穴がいくつも開いており、色んなバリエーションのSWと部品を共通化していることが判ります。 これは'70年代SWにも共通の特長ですね。
ということでストラトのCRL製SWには54年〜62年後半までの50年代タイプ、62年〜66年までの60年代タイプ、67年〜69年までの60年代後期タイプ、70年〜76年までの70年代タイプ。 77年以降の5wayタイプ
以上の5タイプが存在するということですね。




フェンダー純正クロスの比較です。左が'66年製、右が'57年製。右のデザインが60年代半ばまで続き、左側のデザインに切り替わります。右側のクロスには新品当時の包み紙が ついており、「SPECIAL FURNITURE POLISHING CLOTH」と書いてあります。当時の家具用クロスだったんですね!!